宣戦布告!
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「今日の目的はわかっているかねゾロ君」
「酒飲みゃいいんだろ?」
「ちっがぁう!!」
まったくこの子と来たら!!
何の為に夜に待ち合わせしたと思ってるのかな!!
「居酒屋に行くのよ」
「・・・・居酒屋に行って酒飲むなって言いてェのか」
「飲んでもいいけど目的は違います」
「酒を飲む。それ以上のことは興味ねェんだよこっちは」
「だってエースが1人で来るなって言うから」
「・・・・2人ならいいって言ったのか?」
「・・・・・・言ってないけど」
「おい」
「夜道を心配してくれてるんだから、1人じゃなきゃ大丈夫」
たぶん。
「奢りだって聞いたから来たんだぞ俺は」
「奢るよ勿論。働いてるエースを見る為ですもの!」
と、意気込んで。
いざ。
「・・・・・っしゃせー」
2人ですって言って席に通される途中、
バリバリ働いてるエースとすれ違って、
それはそれはすごい目で睨まれた。
「・・・・制服姿カッコいい・・・」
「・・・そいつぁ良かったな。俺は早く酒が飲みてェよ」
ゾロはあくまでお酒しか目がないみたいだけど。
私は制服姿で働くエースが見られただけで幸せだ。
「写真撮りたい・・・」
「追い出されんぞ」
言いながらゾロはさっさとリモコンでお酒とツマミを注文。
「お前は?」
「カルピスサワーとピリ辛もやしきゅうり。あおとは適当に頼んでおいて」
「ん」
注文して数分。
「酒。カルピス」
短くそう言ってだんだん、と大きな音を立てて置かれた飲み物。
不愛想に持ってきてくれたのは、エース。
「・・・・おにーさん私頼んだのカルピスサワー」
ちらっと顔を見ながら言ってみたら、
ぎろりと睨まれた。
「注文、カルピスだろ」
「・・・・・・・カルピスでいいです」
「ほら、きゅうり」
次にエースが私の前におつまみきゅうりを置いた。
「え、何で私が頼んだってわかったの?」
「・・・・アコ好きだろ、こういうの」
「・・・・・好き」
・・・・わかってくれる、エースが。
好き。
「ゾロはこっちな」
「おー来た来た。これで飲めんな」
「これ1杯で帰れよ」
「ふっざけんな、もっと飲ませろ」
「帰れ」
「・・・・お金はちゃんと払うよ?」
「そう言う問題じゃねェ」
「1人じゃないから危なくもないよ?」
「そう言う問題じゃねェって言ってんだろ!?」
「・・・っ」
・・・・・びっくりした。
エースが、怒った。
「・・・・俺は来るなって言ったよな」
「・・・・・・でも」
「次注文来ても蹴るからな」
それだけ言ってエースは出て行った。
・・・・・・・我が儘通して。
エースに嫌われて。
「・・・・酒が不味くなったな」
ゾロに迷惑かけて。
「・・・・ごめんゾロ」
「こうなることはわかってただろ」
「・・・・・・わかってなかった」
ゾロは小さくはぁ、とため息を吐いて。
お酒をぐびり。
「俺は適当に飲み直して帰るぜ」
「え、うそ」
じゃあ私も、と立ち上がったらゾロに制された。
「俺は1人で帰る」
「・・・・ぞろー」
「・・・・怒っちゃいねェよ。俺を信じろ」
「・・・・あい」
じゃあな、とゾロも出て行った。
・・・・・やだ泣きそう。
「何やってんだよ」
「・・・・エースぅ」
「ゾロ、出て行ったぞ」
「・・・帰った」
「はァ?お前置いていかれたのかよ」
「置いて行かれたのよ」
「・・・・ったく」
エースの呆れた顔が胸に刺さる。
・・・・・痛い。
「これ食べたら帰るから・・・」
「・・・ちょっと待ってろ」
「え?」
エースはそう言って立ち去り、
すぐに戻って来た。
「・・・・何コレ」
見たところお茶・・・?らしき飲み物とアイス、だけど。
「ウーロン茶とアイス。これ食って1時間くらいなら待てるだろ」
「え、私注文」
してないけど。
しかも1時間?
「いいから食ってろ。絶対動くなよ」
「・・・・・ハイ」
鋭い眼光に頷いたら、
「うし」
満足そうに頷いて出て行ったエースを見送って、アイスに手をつけた。
「・・・・おいし」
冷たくて甘くて美味しい。
1時間後、エースが私服で戻って来た。
「え。・・・・エース、何で」
「暇だから早上がりしたんだよ。・・・帰るぞ」
「・・・・・・・・私の、せい?」
「人の話し聞けよ。暇だからって言っただろ?」
「・・・・うん」
帰り際会計しようとしたらエースが払わなくていいと言った。
え、それってまさか。
「エース、まさか、え、嘘やだごめっ」
エースが出してくれたってっこと!?
「うっせェ、黙れ」
・・・・何も言えない。
やっぱりエース怒ってるんだ。
帰り道を歩きながらエースが、
「で、何でゾロに置いていかれたんだよ。喧嘩でもしたのか?」
不機嫌そうに聞いてくる。
「・・・・・他んとこで飲み直すって」
「・・・俺のせいか」
「ちがっ、私が無理やり連れてきたから!!」
「でもついてきた」
「・・・お酒につられてね」
「そもそもなんでうちに来たんだよ、酒なら他んとこあんだろ」
「はぁ!?他のとこじゃエース居ないじゃん」
行っても意味ないじゃん。
そう言ったら額に痛み。
「ぃ、ったぁ・・・・!!」
エースからデコピンを喰らったらしい。
地味に痛い!!
「・・・馬鹿」
「・・・・・・・ごめん」
「今度ゾロにも謝っておけよ」
「うん。そうする」
「で、もう来んな」
「・・・・・・・・・・やっぱり?」
やっぱそうなるよね・・・・。
「飯食うくらいなら付き合ってやるから」
「・・・・ほんと?」
「・・・嘘じゃねェよ」
「ほんとにほんと?断らない?」
「予定がなけりゃな」
その言葉が嬉しくて。
そそっと近づいて腕を組んでみた。
「っ、おいアコ」
「・・・・酔っちゃった」
「酒飲んでねェだろ」
「・・・・エースのカッコ良さに」
「・・・・・んっと、馬鹿だな」
言いながらも振り払われることのない腕に。
温かいぬくもり。
・・・・・・好き、なんだよねえ。
+酔わない 終+