空と海、そして君
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もうすぐエースが帰ってくる。
それはすごく嬉しい、んだけど。
エースが帰ってきたら、デートのお誘いをする、という約束をミリアとしてしまった私としては複雑だ。
「・・・はぁ」
与えられた仕事を終えて、部屋で1人考える。
ナースの皆は白ひげさんのとこに。
ついさっきまでデートの誘い方を伝授してくれていたんだけども。
『まずエース隊長が帰ってきたら、思いっきり抱きついて笑顔でおかえりなさい、って言うの』
『抱きつ・・・出来るかな』
『あら、まだ序の口よ?それから涙目で見上げて寂しかった、って言ってみてるのもいいわね』
『涙目・・・・』
『他にもあるけど・・・・アコ、既に涙目ね』
『だって無理』
『でも一番の問題はエース隊長なのよね。この方法が通用しなさそう』
『お肉あげるからデートして、っていうのが一番いい気がするわよね』
『そうそう、結局エース隊長にはストレートが一番ね』
という、私には難しい結果となってしまった。
ストレート、ってどんな風に言えばいいの?
・・・・考えただけで恥ずかしいんですけど!
「アコー居るか?」
コンコン、というノック音と共に聞こえた、待ちわびた人の声。
思わずドキッとする。
どどどどどうしよう!
必殺居ないフリ!
・・・や、駄目だ。
エースには会いたいし、そんなこと出来ない。
私は諦めてドアを開けた。
「アコ!」
そこに居たのは元気そうなエースで。
1日と少し会ってなかっただけなのに、すごく久し振りに会ったような気持ちだ。
「エース、おかえりなさい。」
「ただいま、アコ。俺が居ない間何もなかったか?」
「うん、ずっとミリア達と一緒に居たし」
「そっか」
「白ひげさんのとこにはもう行ったの?」
「ああ、今報告に行ってきた。・・・アコ」
不意に名前を呼ばれて、返事をしようとしたら、エースの両腕が背中に回された。
ぎゅう、っと強く抱きしめられる。
安心出来るエースの匂い。
「・・・俺が居ない間に、アコが帰っちまってるんじゃねェかと、思った」
消えてしまいそうなくらい小さく呟いた声に、私は思わず嬉しくなって顔をあげた。
私もエースが家に居て、学校に行かなきゃいけない時に思ったから。
エースも、同じこと思ってくれたんだ。
「エースの居ないとこでいなくなったりしないって」
「わかんねェだろ。アコは危なっかしいし」
「む。どのへんが危なっかしい?」
「すぐ騙されるとこ」
真顔で言い返すエースに思わずむっとした。
「そんな簡単に騙されたりしないし!」
「騙されただろ?前に俺が野菜食ってやるって言った時とか」
「・・・・あれはエースが嘘ついただけじゃん!」
「嘘はついてねェよ。ただで食ってやるなんて一言も言ってねぇだろ」
「うぐ・・・!」
「ほらな?それに観覧車の時もそうだ」
「観覧車?」
ってあの、遊園地に行った時だよね?
「頂上でキスすると奇跡が起きるなんてある訳ねェだろ?」
・・・・思い出した。
『知ってるか?この観覧車に乗って、頂上で男と女がキスすると奇跡が起こるんだってよ』
そう言ってキスしたのに(頬にだけど)
何も起きなかったんだよね。
まあ期待はしてなかったけどさ。
・・・にしても、
「あれ嘘だったの!?」
「なんつって、って言っただろ?」
「それはエースがキスしようとしたことかと!・・・・うぐぅ」
「な、騙されてんだろ?」
悔しいことに反論出来ない。
ていうか思い出したら恥ずかしくなってきた。
顔が熱い。
「・・・・ただの勘違いだし」
「どのみちほっとけねェって。それよりアコ、島着いたら買うモンあんだろ?」
「え、うん」
「俺が案内してやるよ!下見ついでに色々見てきたから」
「え!ほ・・・ほんとに!?」
「ああ」
笑顔で頷くエースに喜びを隠せない。
やった!
「あ、でも私お金持ってない」
「心配すんな。親父が小遣いくれるって」
「ええええ!白ひげさんからお小遣いとか勿体無さ過ぎて使えないんですけど!」
「使えよ。とにかく大丈夫だから。島に着いたら一緒に行こうな!」
「うん、よろしく」
ってさっきから普通に会話してるけど、ずっと抱きしめられたままなのがすごーく気になる。
にしし、と笑うエースの笑顔に顔に集まる熱はさっきよりあがってるし、
もうエースの顔見れない。
自然と俯く顔。
でも、
「・・・・・アコ」
突然降ってきた優しい声に驚いて顔をあげた。
表情も優しくて。
「えー、す?」
エースの顔が近づいてきて、
思わず目を閉じた。
瞬間、
「おーいエース居るかー?航海士がお前に話・・・・わり」
サッチさんの声と、ドアの開く音。
そして次には静かにドアを閉めるサッチさん。
「・・・え、えと、ああああ私ミリアんとこ行ってくる!」
そのままエースの腕から抜けて私も部屋を出た。
心臓が、大変なことになってる。
ドキドキ、なんて可愛いもんじゃない。
・・・・ああ、もう。
デートのお誘いには失敗して逆にエースから誘われるし。
・・・・今のは、キスみたいだった。
「・・・・・どうしよう」
呟いた言葉がエースに聞こえないように、私は早足で前に進んだ。
+失敗したけど成功? 終+
それはすごく嬉しい、んだけど。
エースが帰ってきたら、デートのお誘いをする、という約束をミリアとしてしまった私としては複雑だ。
「・・・はぁ」
与えられた仕事を終えて、部屋で1人考える。
ナースの皆は白ひげさんのとこに。
ついさっきまでデートの誘い方を伝授してくれていたんだけども。
『まずエース隊長が帰ってきたら、思いっきり抱きついて笑顔でおかえりなさい、って言うの』
『抱きつ・・・出来るかな』
『あら、まだ序の口よ?それから涙目で見上げて寂しかった、って言ってみてるのもいいわね』
『涙目・・・・』
『他にもあるけど・・・・アコ、既に涙目ね』
『だって無理』
『でも一番の問題はエース隊長なのよね。この方法が通用しなさそう』
『お肉あげるからデートして、っていうのが一番いい気がするわよね』
『そうそう、結局エース隊長にはストレートが一番ね』
という、私には難しい結果となってしまった。
ストレート、ってどんな風に言えばいいの?
・・・・考えただけで恥ずかしいんですけど!
「アコー居るか?」
コンコン、というノック音と共に聞こえた、待ちわびた人の声。
思わずドキッとする。
どどどどどうしよう!
必殺居ないフリ!
・・・や、駄目だ。
エースには会いたいし、そんなこと出来ない。
私は諦めてドアを開けた。
「アコ!」
そこに居たのは元気そうなエースで。
1日と少し会ってなかっただけなのに、すごく久し振りに会ったような気持ちだ。
「エース、おかえりなさい。」
「ただいま、アコ。俺が居ない間何もなかったか?」
「うん、ずっとミリア達と一緒に居たし」
「そっか」
「白ひげさんのとこにはもう行ったの?」
「ああ、今報告に行ってきた。・・・アコ」
不意に名前を呼ばれて、返事をしようとしたら、エースの両腕が背中に回された。
ぎゅう、っと強く抱きしめられる。
安心出来るエースの匂い。
「・・・俺が居ない間に、アコが帰っちまってるんじゃねェかと、思った」
消えてしまいそうなくらい小さく呟いた声に、私は思わず嬉しくなって顔をあげた。
私もエースが家に居て、学校に行かなきゃいけない時に思ったから。
エースも、同じこと思ってくれたんだ。
「エースの居ないとこでいなくなったりしないって」
「わかんねェだろ。アコは危なっかしいし」
「む。どのへんが危なっかしい?」
「すぐ騙されるとこ」
真顔で言い返すエースに思わずむっとした。
「そんな簡単に騙されたりしないし!」
「騙されただろ?前に俺が野菜食ってやるって言った時とか」
「・・・・あれはエースが嘘ついただけじゃん!」
「嘘はついてねェよ。ただで食ってやるなんて一言も言ってねぇだろ」
「うぐ・・・!」
「ほらな?それに観覧車の時もそうだ」
「観覧車?」
ってあの、遊園地に行った時だよね?
「頂上でキスすると奇跡が起きるなんてある訳ねェだろ?」
・・・・思い出した。
『知ってるか?この観覧車に乗って、頂上で男と女がキスすると奇跡が起こるんだってよ』
そう言ってキスしたのに(頬にだけど)
何も起きなかったんだよね。
まあ期待はしてなかったけどさ。
・・・にしても、
「あれ嘘だったの!?」
「なんつって、って言っただろ?」
「それはエースがキスしようとしたことかと!・・・・うぐぅ」
「な、騙されてんだろ?」
悔しいことに反論出来ない。
ていうか思い出したら恥ずかしくなってきた。
顔が熱い。
「・・・・ただの勘違いだし」
「どのみちほっとけねェって。それよりアコ、島着いたら買うモンあんだろ?」
「え、うん」
「俺が案内してやるよ!下見ついでに色々見てきたから」
「え!ほ・・・ほんとに!?」
「ああ」
笑顔で頷くエースに喜びを隠せない。
やった!
「あ、でも私お金持ってない」
「心配すんな。親父が小遣いくれるって」
「ええええ!白ひげさんからお小遣いとか勿体無さ過ぎて使えないんですけど!」
「使えよ。とにかく大丈夫だから。島に着いたら一緒に行こうな!」
「うん、よろしく」
ってさっきから普通に会話してるけど、ずっと抱きしめられたままなのがすごーく気になる。
にしし、と笑うエースの笑顔に顔に集まる熱はさっきよりあがってるし、
もうエースの顔見れない。
自然と俯く顔。
でも、
「・・・・・アコ」
突然降ってきた優しい声に驚いて顔をあげた。
表情も優しくて。
「えー、す?」
エースの顔が近づいてきて、
思わず目を閉じた。
瞬間、
「おーいエース居るかー?航海士がお前に話・・・・わり」
サッチさんの声と、ドアの開く音。
そして次には静かにドアを閉めるサッチさん。
「・・・え、えと、ああああ私ミリアんとこ行ってくる!」
そのままエースの腕から抜けて私も部屋を出た。
心臓が、大変なことになってる。
ドキドキ、なんて可愛いもんじゃない。
・・・・ああ、もう。
デートのお誘いには失敗して逆にエースから誘われるし。
・・・・今のは、キスみたいだった。
「・・・・・どうしよう」
呟いた言葉がエースに聞こえないように、私は早足で前に進んだ。
+失敗したけど成功? 終+