空と海、そして君
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『俺は今からお前にひどいことを言うつもりだ』
耳元で囁かれるエースの声。
何を言われるんだろう、という不安と。
何を言われても受け入れる覚悟を決めた。
「・・・・・な、に?」
「よく聞けよ、アコ。俺は、お前が好きだ」
好き、の言葉に心臓が跳ねた。
でもこんな場面になってもその好きがどっちの好きかわからなくて。
「私も好きだよ?」
何気なく返す。
けれどエースは少し怒ったように、
「それはどっちの好きだ?」
と聞いてきた。
・・・・・・聞きたいのは、こっちだよ。
「悪ィが兄貴としての好きならいらねェ。・・・・俺を男して見ろ、アコ」
「えー、す?」
「俺はいつでもアコに触りてェと思ってるし、キスもしてえ。俺の好きは、その好きだ」
「え、」
向かい合う形になった私とエース。
苦しそうなエースの顔に胸が疼く。
「正直に言う。アコを帰す方法なんて考えてねェ。・・・帰したくねェんだ、アコ」
そしてそのまま再び引き寄せられる身体。
近づく、唇。
「あ・・・っ」
重なった、唇。
「・・・・ん、」
「すぐに返事くれとは言わねェ。・・・隣に居るから、ゆっくり考えてくれ」
「・・・・・・・・エース」
それからエースは優しく私の頭にぽん、と手をやって。
「ごめんな」
とだけ言って出て行ってしまった。
「・・・・・は、」
私はといえば身体の力が抜けて、床にへたりこんでしまう。
泣きたいような、笑いたいような。
どうしたらいいかわからない。
私は持ってきたリュックを抱きしめた。
お母さん、どうしよう。
ふと、リュックの底、用意された服の下に紙が見えた。
「・・・・・紙?」
こんなの、あった?
衣類を全部出し、底に敷かれていた紙を取り出す。そこには、
『アコへ』
そう、書かれていた封筒。
これは間違いなくお母さんの字。
ゆっくり丁寧に開けて、中の手紙を取り出す。
シンプルな白いレターに書かれた懐かしい母の文字。
そこには、
アコへ。
あなたがこれを読んでいるということは、エース君の居る世界に居るということでしょうか。
エース君がトリップして来てから、何となくこういうこともあるんじゃないかと用意しておいたものは
無駄にならなかったみたいね。
さすがあなたのお母さんでしょう?
エース君には無事に会えた?
白ひげさんの船に居るのかしら。
もしそうなら、ご迷惑をかけないようにね。
そして、アコ。
あなたがもし、そこにずっと居ると決めたなら。
私達はあなたの幸せを祈ります。
エース君と一緒なら心配はしていません。
ただ忘れないでいて欲しいのは、
何処に居てもあなたは私達の可愛い娘ということ。
言いたいことも教えたいこともまだまだ
あったけど、今はただ、アコの
笑顔が1秒でも長く続くようにと願います。
エース君と仲良く、幸せに。
そして、もし白ひげさんに娘にして頂けることになったなら、もう1枚の手紙を白ひげさんに渡してください。
母より
声が聞こえてきそうなほど、気持ちが伝わった。
「・・・・おかーさん」
『そんな簡単に答えが出てたら困るわよ。まあでももしエース君にアンタを連れて行きたいって言われても簡単には許さないけど』
思い出す、言葉がある。
『でもってアコは俺の自慢の娘。何処にいてもな』
「おとーさん、」
涙が溢れた。
次から次に流れ出る涙を止められなくて、
ただただ泣いた。
+奥底の手紙 終+
耳元で囁かれるエースの声。
何を言われるんだろう、という不安と。
何を言われても受け入れる覚悟を決めた。
「・・・・・な、に?」
「よく聞けよ、アコ。俺は、お前が好きだ」
好き、の言葉に心臓が跳ねた。
でもこんな場面になってもその好きがどっちの好きかわからなくて。
「私も好きだよ?」
何気なく返す。
けれどエースは少し怒ったように、
「それはどっちの好きだ?」
と聞いてきた。
・・・・・・聞きたいのは、こっちだよ。
「悪ィが兄貴としての好きならいらねェ。・・・・俺を男して見ろ、アコ」
「えー、す?」
「俺はいつでもアコに触りてェと思ってるし、キスもしてえ。俺の好きは、その好きだ」
「え、」
向かい合う形になった私とエース。
苦しそうなエースの顔に胸が疼く。
「正直に言う。アコを帰す方法なんて考えてねェ。・・・帰したくねェんだ、アコ」
そしてそのまま再び引き寄せられる身体。
近づく、唇。
「あ・・・っ」
重なった、唇。
「・・・・ん、」
「すぐに返事くれとは言わねェ。・・・隣に居るから、ゆっくり考えてくれ」
「・・・・・・・・エース」
それからエースは優しく私の頭にぽん、と手をやって。
「ごめんな」
とだけ言って出て行ってしまった。
「・・・・・は、」
私はといえば身体の力が抜けて、床にへたりこんでしまう。
泣きたいような、笑いたいような。
どうしたらいいかわからない。
私は持ってきたリュックを抱きしめた。
お母さん、どうしよう。
ふと、リュックの底、用意された服の下に紙が見えた。
「・・・・・紙?」
こんなの、あった?
衣類を全部出し、底に敷かれていた紙を取り出す。そこには、
『アコへ』
そう、書かれていた封筒。
これは間違いなくお母さんの字。
ゆっくり丁寧に開けて、中の手紙を取り出す。
シンプルな白いレターに書かれた懐かしい母の文字。
そこには、
アコへ。
あなたがこれを読んでいるということは、エース君の居る世界に居るということでしょうか。
エース君がトリップして来てから、何となくこういうこともあるんじゃないかと用意しておいたものは
無駄にならなかったみたいね。
さすがあなたのお母さんでしょう?
エース君には無事に会えた?
白ひげさんの船に居るのかしら。
もしそうなら、ご迷惑をかけないようにね。
そして、アコ。
あなたがもし、そこにずっと居ると決めたなら。
私達はあなたの幸せを祈ります。
エース君と一緒なら心配はしていません。
ただ忘れないでいて欲しいのは、
何処に居てもあなたは私達の可愛い娘ということ。
言いたいことも教えたいこともまだまだ
あったけど、今はただ、アコの
笑顔が1秒でも長く続くようにと願います。
エース君と仲良く、幸せに。
そして、もし白ひげさんに娘にして頂けることになったなら、もう1枚の手紙を白ひげさんに渡してください。
母より
声が聞こえてきそうなほど、気持ちが伝わった。
「・・・・おかーさん」
『そんな簡単に答えが出てたら困るわよ。まあでももしエース君にアンタを連れて行きたいって言われても簡単には許さないけど』
思い出す、言葉がある。
『でもってアコは俺の自慢の娘。何処にいてもな』
「おとーさん、」
涙が溢れた。
次から次に流れ出る涙を止められなくて、
ただただ泣いた。
+奥底の手紙 終+