空と海、そして君
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「アコ、泣いたわね?」
ナースの部屋に戻った途端、ミリアにそう言われてぎくりとした。
「・・・・うん」
ここは誤魔化しても仕方ないので素直に答えた。
「ことと次第によってはエース隊長は夕飯抜きね」
「エースは悪くないよ!?ただちょっと、感動する話を聞いて泣いちゃっただけ、で」
ただ不安で泣いたなんて言えない。
「・・・ならいいけど。それで、エース隊長と進展は何かあった?」
いいけど、と言いながらたぶん信じてないんだろうなあと内心苦笑するも、心配してくれるのは嬉しい。
「特になかった、かな」
「なかった?だって正真正銘の2人きりだったんでしょう?」
「そうなんだけど。あ、でも私にとっては嬉しいことはあったよ」
「何々?」
目を輝かせて聞いてくるミリアに何て説明しようか迷う。
「エースの中に私が居ることがわかったっていうか、私の中のエースが増えたっていうか」
「・・・・・どういうこと?」
話をしてくれたのは私に心を開いてくれてるからだよね?
笑ってくれたのは私を信じてくれたから、だよね。
そう思ったから。
でもそれを言葉にするのは難しくて。
「んー・・・・たくさん色んな話が出来て嬉しかったってこと!あ、ストライカーの話も覚えてくれててね?
今度乗せてくれるって」
「あら、良かったじゃない。・・・というか、そこまで話は進んでるのに何も進展がなかったのが不思議ね」
そこまで言ってミリアが心底不思議そうに首を捻った時、ノック音がした。
そしてすぐに、
「アコ居るか?」
エースの声。
ドアを開ければエースが居て、
「アコ、腹減った」
その言葉に私はぴんときて、頷いた。
「わかった、じゃあ一緒に食堂行こう?サッチさんに材料もらえないか聞いてみて、何か作るね」
「肉な!」
「わかってるってば。ミリア、私エースにご飯作ってあげに行ってくるね?」
ミリアにそう一言伝えると、ミリアはぽかん、と口を開けて。
「・・・・夫婦?・・・あ、いえ、行ってらっしゃい」
何か今おかしな単語が聞こえた気がしたけどスルーで。
エースの為にお肉もらえるといいな、と思いながら私はエースと手を繋いで食堂へ向かった。
「あれ、そういえばサッチさん居るかな。町に出てたりしない?」
「居ない方が好都合だろ?」
「・・・・何で?」
「好きなだけ肉が使える」
「それはマズイでしょ・・・・」
サッチさんが居なかったらどうやってエースを宥めようと思ってたけど、サッチさんは食堂で何かを真剣に見つめていた。
後ろからひょこっと覗いてみると、真剣に見ていたのはレシピだった。
「お、アコちゃん・・・とエースか」
「あの、サッチさんにお願いがあって。余ってる材料とかあったらもらえませんか?」
「サッチ、肉くれ」
「何だよ腹減ったのか?何か作ってやるよ」
「いえあの、私がエースにご飯を作るっていう約束なんです」
好意で言って頂いたサッチさんには申し訳ないと思いながらそう返したら、サッチさんがものすごく驚いた。
「・・・・え、アコちゃんが作るの?」
「そうなんです、それで出来ればお肉使わせてもらえればと思って」
「いいだろ?サッチ」
「そりゃ構わねえけど・・・俺も食ってみてえなーアコちゃんの料理」
「駄目だ」
大切な材料使わせてくれるならそのくらい、と思ったけど、エースが即答した。
「じゃあ肉は使わせられねえなあ」
「・・・・だってよ、エース」
「・・・・・ちょっとくらいなら、許す」
ちょっとの沈黙の後、小さい声でエースが答えた。
手伝おうか、と言ってくれたサッチさんにお礼を言って、私は調理を始めた。
久し振りだな・・・料理するの。
モビーの調理場は広くて、材料も好きなのを使っていいと言ってくれたので、自由にやることが出来た。
「よし」
作ったものは肉野菜炒め、鶏肉を使った煮物。それから卵焼き。
お盆に乗せて、持って行こうとしたとき、
「美味そうな匂いがするねい」
「マルコさん?」
「出来のいい煮物じゃねえとこの匂いはしないぜ」
「あ、イゾウさんも」
マルコさんとイゾウさんが入り口から入ってきた。
「よおマルコ、イゾウ。アコちゃんが作ったんだぜ」
「へぇ。・・・美味そうだな」
「あ、良かったらどうぞ」
たくさん作ったし、と思って言ったらエースが何故かぶすっとしてた。
「・・・・何で今来るんだよお前ら」
「ケチケチしてんじゃねえよい」
「心の狭い男は嫌われるぜエース」
2人のぶんもテーブルに運んで、皆でご飯。
「やっぱ美味ェなアコの飯は」
「食える味ではあるよい」
「素直に美味いって言えばいいだろ、マルコ。マジで美味ぇよアコちゃん」
「懐かしい味だ。煮物もよく味がしみてる」
エース、マルコさんにサッチさん、イゾウさん。
それぞれの感想を聞いてほっとひと安心。
「あ、あの、相談なんですけど。これ、白ひげさんにも食べてもらったりしたら駄目ですかね?」
「オヤジに?」
「服のお金とかもらっちゃったし、お礼にもならないとは承知してますが、その」
オヤジに変なモン食わせんなよいとかマルコさんに言われたらどうしよう。
そう思っていたけど、
「いいんじゃねえかい」
「え、いいんですか?」
あっさり承諾されて驚いた。
「ちょうど今からオヤジんとこに行く予定がある。来るかい」
「行きます!」
「じゃあ俺も行く!」
マルコさんとエースも一緒に白ひげさんのとこに行くことになって。
笑顔で見送ってくれるサッチさんとイゾウさんに手を振った。
ああ、楽しいなあなんて。
ずっとここに居れたら、なんて。
思った自分が確かに居る。
+皆でご飯、それだけで 終+
ナースの部屋に戻った途端、ミリアにそう言われてぎくりとした。
「・・・・うん」
ここは誤魔化しても仕方ないので素直に答えた。
「ことと次第によってはエース隊長は夕飯抜きね」
「エースは悪くないよ!?ただちょっと、感動する話を聞いて泣いちゃっただけ、で」
ただ不安で泣いたなんて言えない。
「・・・ならいいけど。それで、エース隊長と進展は何かあった?」
いいけど、と言いながらたぶん信じてないんだろうなあと内心苦笑するも、心配してくれるのは嬉しい。
「特になかった、かな」
「なかった?だって正真正銘の2人きりだったんでしょう?」
「そうなんだけど。あ、でも私にとっては嬉しいことはあったよ」
「何々?」
目を輝かせて聞いてくるミリアに何て説明しようか迷う。
「エースの中に私が居ることがわかったっていうか、私の中のエースが増えたっていうか」
「・・・・・どういうこと?」
話をしてくれたのは私に心を開いてくれてるからだよね?
笑ってくれたのは私を信じてくれたから、だよね。
そう思ったから。
でもそれを言葉にするのは難しくて。
「んー・・・・たくさん色んな話が出来て嬉しかったってこと!あ、ストライカーの話も覚えてくれててね?
今度乗せてくれるって」
「あら、良かったじゃない。・・・というか、そこまで話は進んでるのに何も進展がなかったのが不思議ね」
そこまで言ってミリアが心底不思議そうに首を捻った時、ノック音がした。
そしてすぐに、
「アコ居るか?」
エースの声。
ドアを開ければエースが居て、
「アコ、腹減った」
その言葉に私はぴんときて、頷いた。
「わかった、じゃあ一緒に食堂行こう?サッチさんに材料もらえないか聞いてみて、何か作るね」
「肉な!」
「わかってるってば。ミリア、私エースにご飯作ってあげに行ってくるね?」
ミリアにそう一言伝えると、ミリアはぽかん、と口を開けて。
「・・・・夫婦?・・・あ、いえ、行ってらっしゃい」
何か今おかしな単語が聞こえた気がしたけどスルーで。
エースの為にお肉もらえるといいな、と思いながら私はエースと手を繋いで食堂へ向かった。
「あれ、そういえばサッチさん居るかな。町に出てたりしない?」
「居ない方が好都合だろ?」
「・・・・何で?」
「好きなだけ肉が使える」
「それはマズイでしょ・・・・」
サッチさんが居なかったらどうやってエースを宥めようと思ってたけど、サッチさんは食堂で何かを真剣に見つめていた。
後ろからひょこっと覗いてみると、真剣に見ていたのはレシピだった。
「お、アコちゃん・・・とエースか」
「あの、サッチさんにお願いがあって。余ってる材料とかあったらもらえませんか?」
「サッチ、肉くれ」
「何だよ腹減ったのか?何か作ってやるよ」
「いえあの、私がエースにご飯を作るっていう約束なんです」
好意で言って頂いたサッチさんには申し訳ないと思いながらそう返したら、サッチさんがものすごく驚いた。
「・・・・え、アコちゃんが作るの?」
「そうなんです、それで出来ればお肉使わせてもらえればと思って」
「いいだろ?サッチ」
「そりゃ構わねえけど・・・俺も食ってみてえなーアコちゃんの料理」
「駄目だ」
大切な材料使わせてくれるならそのくらい、と思ったけど、エースが即答した。
「じゃあ肉は使わせられねえなあ」
「・・・・だってよ、エース」
「・・・・・ちょっとくらいなら、許す」
ちょっとの沈黙の後、小さい声でエースが答えた。
手伝おうか、と言ってくれたサッチさんにお礼を言って、私は調理を始めた。
久し振りだな・・・料理するの。
モビーの調理場は広くて、材料も好きなのを使っていいと言ってくれたので、自由にやることが出来た。
「よし」
作ったものは肉野菜炒め、鶏肉を使った煮物。それから卵焼き。
お盆に乗せて、持って行こうとしたとき、
「美味そうな匂いがするねい」
「マルコさん?」
「出来のいい煮物じゃねえとこの匂いはしないぜ」
「あ、イゾウさんも」
マルコさんとイゾウさんが入り口から入ってきた。
「よおマルコ、イゾウ。アコちゃんが作ったんだぜ」
「へぇ。・・・美味そうだな」
「あ、良かったらどうぞ」
たくさん作ったし、と思って言ったらエースが何故かぶすっとしてた。
「・・・・何で今来るんだよお前ら」
「ケチケチしてんじゃねえよい」
「心の狭い男は嫌われるぜエース」
2人のぶんもテーブルに運んで、皆でご飯。
「やっぱ美味ェなアコの飯は」
「食える味ではあるよい」
「素直に美味いって言えばいいだろ、マルコ。マジで美味ぇよアコちゃん」
「懐かしい味だ。煮物もよく味がしみてる」
エース、マルコさんにサッチさん、イゾウさん。
それぞれの感想を聞いてほっとひと安心。
「あ、あの、相談なんですけど。これ、白ひげさんにも食べてもらったりしたら駄目ですかね?」
「オヤジに?」
「服のお金とかもらっちゃったし、お礼にもならないとは承知してますが、その」
オヤジに変なモン食わせんなよいとかマルコさんに言われたらどうしよう。
そう思っていたけど、
「いいんじゃねえかい」
「え、いいんですか?」
あっさり承諾されて驚いた。
「ちょうど今からオヤジんとこに行く予定がある。来るかい」
「行きます!」
「じゃあ俺も行く!」
マルコさんとエースも一緒に白ひげさんのとこに行くことになって。
笑顔で見送ってくれるサッチさんとイゾウさんに手を振った。
ああ、楽しいなあなんて。
ずっとここに居れたら、なんて。
思った自分が確かに居る。
+皆でご飯、それだけで 終+