空と海、そして君
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服も買って下着も買って、タオルや歯ブラシ、雑貨類も買い終わったとこで、
エースが腹減った、というので早めの夕飯をとった。
食べ終わる頃にはすっかり暗くなっていて、さて船に戻るのかと思いきや。
「え、今日泊まるの?」
「ああ。・・・オヤジがそうしろってよ」
「白ひげさんが、また何で」
「さァな。金ももらってっから心配すんな」
・・・逆に心配なんですけど。
お買い物のお駄賃+お泊りのお金までもらうとか。
言いながら着いた宿。
こじんまりとしてはいるものの、雰囲気の良さそうなところだった。
「部屋は空いてるか?」
「お2人様ご一緒でよろしければ・・・」
え。
「・・・1つしか空いてねェのか」
「2名様用のお部屋がお1つご用意出来ます」
「そ、そしたら今日は船に戻れば」
「駄目だ」
私のもっともな提案はエースによって即効却下された。
「何で?」
「オヤジに今日は絶対ェ帰って来るんじゃねぇぞ、って言われてんだよ。何でかは知らねェけど」
・・・・・マジですか。
「じゃ、じゃあ他の宿探せばいいんじゃ」
「・・・そうしてェとこだけど、それも駄目なんだ。この町に宿はここしかねえ」
「・・・・私は、いいよ?エースと一緒の部屋で」
「いいのかよ」
「だって今日帰ったら白ひげさんに怒られちゃうでしょ?2人用の部屋ならベッドも2つあるし」
「そりゃそうだけどよ・・・」
エースは何か考えながら、うーんとかでも、とか言っている。
けれど結局、
「じゃあ、その部屋でいい」
ということになった。
「お、結構いい部屋だな」
「だね。わ、ベッドふかふか!窓大きいー!」
白を基調としたその部屋は割りと広くて爽やかな印象。
「何か腹減ったな」
「さっき夕飯食べたばっかりだけど!?」
しかもお皿にして何枚食べたと思ってるんだ。
「あんなんじゃ足りねェよ」
それでも不満そうなエースに、
「何か買ってこようか?」
と声をかければ、
「いや、いい。アコはここにいろ」
そう返ってきた。
「・・・ん、わかった」
なんだかエースの様子が少し変。
何となく大きな窓から町並みを眺めていると、
「アコ」
と、小さい声で名前を呼ばれた。
受け入れて欲しい。
ただの願望だ。
今まで何回か言おうとしたけど、言えなかった。
だからもういっそ言わずにおこうかと思った。
それでもアコなら、今回は、と。
一縷の望みをかけた。
「アコ・・・もし、俺が」
「・・・うん」
「俺が、海賊王の息子だとしたら、どうする?」
アコは少しだけ驚いたように目を見開いて、それから言いにくそうに口を開いた。
紡がれる言葉は否定か、それとも。
「・・・エース、ごめん私」
・・・やっぱり、駄目なのか。
自然と強く拳を握った。
「それ知ってた」
「・・・・・・・・・・・・・・・・は?」
予想外の言葉に我ながら情けない声が出た。
「や、エースが居なくなった後に発売された本に書いてあって」
「・・・俺が怖くねェのか」
笑いながら言うアコに少しだけ泣きそうになる。
けれどアコはやっぱり笑って、
「エースが?怖くないよ?」
「俺は鬼の血を引いてるんだぜ?」
なのに信じることが出来ない自分は最悪だ。
「でもいい鬼かもしれないじゃん」
「・・・はァ?」
「だってホラ、海賊も悪いイメージあるけど悪い人たちばっかじゃないでしょ?
私ルフィも白ひげ海賊団の皆も、エースも好きだもん」
だから、とアコは言う。
「だからいい鬼の血をひいてるかもしれないじゃん?それにどんな血をひいててもエースがエースなら怖くないし!」
「・・・・・何だそれ」
どや、と言わんばかりのアコの笑顔に俺は心の底から笑えた気がした。
+何だそれ 終+
エースが腹減った、というので早めの夕飯をとった。
食べ終わる頃にはすっかり暗くなっていて、さて船に戻るのかと思いきや。
「え、今日泊まるの?」
「ああ。・・・オヤジがそうしろってよ」
「白ひげさんが、また何で」
「さァな。金ももらってっから心配すんな」
・・・逆に心配なんですけど。
お買い物のお駄賃+お泊りのお金までもらうとか。
言いながら着いた宿。
こじんまりとしてはいるものの、雰囲気の良さそうなところだった。
「部屋は空いてるか?」
「お2人様ご一緒でよろしければ・・・」
え。
「・・・1つしか空いてねェのか」
「2名様用のお部屋がお1つご用意出来ます」
「そ、そしたら今日は船に戻れば」
「駄目だ」
私のもっともな提案はエースによって即効却下された。
「何で?」
「オヤジに今日は絶対ェ帰って来るんじゃねぇぞ、って言われてんだよ。何でかは知らねェけど」
・・・・・マジですか。
「じゃ、じゃあ他の宿探せばいいんじゃ」
「・・・そうしてェとこだけど、それも駄目なんだ。この町に宿はここしかねえ」
「・・・・私は、いいよ?エースと一緒の部屋で」
「いいのかよ」
「だって今日帰ったら白ひげさんに怒られちゃうでしょ?2人用の部屋ならベッドも2つあるし」
「そりゃそうだけどよ・・・」
エースは何か考えながら、うーんとかでも、とか言っている。
けれど結局、
「じゃあ、その部屋でいい」
ということになった。
「お、結構いい部屋だな」
「だね。わ、ベッドふかふか!窓大きいー!」
白を基調としたその部屋は割りと広くて爽やかな印象。
「何か腹減ったな」
「さっき夕飯食べたばっかりだけど!?」
しかもお皿にして何枚食べたと思ってるんだ。
「あんなんじゃ足りねェよ」
それでも不満そうなエースに、
「何か買ってこようか?」
と声をかければ、
「いや、いい。アコはここにいろ」
そう返ってきた。
「・・・ん、わかった」
なんだかエースの様子が少し変。
何となく大きな窓から町並みを眺めていると、
「アコ」
と、小さい声で名前を呼ばれた。
受け入れて欲しい。
ただの願望だ。
今まで何回か言おうとしたけど、言えなかった。
だからもういっそ言わずにおこうかと思った。
それでもアコなら、今回は、と。
一縷の望みをかけた。
「アコ・・・もし、俺が」
「・・・うん」
「俺が、海賊王の息子だとしたら、どうする?」
アコは少しだけ驚いたように目を見開いて、それから言いにくそうに口を開いた。
紡がれる言葉は否定か、それとも。
「・・・エース、ごめん私」
・・・やっぱり、駄目なのか。
自然と強く拳を握った。
「それ知ってた」
「・・・・・・・・・・・・・・・・は?」
予想外の言葉に我ながら情けない声が出た。
「や、エースが居なくなった後に発売された本に書いてあって」
「・・・俺が怖くねェのか」
笑いながら言うアコに少しだけ泣きそうになる。
けれどアコはやっぱり笑って、
「エースが?怖くないよ?」
「俺は鬼の血を引いてるんだぜ?」
なのに信じることが出来ない自分は最悪だ。
「でもいい鬼かもしれないじゃん」
「・・・はァ?」
「だってホラ、海賊も悪いイメージあるけど悪い人たちばっかじゃないでしょ?
私ルフィも白ひげ海賊団の皆も、エースも好きだもん」
だから、とアコは言う。
「だからいい鬼の血をひいてるかもしれないじゃん?それにどんな血をひいててもエースがエースなら怖くないし!」
「・・・・・何だそれ」
どや、と言わんばかりのアコの笑顔に俺は心の底から笑えた気がした。
+何だそれ 終+