僕ときみと
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大変だ。
・・・・・一大事だ!
どうしよう!
おおお落ち着け私!
「アコ?緊張してるの?」
「しておりますッ!!」
そりゃあ緊張もするでしょう!!
大緊張だ。
だって私はこれから、
「大丈夫よ。船長は優しい人だから」
「はい!」
・・・・これから、船長に会うのだから。
ただ会うだけなら、お会いしたことはある。
ナース就任の時のご挨拶に。
でもそれ以降お目にかかれたことはないし、
何より今回は船長が私に話しがあるとのこと。
・・・・・緊張しない訳がない。
でも、大丈夫。
わかってる、ちゃんと優しい人だって。
・・・・・・大丈夫。
「行くわよ?」
「・・・・はい」
深呼吸した私を見てアリッサさんが苦笑しながら部屋のドアを叩いた。
「船長、失礼します。アコを連れてきました」
「ああ、入れ」
すぐに返事があって、
「私はここまでよ。じゃあね、アコ」
ウィンクをして去って行ってしまったアリッサさん。
・・・・ドキドキしながら、
「失礼します・・・・」
ドアを開けたら、そこに前見た時と変わらない大きな姿の船長が居た。
船長は、
「・・・・グラララ!」
私を見て笑った。
笑われた私は何だか恥ずかしくなって、
「ごっご飯粒とかついてましたか!?」
慌てて顔中を探った。
「グラララ!!面白ェ奴だ・・・何もついてやいねェよ。緊張した顔が面白かっただけだ」
・・・・恥ずかし過ぎる。
「・・・・失礼いたしました」
「わざわざ呼び出してすまなかったな」
「いえ、そんな」
「船での生活にはもう慣れたか、アコ」
・・・・驚いた。
名前を呼ばれた。
最初に会った時自己紹介をしただけなのに。
「はい・・・皆優しくて楽しいです」
「この間襲撃があったな」
「ありましたね」
「襲撃を経験して逃げて行く者も多い」
「そう、なんですか?でも海賊なのに」
「そう割り切れる奴は多くねェってこった。気にしてねェんなら何よりだ」
「お気遣い有難う御座います。・・・私は、大丈夫です」
この船から降りるなんて考えてない。
だってこの船にはあの人が居るんだから。
「そういやお前ェだったな」
「え?」
「この船に会いてェ奴が居るんだって入って来たのは」
「はっ・・・・はい!」
乗船前の面接で、私は素直に理由を告げた。
嘘をついて乗れなかったら嫌だったから。
それを信じてもらえるかは賭けだった。
でもきっと誤魔化したら駄目だと思ったから。
だから何人かは私のエース隊長への気持ちを知っている。
「エースにはもう言えたのか?」
「・・・・不甲斐ない私で申し訳ありません」
「謝るこたァねェが、早くしねェと誰かにとられちまうかもしれねェぜ・・・グラララ」
「・・・っはい」
「早く孫の顔が見たいもんだ・・・・」
「まっ!?」
穏やかな笑顔の船長からとんでもない言葉が出てきて思わず言葉に詰まった。
「言いたいことはそれだけだ。息子を頼む」
「がっ・・・頑張ります!失礼しました!」
一礼して部屋を出た。
孫って・・・・!孫って!!
船長そんな!!!
かああっと熱くなった顔。
駄目だこんな顔エマにも見せられない。
1回顔洗ってこよ。
洗って落ち着こう。
そう決めて洗面所に向かおうとした時、
「アコ、オヤジの部屋に居たのか?」
「っ、ぎゃあああ!!」
驚いて思わず大きな声が出た。
「・・・っワリ、そんな驚かしちまったか?」
でも私以上に驚いていたのは相手・・・エース隊長で。
「すすすすみません!!」
ちょうどエース隊長のこと考えていたので!
「いや、大丈夫か?オヤジんとこ行ってたんだろ?・・・何か言われたか?」
「いえあの・・・っ」
孫が楽しみだとか言われました!
・・・・って言える訳ないそんなこと!
「ふ・・・船には慣れたかと、お気遣い頂きました・・・っ」
「オヤジらしいな!で、何でそんな顔赤くしてんだよ」
「緊張しましたので・・・っ」
「ああ、なるほどな。別に大丈夫だったろ?」
「はい、とてもお優しかったです・・・!」
っていうか今1番大丈夫じゃないんですけど!!
心臓が!
「そういやアコ、今度よろしくな」
「・・・・・今度、ですか?」
今度って何だ。
何か約束したっけ。
「まだ聞いてねェ?」
「はい・・・何も」
「この間エマとマルコが行ったやつあったろ?島の下見」
「ありましたね」
「それ、今度俺とアコで行くことになった」
・・・・・・・・・え?
「私とエース隊長で、ですか」
「あァ。・・・・俺とじゃ嫌だったか?今からなら変更出来るかもしれねェけど」
苦笑したエース隊長の言葉に慌てて、
「嬉しいです!!・・・・っその、頑張ります!よろしくお願いします!」
返事。
超・チャンス!!
他の人となんて変えられたくはない。
「航海士の話しだとあと1週間くらいしたら出発ってことになるから準備しとけよ」
「はい!」
「詳しいことはエマに聞けばわかると思う。わかんないことは俺に聞けな」
「・・・有難う御座いますっ」
ああもう!幸せ過ぎる!
幸せを噛みしめていた私の頭に、ぽんと乗せられた大きな手。
「入ったばっかで大変かもしれねェけど頑張ろうぜ、アコ」
「・・・私、エース隊長が居て下さるだけでどんな時でも頑張れます」
大好きだから。
「頼りにしてるぜ、アコ」
目を細めて本当に嬉しそうに笑うエース隊長の姿がさっきの船長を思い出させた。
・・・・心臓がきゅっと締め付けられる。
私こんなに幸せでいいのだろうか。
「という訳なのでご教授よろしくお願いします」
「そんな大袈裟なものじゃないわ、アコ」
「でもエマ大変そうだったから・・・」
経験者のエマに相談。
「私の場合はマルコ隊長が同行者だったからよ。私もエース隊長が良かったわ、なんて」
「主に何が大変だった?何か言われたりされてはないんでしょ?」
「四六時中一緒なのよ。ずっと監視状態。アコに電話するのも大変だったんだから」
「・・・・ありがとねエマ」
「でも後は隊長の付き添いみたいなものだし、エース隊長がその都度教えて下さるはずよ」
「そっか・・・・難しくない?」
「難しいことはないわ、特にエース隊長となら。必要なのは目と記憶。頑張って」
・・・エマはいつも優しくて、頼もしい。
私がエマみたいに可愛くて頼もしかったら、
もっと自信がもててエース隊長にすべて伝えられてたのかもしれないなぁ、なんて思った。
「どうかした?アコ」
「・・・何かあったらいつでも連絡してねエマ」
「ええ、有難う」
最近曇りがちだったエマの表情は、
ここ2、3日はしっかりしている。
良かった。
「ところでアコ」
「何々?」
悩み相談!?と気合を入れて聞いてみたけど、
「この下見でエース隊長とお近づきになれるチャンスよ。わかっているでしょうけど」
「へ」
「進展なしに帰ってきたら許さないわよ」
ね、とウィンクするエマの可愛さとは逆に感じる恐怖。
「・・・頑張りマス」
固まる私を見てエマがふふっと笑った。
「今日はお揃いね、アコ」
「あ、ほんとだ」
エマの髪にあるヘアピン。
私がこの間エマにプレゼントしたもの。
「私の宝物よ、アコ」
「私も。誰かとお揃いなんて初めて」
「初めてのお揃いはエース隊長が良かったんじゃない?」
「そんなことないよ。エマが最初で嬉しい。勿論、エース隊長から頂いたのも宝物だけど」
「・・・大事にしてね、宝物は誰にも盗られちゃ駄目よ」
「うん、大事にする」
「報告も楽しみにしてるわ」
「・・・・・はい」
楽しみで、
不安。
ドキドキなエース隊長と2人だけのお仕事まで。
あと1週間。
+ドキドキの日 終+
・・・・・一大事だ!
どうしよう!
おおお落ち着け私!
「アコ?緊張してるの?」
「しておりますッ!!」
そりゃあ緊張もするでしょう!!
大緊張だ。
だって私はこれから、
「大丈夫よ。船長は優しい人だから」
「はい!」
・・・・これから、船長に会うのだから。
ただ会うだけなら、お会いしたことはある。
ナース就任の時のご挨拶に。
でもそれ以降お目にかかれたことはないし、
何より今回は船長が私に話しがあるとのこと。
・・・・・緊張しない訳がない。
でも、大丈夫。
わかってる、ちゃんと優しい人だって。
・・・・・・大丈夫。
「行くわよ?」
「・・・・はい」
深呼吸した私を見てアリッサさんが苦笑しながら部屋のドアを叩いた。
「船長、失礼します。アコを連れてきました」
「ああ、入れ」
すぐに返事があって、
「私はここまでよ。じゃあね、アコ」
ウィンクをして去って行ってしまったアリッサさん。
・・・・ドキドキしながら、
「失礼します・・・・」
ドアを開けたら、そこに前見た時と変わらない大きな姿の船長が居た。
船長は、
「・・・・グラララ!」
私を見て笑った。
笑われた私は何だか恥ずかしくなって、
「ごっご飯粒とかついてましたか!?」
慌てて顔中を探った。
「グラララ!!面白ェ奴だ・・・何もついてやいねェよ。緊張した顔が面白かっただけだ」
・・・・恥ずかし過ぎる。
「・・・・失礼いたしました」
「わざわざ呼び出してすまなかったな」
「いえ、そんな」
「船での生活にはもう慣れたか、アコ」
・・・・驚いた。
名前を呼ばれた。
最初に会った時自己紹介をしただけなのに。
「はい・・・皆優しくて楽しいです」
「この間襲撃があったな」
「ありましたね」
「襲撃を経験して逃げて行く者も多い」
「そう、なんですか?でも海賊なのに」
「そう割り切れる奴は多くねェってこった。気にしてねェんなら何よりだ」
「お気遣い有難う御座います。・・・私は、大丈夫です」
この船から降りるなんて考えてない。
だってこの船にはあの人が居るんだから。
「そういやお前ェだったな」
「え?」
「この船に会いてェ奴が居るんだって入って来たのは」
「はっ・・・・はい!」
乗船前の面接で、私は素直に理由を告げた。
嘘をついて乗れなかったら嫌だったから。
それを信じてもらえるかは賭けだった。
でもきっと誤魔化したら駄目だと思ったから。
だから何人かは私のエース隊長への気持ちを知っている。
「エースにはもう言えたのか?」
「・・・・不甲斐ない私で申し訳ありません」
「謝るこたァねェが、早くしねェと誰かにとられちまうかもしれねェぜ・・・グラララ」
「・・・っはい」
「早く孫の顔が見たいもんだ・・・・」
「まっ!?」
穏やかな笑顔の船長からとんでもない言葉が出てきて思わず言葉に詰まった。
「言いたいことはそれだけだ。息子を頼む」
「がっ・・・頑張ります!失礼しました!」
一礼して部屋を出た。
孫って・・・・!孫って!!
船長そんな!!!
かああっと熱くなった顔。
駄目だこんな顔エマにも見せられない。
1回顔洗ってこよ。
洗って落ち着こう。
そう決めて洗面所に向かおうとした時、
「アコ、オヤジの部屋に居たのか?」
「っ、ぎゃあああ!!」
驚いて思わず大きな声が出た。
「・・・っワリ、そんな驚かしちまったか?」
でも私以上に驚いていたのは相手・・・エース隊長で。
「すすすすみません!!」
ちょうどエース隊長のこと考えていたので!
「いや、大丈夫か?オヤジんとこ行ってたんだろ?・・・何か言われたか?」
「いえあの・・・っ」
孫が楽しみだとか言われました!
・・・・って言える訳ないそんなこと!
「ふ・・・船には慣れたかと、お気遣い頂きました・・・っ」
「オヤジらしいな!で、何でそんな顔赤くしてんだよ」
「緊張しましたので・・・っ」
「ああ、なるほどな。別に大丈夫だったろ?」
「はい、とてもお優しかったです・・・!」
っていうか今1番大丈夫じゃないんですけど!!
心臓が!
「そういやアコ、今度よろしくな」
「・・・・・今度、ですか?」
今度って何だ。
何か約束したっけ。
「まだ聞いてねェ?」
「はい・・・何も」
「この間エマとマルコが行ったやつあったろ?島の下見」
「ありましたね」
「それ、今度俺とアコで行くことになった」
・・・・・・・・・え?
「私とエース隊長で、ですか」
「あァ。・・・・俺とじゃ嫌だったか?今からなら変更出来るかもしれねェけど」
苦笑したエース隊長の言葉に慌てて、
「嬉しいです!!・・・・っその、頑張ります!よろしくお願いします!」
返事。
超・チャンス!!
他の人となんて変えられたくはない。
「航海士の話しだとあと1週間くらいしたら出発ってことになるから準備しとけよ」
「はい!」
「詳しいことはエマに聞けばわかると思う。わかんないことは俺に聞けな」
「・・・有難う御座いますっ」
ああもう!幸せ過ぎる!
幸せを噛みしめていた私の頭に、ぽんと乗せられた大きな手。
「入ったばっかで大変かもしれねェけど頑張ろうぜ、アコ」
「・・・私、エース隊長が居て下さるだけでどんな時でも頑張れます」
大好きだから。
「頼りにしてるぜ、アコ」
目を細めて本当に嬉しそうに笑うエース隊長の姿がさっきの船長を思い出させた。
・・・・心臓がきゅっと締め付けられる。
私こんなに幸せでいいのだろうか。
「という訳なのでご教授よろしくお願いします」
「そんな大袈裟なものじゃないわ、アコ」
「でもエマ大変そうだったから・・・」
経験者のエマに相談。
「私の場合はマルコ隊長が同行者だったからよ。私もエース隊長が良かったわ、なんて」
「主に何が大変だった?何か言われたりされてはないんでしょ?」
「四六時中一緒なのよ。ずっと監視状態。アコに電話するのも大変だったんだから」
「・・・・ありがとねエマ」
「でも後は隊長の付き添いみたいなものだし、エース隊長がその都度教えて下さるはずよ」
「そっか・・・・難しくない?」
「難しいことはないわ、特にエース隊長となら。必要なのは目と記憶。頑張って」
・・・エマはいつも優しくて、頼もしい。
私がエマみたいに可愛くて頼もしかったら、
もっと自信がもててエース隊長にすべて伝えられてたのかもしれないなぁ、なんて思った。
「どうかした?アコ」
「・・・何かあったらいつでも連絡してねエマ」
「ええ、有難う」
最近曇りがちだったエマの表情は、
ここ2、3日はしっかりしている。
良かった。
「ところでアコ」
「何々?」
悩み相談!?と気合を入れて聞いてみたけど、
「この下見でエース隊長とお近づきになれるチャンスよ。わかっているでしょうけど」
「へ」
「進展なしに帰ってきたら許さないわよ」
ね、とウィンクするエマの可愛さとは逆に感じる恐怖。
「・・・頑張りマス」
固まる私を見てエマがふふっと笑った。
「今日はお揃いね、アコ」
「あ、ほんとだ」
エマの髪にあるヘアピン。
私がこの間エマにプレゼントしたもの。
「私の宝物よ、アコ」
「私も。誰かとお揃いなんて初めて」
「初めてのお揃いはエース隊長が良かったんじゃない?」
「そんなことないよ。エマが最初で嬉しい。勿論、エース隊長から頂いたのも宝物だけど」
「・・・大事にしてね、宝物は誰にも盗られちゃ駄目よ」
「うん、大事にする」
「報告も楽しみにしてるわ」
「・・・・・はい」
楽しみで、
不安。
ドキドキなエース隊長と2人だけのお仕事まで。
あと1週間。
+ドキドキの日 終+