もう1つの家族
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結局あの後エースはそのまま寝てしまい、
でも数時間後には起きてしっかり夕飯を食べていた。
・・・・・・記憶はないようだ。
それから数日が過ぎたけどエースもいつも通りだし。
きっとお肉と勘違いでもしたんだ。
そうに決まってる。
だからあんなの、
あんなの、キスじゃない。
・・・・ふんだ。
「ねえお父さん、こないだエースと何話してたの?」
「ん?こないだ?」
「ほら、私とお母さんが買い物行った時。帰ったら2人とも酔っ払ってたじゃん」
「あーあれなあ」
エースがお風呂に行っていて、母も居ない。
父と2人きりのチャンスに聞いておこうと思った。
「てゆーかそもそも何で昼間っから飲んでたの?」
普段は夜しか飲まないのに。
「嬉しいことがあったんだそうだ」
「誰が?」
「エース君が。だから今日は宴だ!って言うんでな。じゃあ今から飲むか、と」
そのときのことを思い出している父も心なしか嬉しそうだ。
でもエースにとって嬉しいことってなんだろう。
・・・・・・帰る方法がわかった、とかじゃないよね?
そしたら私に言ってくれる、よね?
「嬉しいことって何?」
「よくわからなかったんだがなあ、何やら『俺の時は嫌がらなかったんだ』と言ってたな」
何だそれ。
ますますわかんないんですけど。
「で、何を話してたかだったか」
「え、あ、うん」
「主に酒の話しだな。あとツマミの話し」
「・・・・・はあ?」
へらりと笑う父に拍子抜けした。
「あと弟君の話しか。主人公なんだろ?腕が伸びる、えーとルフィ君」
「そうだけど」
「普通主人公好きにならないか?」
驚いた。
まさか父にそんなこと聞かれるとは思ってなかった。
「ルフィも好きだよ」
「でも一番はエース君なんだろ?」
「そう、だけど。でも私そんなにお父さんの前でエースのこと好きって言ってないよね?」
「今まではな。でも実際エース君が来たからなあ。見てればわかる」
母もそうだけど、親って意外に子供のこと見てるもんなんだなあとしみじみ。
「アコ、エース君は男気があって家族思いのいい子だ」
「・・・・うん」
「でもってアコは俺の自慢の娘。何処にいてもな」
「どしたの急に」
「いや、何となく」
そう言って笑う父は少し寂しそうに見えた。
変なお父さん。
「それよりアコ、あれやらなくていいのか?」
「は!そうだった!部屋でやってくる!」
そう、私にはやらなくてはいけないことがある。
年明けもといエースの誕生日はもうすぐだ。
間に合わせなければ。
私は父にお礼を言って、部屋に戻った。
この間の買い物の時になけなしのお小遣いで買ったソレを完成させるために。
部屋に戻って夢中で作業をしていると、部屋のドアがノックされた。
「アコ、ちょっといーか?」
エースの声だ。
私は机の上出していたモノを引き出しにしまってから、
「どーぞ?」
何事もなかったかのように返事をした。
ガチャ、と丁寧にドアを開けて入ってきたエースはお風呂上りのせいか色っぽくてドキっとした。
「お前さ、俺に隠してることあるだろ」
いきなりかい。
や、あるんだけど。
でも絶対にバレる訳にはいかない。
「別に何も隠してないけどー?」
「言えよ」
「や、だから何も隠してないって」
「・・・嘘つくなよ」
「ついてない」
「言わねェならキスするぞ」
「・・・っ!」
言われた瞬間、あの時の感触が思い出されて、心臓が大きく跳ねた。
「・・・っもうしたくせに」
開き直って私が言うと、エースはきょとんとした。
「は?」
「こないだ昼から飲んでたとき」
「・・・・俺が?」
「他に誰が居るの。覚えてないみたいだったから黙ってようと思ったのに」
あんまり言いたくなかったけど、言うコトにした。
それでもう1つの隠し事は黙っていようという考えだ。
我ながらナイス。
「・・・そ、うか」
エースは少し顔を赤くして、何かを考え込んでいる。
「アコ、初めてだよな?」
「や、そうだけど・・・・って何言わすの!」
「悪ィ、つい。でも・・・謝らねえから」
「え?」
今度は私がきょとんとする番だ。
「キスしたことは謝らねェからな」
にや、とエースが笑う。
「はあああああ!?」
直後、部屋に私の怒声が響いた。
+おとうさん 終+
でも数時間後には起きてしっかり夕飯を食べていた。
・・・・・・記憶はないようだ。
それから数日が過ぎたけどエースもいつも通りだし。
きっとお肉と勘違いでもしたんだ。
そうに決まってる。
だからあんなの、
あんなの、キスじゃない。
・・・・ふんだ。
「ねえお父さん、こないだエースと何話してたの?」
「ん?こないだ?」
「ほら、私とお母さんが買い物行った時。帰ったら2人とも酔っ払ってたじゃん」
「あーあれなあ」
エースがお風呂に行っていて、母も居ない。
父と2人きりのチャンスに聞いておこうと思った。
「てゆーかそもそも何で昼間っから飲んでたの?」
普段は夜しか飲まないのに。
「嬉しいことがあったんだそうだ」
「誰が?」
「エース君が。だから今日は宴だ!って言うんでな。じゃあ今から飲むか、と」
そのときのことを思い出している父も心なしか嬉しそうだ。
でもエースにとって嬉しいことってなんだろう。
・・・・・・帰る方法がわかった、とかじゃないよね?
そしたら私に言ってくれる、よね?
「嬉しいことって何?」
「よくわからなかったんだがなあ、何やら『俺の時は嫌がらなかったんだ』と言ってたな」
何だそれ。
ますますわかんないんですけど。
「で、何を話してたかだったか」
「え、あ、うん」
「主に酒の話しだな。あとツマミの話し」
「・・・・・はあ?」
へらりと笑う父に拍子抜けした。
「あと弟君の話しか。主人公なんだろ?腕が伸びる、えーとルフィ君」
「そうだけど」
「普通主人公好きにならないか?」
驚いた。
まさか父にそんなこと聞かれるとは思ってなかった。
「ルフィも好きだよ」
「でも一番はエース君なんだろ?」
「そう、だけど。でも私そんなにお父さんの前でエースのこと好きって言ってないよね?」
「今まではな。でも実際エース君が来たからなあ。見てればわかる」
母もそうだけど、親って意外に子供のこと見てるもんなんだなあとしみじみ。
「アコ、エース君は男気があって家族思いのいい子だ」
「・・・・うん」
「でもってアコは俺の自慢の娘。何処にいてもな」
「どしたの急に」
「いや、何となく」
そう言って笑う父は少し寂しそうに見えた。
変なお父さん。
「それよりアコ、あれやらなくていいのか?」
「は!そうだった!部屋でやってくる!」
そう、私にはやらなくてはいけないことがある。
年明けもといエースの誕生日はもうすぐだ。
間に合わせなければ。
私は父にお礼を言って、部屋に戻った。
この間の買い物の時になけなしのお小遣いで買ったソレを完成させるために。
部屋に戻って夢中で作業をしていると、部屋のドアがノックされた。
「アコ、ちょっといーか?」
エースの声だ。
私は机の上出していたモノを引き出しにしまってから、
「どーぞ?」
何事もなかったかのように返事をした。
ガチャ、と丁寧にドアを開けて入ってきたエースはお風呂上りのせいか色っぽくてドキっとした。
「お前さ、俺に隠してることあるだろ」
いきなりかい。
や、あるんだけど。
でも絶対にバレる訳にはいかない。
「別に何も隠してないけどー?」
「言えよ」
「や、だから何も隠してないって」
「・・・嘘つくなよ」
「ついてない」
「言わねェならキスするぞ」
「・・・っ!」
言われた瞬間、あの時の感触が思い出されて、心臓が大きく跳ねた。
「・・・っもうしたくせに」
開き直って私が言うと、エースはきょとんとした。
「は?」
「こないだ昼から飲んでたとき」
「・・・・俺が?」
「他に誰が居るの。覚えてないみたいだったから黙ってようと思ったのに」
あんまり言いたくなかったけど、言うコトにした。
それでもう1つの隠し事は黙っていようという考えだ。
我ながらナイス。
「・・・そ、うか」
エースは少し顔を赤くして、何かを考え込んでいる。
「アコ、初めてだよな?」
「や、そうだけど・・・・って何言わすの!」
「悪ィ、つい。でも・・・謝らねえから」
「え?」
今度は私がきょとんとする番だ。
「キスしたことは謝らねェからな」
にや、とエースが笑う。
「はあああああ!?」
直後、部屋に私の怒声が響いた。
+おとうさん 終+