宣戦布告!
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何が悲しくて惚れた女が自分以外の男と並んでるとこを見なきゃいけねェんだよ。
・・・・しかも自分の働いてる店で。
「おいエース、注文入ったぞ」
「・・・・ん」
注文の確認。
カルピスサワー・・・ときゅうりはアコだな。
酒と焼き鳥はゾロか。
・・・・男の前で酒なんか飲ませるかよ。
ただのカルピスにしてやる。
来るなって言ったのに来やがったし。
・・・・しかもゾロと2人きりでよ。
何考えてんだあいつ。
やっぱりゾロのこと好きなんじゃねェか。
「酒。カルピス」
まず飲み物を持って行った。
アコは置かれた飲み物を見て、
「・・・・おにーさん私頼んだのカルピスサワー」
ちらりと顔色を窺うように見て来た。
文句は言わせねェ。
「注文、カルピスだろ」
強い口調でそう言えば、
「・・・・・・・カルピスでいいです」
渋々頷いた。
・・・・ったく仕方ねェ奴。
「ほら、きゅうり」
おつまみきゅうりをアコの前に置いたら、
今度はきょとん。
「え、何で私が頼んだってわかったの?」
「・・・・アコ好きだろ、こういうの」
「・・・・・好き」
アコが好きそうなものくらいわかる。
・・・・何年一緒に居ると思ってんだ。
「ゾロはこっちな」
ゾロには酒と焼き鳥。
ゾロは酒弱くないし、多少は問題ないだろう。
「おー来た来た。これで飲めんな」
「これ1杯で帰れよ」
「ふっざけんな、もっと飲ませろ」
「帰れ」
「・・・・お金はちゃんと払うよ?」
アコが心配そうに俺に訴えかけて来る。
・・・・その顔に思わず頷いてしまいそうになるが、心を鬼にしねェとな。
「そう言う問題じゃねェ」
「1人じゃないから危なくもないよ?」
「そう言う問題じゃねェって言ってんだろ!?」
これ以上お前らの仲いいとこなんか見たくねェんだよ。
「・・・っ」
・・・・ゾロは黙って酒を口にして、
アコは驚きを隠さない。
「・・・・俺は来るなって言ったよな」
「・・・・・・でも」
「次注文来ても蹴るからな」
嫌われたい訳じゃない。
・・・それでも、こんなことしか言えない俺のことをアコが好きでい続けてくれる訳ねェ。
厨房に戻ってため息が出た。
「何だァ酔っぱらいにでも絡まれたか?」
同僚のサッチが楽しそうに話しかけて来た。
「そんなのいつものことだろ」
「じゃあ何だよ?珍しいじゃねーのため息なんて。具合悪いか?」
「別に」
「つれないねェ、そんなんだから女の1人2人出来ないんだぜエース君」
「1人でいいだろ」
・・・・1人で、いい。
ずっと俺が思って来た女は1人だ。
「若いねェ」
「・・・・皿片してくる」
新しい客も来ないし、今日は暇だ。
様子を見に行こうかと出て、
出て行くゾロを見かけた。
・・・・1人、だな。
アコ1人置いて帰るつもりかよあいつ。
案の定見に行けば泣きそうなアコがぽつんと座っていた。
「何やってんだよ」
声をかければ本当に今にも泣きそうな顔で、
「・・・・エースぅ」
俺の名前を呼ぶ。
「ゾロ、出て行ったぞ」
「・・・帰った」
「はァ?お前置いていかれたのかよ」
「置いて行かれたのよ」
「・・・・ったく」
何やってんだか。
アコも・・・俺も。
「これ食べたら帰るから・・・」
それでもゾロを追いかけずきゅうりを前にしょぼんといているところはアコらしい。
「・・・ちょっと待ってろ」
「え?」
放っておける訳もなく、仕方なく厨房に戻り、
すぐにアコのところへ。
・・・あいつ甘いの好きだったよな。
「・・・・何コレ」
「ウーロン茶とアイス。これ食って1時間くらいなら待てるだろ」
「え、私注文」
してないけど。
驚くアコに有無を言わさず、
「いいから食ってろ。絶対動くなよ」
「・・・・・ハイ」
頷かせた。
「うし」
このまま1人で帰せるかってんだ。
「サッチー今日暇だよな」
「悲しいこと言うなよお前」
「暇だろ?暇だよな」
「何、怪我治りきってないの?」
「帰っていいか?」
「・・・・ホントに具合悪いんなら病院行けよ」
「サンキュ、あと13番の会計俺の給料からひいといてくれるか?」
「13番?ああ、あのカップル?」
「・・・・・マリモと阿呆顔の男女」
「・・・・顔怖いよエース君」
「じゃ、お疲れ」
・・・・カップルに、見えるよな。
・・・・くそ。
私服に着替えて迎えに行けば、
「え。・・・・エース、何で」
まだ落ち込んだ様子のアコが大人しく待っていた。
「暇だから早上がりしたんだよ。・・・帰るぞ」
「・・・・・・・・私の、せい?」
「人の話し聞けよ。暇だからって言っただろ?」
「・・・・うん」
会計しようとしたアコを制して出たら、
「エース、まさか、え、嘘やだごめっ」
「うっせェ、黙れ」
おろおろ。
・・・・そんな顔すんなら最初から来るなってんだよ。
「で、何でゾロに置いていかれたんだよ。喧嘩でもしたのか?」
「・・・・・他んとこで飲み直すって」
「・・・俺のせいか」
考えてみりゃあんな空気でゾロが酒を飲み続ける訳ねェもんな。そうなるか。
・・・俺が、怒鳴ったから。
「ちがっ、私が無理やり連れてきたから!!」
「でもついてきた」
「・・・お酒につられてね」
「そもそもなんでうちに来たんだよ、酒なら他んとこあんだろ」
「はぁ!?他のとこじゃエース居ないじゃん」
行っても意味ないじゃん。
素のアコが何言ってんのと言わんばかりに叫んだ。
・・・・俺に会う為に来たのかよ。
恥ずかしくなって、
額に思い切りデコピン喰らわせてやった。
「ぃ、ったぁ・・・・!!」
思い切り顔を顰めたアコに、
「・・・馬鹿」
口から出る言葉は優しいものじゃない。
「・・・・・・・ごめん」
「今度ゾロにも謝っておけよ」
「うん。そうする」
「で、もう来んな」
「・・・・・・・・・・やっぱり?」
それでも、
「飯食うくらいなら付き合ってやるから」
「・・・・ほんと?」
「・・・嘘じゃねェよ」
「ほんとにほんと?断らない?」
「予定がなけりゃな」
こんな俺の言葉で喜んで、
安易に腕を組んできたアコは、
「っ、おいアコ」
「・・・・酔っちゃった」
「酒飲んでねェだろ」
「・・・・エースのカッコ良さに」
「・・・・・んっと、馬鹿だな」
・・・・・馬鹿で可愛い。
俺の好きな、たった1人の女だ。
+たった1人の 終+
・・・・しかも自分の働いてる店で。
「おいエース、注文入ったぞ」
「・・・・ん」
注文の確認。
カルピスサワー・・・ときゅうりはアコだな。
酒と焼き鳥はゾロか。
・・・・男の前で酒なんか飲ませるかよ。
ただのカルピスにしてやる。
来るなって言ったのに来やがったし。
・・・・しかもゾロと2人きりでよ。
何考えてんだあいつ。
やっぱりゾロのこと好きなんじゃねェか。
「酒。カルピス」
まず飲み物を持って行った。
アコは置かれた飲み物を見て、
「・・・・おにーさん私頼んだのカルピスサワー」
ちらりと顔色を窺うように見て来た。
文句は言わせねェ。
「注文、カルピスだろ」
強い口調でそう言えば、
「・・・・・・・カルピスでいいです」
渋々頷いた。
・・・・ったく仕方ねェ奴。
「ほら、きゅうり」
おつまみきゅうりをアコの前に置いたら、
今度はきょとん。
「え、何で私が頼んだってわかったの?」
「・・・・アコ好きだろ、こういうの」
「・・・・・好き」
アコが好きそうなものくらいわかる。
・・・・何年一緒に居ると思ってんだ。
「ゾロはこっちな」
ゾロには酒と焼き鳥。
ゾロは酒弱くないし、多少は問題ないだろう。
「おー来た来た。これで飲めんな」
「これ1杯で帰れよ」
「ふっざけんな、もっと飲ませろ」
「帰れ」
「・・・・お金はちゃんと払うよ?」
アコが心配そうに俺に訴えかけて来る。
・・・・その顔に思わず頷いてしまいそうになるが、心を鬼にしねェとな。
「そう言う問題じゃねェ」
「1人じゃないから危なくもないよ?」
「そう言う問題じゃねェって言ってんだろ!?」
これ以上お前らの仲いいとこなんか見たくねェんだよ。
「・・・っ」
・・・・ゾロは黙って酒を口にして、
アコは驚きを隠さない。
「・・・・俺は来るなって言ったよな」
「・・・・・・でも」
「次注文来ても蹴るからな」
嫌われたい訳じゃない。
・・・それでも、こんなことしか言えない俺のことをアコが好きでい続けてくれる訳ねェ。
厨房に戻ってため息が出た。
「何だァ酔っぱらいにでも絡まれたか?」
同僚のサッチが楽しそうに話しかけて来た。
「そんなのいつものことだろ」
「じゃあ何だよ?珍しいじゃねーのため息なんて。具合悪いか?」
「別に」
「つれないねェ、そんなんだから女の1人2人出来ないんだぜエース君」
「1人でいいだろ」
・・・・1人で、いい。
ずっと俺が思って来た女は1人だ。
「若いねェ」
「・・・・皿片してくる」
新しい客も来ないし、今日は暇だ。
様子を見に行こうかと出て、
出て行くゾロを見かけた。
・・・・1人、だな。
アコ1人置いて帰るつもりかよあいつ。
案の定見に行けば泣きそうなアコがぽつんと座っていた。
「何やってんだよ」
声をかければ本当に今にも泣きそうな顔で、
「・・・・エースぅ」
俺の名前を呼ぶ。
「ゾロ、出て行ったぞ」
「・・・帰った」
「はァ?お前置いていかれたのかよ」
「置いて行かれたのよ」
「・・・・ったく」
何やってんだか。
アコも・・・俺も。
「これ食べたら帰るから・・・」
それでもゾロを追いかけずきゅうりを前にしょぼんといているところはアコらしい。
「・・・ちょっと待ってろ」
「え?」
放っておける訳もなく、仕方なく厨房に戻り、
すぐにアコのところへ。
・・・あいつ甘いの好きだったよな。
「・・・・何コレ」
「ウーロン茶とアイス。これ食って1時間くらいなら待てるだろ」
「え、私注文」
してないけど。
驚くアコに有無を言わさず、
「いいから食ってろ。絶対動くなよ」
「・・・・・ハイ」
頷かせた。
「うし」
このまま1人で帰せるかってんだ。
「サッチー今日暇だよな」
「悲しいこと言うなよお前」
「暇だろ?暇だよな」
「何、怪我治りきってないの?」
「帰っていいか?」
「・・・・ホントに具合悪いんなら病院行けよ」
「サンキュ、あと13番の会計俺の給料からひいといてくれるか?」
「13番?ああ、あのカップル?」
「・・・・・マリモと阿呆顔の男女」
「・・・・顔怖いよエース君」
「じゃ、お疲れ」
・・・・カップルに、見えるよな。
・・・・くそ。
私服に着替えて迎えに行けば、
「え。・・・・エース、何で」
まだ落ち込んだ様子のアコが大人しく待っていた。
「暇だから早上がりしたんだよ。・・・帰るぞ」
「・・・・・・・・私の、せい?」
「人の話し聞けよ。暇だからって言っただろ?」
「・・・・うん」
会計しようとしたアコを制して出たら、
「エース、まさか、え、嘘やだごめっ」
「うっせェ、黙れ」
おろおろ。
・・・・そんな顔すんなら最初から来るなってんだよ。
「で、何でゾロに置いていかれたんだよ。喧嘩でもしたのか?」
「・・・・・他んとこで飲み直すって」
「・・・俺のせいか」
考えてみりゃあんな空気でゾロが酒を飲み続ける訳ねェもんな。そうなるか。
・・・俺が、怒鳴ったから。
「ちがっ、私が無理やり連れてきたから!!」
「でもついてきた」
「・・・お酒につられてね」
「そもそもなんでうちに来たんだよ、酒なら他んとこあんだろ」
「はぁ!?他のとこじゃエース居ないじゃん」
行っても意味ないじゃん。
素のアコが何言ってんのと言わんばかりに叫んだ。
・・・・俺に会う為に来たのかよ。
恥ずかしくなって、
額に思い切りデコピン喰らわせてやった。
「ぃ、ったぁ・・・・!!」
思い切り顔を顰めたアコに、
「・・・馬鹿」
口から出る言葉は優しいものじゃない。
「・・・・・・・ごめん」
「今度ゾロにも謝っておけよ」
「うん。そうする」
「で、もう来んな」
「・・・・・・・・・・やっぱり?」
それでも、
「飯食うくらいなら付き合ってやるから」
「・・・・ほんと?」
「・・・嘘じゃねェよ」
「ほんとにほんと?断らない?」
「予定がなけりゃな」
こんな俺の言葉で喜んで、
安易に腕を組んできたアコは、
「っ、おいアコ」
「・・・・酔っちゃった」
「酒飲んでねェだろ」
「・・・・エースのカッコ良さに」
「・・・・・んっと、馬鹿だな」
・・・・・馬鹿で可愛い。
俺の好きな、たった1人の女だ。
+たった1人の 終+