僕ときみと
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「おっひるご飯!」
「ご機嫌ね、アコ。いいことあった?」
エマと一緒にお昼ご飯。
「これからあるの」
「これから?」
「午後からエース隊長と釣りするお約束なの」
「あら、素敵」
「うん、すっごい楽しみ」
「夕飯、楽しみにしてるわね。新鮮なお魚」
「頑張ります!」
何日か前に約束した、
『一緒に釣り』
今日の午後から私は自由で、
エース隊長にも何も予定がないことから今日の午後に決まった。
サッチ隊長とかも一緒なのかな。
何人でやるんだろ。
釣れるといいなぁ。
この後エース隊長のお部屋で待ち合わせ。
・・・・楽しみすぎる!
「エース隊長、失礼します」
「おー待ってたぜアコ」
エース隊長のお部屋に伺ったら、
釣り具を用意して待ってくれていた。
「私釣り初めてです・・・!」
「とりあえず俺の側離れるの禁止な」
「え?」
エース隊長の言葉にドキッとした。
でも、
「でけェ魚とか釣れたらアコじゃ逆に食われちまいそうだもんな!」
「・・・・・食べられますね確実に」
・・・・・想像してたようなロマンチックな状況じゃなかった。
でも、いいんだ。
それでも十分嬉しい。
だって私を守ってくれるってことだから。
「・・・・ところで、アコ」
「はいっ」
エース隊長の視線が私の服に。
「・・・・その恰好ですんのはどうかと思うぜ」
・・・・その恰好?
って私はいつも通りのナース服で。
・・・・駄目なの?
「え、っと・・・駄目ですか?」
「結構動くしよ・・・・その、丈がな?」
丈、と聞いてはっとなった。
「あ・・・っき、着替えてきます!!」
ナース服・・・ミニスカートだから・・・!!
慌ててエース隊長の部屋を出た。
・・・・・危ないとこだった!
でもさりげなく教えてくれるエース隊長の優しさ・・・!!
私服から適当なのを選んで、
ドキドキしながら再びエース隊長の前に。
「し・・・失礼しました、これでいかがでしょうか・・・?」
「お、いいんじゃねェ?じゃ、行くか」
「はいっ」
エース隊長の素敵な笑顔をもらって、
ほっとしながら甲板へ。
今日は穏やかないい天気。
絶好の釣り日和。
「これ、餌」
とエース隊長から手渡されたもの。
「・・・・何でしょうこれは」
「魚肉ソーセージ。腹減ったら食ってもいいぜ」
「・・・はあ」
・・・・あれ。
「ん、どした?」
「・・・他の方は?」
「居ねェ。今日の釣りは俺とアコだけだ」
「2人で全員分の食料釣るんですか!?」
「でけェのが連れたら楽だよな!頑張ろうぜ」
何の問題もないと言わんばかりのエース隊長の笑顔に何だか勇気づけられた。
・・・・よし!
「はいっ頑張ります!」
エース隊長と2人きりなんて幸せだし!
「海には落ちんなよ?俺助けられねェからな」
「気を付けます・・・!」
「餌の付け方、わかるか?」
聞かれて考えてみる。
・・・・・・魚肉ソーセージをどうやってこれにつけるの?
そんな私を見かねて、
「これはここをこうやるんだよ」
言いながらエース隊長の身体がぐっと近づいて、
私の持っていた釣竿に、
魚肉ソーセージをつけてくれた。
ち・・・・っ近い・・・・!!
「出来そうか?」
「だ・・・っだいじょぶです!!」
ほとんど見てなかったけど!
「よし、じゃあこれを投げ入れてみろよ」
「はい!」
ちゃぽん、と投げ入れる。
「反応があったらここをこうして、引き上げる」
「・・・・はい」
「無理そうだと思ったらすぐ俺に言うこと。無理すんなよ?」
「有難う御座います・・・っ!」
エース隊長の隣に座って、ぼんやりと海を眺めた。
・・・・・なんだか、あの時を思い出す。
「・・・アコ」
「あ、はい」
「何か嬉しそうだな?」
優しい笑みでそう聞かれて、
「またエース隊長とお会い出来て嬉しいな・・・って」
ついそう口にしていた。
あ。
また、って言っちゃった。
エース隊長変に思うかしら、とドキドキしながら反応を窺ってみたけど。
「ああ、俺もだ」
自然なその答えに思わず一瞬呆然。
・・・・っまた、って聞き逃したのかな?
ただお会いできて嬉しいです、に聞こえたのかしら。
・・・・それとも、もしかして。
もしかしたり・・・・する?
「あの・・・エース隊長・・・」
「アコ!」
「はいっ!?」
名前を呼んだらものすごい勢いで今度は私の名前を呼ばれて驚いた。
「竿!しっかり掴んでろよ!」
「へ!?あ、・・・っはい!」
いつの間にか握っていた竿がくい、くい、と引かれていた。
慌てて強く握ったら。
そこに突然エース隊長の大きな手が重なった。
「えっ」
「思いっきり引くぞ!アコ!」
「はい!」
言われた通り思い切り引いた。
それでも重くて、かなりの力を入れて、
「いいぞ・・・!」
「う・・・・・ひゃああっ」
引っ張った勢いで後ろに倒れてしまった。
でも背中や頭に想像してた衝撃はなくて。
痛みもない。
「・・・・・っエース隊長!?」
倒れた私を包み込むようにエース隊長が抱きしめてくれてた。
「やったなアコ!」
「え?・・・・・あ」
起き上がって見てみると甲板にビチビチと勢いよく跳ねている、魚。
人の半分くらいはあるという大きさ。
「私が・・・釣ったんですね!」
「あァ、そうだ!」
「っ有難う御座いますエース隊長ー!!」
「この調子でどんどん釣ろうな!」
「はい!楽しいです!!」
元気良く返事をしてから、
改めて距離の近さに再び意識して、
「あ・・・あのっすみません・・・!!」
慌てて飛び退いた。
「心配しなくても重くねェって」
エース隊長はからからと笑う。
・・・・ドキドキが止まらない。
私、本当にこの船に来て良かった。
「これがアコの釣ったお魚なのね?」
「私とエース隊長で釣ったお魚です!あれからも結構調子良く釣れてホント幸せだった・・・」
「ふふ、本当に幸せそう。良かったわ」
「エマは・・・何か悩みとかないの?」
いつも私のことを気にかけてくれて、
助けてくれるエマだけど。
最近少し変な気がして。
「私?・・・・私は、平気よ」
・・・少しだけど、一緒に居たから。
何となくわかる。
その笑みのぎこちなさ。
「無理・・・してない?」
「・・・ええ、大丈夫よ。有難う」
哀しそうな笑顔に、
かけられる言葉は。
「何かあったら言ってね?」
・・・・くらいだった。
+ご飯の為に! 終+