もう1つの家族
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いつものコト。
マルコの背中にパイナップルの絵を描いて貼ろうとしただけだ。
そんなのよくあることで、
それがバレてマルコに追いかけられるのも、
周りのヤツらがそれを見て笑ってるのも。
いつも通りのはずだった。
たまたま勢い余って海に落ちて、
そんでも必ず誰かが回収してくれるもんだ。
だけど俺は、気がついたら一人だった。
海でもない。熱い。
そこは風呂場のようで、
ドアを開けたら女が驚いた顔で立っていた。
「・・・アンタ誰だ?新入りのナースか?」
「あらやだ。ここは私の家なんだけど」
「・・・は?」
よく見るとそこはモビーではなくて、
まして女もナースではなさそうだった。
「エース、君?そうよねえ?やだ!きゃー!」
海賊ってことで悲鳴をあげられるのは慣れているが、何か違う。
どっちかっつーと嬉しそう、な。
「うちのコがファンなのよ!ねね、逆トリップしてきたの?嬉しいわあ、
お話聞かせてちょうだい!」
「・・・はぁ?」
それから俺は部屋に案内され、茶と菓子を出されて、話をした。
わかったことは俺は異世界に来てしまったようだ、ということ。
にわかにゃ信じがたいが、信じるしかない。
女の娘の話も聞いた。
娘が俺のことを好きで、よく聞いていた、と。
そして帰れる方法が見つかるまでここに居ていいと言ってくれた。
「ここがアコの部屋」
「アコ・・・・」
俺を好きな、女の名前、か。
そのうち父親も帰ってきて、俺のコトを女は説明した。
「アコが帰ってきたら喜ぶと思うのよ、ね、お父さん」
「ああ、あの腕が伸びる漫画に出てくる」
腕が伸びるっつーのはルフィのことだな。
漫画、漫画ねえ。
「アコが帰ってくるまで読んでる?」
そう言って渡されたのはやたら目がデカイ女の絵が描かれている本。
「少女マンガなんだけど、アコが好きなやつなのよ」
「・・・ふーん」
俺を好きな女が、好きな、漫画。
途中まで読み進めていくと、
食事の支度をしている母親が俺を呼んだ。
そこでわかったのは、こちらでは能力が使えないということ。
そして漫画を読み進めて行くと、
ある場面が目に止まった。
男が、女の前で跪いて、手に口付ける。
・・・・こんなの実際にやる男なんざいねーだろ。
そう思っていると、娘が帰ってきたらしい。
アコ。
アコは俺を見て驚いて、戸惑って。
俺を好き、という割にはべたべたして来ないでいたので楽だった。
風呂に入る、というアコに軽い気持ちで一緒に入るか?
と聞いたら顔を真っ赤にしたアコが居て、
可愛いと、思った。
断られたらどっか適当なとこで適当に生活すればいい、そう思っていたけど。
出来るならここに居たいと思った。
こんな俺でもいいのなら。
アコの喜ぶ顔が見たくて、
自然と出ていた手。
跪いて口付けて、
やっぱり茹蛸のように真っ赤になって、
言葉少なに俺を認めてくれた
アコを、愛しいと思った。
本当は着たくなかった服を着たのも、
アコが似合うと言ったから。
それが何故かはわからない。
でも今はそれでいいんだ。
きっと。
+それでいいのだ 終+
マルコの背中にパイナップルの絵を描いて貼ろうとしただけだ。
そんなのよくあることで、
それがバレてマルコに追いかけられるのも、
周りのヤツらがそれを見て笑ってるのも。
いつも通りのはずだった。
たまたま勢い余って海に落ちて、
そんでも必ず誰かが回収してくれるもんだ。
だけど俺は、気がついたら一人だった。
海でもない。熱い。
そこは風呂場のようで、
ドアを開けたら女が驚いた顔で立っていた。
「・・・アンタ誰だ?新入りのナースか?」
「あらやだ。ここは私の家なんだけど」
「・・・は?」
よく見るとそこはモビーではなくて、
まして女もナースではなさそうだった。
「エース、君?そうよねえ?やだ!きゃー!」
海賊ってことで悲鳴をあげられるのは慣れているが、何か違う。
どっちかっつーと嬉しそう、な。
「うちのコがファンなのよ!ねね、逆トリップしてきたの?嬉しいわあ、
お話聞かせてちょうだい!」
「・・・はぁ?」
それから俺は部屋に案内され、茶と菓子を出されて、話をした。
わかったことは俺は異世界に来てしまったようだ、ということ。
にわかにゃ信じがたいが、信じるしかない。
女の娘の話も聞いた。
娘が俺のことを好きで、よく聞いていた、と。
そして帰れる方法が見つかるまでここに居ていいと言ってくれた。
「ここがアコの部屋」
「アコ・・・・」
俺を好きな、女の名前、か。
そのうち父親も帰ってきて、俺のコトを女は説明した。
「アコが帰ってきたら喜ぶと思うのよ、ね、お父さん」
「ああ、あの腕が伸びる漫画に出てくる」
腕が伸びるっつーのはルフィのことだな。
漫画、漫画ねえ。
「アコが帰ってくるまで読んでる?」
そう言って渡されたのはやたら目がデカイ女の絵が描かれている本。
「少女マンガなんだけど、アコが好きなやつなのよ」
「・・・ふーん」
俺を好きな女が、好きな、漫画。
途中まで読み進めていくと、
食事の支度をしている母親が俺を呼んだ。
そこでわかったのは、こちらでは能力が使えないということ。
そして漫画を読み進めて行くと、
ある場面が目に止まった。
男が、女の前で跪いて、手に口付ける。
・・・・こんなの実際にやる男なんざいねーだろ。
そう思っていると、娘が帰ってきたらしい。
アコ。
アコは俺を見て驚いて、戸惑って。
俺を好き、という割にはべたべたして来ないでいたので楽だった。
風呂に入る、というアコに軽い気持ちで一緒に入るか?
と聞いたら顔を真っ赤にしたアコが居て、
可愛いと、思った。
断られたらどっか適当なとこで適当に生活すればいい、そう思っていたけど。
出来るならここに居たいと思った。
こんな俺でもいいのなら。
アコの喜ぶ顔が見たくて、
自然と出ていた手。
跪いて口付けて、
やっぱり茹蛸のように真っ赤になって、
言葉少なに俺を認めてくれた
アコを、愛しいと思った。
本当は着たくなかった服を着たのも、
アコが似合うと言ったから。
それが何故かはわからない。
でも今はそれでいいんだ。
きっと。
+それでいいのだ 終+