僕ときみと
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「エース隊長・・・」
2人に気づいて小声で名前を呼べば、
エース体長は口元に人差し指をやった。
了解ですの意味を込めてこくりと頷いたら、
そのままぐいっと引っ張られて、
あっという間にエース隊長の腕の中。
・・・・・心の中では大絶叫。
しながらもやっぱり気になるエマとマルコ隊長。
2人の会話に耳を澄ませる。
「有難う御座いました、マルコ隊長」
「たいしたことはしてねェよい。・・・本当に後悔しねェんだな」
「ええ、平気です」
「・・・あいつには言わねェのかい」
「アコのことですか?・・・それなら、言うつもりは御座いません」
「まァ言ったら騒がしくなる。それが正解だねい」
・・・・この会話、は。
「私もそう思います。・・・ですから、当日まであの子にはどうか内密に」
「わかってるよい」
「・・・・それでは」
深々とお辞儀して出て行ったエマに気づかれないように息をひそめる。
・・・・残されたマルコ隊長がじろりとこちらを見た、気がした。
「っ」
どぎまぎしながら動向を見つめていたら、
マルコ隊長は真っ直ぐに私たちのところに来た。
あー・・・・バレてた。
「今のどういうことだよマルコ」
「隠れて見てる奴らに言えることはねェよい」
「でもあのっ」
「聞いただろい?詳しく聞きたきゃ本人に聞け」
「とか言って俺達が居なかったらあのままエマ襲ってたんじゃねェの?」
「・・・・・・エースお前、色々オヤジにバラされてェのかい」
「それとこれとは別だろ!?・・・・エマ、どうなんだよ」
「お前に言ったら隣のそいつに筒抜けになるだろうが。・・・お前らもいちゃいちゃすんなら他でやれよい」
いっ・・・・!!
「なっ何言ってるんですかマルコ隊長・・・・っ」
そんな恐れ多いこと!!
「俺たちはただつまみ食いに来ただけだ!」
「へー・・・・そうかい、つまみ食いに、ねェ」
は!
「エース隊長・・・っ!!」
「やっべェ!マルコ今の言うなよ!頼むから!」
「ったく・・・・食料が減ってたらお前ら今日の夕飯なしだよい」
呆れ顔で、マルコ隊長も出て行った。
「・・・・エマ」
「・・・気にすんな、っつーのも無理だよな」
宥めるように私の髪を撫でてくれるエース隊長が、今居てくれて良かった。
・・・1人だったら泣いてたかもしれない。
「今私・・・ショックはショック、なんですけど」
「そりゃそうだろ。無理しなくていいぜ」
「エマのことは・・・・本当は覚悟、してたんです」
エマが居なくなってしまうこと。
「諦めてたのか?」
「大好きってことも、私は側に居て欲しいってことも伝えられたし・・・あとはエマの気持ちを大事にして欲しいって」
思ったから。
私の気持ちをちゃんと伝えたうえでエマが居なくなることを選ぶのなら仕方ないって。
「それでも実際聞くと辛い、よな」
「・・・・ショックだったのは、エマがマルコ隊長と居たことなんです」
「・・・・どういう意味だ?」
マルコ隊長とエマが仲良くなってくれて嬉しいはずなのに。
・・・・願っていたはずなのに。
「私には言わないでマルコ隊長に1番最初に言うんだ、って」
「・・・・ああ、なるほどな」
「私のことを考えてくれてるんだろうなってわかってはいるんですけど・・・・」
それでも心のもやもやは消えない。
「大事だから・・・・言えねェってこともあるだろうしな」
「それでも・・・・私に言って欲しかった・・・」
ぽろりとこぼれた涙を、
エース隊長の指先が掬った。
「エースたいちょ、」
そしてその涙の痕に、
ちゅ。
くっついたのはエース隊長の唇。
「・・・・・・・・・・へ?」
驚いて見たエース隊長の顔は満足そうで。
「俺はマルコよりアコが大事だから、覚えとけよ」
「あっはいっ有難う御座います・・・・・!?」
え、あれ!?
結局その後つまみ食いも中止になって、
何かあったらいつでも俺んとこに来いよな!とエース隊長ともお別れした。
部屋にはいつも通りのエマが居て。
私はエース隊長にもエマにも、
何も言えなかった。
そしてついに、今日。
船は島に着いた。
だけど私は見てしまった、昨日の夜。
小さくまとめられたエマの荷物を。
「おはようアコ、いい天気ね」
「おはよ、エマ」
「今日エース隊長とお出かけの予定はないの?」
「・・・・うん」
正直それどころじゃないからなぁ、今。
「駄目じゃない、ないのなら作らないと。このままだと一生進展出来ないわよ」
「や・・・・そうでもない、かも」
「え?」
・・・・この間キス、されたし。
ほっぺだったけど・・・・!
「何?何かあったの?」
「あ・・・・えっと、つまみ食いに誘われた・・・」
「・・・・まあ、何もないよりはいいけど。ぼやぼやしてたら取られちゃうわよ」
「・・・・・うん、頑張る」
何となく言えなかった、キスのこと。
・・・エマ、何も言ってくれない。
このまま行っちゃうつもり?
「・・・どうしたの?アコ」
「エマ・・・・」
「本当はエース隊長と何かあったんじゃないでしょうね?また喧嘩したの?」
言っちゃ駄目、わかってる。
それがエマの決断。
・・・・・わかってる、けど。
「・・・・エマの、馬鹿」
感情があふれて止まらなかった。
「私?いきなり何なの?」
「最後まで私に言わないつもりなの?」
思わず問い詰めたら、エマは酷く驚いた顔。
「・・・・そう、知ってしまったのね」
「・・・・うん」
「私が自分で決めたことよ。気にしないで」
気にしないで、って。
・・・・そんなの無理。
「少し寂しくなるけど、たいしたことじゃないわ」
「・・・エマにとっては少しなの?」
私とのお別れは少しだけの寂しさなの?
「これが1番良いと思ったの」
「エマが決めたんなら・・・納得も応援もしないけど・・・諦める。でも私は寂しいから!すっごい寂しいから!」
少しなんてもんじゃないから。
「・・・大袈裟よ、アコ」
「大袈裟なんかじゃない!だってっ私はエマが大好きなのに・・・・っ」
「私も大好きよ、アコ。嘘じゃないわ」
「なら何で行っちゃうの!?・・・・行かないで・・・っ」
エース隊長の気持ちも、
エマの気持ちもわからない。
もう頭ぐちゃぐちゃ。
「何かあったら話しも聞くし、会いに行くわ」
「簡単に会えなくなるのに!?」
「そんな遠くじゃないわ」
「遠いよ・・・・」
この島を出てモビーは遠くに行くんだから。
「何処に行くと思ってるの?部屋を端っこにするだけじゃない」
・・・・・・・・・・・え?
「え?・・・・・部屋の移動?」
「そうよ?・・・・やあね、誰から何を聞いたの?」
「こ・・・後悔しないとか、私には内緒、ってエマが・・・・あれ?」
「・・・・・あの時居たの?」
「は!ごめん!!エース隊長とつまみ食いデートしようと思って行ったら・・・・」
「・・・・そう。あれは部屋を用意して下さったマルコ隊長に御礼を言ってただけよ」
「お礼?」
「ナースとしては信用がゼロになった訳でしょう、私」
「そ・・・そんなこと」
「あるのよ。だから雑用として生きていくことにしたの。雑用だから部屋も別にしてもらわないと」
「そ・・・・・・・・・そう、なの」
はーっと息を吐いた。
・・・・・良かった。
・・・・・いや良くない!!
「部屋別にしなくてもいいんじゃない!?」
「将来のことを考えてよ。きっと私に感謝するわよ、アコ」
「へ?そりゃ残ってくれるのは嬉しいし感謝だけど・・・」
「違うわよ馬鹿ね。・・・とにかく、安心したんならエース隊長をデートにでも誘って来なさい」
「え」
「ほら今すぐ行く!」
「あっはいっ!!」
何が何だか、言われるがままドアノブを握って。
振り返った。
「これからも末永くよろしくね、エマ」
「・・・・こっちの台詞。いいから行く!」
「はいぃ!!」
・・・・デート云々はともかく、
このことエース隊長に報告に行かないと。
・・・エース隊長のお気持ちはわからないままだけど。
+わからないまま 終+
2人に気づいて小声で名前を呼べば、
エース体長は口元に人差し指をやった。
了解ですの意味を込めてこくりと頷いたら、
そのままぐいっと引っ張られて、
あっという間にエース隊長の腕の中。
・・・・・心の中では大絶叫。
しながらもやっぱり気になるエマとマルコ隊長。
2人の会話に耳を澄ませる。
「有難う御座いました、マルコ隊長」
「たいしたことはしてねェよい。・・・本当に後悔しねェんだな」
「ええ、平気です」
「・・・あいつには言わねェのかい」
「アコのことですか?・・・それなら、言うつもりは御座いません」
「まァ言ったら騒がしくなる。それが正解だねい」
・・・・この会話、は。
「私もそう思います。・・・ですから、当日まであの子にはどうか内密に」
「わかってるよい」
「・・・・それでは」
深々とお辞儀して出て行ったエマに気づかれないように息をひそめる。
・・・・残されたマルコ隊長がじろりとこちらを見た、気がした。
「っ」
どぎまぎしながら動向を見つめていたら、
マルコ隊長は真っ直ぐに私たちのところに来た。
あー・・・・バレてた。
「今のどういうことだよマルコ」
「隠れて見てる奴らに言えることはねェよい」
「でもあのっ」
「聞いただろい?詳しく聞きたきゃ本人に聞け」
「とか言って俺達が居なかったらあのままエマ襲ってたんじゃねェの?」
「・・・・・・エースお前、色々オヤジにバラされてェのかい」
「それとこれとは別だろ!?・・・・エマ、どうなんだよ」
「お前に言ったら隣のそいつに筒抜けになるだろうが。・・・お前らもいちゃいちゃすんなら他でやれよい」
いっ・・・・!!
「なっ何言ってるんですかマルコ隊長・・・・っ」
そんな恐れ多いこと!!
「俺たちはただつまみ食いに来ただけだ!」
「へー・・・・そうかい、つまみ食いに、ねェ」
は!
「エース隊長・・・っ!!」
「やっべェ!マルコ今の言うなよ!頼むから!」
「ったく・・・・食料が減ってたらお前ら今日の夕飯なしだよい」
呆れ顔で、マルコ隊長も出て行った。
「・・・・エマ」
「・・・気にすんな、っつーのも無理だよな」
宥めるように私の髪を撫でてくれるエース隊長が、今居てくれて良かった。
・・・1人だったら泣いてたかもしれない。
「今私・・・ショックはショック、なんですけど」
「そりゃそうだろ。無理しなくていいぜ」
「エマのことは・・・・本当は覚悟、してたんです」
エマが居なくなってしまうこと。
「諦めてたのか?」
「大好きってことも、私は側に居て欲しいってことも伝えられたし・・・あとはエマの気持ちを大事にして欲しいって」
思ったから。
私の気持ちをちゃんと伝えたうえでエマが居なくなることを選ぶのなら仕方ないって。
「それでも実際聞くと辛い、よな」
「・・・・ショックだったのは、エマがマルコ隊長と居たことなんです」
「・・・・どういう意味だ?」
マルコ隊長とエマが仲良くなってくれて嬉しいはずなのに。
・・・・願っていたはずなのに。
「私には言わないでマルコ隊長に1番最初に言うんだ、って」
「・・・・ああ、なるほどな」
「私のことを考えてくれてるんだろうなってわかってはいるんですけど・・・・」
それでも心のもやもやは消えない。
「大事だから・・・・言えねェってこともあるだろうしな」
「それでも・・・・私に言って欲しかった・・・」
ぽろりとこぼれた涙を、
エース隊長の指先が掬った。
「エースたいちょ、」
そしてその涙の痕に、
ちゅ。
くっついたのはエース隊長の唇。
「・・・・・・・・・・へ?」
驚いて見たエース隊長の顔は満足そうで。
「俺はマルコよりアコが大事だから、覚えとけよ」
「あっはいっ有難う御座います・・・・・!?」
え、あれ!?
結局その後つまみ食いも中止になって、
何かあったらいつでも俺んとこに来いよな!とエース隊長ともお別れした。
部屋にはいつも通りのエマが居て。
私はエース隊長にもエマにも、
何も言えなかった。
そしてついに、今日。
船は島に着いた。
だけど私は見てしまった、昨日の夜。
小さくまとめられたエマの荷物を。
「おはようアコ、いい天気ね」
「おはよ、エマ」
「今日エース隊長とお出かけの予定はないの?」
「・・・・うん」
正直それどころじゃないからなぁ、今。
「駄目じゃない、ないのなら作らないと。このままだと一生進展出来ないわよ」
「や・・・・そうでもない、かも」
「え?」
・・・・この間キス、されたし。
ほっぺだったけど・・・・!
「何?何かあったの?」
「あ・・・・えっと、つまみ食いに誘われた・・・」
「・・・・まあ、何もないよりはいいけど。ぼやぼやしてたら取られちゃうわよ」
「・・・・・うん、頑張る」
何となく言えなかった、キスのこと。
・・・エマ、何も言ってくれない。
このまま行っちゃうつもり?
「・・・どうしたの?アコ」
「エマ・・・・」
「本当はエース隊長と何かあったんじゃないでしょうね?また喧嘩したの?」
言っちゃ駄目、わかってる。
それがエマの決断。
・・・・・わかってる、けど。
「・・・・エマの、馬鹿」
感情があふれて止まらなかった。
「私?いきなり何なの?」
「最後まで私に言わないつもりなの?」
思わず問い詰めたら、エマは酷く驚いた顔。
「・・・・そう、知ってしまったのね」
「・・・・うん」
「私が自分で決めたことよ。気にしないで」
気にしないで、って。
・・・・そんなの無理。
「少し寂しくなるけど、たいしたことじゃないわ」
「・・・エマにとっては少しなの?」
私とのお別れは少しだけの寂しさなの?
「これが1番良いと思ったの」
「エマが決めたんなら・・・納得も応援もしないけど・・・諦める。でも私は寂しいから!すっごい寂しいから!」
少しなんてもんじゃないから。
「・・・大袈裟よ、アコ」
「大袈裟なんかじゃない!だってっ私はエマが大好きなのに・・・・っ」
「私も大好きよ、アコ。嘘じゃないわ」
「なら何で行っちゃうの!?・・・・行かないで・・・っ」
エース隊長の気持ちも、
エマの気持ちもわからない。
もう頭ぐちゃぐちゃ。
「何かあったら話しも聞くし、会いに行くわ」
「簡単に会えなくなるのに!?」
「そんな遠くじゃないわ」
「遠いよ・・・・」
この島を出てモビーは遠くに行くんだから。
「何処に行くと思ってるの?部屋を端っこにするだけじゃない」
・・・・・・・・・・・え?
「え?・・・・・部屋の移動?」
「そうよ?・・・・やあね、誰から何を聞いたの?」
「こ・・・後悔しないとか、私には内緒、ってエマが・・・・あれ?」
「・・・・・あの時居たの?」
「は!ごめん!!エース隊長とつまみ食いデートしようと思って行ったら・・・・」
「・・・・そう。あれは部屋を用意して下さったマルコ隊長に御礼を言ってただけよ」
「お礼?」
「ナースとしては信用がゼロになった訳でしょう、私」
「そ・・・そんなこと」
「あるのよ。だから雑用として生きていくことにしたの。雑用だから部屋も別にしてもらわないと」
「そ・・・・・・・・・そう、なの」
はーっと息を吐いた。
・・・・・良かった。
・・・・・いや良くない!!
「部屋別にしなくてもいいんじゃない!?」
「将来のことを考えてよ。きっと私に感謝するわよ、アコ」
「へ?そりゃ残ってくれるのは嬉しいし感謝だけど・・・」
「違うわよ馬鹿ね。・・・とにかく、安心したんならエース隊長をデートにでも誘って来なさい」
「え」
「ほら今すぐ行く!」
「あっはいっ!!」
何が何だか、言われるがままドアノブを握って。
振り返った。
「これからも末永くよろしくね、エマ」
「・・・・こっちの台詞。いいから行く!」
「はいぃ!!」
・・・・デート云々はともかく、
このことエース隊長に報告に行かないと。
・・・エース隊長のお気持ちはわからないままだけど。
+わからないまま 終+