僕ときみと
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「じゃあ、行ってきます」
「頑張るのよアコ」
あっという間に1週間が過ぎた。
私は今日からエース隊長と下見の任務。
この部屋を出たらエース隊長が待って下さってて、
エース隊長と2人きり・・・・!!
「何かあったらすぐ連絡してね、エマ」
「ええ、そうさせてもらうわ」
少しだけ不安そうなエマを残して。
私は、部屋を出た。
「お待たせしてすみません、エース隊長」
「ああ、もういいのか?」
「はい。ふ・・・ふつつか者ですがよろしくお願いします!」
「おう、よろしくな」
満面の笑みのエース隊長に心臓が大きく鳴る。
皆に見送られて、
エース隊長のストライカーに乗って出発。
「掴まってろよ、アコ!」
「はい!」
ストライカーに乗り込んで、エース隊長の後ろから、
・・・・・ぎゅっとエース隊長のお腹に腕を回した。
「行くぜ?」
「お願いします!」
答えた瞬間すごいスピードでストライカーは動き出した。
「・・・・っ!」
「大丈夫か?」
「こっ・・・こんなに速いならすぐ島に着いちゃいそうですね!」
「ははっ、大丈夫そうだな!んじゃ飛ばすぜ!」
もっとぉぉぉ!?
海に落ちないように必死にしがみ付いて、
島に着く頃私は。
「・・・・へとへとです」
「悪ィ、調子乗り過ぎたな」
エース隊長に抱き着いてる・・・とか感動する暇もなかった。
苦笑しながら私の頭を撫でてくれたエース隊長。
ああ、情けないやら嬉しいやら・・・!
でも速かったおかげで夜になる前に着くことが出来た。
「不甲斐なくて申し訳ないです・・・」
「気にすんなって。どっかで休むか?」
「いえ、大丈夫です」
最初から足手まといになる訳にはいかない。
ぐっと気合を入れた私をエース隊長がじーっと見つめる。
「・・・・顔色が悪い。何か飲むもん買ってくるから、ここに居ろよ」
「でも・・・」
「あのな、任務だからって重く考える必要はねェんだからな?」
「任務っていうより・・・エース隊長にご迷惑を」
「元々俺のせいだろ?だから気にしなくていいから、ここで待ってろよ、な?」
「・・・すみません」
「違うだろ、アコ。こういう時は」
「有難う御座います・・・!」
私の答えに満足そうな笑みを浮かべたエース隊長はそのまま飲み物を探しに行ってしまった。
・・・・・・・最悪だ。
これじゃどっちがナースだかわからない。
何の為に私が居るのか。
はあ、とため息を吐きながら周りを見る。
人通りがあんまりなくて、少し寂しい街。
歩いてる人もつまらなさそう。
・・・・・何か、私が育ったところを思い出させる。
まるであの時みたいな、
「アコ、ほら」
「あ・・・・」
はっと気づくと目の前にエース隊長が戻って来ていて、差し出されたお茶。
「これ飲んで少し休もうぜ?」
「頂きます・・・」
冷たいお茶が美味しい。
「少しは落ち着きそうか?」
「はい、ご馳走様でした」
「んじゃ、何か食いに行くか」
「へ?」
早速ご飯!?
驚く私を見てエース隊長はにィ、と笑った。
「腹が減ってたら任務も何もねェだろ?」
「お・・・おっしゃる通りです!」
・・・・何か、私気合入れ過ぎてた?
そんな私を見透かしたように、
突然私の手に、大きくてあったかいものが触れた。
て・・・・っ!!
エース隊長の、手が。
私の手を、取って。
エース隊長の手と、私の手が、繋がれた。
「知らない島ではぐれたら探すの大変だからな。こうする決まりなんだ」
「・・・・っはいぃ・・・!」
顔が燃えたように一気に熱くなった。
いやいや、燃えるのはエース隊長だから!
私じゃないから!
何だかデートみたいで幸せ。
と一瞬考えてから、エマもマルコ隊長と手を繋いだってこと・・・!?
・・・・でもエマ何も言ってなかったよね?
帰ってから聞いてみよう、と思った。
「ご馳走様でした!」
「美味かったな!」
「はい、とっても」
料理はすごく美味しかった。
・・・・でも、何か。
お店の雰囲気というか、空気というか。
「・・・で、アコ。どう思う?」
「・・・・このお店のことですか?」
「っつーか、島全体」
エース隊長も気づいてる。
「まるで何かに怯えているような感じ、ですね」
「ああ、海賊に脅されてるみてェな、な」
エース隊長の言う通りだ。
そして、
「私たちが妙に監視されてるような気も・・・します」
「ま、それが正解だろうな」
・・・歩いてる時も、食べてる時も感じてた視線。
やっぱり間違いじゃなかったんだ。
「危険、なんでしょうか」
「安全じゃねェことは確かだ」
「じゃあモビーはここに停泊しない方がいいかもしれないですね・・・」
私なりに真剣に考えて言ったんだけど、
エース隊長はきょとん顔。
「・・・・あれ、エース隊長?」
「まずは自分たちが危険ってこと不安に思わねェんだなーと思ってよ」
・・・・・・・・・・。
「はっ!!そうですよね!?まず私はエース隊長の身を心配せねばなりませんでした申し訳ありませんっ!!」
でも大丈夫ですよ何かあったら私が必ずお役に立ちますから!
「いや俺じゃねェよ」
「え!?」
「普通自分の心配するだろ?・・・っはは、優しいんだなアコは」
そう言って笑うエース隊長の顔の方が、ずっと優しい。
「ただ・・・お役に立ちたいと、それだけで」
「真面目だなーほんとに」
「だ・・・駄目ですか?」
「駄目じゃねェけどな。そんなんじゃ疲れちまうぜ?」
「う・・・・はい」
気を付けないと・・・!
「わかったら、手貸せ」
「手?」
訳がわからないままとりあえず言われた通りに手を出したら、
「走るぞ!」
「ええええ!?」
ぐい、っと引っ張ってエース隊長は走り出した。
私もつられて全速力。
「く・・・・っ食い逃げだー!!」
嘘ん!?
必死に走る私を見て、
「楽しいだろ?」
・・・・やっぱり1番楽しそうに、笑った。
好きだなぁ、この笑顔。
そして、お店を出る時にはちゃんと立ち止まって丁寧にお辞儀して、
「ご馳走様でした」
・・・・・ほんと、好き。
でも後でお金は返しておこう。
+楽しい、嬉しい 終+