宣戦布告!
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「・・・・・ねえゾロ。私まだ死にたくない」
「奇遇だな。俺もだ」
「・・・・・じゃあ助けてよ」
「・・・・・よし、こっちだ」
「絶対違うー!!!!」
涙が目に浮かんだ。
これはもう・・・・駄目かもしれない。
私生きて帰れないの?
遊園地の迷路ゲームにゾロと入っただけなのに!!!
そもそも迷路なんかにゾロと入ることが決まった時点でこうなるのは決定事項だった。
だから私はゾロが言うのと反対方向に行こうとしたのに。
ゾロがさくさく先に進んじゃうからこうなっちゃった。
「いや、こっちに進みゃすぐに出口のはずだ」
「・・・・・・・違うじゃん」
ゾロの言う通り進んだのに。
その先にはまた違う道。
「戻るか」
「戻れないよ!!・・・・・ゾロって絶対モテないでしょ」
私置いて1人で先に行っちゃうし。
たまに振り返ってはくれたけど。
奇跡的な方向音痴だし。
「女にモテたいとも思わねェからな」
「・・・・あ、そ」
エースは今頃ルフィとゴールしてるかなあ。
・・・・ちょうど2人ずつ別れられるメンバーだった。
久しぶりに皆で遊園地、と。
来たはいいけど。
メンバーはウソップ、ゾロ、ナミ、ルフィ、エースと私。
そしてこの迷路には入口が3つあった。
だから3チームに分かれてどのチームが先に出口にたどり着けるか勝負、だということになった。
チーム分けは公平にじゃんけん。
私は必死にエースと、と願ったのだけど。
結果はまさかまさかのゾロで。
現在に至る。
はああああ・・・・・・・エースとが良かった。
「おい」
「はい?」
「エースとが良かったって書いてあるぞ」
「そりゃエースとが良かったよ」
「進展ねェんだろ、どうせ」
「・・・・・どうせないですよ」
「お、こっちか?」
「ゾロぉぉぉぉ!!!!」
動かないでお願いだから!!!
あああああもう!!!
ゾロと迷路に入った時点でこうなることはわかっていたのに!!
・・・・まあ最悪、スタッフさんに救出してもらうのを待てば死にはしない。
恥ずかしいけど。
でもゾロは嫌がるだろうなあ。
私も嫌だし。
「・・・・・・・・・・・・あれ?」
・・・・・あれれ?
おかしいぞ。
「・・・・ゾロー?」
ゾロの姿が見えなくなった。
・・・・・・・・・ホントのホントに最悪の状況なんですけどこれ。
「・・・・ゾロさーん」
呼んではみるけど返事はない。
姿もない。ついでに影も。
・・・・・・・・・先に行って更に迷子になったな。
もう知らない。
もうこうなったら私1人で先にゴールしちゃうんだからね!!
って意気込んですたすた歩いてみたけどゴールには着きそうにない。
何で!?
私はそこまで方向音痴じゃなかったはず!!
なのに何故!?
呆然と立ち尽くすしかない私の鞄に入っていたスマホが着信を知らせた。
エースから、だ。
「もしもし!?」
『お前らいつまで遊んでんだよ』
「エースぅぅぅぅ!!!!!」
『・・・うるせェよ。さっさと出て来い』
「ゾロはまだ着いてないのね!?」
『あ?・・・・お前ら一緒だろ?』
ということは当然だとは思うけどゾロもまだ迷ってるわけだ。
「ゾロが先に行っちゃうからはぐれちゃって・・・」
『・・・・阿呆』
「どっどうしようゾロ探した方がいいかな!?」
『ンなことしてたら永久に出て来られねェだろうが。ゾロはいいからアコ1人でさっさとゴールしろよ』
「そう・・・・・したいのはやまやまなんだけどさ」
『・・・・何だよ?』
「何とビックリ、さっきから全然ゴールが見えてこないの」
『・・・・・・・・・・お前な』
「どうしようスタッフさんに助けてもらった方がいいよね!?」
『そこ動くな』
「え」
『下手に動くと探しづれェから』
「・・・・・いやいや迷路だよ!?」
そっちの方がやばくない!?
私の抗議の声も何のその、通話は途切れた。
・・・・嘘ん。
・・・・ここで大人しく待っててエース来るかな。
あり得ないでしょ普通。
だってここ迷路だよ?
・・・・迷路、だけど。
・・・・エースなら。
ドキドキで待つこと数分。
・・・たった数分だったけど、すごく長く感じた。
「また置いて行かれたのかよ、アコ」
馬鹿にしたように笑ってるエースが。
「・・・・・・・・・・うそぉ」
「おら、行くぞ」
それは幻でも何でもなくて、間違いなくエース本人で。
「何でわかったの!?1本道じゃないんだよ!?」
「ゾロの考えそうなことわかるからな」
アッサリと言い切ったエース。
2人ってそんなに仲良かったっけ!?
「・・・・何それちょっと妬く」
ぽつりと呟いたら、こつんと額に軽い痛み。
「馬鹿。ンなこと言ってる場合かよ」
「・・・・エースとなら遭難しても笑ってられるもん」
「俺が飢え死にするから却下な」
「えっそれはやだ」
思わず即答したらエースが笑った。
・・・その姿に胸が締め付けられた。
この人が想ってる女の子がどうして私じゃないんだろう。
・・・エースの好きな子って、誰?
私その子より可愛くなるよ。
頑張る。
頭がいい子がいいなら勉強もする。
・・・・・だから、ねえ。
「・・・・・好き、エース」
「・・・・今更」
「エースの好きなコに負けたくない。ねえ、エース」
「・・・・俺は、お前が」
エースが私と向き合ってくれた。
その、瞬間。
エースのスマホが鳴った。
「・・・・もしもし。・・・・りょーかい」
エースはそれだけ言ってスマホをしまった。
「え、誰?何?」
「ゾロが出て来たってよ」
「・・・・・ゾロに負けた」
というか邪魔された。
「ゾロに負けてんのは俺の方だっての」
「・・・・・・・・・・どゆこと?」
エースが少しだけ悔しそうに呟くから気になって聞いてみたけど。
結局ゴールにたどり着くまで教えてはくれなかった。
+迷って 終+