空と海、そして君
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「それじゃー改めてアコとエースに、」
「乾杯!!」
改めて祝いだ宴だというので、何だか申し訳なく思いながら、ジュースに口をつけた。
エースはといえば、2番隊の人たちに囲まれて嬉しそうにお酒を飲んだり、食べたり。
それでもたまにこちらに視線を向けてくれる。
「エース隊長、嬉しそうね」
「・・・・うん。ミリアには感謝してもしきれないくらい感謝してる。有難う」
「そんな風に言われちゃうと、なけなしの良心が疼くわね」
「え?」
ミリアが苦笑するので、私は訳がわからず首を傾げた。
「最初はね、面白半分だったのよ。アコのことは可愛いと思ってたし、大切にするつもりではあったのだけど」
「面白半分?」
「だって食べることと弟のことにしか興味ないエース隊長が、アコのことになるとムキになっちゃって。
面白かったんだもの」
「・・・・それは、確かに」
納得出来ちゃう、かも。
「だから、ごめんなさいね?」
「それでもミリアには何度も相談乗ってもらったし、助けてくれたし。嬉しかったんだ」
「・・・・・アコ、いい子ッ!」
ぎゅうっ、とミリアに抱きしめられた。
む・・・胸が当たる!
女同士なのにドキドキするんですけど!
「このまま進展なしかと思ったんだがねい」
不意に聞こえた声に、離れる身体。
「マルコさん」
「あら、マルコ隊長悔しいんじゃありません?」
「・・・何でだよい」
「マルコ隊長もアコのこと、」
「俺はガキには興味ねえよい」
・・・・まあ、マルコさんからしたら子供ですよね私は。
「今日は随分と愛らしい格好じゃねえか、アコ」
そしてマルコさんの後ろから現れたのは、
「有難う御座います、イゾウさん。これ、エースが選んでくれたんです」
エースが選んでくれた、大き目の花柄が散りばめられた赤とオレンジカラーのワンピース。
エースが向こうで買ってくれたネックレスはまだ残っていて、服に合ってる。
「・・・へーえ?」
「・・・・なんですかその顔」
「別に何でもねえよ。で、何でエースは向こうから、ちらっちらこっちの方見てんだかねえ」
「あら、イゾウ隊長、それを聞くのは野暮ですわ」
ミリアとイゾウさんが何やらニヤニヤしている。
え、何、何なの?
「今日は朝からあんな感じだろい?」
マルコさんまでニヤニヤ。
「そう、ですけど」
「自分が選んだ服が思ってた以上に似合ってて、照れるから顔は見れないけど
俺達が近寄ってんのが気になるってとこだねい」
・・・・・ぼ、っと顔が熱くなったのがわかった。
「・・・・・あう。あの、でも約束してるので、ちょっと行ってきます」
「あら、アコったら。ご馳走様」
「エースに何かされたら言えよ」
「しっかり面倒見とけよい」
それぞれの言葉を受けて、エースの所へ。
「エース、そろそろ、いいかな」
「ん、ああ」
お酒を飲んでいるせいか、少しだけ顔が赤いエース。
私は右手に手紙を持ち左手でエースと手を繋いだ。
そのまま歩いて、甲板へ。
「・・・・届くかな」
「大丈夫だ・・・絶対、届く」
そして私は夜の海に、手紙を投げた。
あて先は、『家族へ』
お父さん、お母さん、お兄ちゃん。
お元気ですか?
私はモビーディック号でもう1つの家族と
元気に過ごしています。
好きな人と。
大好きな、家族と。
この世界に留まること、すごく悩んだけれど。
それでも後悔のないよう決めることが出来たのは、
お母さんからの手紙と。
笑顔で送り出してくれたこと。
あの時のお父さんの言葉があってこそ、です。
お兄ちゃんは悔しいかな?
寂しいと、思ってくれるかな。
大好きな私の家族。
私は、幸せです。
どうか皆も幸せでありますように。
「アコ」
「ん?」
「愛してる」
「・・・・ん、知ってる」
「・・・・生意気だなァ、おい」
「だって本当のことだもん。私も、愛してるし」
「・・・ああ、知ってる」
2人でそうやって笑って、
もう何度目かのキスをした。
+私は幸せです 終+