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人生初の襲撃という経験。
「部屋で大人しくしてれば大丈夫」
と言うシンシアさんの言葉通り大人しく部屋で怯えていたところ、
「こんなとこにいい女が2人もいるたぁな」
舌なめずりをした男の人が銃を持って入ってきた。
「・・・・・・・シンシアさん」
「あらやだ。エース隊長ったら何やってるのかしら」
ちらりとシンシアさんを見れば臆する様子もなく平然と呟いた。
「エース?火拳のエースか?はっあいつなら今頃やられてるだろうよ」
「大丈夫よアコ。エース隊長が負ける訳ないわ」
「・・・・・・・・・・・はい」
大丈夫。
エースさんの強さなら私も目の前で見てる。
信じてる、のに声が震えた。
けれど目の前の男は私達に銃をつきつけたまま、嘲笑うように言う。
「こんな家族ごっこみてえなことしてる奴らなんかたいしたことねえなあ!」
エースさんやマルコさんが、
オヤジ、と呼ぶ船長さん。
あのあったかい笑み。
言葉。
エースさんやマルコさんが、
オヤジ、と呼ぶ時の。
あの嬉しそうな顔。
幸せそうな、雰囲気。
あれが家族ごっこ?
「家族ですよ」
「ああ?」
「ここに居る皆、ちゃんとした家族です」
チャキ、と音がした。
私の額に押し付けられた拳銃。
心臓がうるさい程に暴れだす。
怖い。怖い、と頭の中でぐるぐる回る言葉。
「アコ駄目、下がって」
制止するシンシアさんの言葉も聞こえないくらいに私の頭はパニックになっていて。
「何も知らない貴方に侮辱されたくありません、ここは、ッ!」
ここは私にとっても大事な場所だから。
けれどそれを言えないまま私は胸倉を掴まれて引き上げられた。
「うるせーなお前」
あ、これはヤバイ。
本気で怒ってる男の目に私は思わず目を閉じた。
でもどうしても言わずにおれなかった。
ああ、せめてシンシアさんには被害が及びませんように、
出来れば誰でもいいから私を助けて下さい。
・・・・・・・・・・・そしてもう1つ望みを言っていいのなら、
私を助けてくれる人が、
「誰の許可得てアコに手ェ出してんだてめェ」
「・・・・・・・・・・・・・・エースさん」
す、と降ろされた身体。
「もうエース隊長遅いっ!」
「悪かった。・・・・アコ、怪我ねェか?」
「だいじょぶ、です」
私を助けてくれる人が、エースさんだったらいいのに。
そう思っていた矢先のことだった。
「ちょっとこいつ捨ててくる。シンシア、アコ頼む」
「早く戻って来て下さいよ?」
そう言って黒こげになった男を抱えてエースさんはまた出て行ってしまって。
「まったく無茶するんだからアンタは!あのね、あんな奴らには黙って言わせとけばいいんだから」
「・・・・・・・・・・・ごめんなさい」
「ま、そろそろ終わってる頃だろうし私も行くけど、アコはここでエース隊長待ってること。オッケー?」
「・・・・・・・・はい」
返事をするだけで精一杯だった私に対して、シンシアさんは、強いなあ。
それから本当にすぐ、エースさんが戻ってきた。
「・・・・・・・アコ、大丈夫か?」
本当は大丈夫って言いたかったのに、
いつもの優しいエースさんの顔を見たら、
何だかもう何も考えられなくなった。
「エース、さんエースさんエースさんっ」
ただ怖くて、ただ安心したくて。
泣きながら縋るようにエースさんに抱きついた。
「アコ」
私を呼ぶ優しい声に、
抱きしめてくれるあったかいぬくもりに。
縋っていたかった。
だって、
「怖かった・・・っ悔しかったっ、私、弱くて、守れなくて、何も、」
「アコが守ってくれたって、シンシアが言ってたぜ」
「違います、私、黙ってれば良かったのに口を出しましたっ」
もし私に何かあったらシンシアさんにだって何が起きたかわからなかった。
私は、実感した。
「でもどんなに口で言っても弱いから、駄目なんだって、思い知らされて」
悔しかった、ただただ悔しかった。
自分の無力さがただ悔しくて怖かった。
「あとでシンシアに会いに行ってみるか?」
「え?」
「アコが居てくれて良かった、って笑ってたぜシンシアは」
「・・・・・・・でもさっき怒って」
「そりゃ心配しただけだろ」
ふと顔をあげれば、痛みを堪えてるような顔をしてるエースさんが居た。
「・・・・・・エースさん?何処か、怪我を」
「いや?怪我なんてしてねェ」
「でも、痛そう、です」
「ムカついてんだよ」
「・・・・・・・・・っごめんなさい」
「アコにじゃねェ。アコにこんなこと言わせちまってる俺に、だ」
強くそう吐き出された言葉。
・・・・・ああ、本当に優しい人。
「・・・・・・・・・・私、さっきああ死ぬなって思った時、怖かったんです」
「・・・・・・ああ」
「助けてって思って、出来ればエースさんが来てくれたらいいのにって思いました」
死にたくなかった。
でも私の力じゃどうにもならなくて。
「そしたらエースさん来てくれました。今日も、この間も。私、嬉しかったです」
止まりかけた涙はまた溢れてきて、でもそんなの気にしてる余裕なんかなかった。
「アコ、悪かった」
「・・・・・・・なのに。今日もこないだも助けてくれたのエースさんなのに!そんな寂しいこと、言わないでくださっ」
言葉にならない私の言葉を受け止めれくれたのか、腕の力は強くなった。
でも、決して痛くはない。
「アコは何があっても俺が助ける。守る。・・・だからもう、そんな顔すんな」
「っじゃあ、エースさんも、ですよ」
「・・・・・・・俺?」
「エースさんも、笑って下さい。いつもみたいに。私エースさんの笑顔、好き、ですから」
そう言ったら、
エースさんは少し顔を赤くさせて、
へへ、と笑った。
私はやっぱりその笑顔に安心して。
泣きながら、私も笑った。
+弱肉強食 終+
「部屋で大人しくしてれば大丈夫」
と言うシンシアさんの言葉通り大人しく部屋で怯えていたところ、
「こんなとこにいい女が2人もいるたぁな」
舌なめずりをした男の人が銃を持って入ってきた。
「・・・・・・・シンシアさん」
「あらやだ。エース隊長ったら何やってるのかしら」
ちらりとシンシアさんを見れば臆する様子もなく平然と呟いた。
「エース?火拳のエースか?はっあいつなら今頃やられてるだろうよ」
「大丈夫よアコ。エース隊長が負ける訳ないわ」
「・・・・・・・・・・・はい」
大丈夫。
エースさんの強さなら私も目の前で見てる。
信じてる、のに声が震えた。
けれど目の前の男は私達に銃をつきつけたまま、嘲笑うように言う。
「こんな家族ごっこみてえなことしてる奴らなんかたいしたことねえなあ!」
エースさんやマルコさんが、
オヤジ、と呼ぶ船長さん。
あのあったかい笑み。
言葉。
エースさんやマルコさんが、
オヤジ、と呼ぶ時の。
あの嬉しそうな顔。
幸せそうな、雰囲気。
あれが家族ごっこ?
「家族ですよ」
「ああ?」
「ここに居る皆、ちゃんとした家族です」
チャキ、と音がした。
私の額に押し付けられた拳銃。
心臓がうるさい程に暴れだす。
怖い。怖い、と頭の中でぐるぐる回る言葉。
「アコ駄目、下がって」
制止するシンシアさんの言葉も聞こえないくらいに私の頭はパニックになっていて。
「何も知らない貴方に侮辱されたくありません、ここは、ッ!」
ここは私にとっても大事な場所だから。
けれどそれを言えないまま私は胸倉を掴まれて引き上げられた。
「うるせーなお前」
あ、これはヤバイ。
本気で怒ってる男の目に私は思わず目を閉じた。
でもどうしても言わずにおれなかった。
ああ、せめてシンシアさんには被害が及びませんように、
出来れば誰でもいいから私を助けて下さい。
・・・・・・・・・・・そしてもう1つ望みを言っていいのなら、
私を助けてくれる人が、
「誰の許可得てアコに手ェ出してんだてめェ」
「・・・・・・・・・・・・・・エースさん」
す、と降ろされた身体。
「もうエース隊長遅いっ!」
「悪かった。・・・・アコ、怪我ねェか?」
「だいじょぶ、です」
私を助けてくれる人が、エースさんだったらいいのに。
そう思っていた矢先のことだった。
「ちょっとこいつ捨ててくる。シンシア、アコ頼む」
「早く戻って来て下さいよ?」
そう言って黒こげになった男を抱えてエースさんはまた出て行ってしまって。
「まったく無茶するんだからアンタは!あのね、あんな奴らには黙って言わせとけばいいんだから」
「・・・・・・・・・・・ごめんなさい」
「ま、そろそろ終わってる頃だろうし私も行くけど、アコはここでエース隊長待ってること。オッケー?」
「・・・・・・・・はい」
返事をするだけで精一杯だった私に対して、シンシアさんは、強いなあ。
それから本当にすぐ、エースさんが戻ってきた。
「・・・・・・・アコ、大丈夫か?」
本当は大丈夫って言いたかったのに、
いつもの優しいエースさんの顔を見たら、
何だかもう何も考えられなくなった。
「エース、さんエースさんエースさんっ」
ただ怖くて、ただ安心したくて。
泣きながら縋るようにエースさんに抱きついた。
「アコ」
私を呼ぶ優しい声に、
抱きしめてくれるあったかいぬくもりに。
縋っていたかった。
だって、
「怖かった・・・っ悔しかったっ、私、弱くて、守れなくて、何も、」
「アコが守ってくれたって、シンシアが言ってたぜ」
「違います、私、黙ってれば良かったのに口を出しましたっ」
もし私に何かあったらシンシアさんにだって何が起きたかわからなかった。
私は、実感した。
「でもどんなに口で言っても弱いから、駄目なんだって、思い知らされて」
悔しかった、ただただ悔しかった。
自分の無力さがただ悔しくて怖かった。
「あとでシンシアに会いに行ってみるか?」
「え?」
「アコが居てくれて良かった、って笑ってたぜシンシアは」
「・・・・・・・でもさっき怒って」
「そりゃ心配しただけだろ」
ふと顔をあげれば、痛みを堪えてるような顔をしてるエースさんが居た。
「・・・・・・エースさん?何処か、怪我を」
「いや?怪我なんてしてねェ」
「でも、痛そう、です」
「ムカついてんだよ」
「・・・・・・・・・っごめんなさい」
「アコにじゃねェ。アコにこんなこと言わせちまってる俺に、だ」
強くそう吐き出された言葉。
・・・・・ああ、本当に優しい人。
「・・・・・・・・・・私、さっきああ死ぬなって思った時、怖かったんです」
「・・・・・・ああ」
「助けてって思って、出来ればエースさんが来てくれたらいいのにって思いました」
死にたくなかった。
でも私の力じゃどうにもならなくて。
「そしたらエースさん来てくれました。今日も、この間も。私、嬉しかったです」
止まりかけた涙はまた溢れてきて、でもそんなの気にしてる余裕なんかなかった。
「アコ、悪かった」
「・・・・・・・なのに。今日もこないだも助けてくれたのエースさんなのに!そんな寂しいこと、言わないでくださっ」
言葉にならない私の言葉を受け止めれくれたのか、腕の力は強くなった。
でも、決して痛くはない。
「アコは何があっても俺が助ける。守る。・・・だからもう、そんな顔すんな」
「っじゃあ、エースさんも、ですよ」
「・・・・・・・俺?」
「エースさんも、笑って下さい。いつもみたいに。私エースさんの笑顔、好き、ですから」
そう言ったら、
エースさんは少し顔を赤くさせて、
へへ、と笑った。
私はやっぱりその笑顔に安心して。
泣きながら、私も笑った。
+弱肉強食 終+