もう1つの家族
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夕飯の後片付け。
母が洗って私が拭いてしまう。
淡々と作業をこなしていた時、唐突に言われた言葉に私は持っていたお皿を落としそうになった。
「アンタ今日泣いたでしょ」
「・・・・・何でわかったの?」
「わかるわよ。何年あんたのお母さんやってると思ってるの」
お皿の安全を確保し、驚いて母を見る。
母は嬉しそうに言う。
「エース君と喧嘩でもしたかと思ったんだけど、仲直りしたみたいね?」
「喧嘩なんかしてないし」
「あらそうなの?」
「何年私のお母さんやってるんですかー」
「口で言わなきゃわかんないことだってあるわよ」
そう言ってカラカラと笑う母。
我が母ながら強いヒトだなあと思う。
「でも久し振りね、アコが泣くなんて」
「しかも人前で泣くとかね。ほんと久し振りだった」
「・・・・え、エース君の前で泣いたの?」
「・・・・うん」
「珍しい。・・・・でも良かったわね」
「え?」
何処か安心したような顔の母。
何で?
「スッキリした顔してるもの」
・・・・うん、確かにスッキリはしてる。
初めて私の考え方を認めてくれたエース。
嬉しかった。
それに、
泣いた私を面倒くさがらず受け入れてくれた。
『泣けばいいと思ってるの?』
『泣きたいのはこっちだよ』
『人前で泣くなんて恥ずかしくないの?』
人前で泣いたら負けだと思った。
でも、不思議と今はすっきりしてる。
負けたとか思わない。
「うーん、悩みどころね」
「え、何が?」
突然難しい顔をする母。
「いくらエース君がいい子でもアコを嫁にはやりたくないわ」
「っ!おかーさん!!」
驚いた。何を言うのかと思えば。
でも母は酷く真面目な顔で言う。
「ねえ、アコ。あなたはエース君のこと好きなのよね」
「・・・好きだよ」
「それは、漫画のキャラとして?それとも1人の男性として?」
「え」
考えたことなかった。
そんなこと。
「もしもよ?エース君がアコに、自分の世界に来てくれって言ったらあんたどうするの」
「・・・・そんなことあり得ないもん」
「もしもの話よ」
母があまりにも真剣な顔だから。
私は思わず言葉に詰まってしまう。
「・・・・・・・・・わかんない、よ」
それしか言えなかった。
でも母は笑った。
「そ、良かった」
「・・・・何で?」
「そんな簡単に答えが出てたら困るわよ。まあでももしエース君にアンタを連れて行きたいって言われても簡単には許さないけど」
「そうなの?」
「当たり前じゃない、可愛い娘なのよ?」
「・・・・そっか」
「よし、それじゃあこれエース君の部屋に持っていって?」
そう言って渡されたのはお盆に乗せられた食べ物。
「何コレ」
「エース君のお夜食」
サンドウィッチにたこ焼き、煎餅にチョコレート。
「・・・・うちの食費大丈夫なの?」
「ま、男の子がいればこんなもんでしょ」
漫画のキャラが家に来ても平気で住まわせるとこ、とか。
色々わかっちゃうとことか。
お母さんは強いなあ。
「エースー入るよー」
一応軽くドアをノックしてから入る。
「おー」
「お母さんがエースに夜食だって」
夜食、と聞いた途端エースが勢い良く目の前に飛び込んできた。
「マジで!?サンキュー!」
頂きます、と礼儀正しくお辞儀をしてサンドウィッチに手をつけるエース。
ホントに美味しそうに食べるなあ。
何か私もお腹すいてきた。
「・・・・なあアコ」
「んー?」
「俺、ここに居ていいのか?」
食べながらエースはそんなことを聞く。
「夜食くらい大丈夫じゃない?男の子が居れば食費なんてこんなもんだって言ってたし」
「・・・・・は?」
「え、何それともこっちでも食い逃げした?」
それはまずい。さすがにまずい。
「いや、してねェけど」
「なんだビックリした」
「・・・・・・・煎餅1枚食うか?」
「食べる!」
一緒に食べたお煎餅がすごく美味しかった。
+おかあさん 終+
母が洗って私が拭いてしまう。
淡々と作業をこなしていた時、唐突に言われた言葉に私は持っていたお皿を落としそうになった。
「アンタ今日泣いたでしょ」
「・・・・・何でわかったの?」
「わかるわよ。何年あんたのお母さんやってると思ってるの」
お皿の安全を確保し、驚いて母を見る。
母は嬉しそうに言う。
「エース君と喧嘩でもしたかと思ったんだけど、仲直りしたみたいね?」
「喧嘩なんかしてないし」
「あらそうなの?」
「何年私のお母さんやってるんですかー」
「口で言わなきゃわかんないことだってあるわよ」
そう言ってカラカラと笑う母。
我が母ながら強いヒトだなあと思う。
「でも久し振りね、アコが泣くなんて」
「しかも人前で泣くとかね。ほんと久し振りだった」
「・・・・え、エース君の前で泣いたの?」
「・・・・うん」
「珍しい。・・・・でも良かったわね」
「え?」
何処か安心したような顔の母。
何で?
「スッキリした顔してるもの」
・・・・うん、確かにスッキリはしてる。
初めて私の考え方を認めてくれたエース。
嬉しかった。
それに、
泣いた私を面倒くさがらず受け入れてくれた。
『泣けばいいと思ってるの?』
『泣きたいのはこっちだよ』
『人前で泣くなんて恥ずかしくないの?』
人前で泣いたら負けだと思った。
でも、不思議と今はすっきりしてる。
負けたとか思わない。
「うーん、悩みどころね」
「え、何が?」
突然難しい顔をする母。
「いくらエース君がいい子でもアコを嫁にはやりたくないわ」
「っ!おかーさん!!」
驚いた。何を言うのかと思えば。
でも母は酷く真面目な顔で言う。
「ねえ、アコ。あなたはエース君のこと好きなのよね」
「・・・好きだよ」
「それは、漫画のキャラとして?それとも1人の男性として?」
「え」
考えたことなかった。
そんなこと。
「もしもよ?エース君がアコに、自分の世界に来てくれって言ったらあんたどうするの」
「・・・・そんなことあり得ないもん」
「もしもの話よ」
母があまりにも真剣な顔だから。
私は思わず言葉に詰まってしまう。
「・・・・・・・・・わかんない、よ」
それしか言えなかった。
でも母は笑った。
「そ、良かった」
「・・・・何で?」
「そんな簡単に答えが出てたら困るわよ。まあでももしエース君にアンタを連れて行きたいって言われても簡単には許さないけど」
「そうなの?」
「当たり前じゃない、可愛い娘なのよ?」
「・・・・そっか」
「よし、それじゃあこれエース君の部屋に持っていって?」
そう言って渡されたのはお盆に乗せられた食べ物。
「何コレ」
「エース君のお夜食」
サンドウィッチにたこ焼き、煎餅にチョコレート。
「・・・・うちの食費大丈夫なの?」
「ま、男の子がいればこんなもんでしょ」
漫画のキャラが家に来ても平気で住まわせるとこ、とか。
色々わかっちゃうとことか。
お母さんは強いなあ。
「エースー入るよー」
一応軽くドアをノックしてから入る。
「おー」
「お母さんがエースに夜食だって」
夜食、と聞いた途端エースが勢い良く目の前に飛び込んできた。
「マジで!?サンキュー!」
頂きます、と礼儀正しくお辞儀をしてサンドウィッチに手をつけるエース。
ホントに美味しそうに食べるなあ。
何か私もお腹すいてきた。
「・・・・なあアコ」
「んー?」
「俺、ここに居ていいのか?」
食べながらエースはそんなことを聞く。
「夜食くらい大丈夫じゃない?男の子が居れば食費なんてこんなもんだって言ってたし」
「・・・・・は?」
「え、何それともこっちでも食い逃げした?」
それはまずい。さすがにまずい。
「いや、してねェけど」
「なんだビックリした」
「・・・・・・・煎餅1枚食うか?」
「食べる!」
一緒に食べたお煎餅がすごく美味しかった。
+おかあさん 終+