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「とりあえず梱包機の説明するな。このボタンを押すと紐が伸びるから、ここに差し込む、と」
洗剤を台の上に置いて実際にやりながら説明してくれるエース君。
こんぽうき?っていうので紐をかけて箱物を持てるようにするみたい。
私はエース君のその動きを一瞬でも見逃すまいと必死。
「最後にちっと煙出るけど気にすんな。で、後はラップだな。物をまとめる時に使う」
「サランラップ?」
ラップというとそれが思いつくんだけど、エース君がレジから取ってきたそれは柄のついた棒だった。
棒のところにラップみたいなのがついてるけどやっぱ違うよね、と思っていたら、
「正解。これ自体はラップなんだよ。こうして巻いて、最後はこう・・・で、切れる」
「おおお・・・!!すごい!」
「ははっ可愛いなーアコ。じゃ、やってみるか」
「え、あ、うん」
かっ可愛いって言われた!
渡されたラップを使って実際に商品をまとめてみる。
くるくる、くるっと。
で、最後にこう・・・・?
「あれ・・・?」
き、切れない・・・!
角度が違うの!?
「ん、切れねェ?」
「ご、ごめんなさい・・・!」
「ここをこう持って、」
「!?」
て!!
手が、
エース君の手が私の手の上に重ねられた。
「ちょっと力入れて捻るんだよ、こう」
ぴ、っと自然に切れるラップ。
「ま、慣れりゃ簡単だから大丈夫だな。そしたらサッカーやってみるか」
ぎゅう、っと握られた手が熱い。
エース君は何事もなかったかのように説明を続けてくれたけど、正直それどころじゃない。
え・・・・エース君皆にこうして教えてるのかな!?
だとしたら女タラシだよね!?
「アコー?」
・・・・カッコ良くなってるし、
背も高いし、優しいし。
これじゃ女の子がほっとかないね。
「アコ」
「ふぁい!?」
「どうしたんだよぼーっとして。大丈夫か?具合悪ィか?」
「や!何でもないです、ちょっと考え事してただけで!ごめんなさいっ」
はっと気づくと目の前に心配そうな顔で私を見つめるエース君。
今は仕事に集中しなきゃだ!
「そっか?無理すんなよ?」
「だ・・・大丈夫です」
「じゃあサッカーやってみるか。俺がレジ打つから、横で袋詰め、頼むな」
「はいっ!」
エース君がさっとレジを開けると、1人目のお客さんが来た。
うわ、来た!女の人!
「いらっしゃいませ・・・っ」
買ったものは洗剤3つとペットフード数種類。
エース君は難なくそれらをぴ、ぴ、と打ち、私に回す。
えええええと、確かこういう時は、
「洗剤とわんちゃんのご飯は袋お分けしますか!?」
「一緒で大丈夫よ」
お客さんがそう答えてくれて、そしたらすかさずエース君が、
「恐れ入ります」
と笑顔で答えてて、私も慌てて
「お、恐れ入ります!」
同じように言って袋に詰めた。
「あなた研修生?頑張ってね」
「有難う御座います!」
袋を渡すとお客さんに笑顔で言われて嬉しくなった。
お客さんを見送ると、
エース君がレジに休止の札を出した。
「すげェなアコ」
「へ!?」
「俺が言ったこと実践してたし、ペットフード、って言わなかったろ?」
「あ、はい。何となくその方がいいかなって」
「そうだ。ペットフードっつーと怒るお客さんも居るから・・・まあ研修生にはあんま言わねェけど」
「そう、なんだ」
「おう。だからアコはすげェよ」
えらいえらい、とエース君が頭を撫でてくれた。
・・・・・ふぐぅ!
+サッカー業務 終+