僕ときみと
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「髪ぼさぼさじゃない?」
「大丈夫、綺麗よ」
「服変かも・・・」
「変じゃないわ、似合ってる」
鏡を見ながらチェック。
「・・・・ごめんね、エマ」
「何言ってるの、私のことは気にしないで?」
エマは任務でお疲れで。
そんなエマを1人残して私はエース隊長とお出かけ。
・・・罪悪感がないと言ったら嘘になる。
でも、
この嬉しさは隠しきれない。
「ゆっくり休んでね、エマ」
「ええ、有難う。アコも楽しんで来て。ほら、もう時間よ?」
「・・・うん、行って来ます」
笑顔のエマにほっとしながら私は部屋を出た。
『準備が出来たら俺の部屋な』
と言われた通り、エース隊長の部屋に来てみた。
・・・部屋の、前。
深呼吸して、ドアをノック。
「エース隊長、お言葉に甘えて来ました・・・アコです」
声をかけたら、
「開いてるぜ、入って来いよ」
とのこと。
「お邪魔します・・・」
部屋に入ったらエース隊長は帽子をかぶるところだった。
「んじゃ行くか。・・・・と、そっか」
こちらを見たエース隊長は動きを一瞬止めた。
「ど・・・っどうか、されましたか・・・?」
「いや、いつもナース服しか見てなかったから新鮮だなと思ってよ」
「え・・・エマが見立ててくれました・・・っ」
「可愛いぜ」
「恐縮ですぅぅ!!!」
はぁぁぁ!!!
可愛いって・・・・言われたぁぁぁぁ!!!
しかも爽やかな笑顔で!!
「もういいんだろ?楽しみだな」
「はいっとっても楽しみです!」
島が、じゃなくてエース隊長とのデートが!
言わないけど!
2人で船を降りて、
いざ島デートスタート。
隣を歩くエース隊長の横顔を見ただけでもドキドキする。
・・・・というか、さっきからドキドキが止まらない。
「アコ?どした?」
「は!?何でしょう!?」
「・・・・緊張してんのか?」
「・・・してます」
素直に答えたら、エース隊長は寂しそうに笑った。
そして、
「・・・エマとかマルコも誘えば良かったか」
なんて言うもんだから慌てた。
「駄目ですそれは!!」
「・・・駄目?」
「いいいいえ!あの!エース隊長のことが大好きなので緊張してるんです!」
「そんなもんか?」
「そんなもんです!」
恋する乙女っていうのはそんなもんなんです!
「・・・そっか」
私の興奮気味の言葉に、
照れくさそうに笑ったエース隊長最強の可愛さ。
「んじゃまずはその緊張ほぐさねェとな」
「はい・・・!」
でもどうやって!
「お、あそこにいいのがあるぜ?」
「いいの、ですか?」
「ちょっと待ってろよ」
エース隊長はそう言うと少し先にあるお店に行き、
「ほら、これ」
戻って来たエース隊長の手にはソフトクリーム。
「わ、美味しそう」
「美味いモン食えば少しは緊張もほぐれるだろ?」
な、と笑うエース隊長に胸がきゅん。
「有難う御座います・・・!でもあの、お金」
「いいって。それより今日あるといいよなァ、竜の息」
何というか、本当にもうエース隊長の優しさにノックアウト。
これがデートなのですね・・・!
「中には紛い物もあるそうなので気を付けないとです」
「見分けつくのか?」
「勿論ですとも!本物は本当に神秘的ですごく綺麗なんですよー」
「・・・それが俺の火に似てるのか」
「はい。大好きなんです」
「・・・見てみたいな」
「頑張りましょう!」
「あァ、見つけてやる」
優しい笑みのエース隊長、プライスレス。
そしてそんなエース隊長の隣で食べるソフトクリームの美味しいこと。
「・・・ってエース隊長早いですね!?もう食べ終わったんですか!?」
私がエース隊長にうっとりしてる間にエース隊長はソフトクリームをぺろり。
「美味かったな!」
「わ・・・わたしもっ」
負けじと残っているソフトクリームにかぶりついた。
「ははっ、ンな慌てて食わなくても解けたりしねェって」
「つべたい・・・・!」
当たり前だけど!
それでも必死にかじりついて、
「ご馳走さまでした・・・!」
「アコ、ついてる」
「ほ?」
エース隊長の細長い指が私の口元に伸びて、
そ、っと。
口元を拭った。
拭った後のエース隊長の指にはクリーム。
そしてエース隊長はそれをそのまま、
ぺろり。
「っはぁぁぁ・・・・!!」
「もったいねェだろ?」
「おっしゃる通りで御座います!」
もうエース隊長の顔見れない・・・!
どうしよう!と前を向いたまま歩いていたら、
「アコ、あの店」
「え?・・・あ、石のお店ですね!」
「行ってみようぜ」
「っはい!」
石のお店発見!
意気揚々とお店に入って、きょろきょろ。
色んな石が売ってる。
・・・・でも、
「・・・・あるか?」
「・・・・・・ない、ですね」
目的の石は見当たらない。
「他の店行くか」
「・・・そうしましょう」
残念。
まあそう簡単にはね、と散策しながら次の店舗。
・・・・も、なし。
「誰かに聞いてみるか?」
「・・・ですね。私聞いてきます」
「いい、俺が行く。ここで待ってろよ」
行こうとする私を制するエース隊長の輝き・・・!
お店の人と話しをしたエース隊長が戻って来て、
「ここから少し行ったとこにあるんじゃねェかってことらしい。・・・歩けるか?」
「勿論です!」
「いい返事だ、行こうぜ!」
行こうぜ、と言いながら自然と手を取られた。
「・・・・っ、」
ててて!手が!!
でもエース隊長が何ともない顔してるので、
私も何ともないように努めた。
引っ張られるがまま歩いて着いた店は、
由緒ある、という言い方がぴったりのお店。
「失礼しまーす・・・」
薄暗くて少し狭い店内。
奥にカウンターがあって、そこに50歳くらいの女の人が1人。
「いらっしゃいませ」
「すみません、ドラゴンブレスって石を探してるんですが」
「はい、御座いますよ」
そう言って女の人が1回奥に引っ込み、
出してくれた大きな石。
「こちらがそうです。これは非売品なのですが・・・」
私が知っているものと同じ神秘的な輝き。
「へェ、これが・・・・そうか」
「売ってるものはないですか?」
「それでしたらこちらがおススメですね。小ぶりながらも高品質ですし。邪魔になりません」
次に手に取って見せてくれたそれは、
小さいドラゴンブレスのついたペンダント。
「綺麗・・・・」
思わずうっとりと呟く程、確かに綺麗。
「じゃあこれ頼む」
「へ?」
「かしこまりました、すぐにお包みしますね」
え、エース隊長これつけるの?
いやでもエース隊長なら似合わなくもない・・・?
と思っていたら、
「ほら、これ」
「え」
「アコに似合うぜ、きっと」
「わわ私にですか!?エース隊長がおつけになるのでは!」
驚く私にエース隊長が呆れた笑みを浮かべた。
「似合わねェよ。・・・俺の炎を綺麗って言ってくれた礼だ」
「あ・・・有難う御座います・・・家宝にします!!」
「大袈裟だって。俺もいいもん見せてもらったし」
感激で涙が出そう。
ああ、幸せ。
「あれ?」
「エース隊長?どうされました?」
急にエース隊長が外を見て声を出した。
「今、エマが居た」
「エマが?・・・・1人、でした?」
「ああ、1人だった」
・・・元気になったから1人で出て来たのかな?
「追いかけて誘うか?」
「・・・いえ、大丈夫です」
・・・1人で行きたいとこもあるのかもしれないし。
ほんとーにごめんね、エマ。
お土産買っていくから・・・!
心の中で謝罪して、
私はもらったペンダントを大切にしまった。
「何かエマにお土産買いたいんですけど・・・」
「だな。何か探しに行くか!」
「っはい!」
「・・・・っと、その前に腹ごしらえしねェ?」
「しましょう!」
楽しい、
幸せな、
デートで御座います。
+竜さん竜さん 終+