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「グラララ・・・!俺の言った通りになったなエース!」
「オヤジの言った通り?」
ずっとこの船に居させて下さい、と船長さんにお願いしに来たところ、
豪快な笑いと共にこんな言葉を頂いた。
「結婚相手を連れて来たんだろうが」
「!?」
船長さん何を!
「結婚・・・それもそうだな」
エースさんまで納得しないでえええ!!
ああ、でもそういえば船長さん最初に会った時、
『何だエース、結婚でもするつもりかァ?グラララ・・・・!!!』
とか言ってたような気もするけど!
「エースの嫁なら俺の娘ってことになる。・・・アコ」
「あ、はい」
急に真面目な顔になった船長さんに気を引き締める。
「ここに残って俺の娘になるってことがどういうことかわかってるんだろうなァ」
「ここは・・・海賊船ですし、船長さんの娘になる、ということは私も海賊になるってことですよね」
「覚悟はあるんだな?」
「普通に考えれば怖いです。でも、ここだから。皆がいるこの場所だから一緒に生きて行きたいと思ってます」
本当の覚悟はまだ出来てないかもしれないけど。
「ここで生きていけるなら、皆が海賊だっていうなら私も海賊として生きていきます。
弱いことが気になるとおっしゃるのであれば強く・・・なります」
「グラララ!覚悟は出来てるようだな」
「どうでしょう。口だけかもしれません」
「本当に口だけの奴ぁそんなこと言わねえよ。・・・エース。お前の覚悟も出来てるんだろうな?」
そして次に船長さんが声をかけたのはエースさん。
「勿論だ」
「守ることに飽く日が来ねえと言えるか?」
「約束する。アコは俺が守り抜く」
真剣な顔で頷くエースさんに嬉しさがこみ上げる。
「アコ。どうやら俺の可愛い息子も本気のようだ・・・・これから隣に居てやってくれるか」
そして船長さんが目を細めてそう笑った。
その姿が、
『お父さん』で。
私は思わず、
「・・・はい、お父さん」
そう答えていた。
「ちょっとアコ!船内中で噂になってるんだけど!」
エースさんが今夜は宴だ!なんて言いながらサッチさんのところへ向かった為、
1人で廊下を歩いていると興奮気味のシンシアさんに声をかけられた。
「噂、ですか?」
「アコとエース隊長が結婚するって!」
「けっ・・・・!?」
「どういうことなのよ!」
私が知りたいですそんなの!
「けけけ結婚なんてしないです!・・・っでも、ここにずっと居ることは、決めました」
慌てて否定すればシンシアさんは大きな目をぱちくりと瞬かせ、
「え、決めたの?」
短く言葉を紡いだ。
「・・・・はい」
「なら結婚と似たようなもんじゃない。おめでと、アコ」
そしてアッサリと受け入れてくれて。
「有難う御座います。・・・・そういえば、お聞きしたいんですけど」
「何?」
「そんな顔しないで、ってこの間言ったじゃないですかシンシアさん。・・・どんな顔してました?」
ずっと気になってた。
『エース隊長とはどうなってるのって聞いてるの』
シンシアさんは私にそう聞いた後、
すぐに謝ったことがあって。
『だからそんな顔しないで』と。
確かにそう言った。
その時、自分がどんな顔してたのか少し気になってた。
「んー・・・・ショックを受けたような、何かを怖がってるような顔?」
「・・・・・そんな顔してました?」
「してた。だから私も反省したの。アコも真剣に悩んでるんだなって」
「シンシアさん・・・!!」
やばい、ちょっと感動した。
「お姉ちゃんって呼んでもいいですかシンシアさん!」
「あら、私は妹には甘くないけど。それでもいいの?」
「望むところです!」
なんだかんだ言いながらシンシアさんが本当は優しいことを知ってるから。
「それじゃあ改めて聞くけど。エース隊長とはどうなってるの?」
そしてやっぱり優しい笑みを浮かべたシンシアさんの言葉に、
「ずっと側に、居ます」
「そうこなくちゃ。じゃ、また今夜ね」
「はい、有難う御座います」
そうしてシンシアさんと別れて、
1人部屋に戻った。
すると、
「あれ?エースさん?」
厨房に向かったはずのエースさんが居て。
「おう、おかえり」
「厨房に行ったんじゃ?」
「もう行ってきた。アコこそ遅かったじゃねェかよ」
「途中でシンシアさんに会ってお話してたんです」
「そっか。ならいいんだ」
エースさんはホッとしたように肩を落とした後すぐに固まった。
「束縛したいとかじゃねェからな!?」
その様子が妙に可愛くて、
思わず笑みが零れた。
「わかってますよ。大丈夫です」
「ならいいけどよ・・・・つーかそろそろその呼び方やめねェ?」
「呼び方?」
「呼び捨てでいいだろ。恋人なんだから」
「ええ、でも」
「その敬語も。・・・・寂しいだろ」
今度は不貞腐れたような、拗ねたような顔。
「・・・・・・・・・・・・・・・エース?」
小さい声で名前を呟けば、
嬉しそうな笑顔。
「・・・・・・・よし」
ああ、私はこの笑顔の隣に居たいんだ。
ずっと。
+この笑顔 終+