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「うわ美味しいここのパスタ」
エースさんがお腹がすいた、というのでお昼ごはん。
入ったお店で頼んだパスタはとっても美味しかった。
パスタの美味しさに感動して隣のエースさんを見る。
見事なほどに積み上げられたお皿。
頬張る口。
「ほへも美味ェぞアコ」
私の前にお皿を出して、にし、と笑いかけてくれるエースさんが可愛いと思う。
・・・・・・・・好きだな、って思う。
お皿を受け取って一口炒め物を摘む。
「ん、ほんとだ美味しいですねー」
「アコが作った方が美味いけどな」
「・・・・・・じゃあ今度、作ります、ね」
「・・・・・・・・ああ、頼む」
エースさんは柔らかく笑った後、
ごつん!
と豪快な音を立ててお皿の上に頭を落として。
・・・・・・・寝た。
その寝顔が可愛くて。
この時間が、
とても幸せだなと思った。
午後はウィンドウショッピング。
「・・・・・・・・・つまんなくないですか?」
ちら、と隣を歩くエースさんを見る。
男の人にとってウィンドウショッピングなんてつまらないんじゃないかと思ったんだけど。
「だから気ぃ遣うなって。アコ見てるだけで面白いから大丈夫だ」
「・・・・・・・それ喜んでいいんですかね」
エースさんは優しく笑って隣に居てくれる。
「で、何処行く?」
「えっと・・・・あ、あそこの雑貨屋さんいいですか?」
「あそこな。・・・・っと、そうだアコ」
エースさんはお店に行こうとして、
何かを思い出したように私を振り返った。
「はい?」
そして、引かれた手。
ぎゅ、っと指と指が絡んだ。
「・・・・・・・・デート、って言ったろ?」
「うあ・・・・・はい」
繋いだ手からドキドキが伝わらないように祈りつつ、私達はお店へ入った。
まず目に入ったのが時計。
中でも、
「・・・・・・・・・・あ、これ」
手に取った懐中時計。
「気に入ったのか?」
銀色の蓋に描かれた海。
その中に閉じ込められた時計が時を刻む。
何て、素敵。
「すっごく。でも高そう」
「・・・・・・・買ってやろうか?」
「いっいいです!大丈夫です!お気持ちだけで!」
「・・・・・・・・・・言うと思った」
少し呆れたような、怒ったような言い方にずき、と胸が痛んだ。
でも買ってもらうなんてそんなことさせられる訳ない。
「ごめん、なさい」
「んな顔すんな。わかってるから」
そうして何も買わずに店を出て数分後。
「アコ悪い、ここで少し待っててくれ」
「え、何処行くんですか?」
「・・・・・・・・・・・・・・トイレ」
「え、あ、い、行ってらっしゃい」
突然そう言って私を置いて何処かに行ってしまったエースさん。
残された私は待つしか出来なくて。
そこへ、
「お前は火拳の女か?」
「え?」
目の前にずらりと立ちふさがった、
同じ服を着た人達。
一目でわかった。
この人達が、海軍だ。
「火拳は何処だ」
「・・・・・っ」
火拳、ってたぶんエースさんのことだよね。
逃げようにも、周りを囲まれて逃げられそうにない。
「言え!」
「トイレです」
「・・・・・・・・・・お前は何者だ?白ひげ海賊団の者か」
「私、は」
・・・・・・・・・・・・関係ないって言えって言われてる、けど。
だって私は白ひげ海賊団の皆が大好きで。
エースさんが、大好きで。
なのに関係ないなんて言えない。
私は。
白ひげ海賊団の人間じゃあないけど。
「私は・・・・・白ひげ海賊団の皆さんが大好きです。仲間だって思ってもらえてたらいいなと思ってます」
「認めたな?捕らえろ!」
うわ、やっぱり!?
でも後悔はしてない。
エースさんごめんなさい。
嘘つけませんでした。
「違ェだろアコ」
ぎゅっと目を瞑った瞬間熱くなった身体。
「へ、」
「俺の女」
「ひ・・・・火拳だ!」
強く抱きしめられていた私は、突然宙に浮いた感覚に襲われた。
「うええええ!?」
「掴まってろよアコ!」
エースさんの両腕によって私は浮いている。
いわゆるお姫様抱っこ。
そしてそのままエースさんは、
全力疾走。
「逃げたぞ!追え!」
後ろに海軍の声を聞きながら私はただ戸惑うばかりで。
「1人にして悪かった、アコ」
「え、いえっ私も・・・・嘘、つけませんでした」
「離れちまった俺が1番悪い。・・・・正直、嬉しかったし」
そこで思い出した、エースさんの台詞。
『俺の女』
・・・・・うっわああ恥ずかしくなってきた!
「よし、この辺まで来れば大丈夫だろ。平気か、アコ?」
きょろきょろと周りを見回して、
エースさんは私をゆっくり降ろしてくれた。
「あ・・・・有難う御座いました。重くなかったですか?」
「重いうちに入らねェよ。あいつらに何もされてねェか?」
「はい、何も」
言いながらいまだに早い心臓の鼓動。
落ち着かなきゃ、と思ったら。
自然とエースさんの腕を掴んでいた。
「・・・・・・・アコ?」
そんな私の行動にエースさんは少し驚いた顔をして、でも決して振り払ったりはしなかった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・もう少し、このままで、いちゃ駄目ですか」
何でこの人の側は、こんなに安心するんだろう。
・・・・・・・・・何でこんなに、
側に居たいと、思うんだろう。
「・・・・・・・・・ずっとそうしてろよ」
今はただ、
ずっとこうしていたいと、思った。
+今はただ 終+