もう1つの家族
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聞きなれた音楽がメールの着信を知らせた。
友人からだ。
『最近付き合い悪いのってやっぱ彼氏出来たから?』
友人のアサミは中学の時からの友達で、高校でも同じように仲良くしてくれてる。
変に気取ったとこがなくて付き合いやすいいい子だ。
・・・・でもさすがにエースのことは言ってない。
『彼氏なんて居ないよ(笑)』
返信、と。
『でもこないだ校門のとこでアコを待ってたイケメンがいたって聞いたけど。アコの好きなワンピのエース似のイケメンだって』
あー・・・やっぱバレてるのか。
どうしよう。
「さっきから何やってんだ?アコ」
隣でテレビを興味深そうに見ていたエースが、今度は私の携帯に興味を持ったようだ。
「メール・・・えーっと、手紙?書いてるんだよ」
「手紙?それを送るのか?」
「や、そうじゃなくて。この機械で送るんだけど」
「へえ、そんなもんで?」
「そうそう、しかもこれ電話も出来るんだよ」
「・・・・それでか?」
疑わしそうにじぃ、っと携帯を見つめるエース。
何か面白い。
「で、アコは誰に手紙送るンだ?」
「友達だよ?」
「・・・・・男か?」
じろ、と軽く睨まれる。
え、何で。
「女の子だけど」
「よし」
よし、て何だ。
何故だが少し満足げなエース。
「エースのコト聞かれたんだけど、どうしよ。何て返したらいいかなー」
「・・・大事な奴なのか?」
「ん?うん、大好きな友達だよ」
「なら、話せよ」
突然真剣な顔をしたエースにドキっとした。
「アコがそいつのこと大事だと思うなら本当のことを話しておいた方がいい」
「・・・そっか。うん、そうだね、有難う」
エースの言葉を受けて、私はそのままを返すことにした。
『彼氏じゃないけど、エースは居るよ』
そう送るとすぐに返事が返ってきた。
『どこに』
『ウチに居る(笑)何か家に帰ったら来てた、今一緒に住んでるんだけど』
『何それ、新手の詐欺なんじゃないの?』
エース・・・詐欺呼ばわりされてるよ。
思わず苦笑い。
『食べっぷりとか肉大好きなとことかルフィへの愛が溢れてるし本物だと思う。何より筋肉ヤバイよ!』
『この筋肉フェチめ!つか何一緒に住んでるってことは親御さんとも会ってる訳?』
『や、そもそも私より先に親と会って仲良くなってた』
『何それ。今度会わせなさい!』
『いいよ(笑)』
今アサミは田舎のおばあさんの家に行ってるらしいから、会えるのは冬休み終わった後かな。
「アサミ・・・友達が今度エースに会いたいって」
「俺にか?別にいいぜ。・・・なるほどな」
私とアサミのメールのやり取り(というか携帯の操作)を見ていたエースはきょとんとした後でにやりと笑った。
「なるほど、って何が?」
「俺のコト紹介したんだろ?彼氏だって」
「は!?ななな何言ってんの!」
「違ェの?」
「違うでしょーが!」
「んじゃ俺のコト嫌いなのか?」
「・・・・っ!」
好き、って言わせたいのはわかってる。
だからこそ・・・・言いたくない!
嫌いとも言いたくない。
好きなのは事実だし!
「え・・・エースはどうなの?私のことどう思ってるの?」
むなしい反撃と知りつつも、私は素直にならなかった。
「さァ・・・どうだと思う?」
しかしエースはその反撃さえするりとかわす。
ニヤ、と笑って曖昧に誤魔化す。
「ええ・・・何それずるい」
「ま、そのうち言ってやるよ」
「もうっ」
その時私はまだ知らない。
エースの気持ちを聞く時がどんな状況になるかなんて。
+そのうちっていつよ 終+