宣戦布告!
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もう長い付き合いになるからわかる。
エースじゃなくても、わかる。
これは・・・・・!!
「家出してきたの?ルフィ」
「そうだ!」
・・・・やっぱりね。
「今度は何で?」
「エースがすっげェ怒ったから」
それいつものことじゃん。
・・・・とは言わないけど。
ルフィの家出はこれが初めてじゃない。
頻繁じゃないにしろ、何回か家出の経験がある。
「何で怒ったの?」
「・・・・エースのプリン俺が食ったからだ」
「それルフィが悪いよね?」
「でもちゃんと謝ったんだぞ!」
「でも許してくれなかった、と」
「・・・おう」
食べ物の怨みは恐ろしい。
「ルフィお金は?」
「ねェ!!」
「・・・・仕方ない、私が出してあげるからエースにプリン買って一緒に謝ろっか?」
「一緒に謝ってくれんのか!?」
「うん、きっと許してくれるよ」
「エース怖いぞ!」
「大丈夫慣れてるから」
・・・・って言っててちょっと悲しいけど。
でも好きだからなぁ。
「行く・・・って言いたいところなんだけどよ」
「どうかした?」
「・・・・腹減った」
ぐーぎゅるるる。
盛大なルフィのお腹の音に苦笑して、
「まずはうちで腹ごしらえね」
ちょうどいいわ、ついでに色々聞かせてもらおう。
ルフィの為にとっておきのおやつと麦茶を出してあげて、
「ねね、最近家に女の子来た?」
「ナミとロビンが来たぞ!」
「エースが連れてきたりとかは?」
「エースが?エースはアコ以外連れてこねェからなー」
「そうなの!?」
やった嬉しい!!
でもエースの居ない今こそ!!
ルフィから情報ゲットのチャンス!!
「じゃ、じゃあ女の子と出かけたりとか」
「女は面倒だって言って断ってるぞ」
女は面倒。
・・・・・そこに私も入ってるのかな。
いやむしろ私が居るからそういうこと言ってるんだったりしたら。
・・・・・ちょっと辛いかも。
いやでも好きな子・・・いるんだよね?
きっとエースにとって特別なんだろうなぁ。
いいなぁ。
「誰が・・・好きなんだろうね、エースは」
私の深刻な問いにルフィはあっさりと、
「アコだろ?」
・・・・何の疑問もない。真っ直ぐな言葉。
ルフィはわかってないから。
幼馴染への好きと、
恋の、好き。
その違いを。
「・・・・そう、かな」
「女のイチバンは絶対アコだ」
「そっか。ありがとねルフィ」
ルフィは食べながらしっかり教えてくれる。
エースは食べながら寝ちゃうけど。
「しし!!」
「そろそろプリン買いに行く?・・・ってルフィ、口もと食べカス」
仕方ないなぁとティッシュで口元を拭いてあげて、
ゴミ箱に、と振り返った瞬間固まった。
「・・・・・邪魔してるぜ」
「・・・・わお、いらっしゃいエース」
ものすっごい怖い顔のエースが立っていた。
これはかーなり怒ってるとみえる。
「エース!!アコがプリンべんきょーしてくれるってよ!」
「弁償ね。だからさエース、ルフィ許してあげて?」
「・・・・アコはルフィに甘ェんだよ」
「駄目?」
エースは私の問いに答えず、
「帰るぞルフィ」
ルフィに声をかけた。怖い顔のまま。
「・・・・・エースもう怒ってねェのか?」
「いや、帰ったらお仕置きだ」
「・・・・・・アコー」
「あー・・・・・・ルフィ。お金あげるからプリン2つ買って来れる?」
「来れる!」
「いい返事ね、行ってらっしゃい」
助けを求められてとりあえずこの場から逃がしてあげた。
「・・・・・・ったく」
ルフィを見送ってエースがため息を吐いた。
「1人で買い物させるのは心配?お兄ちゃん」
「いろんな意味でな」
「大丈夫、お金は最低限しかあげてないから」
「アコはルフィに甘いよな」
「弟だからね」
イライラを隠そうともしないエース。
怖くはないけど。
「アコの弟じゃねェだろ、俺の弟だ」
「でももしかしたら将来私の弟にもなるかもしれないじゃない?」
「・・・・はァ?」
「ほら、エースと私が結婚すればルフィは私の弟」
「け・・・・・っ」
冗談半分本気半分で言ってみたらエースが顔を真っ赤にして絶句した。
・・・・・また怒らせちゃった?
「・・・・エース?」
「・・・・・・・・・・・・ねェよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・そっか」
ないか。
私とエースとの結婚は、エースとの中にはないかぁ。
・・・・・・・・・・・はぁ。
「・・・何だよ」
「・・・・・・結婚、したかったなぁ」
「すればいいだろ」
「エース以外としないもん」
「・・・・・馬鹿」
「何と言われようとしません」
「明日いい奴に出会っても?」
「あのね、こちとら何年恋してると思ってるの?」
「・・・知らねェよ」
「私だってわかんない」
「お前な・・・・」
呆れ顔のエースにヒートアップする私。
「わかんないくらいずっと好きなの」
言い切った瞬間、
腕を強く引かれて。
「え・・・・っ」
エースの腕の中に閉じ込められた。
「・・・・・・・・・・・プリン代」
・・・・・・・有難うプリン。
ルフィは無事にプリンを2つ買って帰って来れましたとさ。
+家出少年 終+