宣戦布告!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「とりあえず俺とデートしてみてよ」
「・・・・・は?」
「絶対俺のこと好きにしてみせるからさ」
いやあなたそんな、とりあえず生みたいな。
そんなノリでデート誘われたの初めてなんですけど。
「すっごい自信デスネ・・・・」
えーと後輩の、名前何だっけ。
「俺、ステリーね」
・・・・・・後輩なのに偉そう。
ああでもなんだっけ、1回くらい噂に聞いたことがある。
何やら大手会社の社長の息子さんで、次期社長なんだとか。
「とりあえずお断りさせて頂きます。失礼」
何だか面倒なことになりそうなのでお断りしたんだけど、
「俺の誘いを断るとか正気か!?」
いやその反応お前が正気か!?
何このコ断られたことないの今まで。
すごいな。
顔はお世辞にもイケメンとは言えない。
性格はマイナスに近い気がする。
「俺の誘いを断ったら周りにどんな影響があるかわかってるんだろうな!?」
あ、こういうタイプ。
最悪だ。
「って訳なの」
「・・・・・・断ったよな?勿論」
一応エースに相談。
「・・・・断れなかった」
「馬鹿」
「っだからエースに相談してるんじゃん・・・・」
「・・・・・まァそこは褒めてやるよ」
「褒めて。すっごい褒めて」
「わァったよ、すごいすごい」
「・・・・適当」
「うっせ。んなことより行くなよ絶対」
「でもそしたら誰に何されるかわかんないんだよ?」
「上等じゃねェかやってみろよ」
・・・・頼もしいんだけどね。
「喧嘩とかならエースの方が絶対強いと思う」
「当たり前だ」
「でも今回はさ、違うんだよ」
「・・・・何がだよ」
「金だよ」
お金がものを言う事件なのだよ。
「・・・・金か」
こればっかりはエースもさすがに自信がないらしく、珍しく考え込んでしまった。
「あとたぶん権力」
なんせ社長の息子だからね。
「金も権力もねェ」
「・・・・だよねえ」
私も同じくだよ。
手も足も出ない。
「昔っから変なのに目ェつけられるよなアコは」
「すみません・・・・」
苛立ってる様子のエースを見てふと思った。
「ねえ・・・・エースは私が他の男の子とデートしたらどう?」
「は?」
「嫌・・・・だったり、する?」
ドキドキ。
エースは私の質問に不意を突かれたように真顔になって。
「・・・・別に」
短くそう答えた。
「そ・・・・・・・っか」
・・・・・わかっちゃいたけど。
別に、かあ。そっかあ。
「・・・・何だよ」
「・・・デート、してくる」
「な・・・・何言ってんだよ」
「だって私が我慢してデートするだけで皆を守れるならお安い御用だもん」
「じゃあ何で俺に相談したんだよ!?」
エースに行くなって言って欲しかったからだよ。
・・・実際、断れって言われて嬉しかった。
だからちょっと調子に乗っちゃった。
エースはなんだかんだ優しいから、きっと私にその気がないのにデートすることを止めたかっただけなんだ。
・・・・私がその気なら私が誰とデートしようとどうでもいいんだ、きっと。
「話し聞いてくれてありがとね、エース」
「おい、アコ」
「じゃあね」
いつも守ってくれてるんだもん、たまには私だって守るよ、エース。
「おいおいそんな安くてダサい服で俺の隣歩くつもり?」
「・・・・・・何か?」
待ち合わせに5分普通の顔で遅れて来たと思ったら開口一番にこれだよ。
お前何様だ。あ、次期社長サマか。
「仕方ないなあ、俺が見繕って買ってやるよ」
「結構です。とりあえずご飯食べれば満足ですか?」
「・・・ふん、そんな口聞いてられるのも今のうちだぜ?」
「可愛い女がいいなら他当たって下さい」
そして私を解放して下さいお願いだから。
「今すぐ服脱がしたら可愛くなる女は多いって知ってるか?」
知りたくなかった!!
「全裸でだって暴れてやるわ」
「・・・・媚び売れよ、俺だぞ?」
どうやら次期社長サマは不機嫌らしい。
「知るか。あんたこそ絶対好きにさせてみせるとか言ってた癖に何、結局金と権力しかないじゃん」
遅刻はしてくるわ偉そうだわ。
「人に好きになってもらうってのがどんだけ大変かわかればいいのよ」
私がエースに好きになってもらう為にどんなに大変か。
「ダイエットしたりな」
「そうそう」
「メイクの勉強とか」
「そうよ」
「服の好みまで本人に聞いて来るしな」
・・・・・・・・・んん?
この声、
「・・・・エース?」
何故か隣にエースが居て、後輩の・・・・何だっけ、次期社長はエースの足元に居た。
「なん、で」
「っお前ら覚えておけよ!!」
「あ」
何ともお決まりの捨て台詞を吐いて次期社長は逃げて行った。
「あのな。お前がデートの日時言わねェから大変だったんだぜ」
エースはすごく怒ってて。
でもその横顔はすごくカッコ良く見えて。
「でっでも・・・・・」
がし、と頭を掴まれて。
「・・・・馬鹿アコ」
ぽつりと呟いたエースに、
胸が締め付けられた。
+不本意なデート 終+