僕ときみと
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時間にしたら10分くらいだったと思う。
それでもものすごく長く感じた。
エマは、深刻な顔で出て来た。
「エマ・・・っ」
「これのことにはお礼を言うわ。でももう私に関わらないで」
大事そうに手に持っている、ブレスレット。
「・・・・マルコ隊長、何て?」
「聞いてなかったの?関わらないで、って言ったの」
冷たく言い放つエマに、
「俺が後でマルコから聞きだしてやるよアコ」
エース隊長がエマを見つめながら言った。
・・・・エース隊長、少し怖い。
「あらエース隊長。わざわざこの子に付き合って本船まで行かれたそうですわね」
「ああ、まァな」
「アコとエース隊長なら1番に騙されて殺されると思っておりましたわ」
「アコはともかく俺がそんないい奴に見えるか?」
「思い違いをしておりましたわ。単純そうに見えても海賊ですものね」
・・・・・エマも、怖い。
「・・・エマ?」
「仕方ないからこれだけは教えてあげるけど、聞いたらもう私に話しかけないで」
「え、」
「取り返すべきもんは取り返したんだろい、ならここにいる必要はねェはずだい、好きにしろ」
「・・・・ってマルコ隊長がおっしゃったの?」
「次の島で降りるか、このままナースとしてもう1度船長に命を預けるか考えろ、とのことよ」
「・・・それだけ?」
「・・・そうよ。わかったらさっさと行って頂戴」
「・・・行こうぜアコ」
もう駄目だと思ったのか、エース隊長は私を促す。
でも・・・私は。
「エマ。・・・・ごめんね」
それだけで伝えたところで、
エース隊長に肩を抱かれてそのまま歩き出すしかなかった。
「・・・悪ィ。でもあのまま話しても無駄なんじゃねェかと」
私の部屋の前まで来たエース隊長はバツが悪そうな顔。
気になさることじゃないのに。
「そうですね、そう思います」
・・・仲直り、出来なかったなぁ。
やっぱりエマは怒ってるんだろうか。
「ちなみに最後のごめんねってのはどういう意味かって聞いてもいいか?」
「・・・エマが1人で苦しんでたこと気づけなくてごめんねって意味です」
エマはきっと私に伝えようとしてた。
でも私はそれを汲み取ることが出来なかった。
私の不甲斐なさでエマを苦しめた。
・・・・・友達なのに。
だからエマは今私に怒ってるのかな、と。
「・・・お人好しって言われるだろ?」
「言われたことは・・・たぶんないです」
呆れ顔のエース隊長に苦笑しながら答えたら、
「アコらしいな」
優しい顔で言いながらエース隊長が私の頭をぽんぽん、と2回軽く叩いてくれた。
「・・・有難う、御座います」
・・・エース隊長にあの日のことを聞けるのはいつになるんだろう。
意気地なし、臆病者の私。
エマにも・・・エース隊長にも嫌われたくない。
「エマのこと信じてるんだろ?」
「はい。でもエマの言うことは信じてません」
「エマの言うことは?」
「関わらないで、ってやつです。あれはエマの本心じゃない・・・って」
・・・・思いたいだけかもしれないけど。
「俺も・・・そう思うぜ」
「はい、有難う御座います」
「とにかく今日は疲れただろ?ゆっくり休めよ」
「そうさせて頂きます。あの・・・エース隊長今日は本当に、」
「ストップ」
「はい!?」
本当に有難う御座いますって言おうとしたのに止められた。
「礼ならエマと仲直りしてからな。話しもそん時聞くから」
・・・ああ、エース隊長は本当に優しい。
「・・・はい、おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
エース隊長の笑顔を見送って、部屋に入って驚いた。
「な・・・・に・・・これ」
エマの荷物がなくなってる。
嘘。
だって次の島に着くまではこの船に居るはずなのに!
慌ててエマを探しに部屋を出た。
途中すれ違ったアリッサさんにエマのことを聞いてみたけど、
強張った顔で首を横に振られてしまった。
仕方なく甲板に出てみたら、
「・・・・・エマ」
端っこにエマの姿があった。
「・・・なあに?幽霊でも見たような顔をして」
「・・・部屋に、荷物・・・なかったから」
「そんなことでいちいち驚かないで頂戴。裏切者に部屋がある訳ないでしょ?」
エマは薄い毛布1枚を膝にかけて自分を守るように座ってた。
私を見ると目を逸らしてぽつりと呟く。
「・・・それマルコ隊長に言われたの?」
「・・・・そうよ」
もう、見抜いた。
エマが嘘つく時の癖。
「エマも嘘が下手だね。・・・自主的に出て行ったんなら戻って来てほしいんだけどな」
「う・・・嘘なんか・・・何ならマルコ隊長に聞いてみればいいじゃない」
「うん、じゃあ聞いてくる」
くるりと踵を返せば、
「ちょっ、本気!?」
「だって私マルコ隊長のこと好きだし」
慌てた様子のエマ。
「っエース隊長はどうしたのよ!?」
・・・必死に私を止めようとしてくるところを見ると、あれはやっぱり嘘だったらしい。
「あははっ、有難うエマ。エマはいつでも私とエース隊長のこと心配してくれるね」
「・・・・別に心配なんか」
「してくれた。気まずくなった時にくれたエマのアドバイス、嬉しかった」
「・・・仕方なく、よ。別にどうでも良かったもの」
「ふーん。じゃあマルコ隊長のとこ行ってこようかな」
「・・・・意地悪」
「・・・エマはね、嘘を吐く時少し間が空くんだよ」
それはきっとエマが優しいから。
少しためらうからじゃないかな。
「そうよ。本当は自分から出て来たの。裏切者と一緒の部屋は嫌でしょ?」
「次の島に着いてからのことはエマが決めればいい。でもそれまでは・・・側に居て欲しい、エマ」
「そういう台詞はエース隊長に言うべきじゃない?」
「エマは優しいねえ」
「・・・優しくなんかないわ」
「優しいよ。船長に薬も盛ってないんでしょ?」
コロコロ海賊団の本船で聞いた、あの言葉。
私は信じてない。
「盛れる訳ないわ。ただでさえマルコ隊長に疑われていたのよ?情報流すので精一杯よ」
「・・・ホントの情報と嘘の情報?」
「・・・・なん、で」
「エース隊長に火が出せるなんてって驚いてたし」
白ひげ海賊団なんて、って甘くみてたみたいだったし。
それなら情報源はエマじゃないかなと思ってたんだけど当たりだったみたい。
「・・・・・そう。簡単だからさっさと潰しに来てって言ったの」
「それでアッサリやられた、と」
「あの時のあいつらの顔面白かったわ。それが私のせめてもの復讐」
「・・・辛かったね」
「辛かったわよ。だから早く終わらせてしまいたかったの」
「私の為に?」
「それ以外にある?だって貴女馬鹿みたいに優しいんだもの」
「エマの方が優しいって」
「いいえ、アコよ」
「エマ」
「アコ」
「エマ!」
「アコ!・・・・ふふっ、馬鹿なのは私も同じね」
そうして見せたエマの笑顔は私がよく知る笑顔。
大好きな笑顔。
「ホントに・・・馬鹿みたい。私貴女の為にここに居るのに」
泣きそうな笑みを浮かべてエマは小さくため息を吐いた。
「私を共犯者にしない為?」
「知ってたの?それなら来ないで欲しかったわ」
「知ってたから来たの。友達だもん、共犯者くらいなるよって」
「・・・お人好しね、アコは」
「うん、そうかも」
言って私はエマに向かって手を出した。
「お人好しな私と友達になってくれますか?」
エマは驚いた顔で私を見つめて、
嬉しそうに目を細めて私の手を、
とった。
「お詫びにならないかもしれないけど・・・エース隊長とのこと協力させてもらうわ、友達として」
にっこりと可愛らしい笑みと、そのセリフの同時にドキッとした。
「よ・・・・よろしくお願いします・・・」
+お人好し 終+
それでもものすごく長く感じた。
エマは、深刻な顔で出て来た。
「エマ・・・っ」
「これのことにはお礼を言うわ。でももう私に関わらないで」
大事そうに手に持っている、ブレスレット。
「・・・・マルコ隊長、何て?」
「聞いてなかったの?関わらないで、って言ったの」
冷たく言い放つエマに、
「俺が後でマルコから聞きだしてやるよアコ」
エース隊長がエマを見つめながら言った。
・・・・エース隊長、少し怖い。
「あらエース隊長。わざわざこの子に付き合って本船まで行かれたそうですわね」
「ああ、まァな」
「アコとエース隊長なら1番に騙されて殺されると思っておりましたわ」
「アコはともかく俺がそんないい奴に見えるか?」
「思い違いをしておりましたわ。単純そうに見えても海賊ですものね」
・・・・・エマも、怖い。
「・・・エマ?」
「仕方ないからこれだけは教えてあげるけど、聞いたらもう私に話しかけないで」
「え、」
「取り返すべきもんは取り返したんだろい、ならここにいる必要はねェはずだい、好きにしろ」
「・・・・ってマルコ隊長がおっしゃったの?」
「次の島で降りるか、このままナースとしてもう1度船長に命を預けるか考えろ、とのことよ」
「・・・それだけ?」
「・・・そうよ。わかったらさっさと行って頂戴」
「・・・行こうぜアコ」
もう駄目だと思ったのか、エース隊長は私を促す。
でも・・・私は。
「エマ。・・・・ごめんね」
それだけで伝えたところで、
エース隊長に肩を抱かれてそのまま歩き出すしかなかった。
「・・・悪ィ。でもあのまま話しても無駄なんじゃねェかと」
私の部屋の前まで来たエース隊長はバツが悪そうな顔。
気になさることじゃないのに。
「そうですね、そう思います」
・・・仲直り、出来なかったなぁ。
やっぱりエマは怒ってるんだろうか。
「ちなみに最後のごめんねってのはどういう意味かって聞いてもいいか?」
「・・・エマが1人で苦しんでたこと気づけなくてごめんねって意味です」
エマはきっと私に伝えようとしてた。
でも私はそれを汲み取ることが出来なかった。
私の不甲斐なさでエマを苦しめた。
・・・・・友達なのに。
だからエマは今私に怒ってるのかな、と。
「・・・お人好しって言われるだろ?」
「言われたことは・・・たぶんないです」
呆れ顔のエース隊長に苦笑しながら答えたら、
「アコらしいな」
優しい顔で言いながらエース隊長が私の頭をぽんぽん、と2回軽く叩いてくれた。
「・・・有難う、御座います」
・・・エース隊長にあの日のことを聞けるのはいつになるんだろう。
意気地なし、臆病者の私。
エマにも・・・エース隊長にも嫌われたくない。
「エマのこと信じてるんだろ?」
「はい。でもエマの言うことは信じてません」
「エマの言うことは?」
「関わらないで、ってやつです。あれはエマの本心じゃない・・・って」
・・・・思いたいだけかもしれないけど。
「俺も・・・そう思うぜ」
「はい、有難う御座います」
「とにかく今日は疲れただろ?ゆっくり休めよ」
「そうさせて頂きます。あの・・・エース隊長今日は本当に、」
「ストップ」
「はい!?」
本当に有難う御座いますって言おうとしたのに止められた。
「礼ならエマと仲直りしてからな。話しもそん時聞くから」
・・・ああ、エース隊長は本当に優しい。
「・・・はい、おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
エース隊長の笑顔を見送って、部屋に入って驚いた。
「な・・・・に・・・これ」
エマの荷物がなくなってる。
嘘。
だって次の島に着くまではこの船に居るはずなのに!
慌ててエマを探しに部屋を出た。
途中すれ違ったアリッサさんにエマのことを聞いてみたけど、
強張った顔で首を横に振られてしまった。
仕方なく甲板に出てみたら、
「・・・・・エマ」
端っこにエマの姿があった。
「・・・なあに?幽霊でも見たような顔をして」
「・・・部屋に、荷物・・・なかったから」
「そんなことでいちいち驚かないで頂戴。裏切者に部屋がある訳ないでしょ?」
エマは薄い毛布1枚を膝にかけて自分を守るように座ってた。
私を見ると目を逸らしてぽつりと呟く。
「・・・それマルコ隊長に言われたの?」
「・・・・そうよ」
もう、見抜いた。
エマが嘘つく時の癖。
「エマも嘘が下手だね。・・・自主的に出て行ったんなら戻って来てほしいんだけどな」
「う・・・嘘なんか・・・何ならマルコ隊長に聞いてみればいいじゃない」
「うん、じゃあ聞いてくる」
くるりと踵を返せば、
「ちょっ、本気!?」
「だって私マルコ隊長のこと好きだし」
慌てた様子のエマ。
「っエース隊長はどうしたのよ!?」
・・・必死に私を止めようとしてくるところを見ると、あれはやっぱり嘘だったらしい。
「あははっ、有難うエマ。エマはいつでも私とエース隊長のこと心配してくれるね」
「・・・・別に心配なんか」
「してくれた。気まずくなった時にくれたエマのアドバイス、嬉しかった」
「・・・仕方なく、よ。別にどうでも良かったもの」
「ふーん。じゃあマルコ隊長のとこ行ってこようかな」
「・・・・意地悪」
「・・・エマはね、嘘を吐く時少し間が空くんだよ」
それはきっとエマが優しいから。
少しためらうからじゃないかな。
「そうよ。本当は自分から出て来たの。裏切者と一緒の部屋は嫌でしょ?」
「次の島に着いてからのことはエマが決めればいい。でもそれまでは・・・側に居て欲しい、エマ」
「そういう台詞はエース隊長に言うべきじゃない?」
「エマは優しいねえ」
「・・・優しくなんかないわ」
「優しいよ。船長に薬も盛ってないんでしょ?」
コロコロ海賊団の本船で聞いた、あの言葉。
私は信じてない。
「盛れる訳ないわ。ただでさえマルコ隊長に疑われていたのよ?情報流すので精一杯よ」
「・・・ホントの情報と嘘の情報?」
「・・・・なん、で」
「エース隊長に火が出せるなんてって驚いてたし」
白ひげ海賊団なんて、って甘くみてたみたいだったし。
それなら情報源はエマじゃないかなと思ってたんだけど当たりだったみたい。
「・・・・・そう。簡単だからさっさと潰しに来てって言ったの」
「それでアッサリやられた、と」
「あの時のあいつらの顔面白かったわ。それが私のせめてもの復讐」
「・・・辛かったね」
「辛かったわよ。だから早く終わらせてしまいたかったの」
「私の為に?」
「それ以外にある?だって貴女馬鹿みたいに優しいんだもの」
「エマの方が優しいって」
「いいえ、アコよ」
「エマ」
「アコ」
「エマ!」
「アコ!・・・・ふふっ、馬鹿なのは私も同じね」
そうして見せたエマの笑顔は私がよく知る笑顔。
大好きな笑顔。
「ホントに・・・馬鹿みたい。私貴女の為にここに居るのに」
泣きそうな笑みを浮かべてエマは小さくため息を吐いた。
「私を共犯者にしない為?」
「知ってたの?それなら来ないで欲しかったわ」
「知ってたから来たの。友達だもん、共犯者くらいなるよって」
「・・・お人好しね、アコは」
「うん、そうかも」
言って私はエマに向かって手を出した。
「お人好しな私と友達になってくれますか?」
エマは驚いた顔で私を見つめて、
嬉しそうに目を細めて私の手を、
とった。
「お詫びにならないかもしれないけど・・・エース隊長とのこと協力させてもらうわ、友達として」
にっこりと可愛らしい笑みと、そのセリフの同時にドキッとした。
「よ・・・・よろしくお願いします・・・」
+お人好し 終+