僕ときみと
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
はっと目を覚ましたら、
もう朝だった。
隣のベッドでエース隊長がお休みになってる。
・・・・・・寝顔・・・・っ!!
可愛い・・・・!!
でもそろそろ起こさないと・・・!
「え・・・エース隊長、おはよう御座います朝です」
そっと側で声をかけたら、
「おー・・・・・起きてる・・・・」
・・・・起きてない!絶対!
でも可愛い!
舌足らずなこの話し方!!
「朝ごはん逃げちゃいますよー・・・?」
思わずからかってみたくなってこんなことを口にしたら、
途端がしっと腕を掴まれた。
「逃がさねェよ」
「へ」
「起きてる、って言ったろ?」
それからむくりと起き上がりぱちりと目を開けた、エース隊長。
「はあああっすみません!!そろそろ起きて頂かないとと思いましてついっ」
「ん、飯だな」
「はい、朝ごはんですっ」
「いただきます」
「え」
いただきます、と言ったエース隊長はそのまま私の唇めがけてご自身の唇を突き出し、
突然のことに動けなかった私は、
そのまま。
エース隊長と・・・ちゅう。
「・・・・わり、間違えた」
へへ、とエース隊長が笑った。
え、今私。
・・・・エース隊長とキス・・・・・したよ・・・・・?
あ、でもご飯と間違えられたんだもんねー仕方ないよね。
・・・・・・・・・・・・・仕方、ないの?
エース隊長が目の前でマイペースに着替え始めたので、
慌てて私は洗面台で着替えを済ませた。
「美味かったな!ここの店覚えておくか」
「特にフレンチトースト絶品でした!」
エース隊長と2人きりに、
美味しい朝食。
なんて幸せな朝。
と笑っていられたのも朝食を食べたお店を出たとこまで。
これは任務だった、と思い知らされた。
「腹いっぱいになったとこで俺達に付き合ってもらうぜぇ」
私たちの前に現れた、たくさんの人影。
・・・・・何十人居るだろう。
「アコ、下がれ」
「・・・っはい」
エース隊長に言われるがまま下がったら、
「炎上網!」
私の周りに炎の壁が出来た。
思わず下がっちゃったけど、エース隊長に何かあったら・・・!
でもこの人数相手じゃ私が居たら逆に足手まといになるかもしれないし・・・っ!
どうかエース隊長がお怪我されませんように!
ぎゅっと目を閉じて祈るしか出来なかった私の身体に突然何かが触れた。
「な、」
「お前はこっちだ」
そう言って男は私を抱きかかえて、上に飛んだ。
炎はだいぶ高くまであったのにそれを余裕で飛び越えた。
・・・・ここで声を出したら、
私は人質になって、エース隊長が思う存分戦えない。
それくらいなら、何をされてもここで我慢する。
・・・・・・役に立たなくても、せめて足手まといにはなりたくないと心から思った。
「ここで大人しくしてろ。運が良ければ1度は逃げられるチャンスがあるかもなァ?」
鉄の扉が、バタンと閉まった。
幸いにも手も足も縛られておらず自由だったので、
すぐに扉に手をかけてみるけど、押しても引いてもびくともしない。
・・・・当たり前か。
ふぅ、と1度落ち着いてみると身震いがした。
・・・・ここ、寒い。
もしかして冷蔵庫?や、冷凍庫かもしれない。
・・・・・凍っちゃうじゃん。
でももしここにエース隊長が助けに来てくれたら。
あっためてやるよ、とか言ってぎゅうってしてくれたり・・・!
・・・・とか言ってる場合じゃないですね、はい。
ここで待ってればエース隊長が助けに来てくれるのかな、とか考えたけど。
待ってるだけなんてもどかしすぎる。
今この時だってエース隊長が怪我してるかもしれないっていうのに。
・・・・どうやって、出たら。
考えていたらドアがかすかに開いた。
思わず身構えたら、
「・・・・・っ、あ」
「アコ!無事か!?」
「・・・えーす、隊長・・・・」
入って来たのはエース隊長で、後ろでドアがばたんと閉まった。
「悪ィ、気づいてやれなくて・・・・!」
エース隊長は真っ先にがばっと私を抱きしめてくれた。
「えっエース隊長申し訳ありませんでした!おおおお怪我は御座いませぬか!?」
あああ頭パニックだよ!?
「馬鹿、それはアコだろ?何もされてねェか?」
「わ、私は何も・・・ここに連れて来られた、だけで・・・・」
何も、出来なかった。
「・・・・俺が居ながら、悪かった」
「私が・・・弱かったので・・・」
「俺が戦いやすいように声を出さなかったんだろ?・・・アコは強ェよ・・・」
ぎゅうっと腕に力が入って、
でも逆に声は弱弱しい。
「・・・私は、エース隊長がこうして来て下さっただけで嬉しいです」
「アコ・・・」
「私よりエース隊長が心配です。本当にお怪我されてないんですね?」
「俺は問題ねェ。それよりタイミング的にモビーがちっと心配だな」
「・・・モビーが?どういうことですか?」
「ここの住人は皆あいつらに脅されて俺達を監視してた。俺たちが下見にきたと知ったうえで閉じ込めたかったみてェだ」
「・・・・私たちを閉じ込めてモビーに襲撃?」
でもそれなら、マルコ隊長や他の方々が居るんだから心配ない、はずで。
でもエース隊長はそれ以上何も言ってくれなかった。
「・・・とにかくここ出ようぜ」
「・・・はい」
エース隊長が離れて、
ドアノブに手をかけた瞬間。
「っ」
ふにゃりと倒れてしまった。
「エース隊長!?」
「・・・・・っ海楼石で出来てやがる・・・・」
「・・・・・ここ開ける時は」
「普通だった。・・・・油断してた」
・・・・ってことはエース隊長はこのドアに触れない。
こっち側だけ海楼石で出来てるなんて。
ここまで来て初めてあの時の言葉の意味がわかった。
『運が良ければ1度は逃げられるチャンスがあるかもなァ?』
・・・エース隊長がドアを開けてくれた瞬間に私が外に出れば良かったんだ。
「・・・っちくしょ・・・・」
エース隊長の悔しそうな顔に胸が痛い。
・・・・・・全部、私のせいだ。
「わ・・・・・私の背中ごと蹴り飛ばして下さい!」
「出来ねェよそんなこと。アコが大怪我すんだろ」
「私は自分で治せます!」
「1人で出来ないだろ?・・・・つーかやらねェ」
「私は平気です」
「アコ。・・・そんなことになったらあいつらの思うツボだ」
わかってるけど・・・・!
でもだからってこのままでも駄目だ。
「・・・・・ごめんなさいエース隊長」
「気にすんなって。それより大丈夫か?寒くねェ?」
慰めるように私の頭を撫でてくれるエース隊長はカッコ良くて、
ドキドキするけど。
今はもうそれどころじゃなくなった。
・・・・・考えるんだ、出る方法を。
きっとある、何か。
「アコ?」
必死に考える私の後ろから、
エース隊長が包み込むようにふわりと抱きしめてくれた。
・・・・あったかい。
背中からエース隊長の優しさが伝わって来るみたい。
・・・・・背中、から?
「・・・・エース隊長。ドア、開ける時押しました?引きました?」
「あ?・・・・確か、押しても開かなかったから、引いた・・・・な」
「チャンスです!」
「チャンス?」
「私がドアを押すのでエース隊長、私を後ろから押して下さい!」
そしたらきっと出られる!
「蹴るよりはマシだろうが・・・それでも運が悪きゃアコの背骨にヒビが入ることもあるんだぜ?」
「そんなこと言ってたら2度と出られません。私も力いっぱい押します」
ドアなんだから。
押せば出られるなら。
私1人の力で無理なら、エース隊長と2人ならきっと出られる。
「・・・・いいのか?」
「はい!」
「・・・・・頼む」
「よろしくお願いします!」
私がドアに手をかけて。
背中にエース隊長の手が当てられた。
「無理すんな、辛かったら言えよ」
「大丈夫です、お願いします」
早く出てモビーの状況も知りたい。
・・・・エマ、どうか無事でいて。
「行くぞ」
エース隊長の合図と同時にぐっと押される背中。
私も精一杯の力で押す。
「ん・・・・っ、ぐ・・・・・っ・・・ぁ」
「アコ、」
「私は平気です!続けて下さい!もっと・・・・!」
もっと、力・・・・!!
「・・・・っうごい、た」
「っし、このまま行くぜ!」
「はい!」
背中が少し痛い。
でもこんなのエース隊長の心の痛みに比べたら!
「ふぬぁ!!」
「・・・・・よくやったなアコ!」
最後のひと押しで完全にドアが開いた!
「やった!やりましたエース隊長!」
「背中痛くねェか!?大丈夫か!?」
「問題ありません!それよりモビーが心配です・・・!」
「あァ、急ぐぜ!」
ホントは少し背中が痛かったけど、
エマや他の皆が心配でそれどころじゃなかった。
外に出たら島に居た海賊は皆倒されていて(さすがエース隊長)、
感謝する町の人たちをなだめて私たちはストライカーに乗り込んだ。
「見えた!モビーだ」
「近くに海賊船があります・・・!」
知らない海賊旗。
ストライカーが止まって、エース隊長が私を振り向いた。
「アコ!」
「はいっ」
「俺から離れんなよ!何かあったら声出せ、絶対!」
「っでも」
「誰にも渡さねェ、絶対守る。・・・・俺を信じろ」
真っ直ぐに私を見つめるエース隊長の瞳に吸い込まれそうになった。
「信じてます・・・・・誰よりも」
誰よりも、貴方を。
信じてきました、ずっと。
エース隊長は私の返事に満足そうに頷いて、
「・・・行くぞ」
私の手を取った。
その手をしっかりと握って、
1日ぶりに戻った、モビー。
そこで見たのは。
「・・・・・・・・・・・マルコ隊長?」
「・・・・・マルコ」
怪我1つしてなさそうな顔で(実際してないんだろうけど)しれっとした顔のモビーの皆。
それと捕らえられた海賊たちと思わしき人たち。
でも信じられなかったのは、
その中に、
・・・・捕らえられてる人たちの中に、
私がよく知る顔があったこと。
「・・・・・・・何で、ですか」
「・・・・アコ、落ち着け」
「だって、エース隊長、こんなの・・・・っ」
「アコ」
「こんなの間違いですよね!?マルコ隊長!!何で・・・・・・エマが・・・縛られて、るんですか」
中に、
私の良く知るエマが、
私が上げたヘアピンをして、
私の知らない表情で。
・・・・・私を見ていた。
+知らない 終+
もう朝だった。
隣のベッドでエース隊長がお休みになってる。
・・・・・・寝顔・・・・っ!!
可愛い・・・・!!
でもそろそろ起こさないと・・・!
「え・・・エース隊長、おはよう御座います朝です」
そっと側で声をかけたら、
「おー・・・・・起きてる・・・・」
・・・・起きてない!絶対!
でも可愛い!
舌足らずなこの話し方!!
「朝ごはん逃げちゃいますよー・・・?」
思わずからかってみたくなってこんなことを口にしたら、
途端がしっと腕を掴まれた。
「逃がさねェよ」
「へ」
「起きてる、って言ったろ?」
それからむくりと起き上がりぱちりと目を開けた、エース隊長。
「はあああっすみません!!そろそろ起きて頂かないとと思いましてついっ」
「ん、飯だな」
「はい、朝ごはんですっ」
「いただきます」
「え」
いただきます、と言ったエース隊長はそのまま私の唇めがけてご自身の唇を突き出し、
突然のことに動けなかった私は、
そのまま。
エース隊長と・・・ちゅう。
「・・・・わり、間違えた」
へへ、とエース隊長が笑った。
え、今私。
・・・・エース隊長とキス・・・・・したよ・・・・・?
あ、でもご飯と間違えられたんだもんねー仕方ないよね。
・・・・・・・・・・・・・仕方、ないの?
エース隊長が目の前でマイペースに着替え始めたので、
慌てて私は洗面台で着替えを済ませた。
「美味かったな!ここの店覚えておくか」
「特にフレンチトースト絶品でした!」
エース隊長と2人きりに、
美味しい朝食。
なんて幸せな朝。
と笑っていられたのも朝食を食べたお店を出たとこまで。
これは任務だった、と思い知らされた。
「腹いっぱいになったとこで俺達に付き合ってもらうぜぇ」
私たちの前に現れた、たくさんの人影。
・・・・・何十人居るだろう。
「アコ、下がれ」
「・・・っはい」
エース隊長に言われるがまま下がったら、
「炎上網!」
私の周りに炎の壁が出来た。
思わず下がっちゃったけど、エース隊長に何かあったら・・・!
でもこの人数相手じゃ私が居たら逆に足手まといになるかもしれないし・・・っ!
どうかエース隊長がお怪我されませんように!
ぎゅっと目を閉じて祈るしか出来なかった私の身体に突然何かが触れた。
「な、」
「お前はこっちだ」
そう言って男は私を抱きかかえて、上に飛んだ。
炎はだいぶ高くまであったのにそれを余裕で飛び越えた。
・・・・ここで声を出したら、
私は人質になって、エース隊長が思う存分戦えない。
それくらいなら、何をされてもここで我慢する。
・・・・・・役に立たなくても、せめて足手まといにはなりたくないと心から思った。
「ここで大人しくしてろ。運が良ければ1度は逃げられるチャンスがあるかもなァ?」
鉄の扉が、バタンと閉まった。
幸いにも手も足も縛られておらず自由だったので、
すぐに扉に手をかけてみるけど、押しても引いてもびくともしない。
・・・・当たり前か。
ふぅ、と1度落ち着いてみると身震いがした。
・・・・ここ、寒い。
もしかして冷蔵庫?や、冷凍庫かもしれない。
・・・・・凍っちゃうじゃん。
でももしここにエース隊長が助けに来てくれたら。
あっためてやるよ、とか言ってぎゅうってしてくれたり・・・!
・・・・とか言ってる場合じゃないですね、はい。
ここで待ってればエース隊長が助けに来てくれるのかな、とか考えたけど。
待ってるだけなんてもどかしすぎる。
今この時だってエース隊長が怪我してるかもしれないっていうのに。
・・・・どうやって、出たら。
考えていたらドアがかすかに開いた。
思わず身構えたら、
「・・・・・っ、あ」
「アコ!無事か!?」
「・・・えーす、隊長・・・・」
入って来たのはエース隊長で、後ろでドアがばたんと閉まった。
「悪ィ、気づいてやれなくて・・・・!」
エース隊長は真っ先にがばっと私を抱きしめてくれた。
「えっエース隊長申し訳ありませんでした!おおおお怪我は御座いませぬか!?」
あああ頭パニックだよ!?
「馬鹿、それはアコだろ?何もされてねェか?」
「わ、私は何も・・・ここに連れて来られた、だけで・・・・」
何も、出来なかった。
「・・・・俺が居ながら、悪かった」
「私が・・・弱かったので・・・」
「俺が戦いやすいように声を出さなかったんだろ?・・・アコは強ェよ・・・」
ぎゅうっと腕に力が入って、
でも逆に声は弱弱しい。
「・・・私は、エース隊長がこうして来て下さっただけで嬉しいです」
「アコ・・・」
「私よりエース隊長が心配です。本当にお怪我されてないんですね?」
「俺は問題ねェ。それよりタイミング的にモビーがちっと心配だな」
「・・・モビーが?どういうことですか?」
「ここの住人は皆あいつらに脅されて俺達を監視してた。俺たちが下見にきたと知ったうえで閉じ込めたかったみてェだ」
「・・・・私たちを閉じ込めてモビーに襲撃?」
でもそれなら、マルコ隊長や他の方々が居るんだから心配ない、はずで。
でもエース隊長はそれ以上何も言ってくれなかった。
「・・・とにかくここ出ようぜ」
「・・・はい」
エース隊長が離れて、
ドアノブに手をかけた瞬間。
「っ」
ふにゃりと倒れてしまった。
「エース隊長!?」
「・・・・・っ海楼石で出来てやがる・・・・」
「・・・・・ここ開ける時は」
「普通だった。・・・・油断してた」
・・・・ってことはエース隊長はこのドアに触れない。
こっち側だけ海楼石で出来てるなんて。
ここまで来て初めてあの時の言葉の意味がわかった。
『運が良ければ1度は逃げられるチャンスがあるかもなァ?』
・・・エース隊長がドアを開けてくれた瞬間に私が外に出れば良かったんだ。
「・・・っちくしょ・・・・」
エース隊長の悔しそうな顔に胸が痛い。
・・・・・・全部、私のせいだ。
「わ・・・・・私の背中ごと蹴り飛ばして下さい!」
「出来ねェよそんなこと。アコが大怪我すんだろ」
「私は自分で治せます!」
「1人で出来ないだろ?・・・・つーかやらねェ」
「私は平気です」
「アコ。・・・そんなことになったらあいつらの思うツボだ」
わかってるけど・・・・!
でもだからってこのままでも駄目だ。
「・・・・・ごめんなさいエース隊長」
「気にすんなって。それより大丈夫か?寒くねェ?」
慰めるように私の頭を撫でてくれるエース隊長はカッコ良くて、
ドキドキするけど。
今はもうそれどころじゃなくなった。
・・・・・考えるんだ、出る方法を。
きっとある、何か。
「アコ?」
必死に考える私の後ろから、
エース隊長が包み込むようにふわりと抱きしめてくれた。
・・・・あったかい。
背中からエース隊長の優しさが伝わって来るみたい。
・・・・・背中、から?
「・・・・エース隊長。ドア、開ける時押しました?引きました?」
「あ?・・・・確か、押しても開かなかったから、引いた・・・・な」
「チャンスです!」
「チャンス?」
「私がドアを押すのでエース隊長、私を後ろから押して下さい!」
そしたらきっと出られる!
「蹴るよりはマシだろうが・・・それでも運が悪きゃアコの背骨にヒビが入ることもあるんだぜ?」
「そんなこと言ってたら2度と出られません。私も力いっぱい押します」
ドアなんだから。
押せば出られるなら。
私1人の力で無理なら、エース隊長と2人ならきっと出られる。
「・・・・いいのか?」
「はい!」
「・・・・・頼む」
「よろしくお願いします!」
私がドアに手をかけて。
背中にエース隊長の手が当てられた。
「無理すんな、辛かったら言えよ」
「大丈夫です、お願いします」
早く出てモビーの状況も知りたい。
・・・・エマ、どうか無事でいて。
「行くぞ」
エース隊長の合図と同時にぐっと押される背中。
私も精一杯の力で押す。
「ん・・・・っ、ぐ・・・・・っ・・・ぁ」
「アコ、」
「私は平気です!続けて下さい!もっと・・・・!」
もっと、力・・・・!!
「・・・・っうごい、た」
「っし、このまま行くぜ!」
「はい!」
背中が少し痛い。
でもこんなのエース隊長の心の痛みに比べたら!
「ふぬぁ!!」
「・・・・・よくやったなアコ!」
最後のひと押しで完全にドアが開いた!
「やった!やりましたエース隊長!」
「背中痛くねェか!?大丈夫か!?」
「問題ありません!それよりモビーが心配です・・・!」
「あァ、急ぐぜ!」
ホントは少し背中が痛かったけど、
エマや他の皆が心配でそれどころじゃなかった。
外に出たら島に居た海賊は皆倒されていて(さすがエース隊長)、
感謝する町の人たちをなだめて私たちはストライカーに乗り込んだ。
「見えた!モビーだ」
「近くに海賊船があります・・・!」
知らない海賊旗。
ストライカーが止まって、エース隊長が私を振り向いた。
「アコ!」
「はいっ」
「俺から離れんなよ!何かあったら声出せ、絶対!」
「っでも」
「誰にも渡さねェ、絶対守る。・・・・俺を信じろ」
真っ直ぐに私を見つめるエース隊長の瞳に吸い込まれそうになった。
「信じてます・・・・・誰よりも」
誰よりも、貴方を。
信じてきました、ずっと。
エース隊長は私の返事に満足そうに頷いて、
「・・・行くぞ」
私の手を取った。
その手をしっかりと握って、
1日ぶりに戻った、モビー。
そこで見たのは。
「・・・・・・・・・・・マルコ隊長?」
「・・・・・マルコ」
怪我1つしてなさそうな顔で(実際してないんだろうけど)しれっとした顔のモビーの皆。
それと捕らえられた海賊たちと思わしき人たち。
でも信じられなかったのは、
その中に、
・・・・捕らえられてる人たちの中に、
私がよく知る顔があったこと。
「・・・・・・・何で、ですか」
「・・・・アコ、落ち着け」
「だって、エース隊長、こんなの・・・・っ」
「アコ」
「こんなの間違いですよね!?マルコ隊長!!何で・・・・・・エマが・・・縛られて、るんですか」
中に、
私の良く知るエマが、
私が上げたヘアピンをして、
私の知らない表情で。
・・・・・私を見ていた。
+知らない 終+