空と海、そして君
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エースが仕事に行ってしまった今、私も仕事を行うことにする。
ミリアに頼んで私にも仕事を与えてもらったから。
簡単な書類整理と、判子押し。
机に向かって早速取り掛かる。
ただの居候で居る訳にはいかないから。
「これと、これをまとめて・・・・」
うん、大丈夫。
これなら私にも出来る。
コンコン、と突然控えめなノック音。
「はいー?」
「お、その声はアコちゃんだな?俺、サッチだけど」
「あ、サッチさん。今朝は朝食美味しかったです!珈琲も」
ドア越しに会話する。
「そりゃ良かった・・・っていうか、開けてくんね?」
「あー・・・ごめんなさい、白ひげさんとナースさん以外はドア開けないって約束してて」
「はぁ!?」
・・・まあ、それが普通の反応でしょうね。
「あの、誰かに御用事でした?」
「いや、エースの奴、様子が変だったから来てみたんだけど」
「エースなら今は部屋で仕事中ですよ。マルコさんに怒られて」
「なるほどなぁ・・・じゃあエースが戻ってくるまでってことか」
「そうなんです、ごめんなさい」
「サッチさん特製プリンあげるから開けて?」
さ・・・サッチさんの特製プリンだと!?
食べたい、ものすごく食べたい。
で・・・ですがっ!
「ご・・・っごめんなさい!」
「・・・駄目か。ま、しゃーねえな」
「すみません・・・」
「いーってことよ。じゃあ俺は戻るわ」
心の中でサッチさんにお詫びしつつ、私は仕事に戻ることにする。
ああ、でもプリン・・・・!
書類整理も終えて、今度は判子押し。
これはわかりやすくて好きかも。
角度を綺麗に押すのが難しいとこだけど。
すると再び、
コンコン、と今度は強めのノック音。
「・・・はーい?」
「俺だ。エースはいるかい」
誰だ。
っても語尾でわかるんだけどね。
「マルコさんですか?エースなら自分の部屋で仕事してると思いますけど」
ガチャ、とドアノブを回す音がした。
「・・・何で鍵閉めてんだい」
「エースが戻ってくるまでは白ひげさんとナースさん達以外入れちゃいけない約束なんです」
「・・・馬鹿か」
「すみませんって」
あまりにごもっともな意見に苦笑する。
ドア越しのマルコさんの顔が見てみたい。
きっと呆れた顔してるんだろうなあ。
「・・・エースについてのいい情報持ってんだが、聞きたくねえかい?」
「な!」
さっきのプリンといい、何て魅力的な!
まるで毒りんごを持ったおばあさんのようだ。
でも私は負けない!
「え・・・エースとの約束守ります、から!」
そう答えるとドアの向こうから微かに舌打ちが聞こえた。
「ま、大人しく仕事してんならいいことだい」
言って、マルコさんはそのまま行ってしまったようだ。
・・・エース、早く帰ってこないかな。
判子を押すこと数十分。
うとうとしかけた頃、
コンコン、と3度目のノック音。
「アコ、俺だ」
聞かなくてもわかる、エースの声。
私はすぐさま鍵を開けた。
ドアを開けるとエースの満面の笑み。
「アコ悪ぃ、待たせた」
「お疲れ様。何か白雪姫の気分だった」
「姫?」
白雪姫が何かわからないらしいエースは、怪訝な顔で首を傾げる。
でもそれからすぐに、ああ、と言って笑った。
そして、す、っと片足を折り、跪く形に。
私の右手を取り、手の甲に唇を当てた。
「エー、ス」
それはまるでエースが私の家に来た時にしてくれたみたいに。
「待たせたな、姫?」
上目遣いに私を見て、にや、と笑った。
体中の熱が顔に集まったみたいに、顔が熱くなる。
「・・・上半身裸の王子様なんていないもん」
精一杯の強がりも、
「顔真っ赤にして言う台詞じゃねェぜ、アコ」
エースの前では無意味だったようだ。
+毒りんごは食べない 終+
ミリアに頼んで私にも仕事を与えてもらったから。
簡単な書類整理と、判子押し。
机に向かって早速取り掛かる。
ただの居候で居る訳にはいかないから。
「これと、これをまとめて・・・・」
うん、大丈夫。
これなら私にも出来る。
コンコン、と突然控えめなノック音。
「はいー?」
「お、その声はアコちゃんだな?俺、サッチだけど」
「あ、サッチさん。今朝は朝食美味しかったです!珈琲も」
ドア越しに会話する。
「そりゃ良かった・・・っていうか、開けてくんね?」
「あー・・・ごめんなさい、白ひげさんとナースさん以外はドア開けないって約束してて」
「はぁ!?」
・・・まあ、それが普通の反応でしょうね。
「あの、誰かに御用事でした?」
「いや、エースの奴、様子が変だったから来てみたんだけど」
「エースなら今は部屋で仕事中ですよ。マルコさんに怒られて」
「なるほどなぁ・・・じゃあエースが戻ってくるまでってことか」
「そうなんです、ごめんなさい」
「サッチさん特製プリンあげるから開けて?」
さ・・・サッチさんの特製プリンだと!?
食べたい、ものすごく食べたい。
で・・・ですがっ!
「ご・・・っごめんなさい!」
「・・・駄目か。ま、しゃーねえな」
「すみません・・・」
「いーってことよ。じゃあ俺は戻るわ」
心の中でサッチさんにお詫びしつつ、私は仕事に戻ることにする。
ああ、でもプリン・・・・!
書類整理も終えて、今度は判子押し。
これはわかりやすくて好きかも。
角度を綺麗に押すのが難しいとこだけど。
すると再び、
コンコン、と今度は強めのノック音。
「・・・はーい?」
「俺だ。エースはいるかい」
誰だ。
っても語尾でわかるんだけどね。
「マルコさんですか?エースなら自分の部屋で仕事してると思いますけど」
ガチャ、とドアノブを回す音がした。
「・・・何で鍵閉めてんだい」
「エースが戻ってくるまでは白ひげさんとナースさん達以外入れちゃいけない約束なんです」
「・・・馬鹿か」
「すみませんって」
あまりにごもっともな意見に苦笑する。
ドア越しのマルコさんの顔が見てみたい。
きっと呆れた顔してるんだろうなあ。
「・・・エースについてのいい情報持ってんだが、聞きたくねえかい?」
「な!」
さっきのプリンといい、何て魅力的な!
まるで毒りんごを持ったおばあさんのようだ。
でも私は負けない!
「え・・・エースとの約束守ります、から!」
そう答えるとドアの向こうから微かに舌打ちが聞こえた。
「ま、大人しく仕事してんならいいことだい」
言って、マルコさんはそのまま行ってしまったようだ。
・・・エース、早く帰ってこないかな。
判子を押すこと数十分。
うとうとしかけた頃、
コンコン、と3度目のノック音。
「アコ、俺だ」
聞かなくてもわかる、エースの声。
私はすぐさま鍵を開けた。
ドアを開けるとエースの満面の笑み。
「アコ悪ぃ、待たせた」
「お疲れ様。何か白雪姫の気分だった」
「姫?」
白雪姫が何かわからないらしいエースは、怪訝な顔で首を傾げる。
でもそれからすぐに、ああ、と言って笑った。
そして、す、っと片足を折り、跪く形に。
私の右手を取り、手の甲に唇を当てた。
「エー、ス」
それはまるでエースが私の家に来た時にしてくれたみたいに。
「待たせたな、姫?」
上目遣いに私を見て、にや、と笑った。
体中の熱が顔に集まったみたいに、顔が熱くなる。
「・・・上半身裸の王子様なんていないもん」
精一杯の強がりも、
「顔真っ赤にして言う台詞じゃねェぜ、アコ」
エースの前では無意味だったようだ。
+毒りんごは食べない 終+