僕ときみと
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「はああ・・・・・・」
「・・・・何回目かわかってるなら褒めてあげるわ」
エマの呆れた声にはっと我に返った。
「私また!?」
「そうよ、またよ。もう20回目」
・・・・20回目かぁ。
さすがに自分でもびっくり。
「もういい加減連絡したら?」
「・・・・でも」
「知ってるんでしょ?エース隊長の電伝虫」
「知ってるけど・・・忙しいかもしれないし」
「忙しかったら出ないだけのことよ」
「返事出来ないまま行かせちゃったんだもんね・・・」
「あら、だからって電伝虫で返事しようなんて駄目よ」
「わかってるよぅ」
私の部屋でエマと2人で夜のお茶会。
1人部屋になったけど、
まだ補充の人も来ないし。
・・・・私がエマに気が済んだら戻って来てくれるようにお願いもしてるし、
先輩方にもなるべく入れないようにって懇願してるのもあると思うけど。
でも1人は寂しいから、って言ってエマに時々泊まりに来てもらってる。
・・・今日も。
お茶会がてらのお泊り会。
「嫌でしょうね、告白の返事待ちながら任務なんて。気が気じゃないわ」
「う・・・・」
「集中力乱れて怪我したりして」
「うぅっ」
「でも死ぬに死ねないわよねえ、返事も聞けてないんだもの」
「・・・・・厳しいなあ」
「エース隊長がお可哀想だもの」
「・・・わかってる、けど」
「私明日の準備で1度部屋に戻るわ」
「え」
「帰って来るまでに何もしてなかったら・・・・わかるわね?アコ」
「えっ嘘エマっ」
私の抗議を聞きもせずエマは振り向くこともなく出て行ってしまった。
・・・・・・あう。
でも、そうだよね。
今までエース隊長にはしてもらってばっかりだった。
守ってもらったり庇ってもらったり、
・・・好き、って。
言ってもらったり。
エース隊長が任務に行かれて2日目。
今度は私からも行動起こさないと!
エース隊長の電伝虫の番号、実は知ってる。
・・・・よし!!
思い切って連絡することにした。
『プルプルプルプル・・・・プルプルプルプル』
・・・・・手が震える。
心臓の音もうるさい。
でも・・・・諦めない。
『ガチャ』
出たぁぁぁ!!!
「あ、あの・・・っ」
『アコ?』
「はいっアコです!!」
2日ぶりのエース隊長の声。
心臓がきゅっとしめつけられる。
『何かあったのか?』
電伝虫の顔が少し心配そう。
「いえあの・・・っというかエース隊長の方が大丈夫ですかお怪我されてませんかっむしろ今お話ししても大丈夫ですか!?」
何だか話したいことがいっぱいすぎて、
頭が真っ白。
ククッ、と笑い声が聞こえた。
『今何してたと思う?』
「え、ええと・・・・お食事中、とか」
『飯食い終わって部屋に居た。・・・アコの声が聞きてェなーって思ってたとこだ』
なんて嬉しいことをさらりと言ってくれるんだろうこの人は。
「ごっご連絡頂ければすぐ出ます!」
『エマとの時間邪魔しちゃ悪ィだろ?』
「エース隊長に限り問題ありません!!」
『へェ・・・そういうこと言われっと期待しちまうな』
「え、あっ」
してください!!って・・・言えたらいいんだけど。
大事な時にどもる癖本当嫌。
『あ、返事は今言うなよ?顔見てェから』
「・・・・はい」
『今日は声聞けただけで十分だ。本当に何もないんだよな?』
「わ・・・私も、エース隊長のお声が聞きたかったんです・・・!」
『・・・なんつーか』
「すすすみません!!忘れて下さい!!」
言ったはいいけど急に恥ずかしくなった。
『忘れねェよ。・・・早く帰りてェ』
「お怪我など・・・・されてませんか?」
『全然。元々そんな危険な任務でもないから心配すんなって』
「・・・1週間て長いですね」
たった2日会えないだけでもう1ヵ月会ってない気分。
『でももう2日は過ぎた。あと5日だ』
「・・・ポジティブですね」
『そう考えた方が楽だろ?』
「はいっ明日になればあと4日ですもんね!」
『そういうことだ。・・・俺に会いたいって言ってくれんの?』
「会いたいです!!」
『ありがとな。何よりの励みだ』
「また連絡してもいいですか!?」
『ああ、待ってる。声聞けて嬉しかったぜ・・・じゃ、おやすみアコ』
「おやすみなさいませ・・・・っ」
静かに電伝虫が目を閉じた。
はぁぁぁ・・・・!!
何今の幸せな時間!!
「・・・・・・っ」
思いっきりドアを開けて、
「エマ!!エマ聞いて今エース隊長がおやすみって言って私の名前呼んでくれたー!!!」
叫んだ。
「・・・・・やあね、私がここに居るってわかってたの?」
「エマなら邪魔しないようにかつ何かあった時来れるように居てくれるって思ってた!!」
「盗み聞きはしてないわよ」
少し気まずさそうなエマだけど私は全然気にしてない。
「むしろ聞いて!声聞けて嬉しかったってー!!」
「・・・告白されてるって忘れてない?」
「・・・忘れてない」
「ならそんなことでいちいち騒がないの!」
「はいすみませんっ」
正論をずばずば言われて頭が上がらない。
「・・・でも、良かったわ」
「・・・エマ」
ふ、とエマの柔らかな笑み。
「エマ大好きぃぃぃぃ!!!」
興奮して抱き着いたら受け止めてくれながらも、
「だからそれはエース隊長に言いなさいっていつも言ってるでしょう!?馬鹿アコ!」
「だってエマも大好きだもんん!!」
2人の大好きな人と両想いだなんて、
私は幸せ。
+両想い 終+