宣戦布告!
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「言わなきゃ良かった・・・・・」
『何で』
電話の声は冷たい。
「おねーちゃんもうちょっと妹に優しく出来ませんかね」
『これでも優しくしてるでしょ?何が不満なのよ手繋げて』
「すんごい幸せだった」
『いいじゃない』
「・・・・・良くないよぅ」
あの日、
帰り道。
『・・・・・・手。繋ぎたい』
思わずそう口にしていた私。
エースは何も言わずに手を繋いでくれた。
まさかまさかの予想外で。
私は何も言えなくて。
ただ爆発寸前の心臓を押さえつけて、歩いた。
家に着いたらぱっと離れて。
「明日も美味い飯頼む」
・・・・・って。
次の日もご飯作りに行ったりしたけどエースは普通だった。
『ワガママよあんた』
「だってあれは幻だったの!?夢!?」
『じゃないの?』
「じゃないよ!現実だよ!!・・・・モヤモヤするんだもん」
・・・・・・幸せな時間ではあったけど。
その後が後だったもんだから。
・・・・・・エースの気持ちがわからない。
『じゃあご飯の為に手繋いだとか』
「さっ・・・・・さすがのエースでもそこまでは」
・・・・じゃないと思いたいけど。
『本人に聞くのが1番早いと思うけど?』
「それが出来たら相談してないよお姉ちゃん・・・」
『でも告白はしたんでしょ?』
「したけど」
『じゃあ聞けば?』
「・・・・・乙女心ってもんがあるじゃないか」
『そんなんで進展期待はナシね』
「告白したのに!?」
『甘いわ。告白して終わりじゃないのよ。両想いだってそうなのよ』
「・・・・・お姉さまー」
我が姉ながら的確なアドバイスに涙が出て来る。
わかってるんだけど!!
『せめてエース君の好きな子くらい把握しなさい。まずは敵を知ることよ!』
「はい!!」
頑張りますお姉さま!!
・・・・・・とは決意したものの。
エースの好きな子って。
・・・・エースはその子の手作り料理を食べたんだよね。
この間は聞かなかったけど。
何食べたんだろう。
・・・・作って来たのかな。
それともエースの家に?
ああああもやもやするぅぅ!!
「はい今日の夕飯」
「・・・・・焦げてる」
「・・・・・ごめん」
せっかく意気込んでステーキにしたのに焦げた。
「焦げてても肉は肉だ!いただきます!」
ルフィは肉だってだけで喜んでくれた。
いい子だ・・・・!!
「具合悪ィか?」
「ううん、全然大丈夫!食べれないことはないはずだから食べて!」
「・・・・・ん。まあ食えなくはねェな」
「明日は何食べたい?」
「俺明日夜はいねェんだ!」
ルフィが唐突に言いだした。
「え、そうなの?」
「俺も初耳だぞルフィ」
エースも聞いてなかったらしい。
「サンジの作った飯食いに行くんだ」
「サンジ君のご飯・・・・・・」
・・・・・超有名レストランでバイトしてるサンジ君のご飯。
超美味しいらしい。
食べたことないんだけど。
「サンジの飯美味ェんだ!」
「いいね・・・・いっぱい美味しいの食べておいで」
「おう!」
え、待って。
・・・・・ってことはってことは!!
明日の夜は!!
エースと2人きり・・・・・・!?
「ならアコ明日は来なくていいぜ」
「え」
「俺の分だけならコンビニとかで何とかする」
「でっでも」
「何ならアコもルフィと一緒に行って来いよ」
まさかのエースの提案に、
「やだ」
無意識に口から出てた拒絶の言葉。
「・・・・は?」
エースも怪訝な顔。
・・・・・だって、2人きりになれる機会なのに。
負けたくない。
エースの、好きな女の子に。
「・・・・来るからね、作りに」
「・・・・ま、いいけどよ」
この日の帰り道。
「やっぱ何かあっただろ」
さりげなくエースが私の額にデコピン。
「・・・痛いよエース」
「俺に隠し事なんざ100年早い」
「・・・・何か、っていうか」
・・・・エースのせいだよ。
エースが、手繋いでくれたから。
エースが・・・・好きな子のご飯食べたなんていうから。
「何だよ」
「・・・・・・今」
「今?」
「・・・・・・・・・ダイエットしてるから」
・・・・結局言えない私。
「馬鹿だろ」
「ひっど!!乙女の重大な悩みに対して酷いよエース!!」
「話したくねェんなら別にいい」
「え・・・・っ」
・・・・・・・・今のが咄嗟に出た嘘だってわかった、の?
「・・・明日は飯作らなくていいからな」
「っやだ!!」
「でもうちには来いよ」
「・・・・・・はい?」
「手ぶらでいいから」
「え、どういうこと?」
私の困惑にエースは意味ありげな笑みだけ浮かべた。
・・・・・お姉ちゃん、
やっぱりエースはよくわかりません。
+わかりません 終+