僕ときみと
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私がモビーに来て1か月が過ぎた。
それまでは暇え暇で仕方なかったけど、
もうすぐクルー全員の健康診断がある為今日はちょっと忙しい。
エマや、普段医務室に居ないナースさん達も総出で準備。
「それ、そこに置いてくれる?」
「えと・・・ここですか?」
「そう、それでこれはあっちに・・・順番はわかる?」
「・・・はい」
えーとえーと、これはここで。
順番は血圧からの・・・・・えーと。
「大丈夫?アコ」
「・・・・・何とか」
苦笑するエマが声をかけてくれて、
同じく苦笑いしながら答えるしかない情けない私。
「それが終わったらアコはこの書類のチェックよろしく、だそうよ」
どん、と置かれた紙の束。
「・・・了解」
まあ、やることあった方が暇よりはいいよね!
目の前のものに視線を移して、
さあ!と気合を入れたら、
「エマちゃーん!」
「はーい」
「今夜一緒にどう?」
「ごめんなさい、今日は忙しいの」
「エマちゃん今度島着いたら俺と見て回ろうぜ!?」
「うふふ、有難う御座います」
・・・エマ人気だなぁ。
「エマすごいね・・・・」
驚きを隠せない私にエマは余裕の笑みで、
「あら、アコも負けてないじゃない?」
と視線を外に送った。
視線の先には、
「アコちゃん、今日も可愛いよ!」
「怪我しちったんだよなあ俺、診てくんねーかなぁアコちゃん」
あ、あの人昨日も一昨日も怪我してた人だ。
・・・実際してなかったけど。
「怪我人ですって。行かないの?」
「・・・あの人いつも怪我してないんだもん。でも本当にしてるかもしれないから行かないとね」
「ふふ、頑張って。でもお誘いには乗っちゃ駄目よ?」
「大丈夫、ありがと」
エマにお礼を言って、怪我をした人のところへ向かう。
「お怪我されたのは何処ですか?」
「ほら、ここ」
ここ、と言って出したのは手。
指先から確かに血が見える。
・・・・でもこれって。
「・・・・サカムケですね。ハンドクリーム塗った方が・・・」
「アコちゃん塗ってくれる?」
「え、あ・・・・・・・・・はい」
思わず頷いちゃったけど。
・・・・・え、私が塗るの!?
自分で塗ればいいのに!!
戸惑いながらハンドクリームを自分の手に取りだして、
目の前に出された手に塗ろうとしたら、
突然違う手が出て来て、私は思わずその手にクリームをつけてしまった。
「あ」
「何すっ・・・・・エース・・・隊長」
その手の人がわかった瞬間顔が一気に熱くなった。
え・・・・・エース隊長!!
「それくらい自分でしろよ」
「そ・・・そうッスね!失礼しました!」
サカムケの人は誤魔化すような笑みを浮かべて逃げるように出て行った。
・・・・あらあら。
「・・・・あいついつも来てんのか?」
「あ、はい。まあ・・・」
「アコも断りゃいいだろ?」
「・・・・すみません」
おっしゃる通りです。
「・・・いや別に怒ってる訳じゃねェけどよ」
「・・・でもエース隊長、そのままじゃ中途半端ですよね?」
「中途半端?」
そっと、エース隊長の手についたクリームを広げた。
「せっかくですからちゃんと塗らないと!」
「うぉ!?」
エース隊長の大きな手を包み込む。
うわー手大きーい!
かたーい!!
うわーうわー!!
大興奮でクリームを塗りこんでいく私。
「うん、こんな感じです!」
「・・・・アコ」
「はい?」
はたと顔をが得れば、複雑なエース隊長の顔。
「・・・・ありがてェけど自分でやる」
「あ・・・・・・・・・すみません」
そうだよね・・・さっきほかのクルーに自分でやれよって言ったのに私がやってあげちゃ駄目だよね!
「・・・あんますんなよ、こういうこと」
「き・・・気を付けます」
恥ずかしくなって俯いたら、
エース隊長はそのまま背を向けて行ってしまった。
・・・・・怒らせちゃった。
「アコ、どうかした?」
「エマぁぁ・・・・!!エース隊長怒らせちゃったみたい・・・!!」
「エース隊長を!?何したの!?」
「・・・・調子乗り過ぎた」
「珍しいわね。でも謝ったんでしょう?」
「・・・・うん」
でもきっと許してはくれなかった。
だって何も言ってくれなかったんだもの。
「大丈夫、エース隊長はお優しいから」
「・・・ありがとエマ」
何となくエース隊長は、が強調された気がして。
マルコ隊長のことを思い出した。
「ねぇ、エマ。まだマルコ隊長のこと怖い?」
「・・・・怖いわ」
急に下を向いて小声になったエマから、
その言葉が真実だと伝わってくる。
「・・・そっか」
「アコは怖くないのね?」
「うん、私は・・・・まあ普通?」
あれから何回かお話ししたけど、決して怖くはなかった。
特別優しいこともない。
「じゃあ私にだけお厳しいのね・・・・」
「エマのこと好きなんじゃないの?」
「それだったら嬉しいけれど・・・ないわ」
「・・・ないの?」
「向けられているものが敵意か好意かくらいわかるわ」
「・・・敵意なの?」
「ええ」
悲し気に笑うエマに切なさがこみあげてくる。
「きっとエマと話さないからだよ!今度ゆっくり話す機会作ろう!?」
「ええ!?マルコ隊長と!?」
「そう!お茶しよう!」
私だって目見て離すまでは怖い人だなくらいにしか思ってなかったし。
じっくり話す時間が必要なんだ、きっと。
「無理よ!」
「無理じゃない!」
「でも・・・何話したらいいか・・・」
「私も居るから!」
「嬉しいけれど・・・怖いわ」
「じゃあ・・・エース隊長も一緒ならどう?」
「エース隊長も・・・?」
戸惑いがちに問いかけるエマにこくこくと頷く。
「そしたら私もエース隊長とお話しできるいい機会になるし・・・!」
「・・・そうね、そういうことならお願いしようかしら」
「っじゃあ私早速エース隊長にお願いしてくる!」
「その前に仲直りでしょう?」
「・・・・ですね。行ってくるね!」
「ふふ、行ってらっしゃい。よろしくね」
「はーい!」
・・・・と元気良く出て来たはいいけど。
そうなんだよね、仲直りなんだよね。
・・・エース隊長と。
エース隊長の部屋までは迷わずにたどり着くことが出来る。
・・・・しっかり謝って仲直りしたい。
コンコン、と力強くドアをノック。
「エース隊長、アコです。・・・・入ってもよろしいでしょうか?」
ドア越しに声をかければ、
すぐにドアが開いた。
「あ・・・エース隊長、あのっ」
少しだけ驚いたような顔のエース隊長が立っていて、
謝ろうと思うんだけど。
さっき謝ったし、これ以上どう謝ったらいいかわからなくなって言葉が止まった。
そんな私を見て、エース隊長が口を開いた。
「・・・俺の事怖いか?」
・・・エース隊長にこんなこと言わせるなんて。
「怖いのは、エース隊長と仲直り出来ないこと、です・・・」
「仲直り?」
「私さっき失礼なことしてしまって・・・だから怒っても仕方ないと思いますが・・・!」
「・・・怒ってねェって」
言いながらも複雑な顔のエース隊長に胸が痛む。
「私のことは気になさらずに!本当のこと、言って下さい・・・」
「あー・・・・まァ驚いただけだ。だからほんとに怒ってない」
それからエース隊長はいつものように笑ってくれた。
「ほ・・・・ほんとですか!?」
「信じられねェか?」
「そっそういう訳では!」
慌てた私に差し出された、手。
さっき私が包み込んだ、大きな手。
「んじゃ、これで信じられるだろ?」
「・・・・・有難う御座います・・・!」
言いながら私も手を出せば、ゆっくりと手を取られた。
仲直りの、握手。
「・・・あの、それで私エース隊長にお願いがありまして」
「お、珍しいな」
「エマがマルコ隊長のこと苦手なのはご存知だと思いますが・・・」
「ああ、知ってる」
「でもマルコ隊長は本当はお優しい人ですし、少し話せばきっと苦手意識もなくなると思うんです」
「まァ悪い奴じゃねェからな」
「それでエース隊長にもご協力をお願いしたいんです」
「マルコとエマがねェ・・・ま、いいんじゃねェの?協力するぜ」
「重ね重ね有難う御座います!よろしくお願いします!」
健康診断に、
エマとマルコ隊長の苦手意識なくそう計画。
忙しくなりそうだけど、
頑張ろう・・・!
+仲直り? 終+
それまでは暇え暇で仕方なかったけど、
もうすぐクルー全員の健康診断がある為今日はちょっと忙しい。
エマや、普段医務室に居ないナースさん達も総出で準備。
「それ、そこに置いてくれる?」
「えと・・・ここですか?」
「そう、それでこれはあっちに・・・順番はわかる?」
「・・・はい」
えーとえーと、これはここで。
順番は血圧からの・・・・・えーと。
「大丈夫?アコ」
「・・・・・何とか」
苦笑するエマが声をかけてくれて、
同じく苦笑いしながら答えるしかない情けない私。
「それが終わったらアコはこの書類のチェックよろしく、だそうよ」
どん、と置かれた紙の束。
「・・・了解」
まあ、やることあった方が暇よりはいいよね!
目の前のものに視線を移して、
さあ!と気合を入れたら、
「エマちゃーん!」
「はーい」
「今夜一緒にどう?」
「ごめんなさい、今日は忙しいの」
「エマちゃん今度島着いたら俺と見て回ろうぜ!?」
「うふふ、有難う御座います」
・・・エマ人気だなぁ。
「エマすごいね・・・・」
驚きを隠せない私にエマは余裕の笑みで、
「あら、アコも負けてないじゃない?」
と視線を外に送った。
視線の先には、
「アコちゃん、今日も可愛いよ!」
「怪我しちったんだよなあ俺、診てくんねーかなぁアコちゃん」
あ、あの人昨日も一昨日も怪我してた人だ。
・・・実際してなかったけど。
「怪我人ですって。行かないの?」
「・・・あの人いつも怪我してないんだもん。でも本当にしてるかもしれないから行かないとね」
「ふふ、頑張って。でもお誘いには乗っちゃ駄目よ?」
「大丈夫、ありがと」
エマにお礼を言って、怪我をした人のところへ向かう。
「お怪我されたのは何処ですか?」
「ほら、ここ」
ここ、と言って出したのは手。
指先から確かに血が見える。
・・・・でもこれって。
「・・・・サカムケですね。ハンドクリーム塗った方が・・・」
「アコちゃん塗ってくれる?」
「え、あ・・・・・・・・・はい」
思わず頷いちゃったけど。
・・・・・え、私が塗るの!?
自分で塗ればいいのに!!
戸惑いながらハンドクリームを自分の手に取りだして、
目の前に出された手に塗ろうとしたら、
突然違う手が出て来て、私は思わずその手にクリームをつけてしまった。
「あ」
「何すっ・・・・・エース・・・隊長」
その手の人がわかった瞬間顔が一気に熱くなった。
え・・・・・エース隊長!!
「それくらい自分でしろよ」
「そ・・・そうッスね!失礼しました!」
サカムケの人は誤魔化すような笑みを浮かべて逃げるように出て行った。
・・・・あらあら。
「・・・・あいついつも来てんのか?」
「あ、はい。まあ・・・」
「アコも断りゃいいだろ?」
「・・・・すみません」
おっしゃる通りです。
「・・・いや別に怒ってる訳じゃねェけどよ」
「・・・でもエース隊長、そのままじゃ中途半端ですよね?」
「中途半端?」
そっと、エース隊長の手についたクリームを広げた。
「せっかくですからちゃんと塗らないと!」
「うぉ!?」
エース隊長の大きな手を包み込む。
うわー手大きーい!
かたーい!!
うわーうわー!!
大興奮でクリームを塗りこんでいく私。
「うん、こんな感じです!」
「・・・・アコ」
「はい?」
はたと顔をが得れば、複雑なエース隊長の顔。
「・・・・ありがてェけど自分でやる」
「あ・・・・・・・・・すみません」
そうだよね・・・さっきほかのクルーに自分でやれよって言ったのに私がやってあげちゃ駄目だよね!
「・・・あんますんなよ、こういうこと」
「き・・・気を付けます」
恥ずかしくなって俯いたら、
エース隊長はそのまま背を向けて行ってしまった。
・・・・・怒らせちゃった。
「アコ、どうかした?」
「エマぁぁ・・・・!!エース隊長怒らせちゃったみたい・・・!!」
「エース隊長を!?何したの!?」
「・・・・調子乗り過ぎた」
「珍しいわね。でも謝ったんでしょう?」
「・・・・うん」
でもきっと許してはくれなかった。
だって何も言ってくれなかったんだもの。
「大丈夫、エース隊長はお優しいから」
「・・・ありがとエマ」
何となくエース隊長は、が強調された気がして。
マルコ隊長のことを思い出した。
「ねぇ、エマ。まだマルコ隊長のこと怖い?」
「・・・・怖いわ」
急に下を向いて小声になったエマから、
その言葉が真実だと伝わってくる。
「・・・そっか」
「アコは怖くないのね?」
「うん、私は・・・・まあ普通?」
あれから何回かお話ししたけど、決して怖くはなかった。
特別優しいこともない。
「じゃあ私にだけお厳しいのね・・・・」
「エマのこと好きなんじゃないの?」
「それだったら嬉しいけれど・・・ないわ」
「・・・ないの?」
「向けられているものが敵意か好意かくらいわかるわ」
「・・・敵意なの?」
「ええ」
悲し気に笑うエマに切なさがこみあげてくる。
「きっとエマと話さないからだよ!今度ゆっくり話す機会作ろう!?」
「ええ!?マルコ隊長と!?」
「そう!お茶しよう!」
私だって目見て離すまでは怖い人だなくらいにしか思ってなかったし。
じっくり話す時間が必要なんだ、きっと。
「無理よ!」
「無理じゃない!」
「でも・・・何話したらいいか・・・」
「私も居るから!」
「嬉しいけれど・・・怖いわ」
「じゃあ・・・エース隊長も一緒ならどう?」
「エース隊長も・・・?」
戸惑いがちに問いかけるエマにこくこくと頷く。
「そしたら私もエース隊長とお話しできるいい機会になるし・・・!」
「・・・そうね、そういうことならお願いしようかしら」
「っじゃあ私早速エース隊長にお願いしてくる!」
「その前に仲直りでしょう?」
「・・・・ですね。行ってくるね!」
「ふふ、行ってらっしゃい。よろしくね」
「はーい!」
・・・・と元気良く出て来たはいいけど。
そうなんだよね、仲直りなんだよね。
・・・エース隊長と。
エース隊長の部屋までは迷わずにたどり着くことが出来る。
・・・・しっかり謝って仲直りしたい。
コンコン、と力強くドアをノック。
「エース隊長、アコです。・・・・入ってもよろしいでしょうか?」
ドア越しに声をかければ、
すぐにドアが開いた。
「あ・・・エース隊長、あのっ」
少しだけ驚いたような顔のエース隊長が立っていて、
謝ろうと思うんだけど。
さっき謝ったし、これ以上どう謝ったらいいかわからなくなって言葉が止まった。
そんな私を見て、エース隊長が口を開いた。
「・・・俺の事怖いか?」
・・・エース隊長にこんなこと言わせるなんて。
「怖いのは、エース隊長と仲直り出来ないこと、です・・・」
「仲直り?」
「私さっき失礼なことしてしまって・・・だから怒っても仕方ないと思いますが・・・!」
「・・・怒ってねェって」
言いながらも複雑な顔のエース隊長に胸が痛む。
「私のことは気になさらずに!本当のこと、言って下さい・・・」
「あー・・・・まァ驚いただけだ。だからほんとに怒ってない」
それからエース隊長はいつものように笑ってくれた。
「ほ・・・・ほんとですか!?」
「信じられねェか?」
「そっそういう訳では!」
慌てた私に差し出された、手。
さっき私が包み込んだ、大きな手。
「んじゃ、これで信じられるだろ?」
「・・・・・有難う御座います・・・!」
言いながら私も手を出せば、ゆっくりと手を取られた。
仲直りの、握手。
「・・・あの、それで私エース隊長にお願いがありまして」
「お、珍しいな」
「エマがマルコ隊長のこと苦手なのはご存知だと思いますが・・・」
「ああ、知ってる」
「でもマルコ隊長は本当はお優しい人ですし、少し話せばきっと苦手意識もなくなると思うんです」
「まァ悪い奴じゃねェからな」
「それでエース隊長にもご協力をお願いしたいんです」
「マルコとエマがねェ・・・ま、いいんじゃねェの?協力するぜ」
「重ね重ね有難う御座います!よろしくお願いします!」
健康診断に、
エマとマルコ隊長の苦手意識なくそう計画。
忙しくなりそうだけど、
頑張ろう・・・!
+仲直り? 終+