僕ときみと
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「私、エース隊長にアタックしてみようかなって」
先輩の突然の告白。
船は島を出て、新しい島を目指して航海中。
私の気持ちも新たに頑張ろうという時だった。
「え・・・・エース隊長、ですか?」
「素敵じゃない?エース隊長」
「悪くないけど・・・年下じゃない、アリッサ」
「年下、好きなの。可愛いじゃない?」
「そう?」
「年上の女と付き合って頑張ってくれる姿がいいのよ、年下は」
ショックを受ける私を無視して進めていく先輩たち。
「誘っちゃえば?夜」
「ふふ、そうする。アコは誰か好きな人居ないの?」
悪気のない笑顔でそう話しかけて来るアリッサさん。
・・・・私の好きな人、は。
「今はまだ・・・・皆さん好きです、としか」
「そっかぁ、そうよね。気になる人出来たら誘っちゃいなさいな」
「・・・・はい」
・・・・・・まさかのライバル出現。
「エマぁぁ・・・・・」
「意外なとこからライバルね」
「うん・・・私言えなかった」
エース隊長の名前。
私より5個上の可愛い先輩。
アリッサさんに誘われたら、エース隊長だって悪い気はしないだろう。
「でもエース隊長って・・・・そういうお噂聞かないわ」
「・・・・そう、かな」
「お見かけしたこともないし。アコはある?」
エマに言われて考えてみる。
・・・・確かに女性と2人きりのところを見たことはない。
「・・・・ない」
「それにエース隊長って一途な方だと思うの」
「それは私も思う」
「でもアリッサさんのことをエース隊長が好きっていう感じはしないわ」
「・・・・うん」
「エース隊長の恋のお話しとか聞いたことある?」
「今気になってる人はいるって言ってた。好きって確信したらすぐ告白するって」
確か言ってた。
「・・・気になってる人、いらっしゃるのね」
「でも誰かは教えてくれなかった」
「少なくともアリッサさんではないと思うわ。大丈夫よアコ」
優しく笑いかけてくれるエマ。
・・・・だけど、私は今残酷なことを考えた。
「ねえエマ。怒らないで欲しいんだけど」
「あら、なあに?」
「・・・・エマもエース隊長のこと好き?」
エマは私の言葉に一瞬動きを止めて、
それから苦笑した。
「素敵な方だとは思うし、恩もあるけど・・・恋ではないわね」
「・・・・何かエース隊長のこと詳しい気がして」
「仕事柄かしら、好きなの・・・その、観察するのが」
私はすぐさま頭を下げた。
「っごめんエマ!!疑った!!」
「いいのよ、気にしないで」
「・・・・ほんとに、ごめん」
「そんなことより、エース隊長のところへ行って来たら?」
「っエース隊長のとこに?・・・・でも理由ないし・・・それに」
今、アリッサさんが居たら。
そう思ったら。
「何言ってるの、エース隊長とデートしてプレゼントまでもらっておいて」
「・・・・エマ」
疑った私を励ましてくれる。
「応援してるのよ、アコ」
「有難う!行って来る!」
「頑張ってね」
・・・・・・と、勢いよく出てきたはいいものの。
いきなりエース隊長のお部屋に突撃する勇気も度胸もない。
情けないのはわかってる。
・・・・あれだけエマに迷惑かけて、
励ましてもらったのに。
私に出来ることと言ったら、
「エースたいちょー・・・・・」
名前を呼ぶことくらい。
ごめんなさいエース隊長、それでも私好きなんです。
貴方のことが。
「呼んだか?」
「え?」
ひょっと目の前に突然現れた、
「えー・・・す隊長・・・・?」
「どうした?また迷子になったか?」
優しい笑みを浮かべて、
私の前に現れた、エース隊長。
間違いない。
「なななっ、何で・・・・っ」
「俺の名前呼ぶアコの声が聞こえたから来てみたんだ」
ううう嬉しい!でも困る!
どうしよう!
「ああああ、あの、あのですねっ、今日お顔を拝見しておりませんでしたのでお元気かと!怪我、されてないかと・・・っ」
慌てて絞り出した言い訳。
「心配してくれたのか?ありがとな。怪我なんてしてねェ、元気だ」
「よ・・・良かったです・・・」
私の嘘を信じてくれたエース隊長にずきりと痛む胸。
でも今日もっと胸が痛くなったことがあった。
「あ・・・・あの、エース隊長」
「ん?」
「今日の夜・・・・よる、その」
「夜?」
「・・・・・・夜・・・・ご飯、何でしょうね」
・・・・・・・やっぱり言えなかった。
「何だと思う?」
「え?エース隊長ご存知なんですか?」
まさかの発言に驚くと、エース隊長はにやりと笑った。
「今日はイカのフルコースだぜ?俺とサッチででけェイカたくさん釣ったからな!」
「エース隊長がお釣りになったんですか?」
「あァ、楽しいぜ」
「すごいですね・・・・!」
「今度アコも一緒にやるか?釣り」
「いいんですか?」
「面白いぜ、たまに変なの釣れるし」
「やってみたいです!」
「んじゃ準備しとく。アコイカ好きか?」
「大好きです!」
「楽しみにしとけよ今日の夕飯!」
「はい!」
「じゃ、俺そろそろ行くな」
「はい、お気をつけて!」
・・・・・と、爽やかに手を振るエース隊長を見送った。
すっかり和んじゃったけど。
・・・・これで終わっちゃった。
仕方なく部屋に戻ったけど、エマはもう居なかった。
・・・・エマにもエマの仕事があるもんね。
仕方ない。
でも問題は何も解決してなくて。
もやもやした気持ちのまま夜になってしまった。
エマはまだ帰ってこない。
部屋に1人でいるのが寂しくなって、
・・・・というか気になって。
勇気を出してエース隊長の部屋に行くことに決めた。
一応、ノックはしよう。うん。
ドキドキしながら歩いていくと、アリッサさんが歩いているのが見えた。
・・・・あれ、でも。
エース隊長の部屋に行くんじゃない。
あ、こっち来た。
「あら、アコ。どうしたの?」
「あ、いえ・・・・喉が渇いたのでお茶を。アリッサさんは・・・その、エース隊長の」
お部屋に。
小さく聞いてみたら、
「フられちゃったわよ、あっさり」
「・・・・え、アリッサさんが?」
「そうよ。釣りの準備するんですって。子どもよね、嫌になっちゃうわ」
「釣りの準備・・・・」
それって、もしかして。
『今度アコも一緒にやるか?釣り』
『んじゃ準備しとく。アコイカ好きか?』
・・・・もしかして、私の為、だったり?
「アコも早く寝なさいね、お肌の為にも」
「はいっ」
嬉しい。
嬉しすぎる。
でもそれと同時に思ったことがある。
エース隊長にもエマにもこれだけ甘えておいて。
私自身はずっと受け身だった、今まで。
これじゃ駄目だ。
今のままじゃ駄目。
これからは私もガンガン積極的にいかないと!
もっともっと、
エース隊長への愛を全面的に!!
・・・・・明日から!
+明日から 終+