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「好きって言ってもらったんだろ?なら何でそんな顔してんだよエース」
酒瓶と新作だというツマミを持って来たサッチが、
『アコちゃんとどうなってんの?』
と聞きながら俺の部屋に入ってきた。
「アコには帰る場所がある。家も、仲間もある、世界が。帰りたいだろ、普通」
「そんなの、帰りたくないって言わせばいいだけのことだろ?」
「どうやって?」
「そやあれだ・・・・今度島着くだろ?そこで宝石の1つや2つ買って、美味いモン食って宿でいい雰囲気にでもなれば」
「無理だな」
得意げなサッチを一蹴する。
サッチは全然アコをわかってねェ。
「え、何で。アコちゃんだってアクセサリーとか嫌いじゃないんだろ?」
「そりゃ好きだとは思うぜ?でも何の記念日でもないのにやったって申し訳ないとか言って遠慮するし」
「似合うと思ったからーとか適当に言っとけばいいだろそんなの」
「駄目なんだよそれじゃ。アコが心から受け入れてくれねェと」
「難しいなそれ」
「・・・・だから悩んでんだよ」
「切ないなあお前も」
ああ、
切ないんだよ。
「海軍?」
今度着く島には海軍が居るから気をつけろ、とエースさんが言いに来た。
「わかんねェか?とにかく俺達の敵だから気をつけろってことだ」
海上保安庁ってことかな?
あれ、でも敵?
「敵、なんですか?」
「俺達海賊だろ?」
「・・・・・・・・・でしたね」
忘れてた。
ここに居る皆優しいからなーなんて思いながらふと顔をあげると、じっと見つめるエースさんがいた。
「で、よ」
「はい?」
「・・・・・・・今度も、一緒に島、回ろうぜ」
「・・・・・・・・・・・・・はい」
エースさんからのお誘いを断る理由はなくて。
笑顔で頷けばエースさんも同じように笑ってくれた。
「さっきも言ったけど今度の島は海軍がうろついてる。なるべく俺から離れんなよ」
「あ、はい」
「万が一俺が居ない時に会っても、俺達のことは言わないこと」
「・・・・・何で、ですか?」
「俺達と繋がりがあることがわかれば、アコだってどうなるかわかんねェ」
そう話すエースさんの顔は本当に真剣で。
「だから、何を聞かれても知らないと言え。最悪誘拐されたって言えばいい」
「・・・・・・・そんな、こと」
そんなこと言えない。
だって私皆のこと大好きなのに。
「言いたくなきゃ俺の側離れんな。わかったか?」
「・・・・っはい」
「側に居れば俺が守るから。あと」
「はい?」
「・・・・・・・デートのつもり、だからな」
「・・・・・・・・・よろしくお願いします」
という訳で、
不安と楽しみが混じった、エースさんとのデート。
・・・・・・・・のハズが。
「火拳のエースでしょ?ねね、この島は初めて?私が案内するわ」
「写真よりいい男じゃない?私に付き合ってよ」
「やだ、私と一緒でしょお」
島に着いてすぐ、この状態。
たくさんの女の人(しかも美人)がエースさんの周りを囲んで。
私は必死にエースさんを見失わないように後ろをついていく。
エースさん、モテるんだ。
知らなかった。
・・・・・・・・・・ちょっと、寂しい。
と思っていたら、
「・・・・・・・・どけよ」
妙に低いエースさんの声音が聞こえて前を見れば、
一瞬空気がざわついた。
あの顔は・・・・・怖い。
「悪いがお前達と居る気はねェ。大人しく帰りゃ何もしねェよ」
その声と迫力に周りを囲んでいたお姉さん達は一気に逃げて行った。
そして、
「アコっ」
真っ先に駆け寄って来てくれて。
「・・・・・・・・エースさんの嘘つき」
「え、」
「側に居ろって言ったのに」
「・・・・・・・悪かった」
少し拗ねた私に、
エースさんは真摯に謝ってくれて。
でも私はまだ怒っていたくて。
「離さないで、下さい」
でも少しだけ甘えてみたところ。
ぐいっと腰に手が回された。
「・・・・・・・・・・・・・離さねェよ。絶対」
恥ずかしかったけど、
やっぱり離れたくないと、思った。
+離れるな、と 終+