僕ときみと
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「・・・マルコの奴俺達からかったんだな」
「・・・・と思われます」
早速エース隊長にご報告。
安堵のため息と共にこんな言葉が返って来たので私も一安心。
「良かったな、アコ」
「はい、安心しました」
「何つーか、エマらしい考え方だよな」
「そうですね・・・本当はそれも引き留めたいんですけど」
「引き留めたんだろ?」
「・・・・わかりました?」
「だと思った。んで、無理だった」
「・・・・はい」
・・・バレた。
エース隊長は楽しそうにククッ、と笑って、
「頑固だよな、エマも」
「ですねえ・・・・」
側に居て欲しかったんだけど。
でも船に残ってくれるだけで。
「・・・それでその、エース隊長」
「ん?」
・・・・・・・っで・・・デートのお誘いを・・・!!
「・・・・・きょ、今日のご予定は・・・ありますか!?」
言えた!!
「ああ、今日はうちの隊の奴らと行くつもりだ」
「あ・・・そ・・・そうなんですね」
それなら仕方ない。
ナースさんじゃなくて良かった。
「アコもエマと行くんだろ?」
「そ・・・そうなれたらいいなって思ってます」
「楽しんで来いよ!」
「はい、有難う御座います」
・・・・ぎゃふん。
「何かあったらいつでも呼べよ、すぐ行くから」
「・・・・っ有難う御座います!」
でもこのたった一言だけでこんなにもテンション上がっちゃう。
・・・・デートは断られたけど。
エース隊長の笑顔も見られたし、まぁいっか。
「良くないわ」
「・・・・いいかなぁって」
「良くないの。今日が駄目なら次のお誘いを何故しないの!?」
「・・・ごめんなさい」
そこまで余裕なかった・・・・。
部屋に戻って報告した途端エマに怒られて再びがっくりと肩を落とした。
「仕方ないわね」
「・・・・エマ?」
「つけるわよ」
「へ?」
「気になるでしょ?アコも」
「きっききき気になるって・・・・」
「エース隊長が本当は誰と行くのか」
ふふん、とエマが意味ありげに微笑む。
「だっ誰ってだって・・・・2番隊の方々、と」
「本当にそうだと思う?」
「・・・・・・・・だって」
エース隊長がそう言ったから。
「甘いわ。本当が違うって可能性もあるのよ」
「で・・・・でも」
「仮に本当だとしてもどんな場所に行くのか気になるでしょう?」
「・・・・・・・それは、うん」
「ならまずはエース隊長の部屋の前で見張り。行くわよ」
「・・・ホントに行くの?」
「情けない声出さないの!」
「はいっ」
という訳でエース隊長のお部屋の前。
ドキドキしながら数分待ったところでエース隊長が出て来たので、2人でこっそり後をつける。
甲板で3人程の2番隊の方々と合流したエース隊長は、そのまま船を降りた。
・・・良かった、嘘じゃなくて。
「ねえエマ、もうこれだけでいいんじゃない?」
「駄目よ。このまま何処かの女の所に行ったらどうするの?」
「・・・・エース隊長が?」
「絶対にないとは言い切れないのよアコ。続行よ」
「・・・・・はーい」
・・・・とは言ってもエース隊長の尾行なんて、
すぐバレそう。
ああどうか気づかれませんように、と心の底から祈った。
「ちょっとアコ、見てた?」
「・・・ごめん見てなかった」
「ケーキ屋に入ったわよ、4人で」
「ケーキ屋・・・・」
エース隊長甘い物好きだっけ。・・・や、食べ物なら何でも好きかも。
「怪しいわ」
「・・・怪しい、かな」
「女性への手土産じゃない?」
「・・・・・・・そっか」
・・・・エース隊長が何も買ってませんように。
それから暫くして出て来たエース隊長の手には何もなくて、ほっとした。
「何も買わなかったのね・・・・」
「・・・・みたいだね」
「あら、次は花屋ね。・・・・ますます怪しいわ」
確かにエース隊長がお花に興味ある、なんて。
・・・まさか女の人に。
「あら、出て来たわ」
「薔薇・・・・1本」
「女性に贈るのに薔薇1本?寂しくなぁい?」
「・・・・・・うん」
でも買った。
薔薇1本、それでもエース隊長は嬉しそうだ。
・・・・誰にあげるんだろう。
「・・・楽しそうね」
「ねえエマ、もうこの辺で」
「行くわよアコ」
「・・・・あい」
ケーキ屋、花屋、と続いてエース隊長たちは楽しそうに、今度は宝飾店へと入って行った。
・・・・これってやっぱり、女の人の為?
宝飾店なんか入って、買って出て来たらもう絶対女の人に決まってる。
「・・・・出てこないわね」
「・・・・何か買ってるのかな」
15分くらいたった頃、
エース隊長達は難しい顔で出て来た。
・・・買わなかった、のかな。
「動くわよ」
「・・・・うん」
それからエース隊長達は何かと買い食いをしながら、
広めのレストランに入った。
私たちも入って、少し遠めの席をゲット。
様子を見てると至って普通。
「1人になる様子もないわね・・・」
「もしかして船に居る誰かに渡すとか?」
「薔薇1本で喜ぶ先輩方が居る?」
「・・・・エマなら?」
「怒るわよ、アコ」
「・・・・だって」
エース隊長、エマのことすごく心配してたし。
本当は、エース体長は。
「だっても何もないでしょう?・・・言いたくなかったけど、アコ」
「・・・何?」
「馬鹿じゃないの?」
・・・・・ぐさっときた。
「う・・・・・」
「私は薔薇1本で喜ぶような安い女じゃないわ。そんなお人好しじゃないの」
「・・・・そんなことないでしょ?」
「どっかのお人好しさんなら喜ぶでしょうけど」
・・・・ああ、そっか。励ましてくれてるんだ。
「・・・・ありがとね、エマ」
「今まで一緒に居て何もなかったの?もしかして、って思うこととか」
「・・・ない訳じゃないけど」
キス、されたりとか。
それも1回は唇に。
でもエース隊長たぶん酔ってらしたんだろうし。
もしかしたら誰にもするんじゃないだろうか。
「君たち可愛いね。俺達と遊ぼうよ」
「え?」
考え込んだ私の耳に届いた知らない声。
「遊んでくれないなら・・・・わかってるよね?」
・・・そして、目の前のエマの首に突き付けられた短剣。
後ろには3人の男たち。
「・・・・エマっ」
「大きな声を出したらどうなるかもわかるだろ?」
「アコ、私は平気。・・・・行って」
エマの視線は、少し離れたエース隊長達。
「・・・エマ。私は平気じゃない」
「アコ?」
「大丈夫、届くから」
困惑する男3人の前でエマと2人見つめ合った。
「・・・・わかったわ」
エマはそう言って笑った後、
思い切り椅子を引いて、
「なっ、てめっ」
「エースたいちょー!!!」
呼んだ瞬間。
ぐっと身体を引かれて思わず一瞬身構えた。
でもその温かさにすぐに緊張が解けた。
「ああ、ここに居る」
「エース隊長・・・・!」
エマも他の隊員の方に保護されてて、ほっとした。
「アコ、エマ・・・下がってろよ」
「はいっ」
そして圧倒の勝利。
「怪我ねェか?2人とも」
「エマ、大丈夫?」
「私は平気。・・・有難う御座いました」
「おう。たまたま俺達が居て良かったな?」
にっこり。
・・・・・その顔を見る限り、
「・・・やっぱりバレてました、よね」
「当たり前だろ?バレバレだ。俺の部屋んとこから」
エマと顔を見合わせて苦笑した。
・・・最初からバレバレだったのねやっぱり。
「すみませんでした・・・・!」
「・・・ま、いいけどな」
エース隊長は笑ってくれたけど、
私はその足元にあるものに気がついた。
「・・・・エース隊長、お花が」
踏み潰された薔薇の花。
「・・・・・仕方ねェ、アコとエマが無事だったんだ、それでいい。気にすんな」
・・・・・気にすんな、って言われても。
・・・・・・そんな寂しそうな顔されたら。
+気にします 終+