宣戦布告!
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「あんま見せつけんのも駄目だったみたいだぜ」
「え、そうなの?」
エースと報酬のテーマパークにて念願のデート。
あとからお友達から聞いたらしいエースが、
あの時のコンテストの裏側を少し教えてくれた。
結構皆派手にやってたけど、それも駄目だったみたい。
「まあ審査員の中には1人の奴も居たしな。俺達くらいが程良かったみたいだぜ?」
「・・・・そっかぁ」
実際付き合ってなかったのが功を奏したのかなあ。
と一瞬思ったけど、付き合ってても派手なことはしないよね、エースなら。と思い直した。
「・・・・ところでさエース。ホントに良かったの?私と、で」
「アコとじゃなきゃ優勝出来なかっただろ?」
「コンテストじゃなくて・・・・ここ」
「あァ、むしろアコじゃなきゃな」
「そう・・・・なの?」
「話したいこともあるし・・・いいだろ?」
嬉しいけど、話したいこと、が気になった。
「・・・・話したいことって、何?」
「んー・・・・・後で話す」
「今は!?」
「今はこっちな」
「え」
こっちな、とエースが言いながら私の手を取って繋いだ。
「結構激しく動くけど平気か?」
「え・・・エースが居れば平気」
「よっしゃ、よく言った!したら次はあれな」
「おっけい!」
はしゃぐエースは楽しそうで、可愛くて。
・・・・・好き、だなあと思う。
それと同時に思い出す、唇の感触。
・・・エースは何とも思ってないんだろうか、あの時のキス。
それとも話しってそのこと?
・・・好きな人と両想いになれたからあれはノーカンにしてくれ、とか。
それでこのデートを最後にもう私とは会わない、みたいな。
・・・・・・・それならそれで。
違うかもしれないし。
今はただこの時間を、楽しもう。
「飯少ねェ」
「高いのにね」
「何か食うか?他んとこで」
「さっきんとこでチキン売ってた」
「よし行くぞ」
「がってん!!」
お昼にカレー食べたのにチキンも食べてデザートにアイスも食べた。
「ねえねえお城の前で写真撮ろうよ、2人で」
「・・・撮ってやるよ」
「やだ。エースも一緒に」
ふと思いついて提案すればエースは拒否。
「・・・・・・・・仕方ねェな」
それでも懇願すれば頭をがしがしと掻きながらお城を背中に私と並んだ。
そして自分のスマホを取り出し、
私の肩に手を回し引き寄せて、
器用にぱしゃり。
「え、早っ・・・・・写真見せて!?てか頂戴!?」
「はははっ、アコ変な顔」
「嘘やだっそれ取り消して!撮りなおして!?」
「却下。消さねェし撮りなおしもしねェよ」
「可愛くない私なんか保存しないでー!!」
「可愛くないとは言ってねェ」
「え・・・・・・・・・・・・でも変な顔なんでしょ・・・・?」
変な顔だけど可愛くないことはない・・・・?
「アコの変な顔は可愛いって褒めてんだよ」
「それ褒めてる!?」
エースは楽しそうに笑って、
「次、アコの希望聞いてやるよ」
また私の手を取った。
・・・・これって周りから見たら絶対カップルだよね。
このまま本当のカップルになりたいなあ。
「・・・・じゃあ、あれ」
あれ、と指さした場所を見てエースが固まった。
「・・・・・駄目?」
「・・・・駄目、っつーか。恥ずかしくねェのかよ」
見るからに嫌そうな顔。
まあ無理強いはしないけど。
「いいよ、他のとこにしよっか」
「・・・・行くぞ」
「え、いいの?」
「ん」
まさかまさかのエースとメリーゴーラウンド。
「・・・・これでいいだろ?」
さすがに馬は恥ずかしいと、馬車の中。
私も自分で言っておきながら恥ずかしいので頷いた。
音楽が鳴って周りだす馬車。
目の前にエース。
「・・・あははっ、何か変な感じ」
「アコが乗りたいっつーから乗ってんだぞ」
「わかってる、有難う。楽しいよ」
まるで本当の恋人みたいで。
夢のような時間はあっという間。
でもメリーゴーラウンドを降りて、
またエースが手を差し伸べてくれて。
やっぱりここは夢の国だなあと思った。
暗くなって周りもイルミネーションが光り出して、
パレードも楽しんで。
花火も見た。
本当に終わりの時間が近づいてる。
周りもぞろぞろ帰って行く中、ふと思い出した。
「そういえばエース話しがあるとか言ってなかったっけ」
「あァ・・・・・・・」
エースは何かを考えるように一瞬黙って、
「写真、撮ろうぜ」
「写真?何処で?」
「城んとこ」
写真を撮ろうと言い出した。
「・・・お城もライトアップされてるしね」
「おう」
2人でお城の前まで行って、
昼と同じように並んで。
「あ、今回は私のスマホで撮る」
私がスマホでシャッターを、
「好きだ、アコ」
・・・・・シャッターを切る前に、エースがそんな言葉を口にした。
「え・・・・・・・・な、に」
「こればっかはまァ・・・・怒られても仕方ねェな、わかってる」
エースは1人でうんと頷き、
「今まで言えなくて悪かった。でもやっぱ誰にも渡したくねェし、渡さねェ」
私と向き合って。
「幸せにする・・・・だから俺と付き合って、下さい」
ぺこり。
・・・・エースらしいお辞儀。
「わ・・・・・・私の方が先に好き、って言った・・・・・」
「ははっ、わかってるって。だから今まで言えなくてごめんなって」
「・・・・私ずっとエースのこと」
「こんな俺でも・・・付き合ってくれるか?」
「・・・・・・・・・・・・っよろしくお願いします!!っていうか!!」
「ていうか?」
「絶対幸せにする!!」
「ははっ、頼む!」
それから不意に肩を引き寄せられて、
ぱしゃり。
「また撮った!?」
「また変な顔、俺がもらった」
「・・・・・・・・っ私にも!!」
「今度な」
帰り道でエースに聞いてみた。
「・・・コンテストの最後のやつさ、私じゃなかったらどうしてたの?」
「・・・・・ああ、あれな。俺がアコの唇間違える訳ねェだろ?」
「え・・・・・・でも」
「何年狙ってたと思ってんだよ」
「・・・・・・・・・・・・何年?」
「絶対アコが俺を意識するより先」
「私の方が先だと思う!」
「いーや、俺の方が先だ」
「・・・・・・でも、嬉しかった」
「・・・・まあでも、あれも謝ろうとは思ってた」
「え、なんで?」
「嫌だろ普通・・・・あんな形でのキスは、よ」
「どんな形でも嬉しかった」
「・・・・・じゃあ」
「え・・・・・」
ちゅ。
「・・・・・これでも、か?」
「・・・・・・・幸せ」
「幸せにしてやるよ、俺が」
「それさっき私が宣言したのに!」
「んじゃお互いに宣戦布告ってことだな」
「・・・・・うん、ずっと」
側に居て幸せにしてみせるから覚悟しててよ、と。
お互いに。
宣戦布告!!
+そしてまたお互いに 終+