空と海、そして君
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「それじゃ、エースの恩人を歓迎して!乾杯ッ!」
掛け声と共に、おおおお!とたくさんの声が響いた。
「・・・・何か、申し訳ない」
「気にすることねェって。ただ騒ぎてえだけだし。ほらよ」
私はエースが持ってきてくれた飲み物を受け取りながら苦笑した。
「あ、ありがと。・・・・これってお酒じゃないよね?」
「いや、サッチに頼んで酒じゃねェの作ってもらった。つーかまだ飲めねェのかよ」
「飲めないよ。未成年だもん。あ、おいし」
中身はオレンジジュースで、これなら私にも飲める。
「ん、そしたら後でサッチんとこ行くぞ。先に他の奴らに紹介するから」
「何か緊張する!」
「大丈夫だって。知ってるのも居るかもしんねーけど一応聞いとけよ?」
「はーい」
言いながら歩くエースについていく。
何人かのグループが出来ていて、丸になって座ってる。
「そこで銃の手入れしてんのが16番隊隊長のイゾウ」
エースの声に反応して、和服美人のイゾウさんが振り向いた。
「・・・ああ、よろしくな」
「あ、よろしくお願いしますッ」
に、とあがった唇が色っぽい。
「んでそこの帽子かぶってんのが5番隊の隊長ビスタで、隣が3番隊長のジョズな」
ビスタさんは帽子をとってくれて、ジョズさんは手をあげてくれた。
「お世話になりますッ」
「あとそこのドレッドヘアが7番隊長のラクヨウ」
「あ!ラクヨウさんって海で溺れた私を助けてくれた人ですよね?あの時は有難う御座いました」
「ん、ああそうだったか。まあ気にすんな。よろしくな」
それからフォッサさんにアトモスさん、クリエルさんナミュールさんハルタ君ととにかくたくさんの人を紹介された。
さすがの私も知らない人いっぱいなんですけど。
「ま、少しずつ覚えてきゃいいからよ。知ってるのも少しは居ただろ?」
「ジョズさんとビスタさんはフィギュア持ってるよ」
「・・・そういやマルコのも持ってたもんな」
ん、何かエースが急に不機嫌になった。
フィギュア持ってるのはまずかったのか。
「白ひげさんのもあるけどね。ルフィのも」
「・・・・そーいやそうだったな」
何かを考え始めたらしいエースはそれっきり黙ってしまう。
え、私どうしたらいいの?
とりあえずそんなエースを見ながらオレンジジュースに口をつけると、
「女の子ほったらかしにしたら駄目だろ?エース」
妙に明るい声が聞こえて、
声の方を見ると昼間に見た包帯男さん(失礼)が居た。
「・・・・忘れてた、これサッチな」
「忘れんな!しかも何だその紹介の仕方。アコちゃんって言ったっけ?俺は4番隊長のサッチ。よろしくな?」
「あ、はい。こちらこそ。あの、ジュース有難う御座いました」
「どーいたしまして!可愛いなあアコちゃん。エースやめて俺にしない?・・・っ痛ぇ!」
最後の悲鳴は、エースに殴られたからだ。
・・・・サッチさん怪我人なのに可哀想、と思いながら同時に面白い人だなあと思ってしまった。
「男の嫉妬は醜いぜ、エース君」
「うるせ」
「・・・・何か良くわかんないけど、サッチさんの作る料理楽しみにしてます」
「おう!明日の朝飯にはサッチさん特製料理たくさん食わせてあげるってもんよ」
「やった!有難う御座います!」
サッチさんの料理!
楽しみ!
「ちなみにアコは野菜が苦手だからな」
「え、そうなの?」
「あ、はい」
「大丈夫!野菜嫌いでも食べれる料理作ってあげるって」
しし、と自信満々に笑うサッチさん。
なんていい人・・・・!
「すごいです!楽しみですー!」
「任せろ!」
「・・・・・・サッチ、俺は肉な」
言いながらサッチさんを睨みつけるエース。
「・・・2人って仲悪いの?」
思わず尋ねてしまった。
おっかしいな、私の知る感じではそんな仲悪い感じじゃなかったんだけどなー。
するとエースはバツが悪そうな顔で、
「そういうんじゃねェよ」
とだけ言った。
変なの。
サッチさんは楽しそうに笑ってる。
仲が悪い訳じゃないのか。
「そんじゃ、俺は厨房に居るから、何かあったらいつでもおいでな、アコちゃん」
「あ、はい。有難うございました!」
にこにこと手を振るサッチさんにお辞儀をして見送って、手に持っていたジュースを飲み干した。
「ね、エース」
「ん?」
さっきの会話の中で気になったことがあって、私はそれを聞こうかやめようか迷っていた。
でも私の口は自然とその言葉を声に出していて。
「さっきサッチさんが言ってた男の嫉妬は、ってどういう意味?」
エースは私の質問に目を丸くして驚いた後、一気に顔を赤くした。
「・・・・それは、だな。その」
そんなことある訳ない。
そう思うのに何処かで期待してしまう自分が居る。
エースは私から目線をそらし、口ごもる。
・・・・今はまだ困らせたくない。
そう思ってたはずなのに。
ねえ、エース。
ごめん。
もう止まんないかも。
+とりあえず突っ走れ 終+