もう1つの家族
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「掃除をしたとか」
「してないわね」
「入浴剤を使ったとか」
「使ってないわ」
「・・・・だよねえ」
母とエース、そして私は、3時のおやつを楽しみながらどうやったらエースが帰れるのかを討論中。
そして行き着いたのが、そもそもエースが来た時変わったことをしなかったか、ということだ。
でも母の方はどうやら心当たりがないらしい。
「エースは?何か変わったことなかった?」
おやつのホットケーキを頬張っていたエースは、私の質問に首を傾げた。
「んー?ほふにふぁんもあふぁっふぁほ?」
「・・・・飲み込んでから喋って」
「いっぱい食べてねーエース君」
何言ってるかわからないエースに私は苦笑い、母はほのぼの。
ごっくん、とエースは口の中のものを飲み込んで、話し始めた。
「特に何もなかったぞ?マルコに悪戯すんのも追いかけられるのもいつものことだしな」
「んー・・・・進展なし、かあ」
「エース君がうちに来てからもう2週間になるのねえ」
感慨深げに母が呟く。
そうだ、もう2週間。でもまだ2週間という気がしないでもない。
「やっぱ寂しい、よね」
「まあ任務とかで結構船空ける時もあるからなー。でも海に落ちてこっち来てるから死んだことになってるかもな、俺」
「・・・・それかなりマズイんじゃないの?」
「ま、来ちまったもんは仕方ねェよ」
エースは何処までものんきだ。
表面上は、だけど。
「でもご家族の方は心配してらっしゃるわね」
「・・・・そーかァ?」
「特にお父様は心配だと思うわ」
「・・・親父が?」
「そりゃそうよ、子供を心配しない親なんて居ないもの」
母がそういうとエースは頬をぽりぽりとかきながら嬉しそうに笑った。
「そ、そっか」
その顔から本当に白ひげさんが好きなんだなあとわかる。
「でも居たかったらうちにはいくらでも居ていいのよエース君。アコが喜ぶから」
ニヤニヤ、と母は私を横目で見る。
うう、お母さんめ。
「ほんとに、いいのか」
「エース?」
エースの顔はすっと真面目な顔になって。
「俺がいて、いいのか?」
「食費のことなら気にしなくていいのよ?」
「そうそう、私も払ってないしさ」
「そうじゃねェ、俺は」
辛そうに顔を歪めた。
「俺は・・・・・、なのに、」
初めて聞いたエースの弱弱しい声音。
途中何て言ったのかさえわからなかった。
そんなエースを見て母が口を開いた。
「エース君が何を気にしてるかはわかんないけど、エース君もうちの家族なんだってこと忘れちゃ駄目よ?」
「かぞく・・・・」
「エース君が来てくれて嬉しいの。アコも喜んでるしね?アコはね、エース君みたいなお兄ちゃんが欲しいー!って言ってたのよ」
「ちょ、お母さん、あんま言わないでよ」
「本当のお兄ちゃんがいるのにねえ?」
「や、まあ、事実だけども!」
「実際エース君がいてアコは嬉しそうだし」
にこにこと話す母にエースは少し戸惑っているようだった。
「俺は・・・・俺にはそんな資格はねェんだ」
「そしたらさ、どんな人なら資格あることになるの?」
私は少し悲しくなって。
「大人しくてちゃんと服着てて爽やかで少食な人?うわ、私そんなエースやだ」
「そうね、お母さんも作ったご飯を美味しそうにいっぱい食べてくれるエース君がいいわ」
「エースが嫌なら仕方ないけど、そうじゃないならいいじゃん、うちはもう一つの家族ってことで。大丈夫だよいつかは帰れるから」
「あんたホントにのんきよねー。エース君の身になって考えてる?」
「考えてるし!エースは私が守るから大丈夫なんだって」
更に母が文句言いたげに口を開いたところで、エースの声がソレを遮った。
「ありがと、な」
少しだけ照れたように微笑んで。
それからエースは頭を下げた。
「・・・改めて、世話になる」
私は母と顔を見合わせてほっとため息を吐く。
エースが何を言おうとしたのかは今はまだわからないけど。
エースは、家族だ。
+家族だ 終+
「してないわね」
「入浴剤を使ったとか」
「使ってないわ」
「・・・・だよねえ」
母とエース、そして私は、3時のおやつを楽しみながらどうやったらエースが帰れるのかを討論中。
そして行き着いたのが、そもそもエースが来た時変わったことをしなかったか、ということだ。
でも母の方はどうやら心当たりがないらしい。
「エースは?何か変わったことなかった?」
おやつのホットケーキを頬張っていたエースは、私の質問に首を傾げた。
「んー?ほふにふぁんもあふぁっふぁほ?」
「・・・・飲み込んでから喋って」
「いっぱい食べてねーエース君」
何言ってるかわからないエースに私は苦笑い、母はほのぼの。
ごっくん、とエースは口の中のものを飲み込んで、話し始めた。
「特に何もなかったぞ?マルコに悪戯すんのも追いかけられるのもいつものことだしな」
「んー・・・・進展なし、かあ」
「エース君がうちに来てからもう2週間になるのねえ」
感慨深げに母が呟く。
そうだ、もう2週間。でもまだ2週間という気がしないでもない。
「やっぱ寂しい、よね」
「まあ任務とかで結構船空ける時もあるからなー。でも海に落ちてこっち来てるから死んだことになってるかもな、俺」
「・・・・それかなりマズイんじゃないの?」
「ま、来ちまったもんは仕方ねェよ」
エースは何処までものんきだ。
表面上は、だけど。
「でもご家族の方は心配してらっしゃるわね」
「・・・・そーかァ?」
「特にお父様は心配だと思うわ」
「・・・親父が?」
「そりゃそうよ、子供を心配しない親なんて居ないもの」
母がそういうとエースは頬をぽりぽりとかきながら嬉しそうに笑った。
「そ、そっか」
その顔から本当に白ひげさんが好きなんだなあとわかる。
「でも居たかったらうちにはいくらでも居ていいのよエース君。アコが喜ぶから」
ニヤニヤ、と母は私を横目で見る。
うう、お母さんめ。
「ほんとに、いいのか」
「エース?」
エースの顔はすっと真面目な顔になって。
「俺がいて、いいのか?」
「食費のことなら気にしなくていいのよ?」
「そうそう、私も払ってないしさ」
「そうじゃねェ、俺は」
辛そうに顔を歪めた。
「俺は・・・・・、なのに、」
初めて聞いたエースの弱弱しい声音。
途中何て言ったのかさえわからなかった。
そんなエースを見て母が口を開いた。
「エース君が何を気にしてるかはわかんないけど、エース君もうちの家族なんだってこと忘れちゃ駄目よ?」
「かぞく・・・・」
「エース君が来てくれて嬉しいの。アコも喜んでるしね?アコはね、エース君みたいなお兄ちゃんが欲しいー!って言ってたのよ」
「ちょ、お母さん、あんま言わないでよ」
「本当のお兄ちゃんがいるのにねえ?」
「や、まあ、事実だけども!」
「実際エース君がいてアコは嬉しそうだし」
にこにこと話す母にエースは少し戸惑っているようだった。
「俺は・・・・俺にはそんな資格はねェんだ」
「そしたらさ、どんな人なら資格あることになるの?」
私は少し悲しくなって。
「大人しくてちゃんと服着てて爽やかで少食な人?うわ、私そんなエースやだ」
「そうね、お母さんも作ったご飯を美味しそうにいっぱい食べてくれるエース君がいいわ」
「エースが嫌なら仕方ないけど、そうじゃないならいいじゃん、うちはもう一つの家族ってことで。大丈夫だよいつかは帰れるから」
「あんたホントにのんきよねー。エース君の身になって考えてる?」
「考えてるし!エースは私が守るから大丈夫なんだって」
更に母が文句言いたげに口を開いたところで、エースの声がソレを遮った。
「ありがと、な」
少しだけ照れたように微笑んで。
それからエースは頭を下げた。
「・・・改めて、世話になる」
私は母と顔を見合わせてほっとため息を吐く。
エースが何を言おうとしたのかは今はまだわからないけど。
エースは、家族だ。
+家族だ 終+