空と海、そして君
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エースが死んだとわかってから、
私はずっと泣いてた。
それでも時間がたつごとに思うようになったのは、
エースの死には意味があったんじゃないかということ。
物語においても、
エースにとっても。
悲しいけど、
悔しいし苦しいけど。
それでもそう思うことで私は悲しさを乗り越えようとした。
・・・・・・けれど、もし。
もしも私があの世界に行くことで、
エースを助けることが出来たら。
たぶんきっと、物語は大きく変わるんだろう。
「確実にエースを助けられるかもわかんない。またこの世界に帰ってこれるかもわかんない。
もし助けることが出来たって世界がどう変わるかも、わかんない」
「わかんないばっかりね。・・・それに、強くなければ助けることも出来ないのよ。アコはまだ幼すぎる」
「でも何もわからない子供じゃない。今まで生きて、わかったことだってあるよ」
「それを踏まえて行くって言うのね?」
「行く。エースに会いたい。助けたい。でも出来ればお母さんには笑顔で送り出して欲しい」
「学校や遊びに行くのとは訳が違うのよ」
「だからこそだよ。・・・我が侭なのはわかってるけど」
もう二度と会えなくなるかもしれないからこそ、笑顔で見送って欲しい。
それはきっと私の力になるから。
「・・・・もう!仕方ない子ね、ちょっとだけ待ってて」
「え、おかーさん?」
私としては青い光が消えないうちに行きたくて、ハラハラしているんだけど。
けれどすぐに戻ってきた母。
手には小さいリュック。
「持って行きなさい。何かの時に役に立つかもしれないから」
「おかーさん・・・・」
「それから、戻ってこれるようなら戻ってきて欲しいわね。・・・もしエース君に会えたらよろしくね」
ふ、と笑ってくれた母。
嬉しくて泣きそうになるのを堪えて、
私は頷いた。
リュックを背負って、
「行ってきます!」
「行ってらっしゃい!うまくやるのよアコ!」
私は母の笑顔を瞼の裏にしっかりと焼き付けて、深く息を吸った。
そして、まだ青く光っているバスタブにゆっくりと飛び込んだ。
冷たい水の中に潜って、目を開く。
ていうか思い切り服着たまんま来ちゃったんだけど、水着に着替えたほうが良かったのかな。
ふと上を見上げると水面が見えた。
あそこは何処に繋がっているんだろう。
私は水面を目指して手と足を動かした。
やばい、早くしないと息がもたない。
「・・・・っはあ!」
顔だけ出した瞬間に口の中に広がるしょっぱい味。
間違いない、ここは海だ。
「女だ!」
「え?」
いきなり聞こえた声に驚いて、思わず上を見上げた。
目の前には大きい壁。
何処にも人なんて・・・・いや、待てよ。
何で海の真ん中に壁がある訳?
「おい、女が居るぞ!」
声はもっと上から聞こえる。
ぐぐ、と顔をあげるとそこにはたくさんの人の顔が見えた。
・・・・これ船だ。
かなり大きいんですけど!
ってことはもしかしてこの船、
「アコ?」
私の名前を呼ぶ声にはっとして声の主を探す。
そこに、居たのは。
「エー、ス」
黒髪のくせっ毛に、そばかす。
あ、私が作ってあげたペンダントしてくれてる。
そしていつものテンガロンハットを被って。
確かにそこに居た、
「エース!・・・ってうぇ!?」
頑張って浮いていたけど、急に足が攣った。
痛みに私は浮かんでいられなくて、海の中に沈んでしまう。
やばい、息、もたない。
ばっしゃん、と派手な水音が聞こえて、誰かの怒鳴り声が聞こえた。
「エース!馬鹿お前!」
それからもう一回水の音がして、
私の身体は誰かに支えられた。
浮いていく私の身体、そして誰かに抱きかかえられたまま高いところへと連れて行かれた。
「げほっ、けほ、」
「おい、あんた大丈夫か?」
「あ・・・有難うござい、ます」
私を助けてくれた人に礼を言って、周りを見渡した。
うわ、男の人ばっか。
突然肩をがし、と捕まれた。
「アコ?ほんとに、アコなのか!?」
目の前には何故か濡れたエース。
「エース・・・ひ、久し振り?」
どんな反応をしていいかわからなくて、
とりあえず笑ってみた。
すると突然、
「アコっ!!」
ぎゅう、と勢い良く、そして強く抱きしめられる。
ああ、この匂い。
エースの匂い。
安心する。
私は、来たんだ。
この人の居る世界へ。
+我がままを聞いて、どうか 終+
私はずっと泣いてた。
それでも時間がたつごとに思うようになったのは、
エースの死には意味があったんじゃないかということ。
物語においても、
エースにとっても。
悲しいけど、
悔しいし苦しいけど。
それでもそう思うことで私は悲しさを乗り越えようとした。
・・・・・・けれど、もし。
もしも私があの世界に行くことで、
エースを助けることが出来たら。
たぶんきっと、物語は大きく変わるんだろう。
「確実にエースを助けられるかもわかんない。またこの世界に帰ってこれるかもわかんない。
もし助けることが出来たって世界がどう変わるかも、わかんない」
「わかんないばっかりね。・・・それに、強くなければ助けることも出来ないのよ。アコはまだ幼すぎる」
「でも何もわからない子供じゃない。今まで生きて、わかったことだってあるよ」
「それを踏まえて行くって言うのね?」
「行く。エースに会いたい。助けたい。でも出来ればお母さんには笑顔で送り出して欲しい」
「学校や遊びに行くのとは訳が違うのよ」
「だからこそだよ。・・・我が侭なのはわかってるけど」
もう二度と会えなくなるかもしれないからこそ、笑顔で見送って欲しい。
それはきっと私の力になるから。
「・・・・もう!仕方ない子ね、ちょっとだけ待ってて」
「え、おかーさん?」
私としては青い光が消えないうちに行きたくて、ハラハラしているんだけど。
けれどすぐに戻ってきた母。
手には小さいリュック。
「持って行きなさい。何かの時に役に立つかもしれないから」
「おかーさん・・・・」
「それから、戻ってこれるようなら戻ってきて欲しいわね。・・・もしエース君に会えたらよろしくね」
ふ、と笑ってくれた母。
嬉しくて泣きそうになるのを堪えて、
私は頷いた。
リュックを背負って、
「行ってきます!」
「行ってらっしゃい!うまくやるのよアコ!」
私は母の笑顔を瞼の裏にしっかりと焼き付けて、深く息を吸った。
そして、まだ青く光っているバスタブにゆっくりと飛び込んだ。
冷たい水の中に潜って、目を開く。
ていうか思い切り服着たまんま来ちゃったんだけど、水着に着替えたほうが良かったのかな。
ふと上を見上げると水面が見えた。
あそこは何処に繋がっているんだろう。
私は水面を目指して手と足を動かした。
やばい、早くしないと息がもたない。
「・・・・っはあ!」
顔だけ出した瞬間に口の中に広がるしょっぱい味。
間違いない、ここは海だ。
「女だ!」
「え?」
いきなり聞こえた声に驚いて、思わず上を見上げた。
目の前には大きい壁。
何処にも人なんて・・・・いや、待てよ。
何で海の真ん中に壁がある訳?
「おい、女が居るぞ!」
声はもっと上から聞こえる。
ぐぐ、と顔をあげるとそこにはたくさんの人の顔が見えた。
・・・・これ船だ。
かなり大きいんですけど!
ってことはもしかしてこの船、
「アコ?」
私の名前を呼ぶ声にはっとして声の主を探す。
そこに、居たのは。
「エー、ス」
黒髪のくせっ毛に、そばかす。
あ、私が作ってあげたペンダントしてくれてる。
そしていつものテンガロンハットを被って。
確かにそこに居た、
「エース!・・・ってうぇ!?」
頑張って浮いていたけど、急に足が攣った。
痛みに私は浮かんでいられなくて、海の中に沈んでしまう。
やばい、息、もたない。
ばっしゃん、と派手な水音が聞こえて、誰かの怒鳴り声が聞こえた。
「エース!馬鹿お前!」
それからもう一回水の音がして、
私の身体は誰かに支えられた。
浮いていく私の身体、そして誰かに抱きかかえられたまま高いところへと連れて行かれた。
「げほっ、けほ、」
「おい、あんた大丈夫か?」
「あ・・・有難うござい、ます」
私を助けてくれた人に礼を言って、周りを見渡した。
うわ、男の人ばっか。
突然肩をがし、と捕まれた。
「アコ?ほんとに、アコなのか!?」
目の前には何故か濡れたエース。
「エース・・・ひ、久し振り?」
どんな反応をしていいかわからなくて、
とりあえず笑ってみた。
すると突然、
「アコっ!!」
ぎゅう、と勢い良く、そして強く抱きしめられる。
ああ、この匂い。
エースの匂い。
安心する。
私は、来たんだ。
この人の居る世界へ。
+我がままを聞いて、どうか 終+