僕ときみと
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
エース隊長に好き、と伝えると決めた日から。
・・・・・全然会えてない。
もしかして避けられてる?って程に。
エマには、
『広い船なんだからそういう時もあるわよ。伝えたいんなら部屋に行きなさい部屋に』
と怒られてしまった。
確かにこんな消極的なことじゃ駄目だよね、と1度だけ意を決してお部屋にお邪魔したけど生憎といらっしゃらず。
・・・・・避けられるのかも。
考えてみればエース隊長は一度向き合ったら逃げない方。
・・・・逃げた私のことを弱いと嫌うのは当然なのかもしれない。
・・・・でも。
もう手遅れでもいい。
好きだって伝える。絶対。
「アコ!大変よ!!」
「エマ?」
突然エマが部屋に入って来た。
「エース隊長が任務で1週間居なくなるそうよ!」
「え・・・・いつから!?」
「明日から!」
「あした、から・・・・」
「アコ・・・・」
「今お部屋行って来る!!」
咄嗟にエマにそう言い残して部屋を出た。
これ以上お待たせするなんて出来ない。
だってもう気持ちは固まってるのに。
あとは伝えるだけなのに!
エース隊長の部屋まで走った。
・・・・部屋の前で軽く深呼吸をして、
コンコン、とゆっくりノックをした。
・・・・・・でも返事はない。
「・・・エース隊長?」
声をかけても反応なし。
・・・・居ないんだ。
・・・・諦めない。
気を取り直して食堂へ行ってみるけど居ない。
他の思い当たるところ、すべてにも。
・・・・・駄目元で、ともう1度エース隊長の部屋に行ってみたけどお留守のようだった。
諦めて部屋に戻ったらエマが居てくれて、
「居た!?」
「・・・駄目だった」
首を横に振った私を心配してくれた。
「そしたら明日の早朝しかないわね・・・」
「・・・・うん」
「諦めちゃ駄目よアコ」
「諦めないよ」
・・・・諦めきれないって、わかったから。
「一応言っておくけど、明日のエース隊長の出発時刻は7時。場所は前に貴方たちが出発した場所よ」
「うん、ありがとエマ」
その夜は色んなことを考えてなかなか寝付けず、
目が覚めたら。
「6時40分・・・・」
・・・・完全に寝坊した。
もうすぐエース隊長が船を発つ。
どのくらいの任務になるかはわからないけど・・・いなくなってしまう。
さーっと顔が青ざめていくのがわかる。
・・・・・せめてお顔見るだけでも!
最低限の身支度は整えて、
私はその場所へと走った。
着いてすぐに、エース隊長と目が合った。
「あ・・・・」
・・・・エース隊長の側には何人かの人が見送りにきてる。
こんな公の場で、
とてもじゃないけど好きですなんて言える訳ない。
・・・・・違う。
場所なんて関係ない。
好きなら好きって言えばいいんだ。
・・・・っでも、私は。
「エース、隊長」
近寄って、声をかけて。
・・・・久しぶりに見た気がするその顔をじっと見つめた。
「見送り、来てくれたんだな」
「どれくらいの任務、でしょうか」
「1週間ってとこだ。すぐ戻る」
「危険な任務・・・ですか?」
ああ何言ってるんだろう私。
言いたいことはこんなことじゃないのに。
「そこまで危険はねェ、大丈夫だ」
「・・・出来れば、怪我しないで下さい」
「あァ」
「でも万が一怪我をされた時は・・・私に治療、させて下さいね」
「ああ、頼む」
穏やかに微笑むエース隊長に、
私は上手く笑えているだろうか。
「・・・・・無事のお帰りと、1秒でも早くお帰りになること・・・祈ってます・・・」
「・・・・アコにこんなことされっと嬉しいけど行きづれェな」
は、と気が付いたらいつの間にかエース隊長の腕を掴んでいた私。
苦笑しながらエース隊長が優しく髪を撫でてくれた。
「すっすみませ・・・っ」
ぱっと手を離したら、今度はエース隊長にその手を掴まれた。
「帰ってきたら今度は逃がさねェからな、アコ」
真っ直ぐな瞳にじっと見つめられた。
・・・私も、見つめ返す。
「はい、私ももう逃げません」
「お、言ったな?・・・・待ってろよ」
「・・・・っはい」
「じゃ、行って来るな」
「お気を付けて・・・・・っ」
行ってらっしゃい。
その言葉を最後にエース隊長はストライカーに乗って、
・・・・あっという間に見えなくなってしまった。
・・・・・・・・・・・言いたかったのは、
こんなことじゃなかったのに。
+言いたいことが 終+