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覚悟はして飛び込んだつもりだったけど、やっぱ海の中は冷たい。
・・・・・・ぶくぶくと沈んでいく身体に危機を覚えて慌てて目を開いて。
上を目指して泳ぐ。
・・・・・・・・上に出た時に見る景色は、どんな物なんだろう。
もうすっかり見慣れたモビーディック号か。
それとも、
懐かしい景色、なのか。
とにかく息を吸いたい。
でなきゃ死んじゃうし。
「ぶはっ」
顔を出した瞬間、
「アコ!」
私の名前を呼ぶ聞き慣れたその声。
いつの間にか降ろされている梯子。
海ギリギリのところまで来てくれいて、
手を差し伸べてくれた。
「・・・・・・・・駄目、でしたね」
「みたいだな」
その手を取った瞬間勢い良く抱き寄せられて。
「っ!?」
「・・・・・・・・・良かった」
心の底から安堵したような声と表情に何故か泣きそうになる。
「エース、さん」
「悪い。アコにとっては良くねェのにな」
「・・・・・・・・そんなこと、ないです」
そしてそのまま上に上がれば、
「ちょっとどうしたのアコ?」
「遊んでんじゃねえよい」
ざわざわと人が集まってきた。
けど、
「わっ」
ぎゅううっと強く抱きしめられた。
エースさんに、だ。
「約束。しただろ?」
「・・・・・・・あ、」
『苦しい程ぎゅーってしてやるよ』
ででででもこんな人がいっぱい居るとこで!?
「おいおい見せつけんなよエース!」
「なんだ2人がいちゃついてるだけか」
「行こうぜ」
何事かと見ていた人達はそのまま徐々に去って行って。
残ったのはシンシアさんとマルコさん。
けど、
「説明しろい、エース」
「あら、邪魔しちゃ駄目ですよマルコ隊長」
え、ちょっと。
「じゃあ2人とも、ごゆっくり」
「え、あ」
シンシアさんが私にウィンクして半ば無理やりマルコさんを連れて行ってしまった。
・・・・・・・・残された私は、まだエースさんに抱きしめられたまま。
でも、
あったかくて。
気持ちいい。
まさかこんな人前で抱きしめられることになるとは思わなかったけど。
「・・・・・・力入らねェや」
突然ぼそりと呟いたエースさん。
「え?」
「悪魔の実の能力者は海に嫌われるんだ。だから・・・今のアコに触れると力が出ねェ」
「ええ!?それを早く言って下さいよ!そしたら私すぐ離れま「駄目」」
力が出ないなんてさぞ辛かろうと離れようとしたけど、それはエースさんの力強い言葉と腕に止められた。
・・・・・・・・力、出ないって。
こんなに強く抱きしめてくれてるのに。
「離したくない」
「・・・・・・・・エースさんが、辛くないなら」
心臓がきゅううっと締め付けられる。
こんなに心動くのに、
こんなに苦しいのに。
・・・・・・・・・まだ心のどこかで帰りたいと思う自分が居ることが、
そんな自分が嫌だなと思った。
「私に何の相談もなしに帰るつもりだったの?」
「・・・・・・・・・・申し訳ありませんでした」
風邪引かないように、とナースさんのところに行っとけ、とエースさんに言われて。
シンシアさんのところへ行ってみれば当然さっきのことを聞かれた。
答えたところ、当然のようにお叱りを頂いた。
「ていうかあんだけエース隊長とラブラブなのに帰るつもりだったっていうのが1番信じられないんだけど」
げふんごふん。
「帰れるかどうはわかんなかったので・・・・」
「それにしたって2人だけでこそこそと、ねえ。やってくれるじゃない」
し・・・・・シンシアさん怒ってらっしゃる!
「シンシアさんのお怒りはごもっともです。すみませんでした」
こんな時、私はただ素直に謝る以外の術を持っていない。
「でも決して、シンシアさん達のことをないがしろにした訳じゃ、ないんです」
「違う違う。それはもう怒ってないの」
「え?」
「エース隊長とはどうなってんの、って聞いてるの」
その質問に対して、どう答えようかと考えた。
けど、シンシアさんはすぐに、
「・・・・・・・・ごめん」
確かにそう謝った。
「え、」
「私が悪かった。謝るわ。だからそんな顔しないで、アコ」
そんな顔?
・・・・・・・・・・・どんな、顔?
アコが飛び込んですぐ梯子をかけた。
・・・・・・・・・俺は海には入れないから、でも出来るだけ近くまで行きたかった。
溺れても助けてやることも出来ねェ。
自分で言っておいて馬鹿馬鹿しい、と思うものの、アコが戻ってくることを心から願った。
頼む。
顔を出してくれ。
『ぶはっ』
『アコ!』
戻ってきた。
苦しそうな顔ではあったものの、確かなアコ。
伸ばした俺の手を迷わず掴んだアコが嬉しくて、抱き寄せた。
甲板で、すぐに抱きしめた。
約束を果たす為に。
それでも海に濡れたアコに触れると力が入らない。
・・・・・・・・・苦しい程抱きしめてやるって約束したのにな。
離れようとしたアコを引き戻して、出来るだけの力で閉じ込めた。
離したくない、と言った俺に、
『エースさんが、辛くないなら』
そう返したアコの優しさが、
柔らかさがすげェ好きで。
もう帰せないかもしれないと、
思った。
+げふんごふん 終+
・・・・・・ぶくぶくと沈んでいく身体に危機を覚えて慌てて目を開いて。
上を目指して泳ぐ。
・・・・・・・・上に出た時に見る景色は、どんな物なんだろう。
もうすっかり見慣れたモビーディック号か。
それとも、
懐かしい景色、なのか。
とにかく息を吸いたい。
でなきゃ死んじゃうし。
「ぶはっ」
顔を出した瞬間、
「アコ!」
私の名前を呼ぶ聞き慣れたその声。
いつの間にか降ろされている梯子。
海ギリギリのところまで来てくれいて、
手を差し伸べてくれた。
「・・・・・・・・駄目、でしたね」
「みたいだな」
その手を取った瞬間勢い良く抱き寄せられて。
「っ!?」
「・・・・・・・・・良かった」
心の底から安堵したような声と表情に何故か泣きそうになる。
「エース、さん」
「悪い。アコにとっては良くねェのにな」
「・・・・・・・・そんなこと、ないです」
そしてそのまま上に上がれば、
「ちょっとどうしたのアコ?」
「遊んでんじゃねえよい」
ざわざわと人が集まってきた。
けど、
「わっ」
ぎゅううっと強く抱きしめられた。
エースさんに、だ。
「約束。しただろ?」
「・・・・・・・あ、」
『苦しい程ぎゅーってしてやるよ』
ででででもこんな人がいっぱい居るとこで!?
「おいおい見せつけんなよエース!」
「なんだ2人がいちゃついてるだけか」
「行こうぜ」
何事かと見ていた人達はそのまま徐々に去って行って。
残ったのはシンシアさんとマルコさん。
けど、
「説明しろい、エース」
「あら、邪魔しちゃ駄目ですよマルコ隊長」
え、ちょっと。
「じゃあ2人とも、ごゆっくり」
「え、あ」
シンシアさんが私にウィンクして半ば無理やりマルコさんを連れて行ってしまった。
・・・・・・・・残された私は、まだエースさんに抱きしめられたまま。
でも、
あったかくて。
気持ちいい。
まさかこんな人前で抱きしめられることになるとは思わなかったけど。
「・・・・・・力入らねェや」
突然ぼそりと呟いたエースさん。
「え?」
「悪魔の実の能力者は海に嫌われるんだ。だから・・・今のアコに触れると力が出ねェ」
「ええ!?それを早く言って下さいよ!そしたら私すぐ離れま「駄目」」
力が出ないなんてさぞ辛かろうと離れようとしたけど、それはエースさんの力強い言葉と腕に止められた。
・・・・・・・・力、出ないって。
こんなに強く抱きしめてくれてるのに。
「離したくない」
「・・・・・・・・エースさんが、辛くないなら」
心臓がきゅううっと締め付けられる。
こんなに心動くのに、
こんなに苦しいのに。
・・・・・・・・・まだ心のどこかで帰りたいと思う自分が居ることが、
そんな自分が嫌だなと思った。
「私に何の相談もなしに帰るつもりだったの?」
「・・・・・・・・・・申し訳ありませんでした」
風邪引かないように、とナースさんのところに行っとけ、とエースさんに言われて。
シンシアさんのところへ行ってみれば当然さっきのことを聞かれた。
答えたところ、当然のようにお叱りを頂いた。
「ていうかあんだけエース隊長とラブラブなのに帰るつもりだったっていうのが1番信じられないんだけど」
げふんごふん。
「帰れるかどうはわかんなかったので・・・・」
「それにしたって2人だけでこそこそと、ねえ。やってくれるじゃない」
し・・・・・シンシアさん怒ってらっしゃる!
「シンシアさんのお怒りはごもっともです。すみませんでした」
こんな時、私はただ素直に謝る以外の術を持っていない。
「でも決して、シンシアさん達のことをないがしろにした訳じゃ、ないんです」
「違う違う。それはもう怒ってないの」
「え?」
「エース隊長とはどうなってんの、って聞いてるの」
その質問に対して、どう答えようかと考えた。
けど、シンシアさんはすぐに、
「・・・・・・・・ごめん」
確かにそう謝った。
「え、」
「私が悪かった。謝るわ。だからそんな顔しないで、アコ」
そんな顔?
・・・・・・・・・・・どんな、顔?
アコが飛び込んですぐ梯子をかけた。
・・・・・・・・・俺は海には入れないから、でも出来るだけ近くまで行きたかった。
溺れても助けてやることも出来ねェ。
自分で言っておいて馬鹿馬鹿しい、と思うものの、アコが戻ってくることを心から願った。
頼む。
顔を出してくれ。
『ぶはっ』
『アコ!』
戻ってきた。
苦しそうな顔ではあったものの、確かなアコ。
伸ばした俺の手を迷わず掴んだアコが嬉しくて、抱き寄せた。
甲板で、すぐに抱きしめた。
約束を果たす為に。
それでも海に濡れたアコに触れると力が入らない。
・・・・・・・・・苦しい程抱きしめてやるって約束したのにな。
離れようとしたアコを引き戻して、出来るだけの力で閉じ込めた。
離したくない、と言った俺に、
『エースさんが、辛くないなら』
そう返したアコの優しさが、
柔らかさがすげェ好きで。
もう帰せないかもしれないと、
思った。
+げふんごふん 終+