宣戦布告!
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有難う。
神様有難う。
「・・・・幸せ」
「・・・・・こんなとこで言うことか?」
「何なら見せつけてみる?」
「阿呆」
まあエースが呆れ顔でこんなとこ、と言うのも。
阿呆、というのもわからないでもない。
甘んじて受けようじゃないか。
でもね、こちらにも言い分はある。
どんなとこだってエースと2人きりなら私は幸せなのだから!!
そこが例え!!!
薄暗くて、いつ何処から何が出て来るかわからないお化け屋敷だろうとも!!!
見事にエースとのペアを勝ち取った私は!!!
勝者!!
そして真の幸せ者なのだから!!!
「・・・・・転ぶなよ、アコ」
「大丈夫、そんなヘマはしませーん」
正直なことを言えば、
せっかくのお化け屋敷だし、せっかくの暗闇だし、
こわぁーい、とか言ってエースにくっつくチャンスとも思ったんだけど。
エースそういうの嫌がりそうだからやめておく。
今はただ、エースと2人きりの時間が嬉しいから。
「つーか、何も出ねェな」
「だね。でもそろそろ出るんじゃない?」
「怖くねェの?」
「怖くないことはないけど・・・・・」
「けど?」
「どういう系かによる」
「・・・・・意味わかんね」
「つまりー驚かす系か顔で怖がらせる系かってこと」
「いやどっちも一緒だろ」
「一緒じゃないよー例えば、」
例えを言おうとしたところで突然、
真横でしゅっと何かが動いた。
『うぉぉぉぉぉ!!!!』
お墓からゾンビが出て来たようだ。
「・・・・・これが驚かす系。私こういうの駄目」
「・・・・まあ、驚くよな」
「で」
横に夢中になっていた間に、
前に待ち構えていた血まみれの美女。
「こういうのが顔で怖がらせる系」
「・・・・わかったよーなわかんねーような」
「まあこういうのは割と平気」
「・・・・あ、そ」
「てかさ、血まみれの美女見ると泣けてくる」
「何でだよ」
「彼氏さんからの暴力なんじゃないかとか心配で」
「・・・・阿呆」
はい、本日2回目の阿呆頂きました。
「ぴゃ!?」
「どうした!?」
「顔に何か当たった・・・・・」
2回目の阿呆に幸せに浸っていたら、
突然顔を冷たい何かが覆った。
「・・・・こんにゃくだぜ」
「・・・・・・本物のこんにゃくだね」
薄暗い中でよく見てみたらそれはコンニャク。
「結構経費かかってるね」
「こんにゃくなら安いもんだろ?」
「でも今何でも値上がりしてるよー」
「肉の安いスーパー近くに出来ねェかな」
「わかる。最近何処もお安くないよね」
・・・・・・って何の会話してるの私たち。
ロマンの欠片もあったもんじゃない。
・・・・けど。
「つーかどんな悲鳴だよお前、ぴゃって」
「驚いたんだもん。ぴゃって出るでしょ」
「アコって昔から不意打ち突かれると変な声出るよな」
・・・エース、楽しそうだし。
これはこれで、うん。
やっぱり幸せだ。
「皆そうでしょ!?」
「普通の女はきゃーとかだろ」
「普通の女じゃなくて悪うございましたねー」
・・・・・ふん、と言いながら。
・・・・・胸が少し痛んだ。
笑うエースの横顔。
カッコイイ。
「・・・・エース、のぉぉぉぉぉ!?」
いきなり腕を掴まれて変な声が出た、けど。
「落ちつけ」
「・・・・・・・・・へ」
ぐい、っと肩を掴まれた。
これはエースに、だ。
「もう触らせねェよ」
「・・・・・・・・・なっ」
何そのカッコイイの!!!
ずるい!!やばい!!!
「・・・・すき」
「んで、何言おうとしたんだよ?」
私の盛大な告白スルーされた!!!
「・・・・・エースの好きなコって普通の子?」
「全然普通じゃねェ」
「やったっ!!!」
「喜ぶとこか?そこ」
「あ、ろくろ首!!」
「・・・聞けよ」
「首じゃなくて手が伸びたら便利なのにねー」
「おい」
エースのツッコミを聞きながら、
言おうか迷って、
「私だって聞きたいんだよ」
・・・結局口にした。
「なら、」
「聞きたいよ。エースの好きなコ。誰?って」
「・・・・・・・・別に」
「関係ないとか言わないで」
「まだ言ってねェ」
まだってことは言うつもりあったんじゃん。
「もっと細いって言うなら痩せるし、頭がいいとこが好きなら勉強もする。お金持ちがいいなら頑張って稼いで貯金するし」
「・・・・おい、アコ」
「絶対その顔がいいって言うんなら整形してもいい」
言い切った瞬間、
ふわりと何かが私の身体を覆った。
え、何?
「見せつけてやるんだろ?」
「・・・・・・え、今!?」
なう!?
てか待ってちょっと待ってどういうこと!?
今私・・・・エースに抱きしめられてる!?
「今は言わねェけど・・・・いつか言ってやるよ」
「・・・・・・好きなコ?」
「好きな奴にちゃんと好きって言う」
「・・・・・・・・うん。そんでフられてきて」
「ごめんな、アコ」
エースのごめんな、が。
悲しくて。
涙が出たのはお化けのせいにしよう。
お化けさんごめんなさい。
+幸せ? 終+