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「これがアコの世界、なのか?」
「そう、です」
マルコさんからもらった資料をエースさんに見せると、エースさんは興味深そうに目を通した。
「でもどうやって行って帰ってきたかは書いてねェ、と」
「みたいです。でもマルコさんは他にもこういうことがあったかもしれないって」
「だな。・・・・・こいつは船の上で突然消えてる訳か」
「で、突然戻ってきてる訳ですね。同じ船に。そしたら私もコンビニに戻るのかなあ」
日付が同じだったらいいけど、もし違っていたら私は浦島太郎状態になるんじゃないだろうか。
ていうか皆心配してないといいけど。
「・・・・・・・・・・・・・・エースさん?」
ふと目の前のエースさんの様子がおかしいことに気づいた。
目を細めて、難しそうな、辛そうな、そんな顔をしてじっと書類を見つめてる。
「これ、マルコが見つけてくれたんだな」
「あ、はい。エースさんが頼んでくれたんですよね?有難う御座います」
「そうだ、俺が頼んだ。マルコはそういうことに詳しいし。でも、俺も調べてたんだぜ?」
そう言って今度は少し拗ねたようなエースさんに、ちょっと驚いた。
「アコにとっては誰でもいいかもしれねェけど、やっぱ悔しいっつーか」
エースさんはぼりぼりと頭をかきながら私を見ようとしない。
・・・・・・・・・・・・・もしかして、
ヤキモチ、とか?
「でも・・・・エースさんが私のこと家に帰してくれるって約束してくれたじゃないですか」
「・・・・・・・・ああ」
「それにまだ完全な情報が掴めた訳じゃないですし。・・・ほんとは、気持ちだけでも嬉しいですけど」
でもそんな言葉じゃ、エースさんは納得しないだろうから。
「アコ」
「あ、はい」
真顔のエースさんと視線がかち合って、
何を言われるのかと思えば。
「キスしていいか?」
「!?」
まったく予想していなかった台詞。
「ななな何でですか!?」
「何となく」
何となくでキスされたらたまりませんけど!?
しばらくは落ち着きそうにない心臓の鼓動がうるさくて、
「あああああの、私はこれで!」
エースさんに背を向けて何処か違うところへ行こうとした。
けど、
「逃げんなよ、アコ」
と腕を捕まれて出来なかった。
「逃がして下さいぃ!」
「逃がさねェ。・・・・・キスはしねェよ。ただ」
「・・・・・・・・・・・・ただ?」
「弁当、また作ってくれるか?」
「っはい」
ただ必死に頷いた私を見て、エースさんの手がぱっと離れた。
その瞬間を逃すまいと私はそのまま、
「では!」
走って逃げた。
ああああああどうしよう!
顔が熱い!
耳が熱い!
・・・・・・手が熱い!
「どうしたのアコ」
部屋に戻る直前でシンシアさんに見つかって、
「シンシアさんんん!!」
思わずそのままの勢いで抱きついてしまった。
「・・・・・・・・何かあったの?」
「顔が!顔が熱いんです!」
「真っ赤ね。風邪でもひいた?」
「ちが!ちがくて、ですね!」
「体温計持ってくる?」
「いいいりません!」
それからシンシアさんは、ははーん、と楽しげな声を出した。
「エース隊長と何かあった?」
「・・・・・・・・・・・・・特に、何か、あった訳では」
「でもその顔の原因はエース隊長な訳でしょ?」
「・・・・・・・・・・・はい」
そこまで言ってようやく落ち着いた。
「そんなに意識してるってことは好きなんじゃないの?」
「・・・・・・・わかんないです。だって私今まで人に好きなんて言われたことないですし」
「あら」
好きだなと思った人はいても、告白したことすらない私は、告白されたこともない。
だからこんな風になってしまうのか、
エースさんだから、なのか。
それがわからない。
「まあ恋愛初心者なアコが口説かれたりしたらその反応が普通かもね」
「そ・・・・そうなんでしょうか」
「あらあ?やっぱりエース隊長のこと?」
「わっわかんないです!・・・・シンシアさんは好きな人、とか居ないんですか」
そう切り返せば、シンシアさんは一瞬目を丸くしてきょとん、と目を瞬かせた。
「居るけど?」
そしてさも当然でしょ、と言わんばかりの回答に今度は私がきょとん、となった。
「・・・・・・・・・・・誰ですか?」
サッチさん、だったらいいのに。
「内緒。でもエース隊長じゃないから安心して?」
料理が出来る人はポイント高い、とか言ってたの誰だったっけ。
・・・・・・シンシアさんじゃなかったかな。
咲き始めた思わぬ恋愛話に次は何を話そうかと考えた瞬間、
どぉん、と大きく船が揺れた。
「うわあ!?」
「・・・・・・・・アコの部屋はここ?」
「あ、はい」
「たぶん襲撃ね。避難させてもらっていい?」
「襲撃!?」
お父さん、
お母さん。
人生初の襲撃だそうです。
+人生初の 終+
「そう、です」
マルコさんからもらった資料をエースさんに見せると、エースさんは興味深そうに目を通した。
「でもどうやって行って帰ってきたかは書いてねェ、と」
「みたいです。でもマルコさんは他にもこういうことがあったかもしれないって」
「だな。・・・・・こいつは船の上で突然消えてる訳か」
「で、突然戻ってきてる訳ですね。同じ船に。そしたら私もコンビニに戻るのかなあ」
日付が同じだったらいいけど、もし違っていたら私は浦島太郎状態になるんじゃないだろうか。
ていうか皆心配してないといいけど。
「・・・・・・・・・・・・・・エースさん?」
ふと目の前のエースさんの様子がおかしいことに気づいた。
目を細めて、難しそうな、辛そうな、そんな顔をしてじっと書類を見つめてる。
「これ、マルコが見つけてくれたんだな」
「あ、はい。エースさんが頼んでくれたんですよね?有難う御座います」
「そうだ、俺が頼んだ。マルコはそういうことに詳しいし。でも、俺も調べてたんだぜ?」
そう言って今度は少し拗ねたようなエースさんに、ちょっと驚いた。
「アコにとっては誰でもいいかもしれねェけど、やっぱ悔しいっつーか」
エースさんはぼりぼりと頭をかきながら私を見ようとしない。
・・・・・・・・・・・・・もしかして、
ヤキモチ、とか?
「でも・・・・エースさんが私のこと家に帰してくれるって約束してくれたじゃないですか」
「・・・・・・・・ああ」
「それにまだ完全な情報が掴めた訳じゃないですし。・・・ほんとは、気持ちだけでも嬉しいですけど」
でもそんな言葉じゃ、エースさんは納得しないだろうから。
「アコ」
「あ、はい」
真顔のエースさんと視線がかち合って、
何を言われるのかと思えば。
「キスしていいか?」
「!?」
まったく予想していなかった台詞。
「ななな何でですか!?」
「何となく」
何となくでキスされたらたまりませんけど!?
しばらくは落ち着きそうにない心臓の鼓動がうるさくて、
「あああああの、私はこれで!」
エースさんに背を向けて何処か違うところへ行こうとした。
けど、
「逃げんなよ、アコ」
と腕を捕まれて出来なかった。
「逃がして下さいぃ!」
「逃がさねェ。・・・・・キスはしねェよ。ただ」
「・・・・・・・・・・・・ただ?」
「弁当、また作ってくれるか?」
「っはい」
ただ必死に頷いた私を見て、エースさんの手がぱっと離れた。
その瞬間を逃すまいと私はそのまま、
「では!」
走って逃げた。
ああああああどうしよう!
顔が熱い!
耳が熱い!
・・・・・・手が熱い!
「どうしたのアコ」
部屋に戻る直前でシンシアさんに見つかって、
「シンシアさんんん!!」
思わずそのままの勢いで抱きついてしまった。
「・・・・・・・・何かあったの?」
「顔が!顔が熱いんです!」
「真っ赤ね。風邪でもひいた?」
「ちが!ちがくて、ですね!」
「体温計持ってくる?」
「いいいりません!」
それからシンシアさんは、ははーん、と楽しげな声を出した。
「エース隊長と何かあった?」
「・・・・・・・・・・・・・特に、何か、あった訳では」
「でもその顔の原因はエース隊長な訳でしょ?」
「・・・・・・・・・・・はい」
そこまで言ってようやく落ち着いた。
「そんなに意識してるってことは好きなんじゃないの?」
「・・・・・・・わかんないです。だって私今まで人に好きなんて言われたことないですし」
「あら」
好きだなと思った人はいても、告白したことすらない私は、告白されたこともない。
だからこんな風になってしまうのか、
エースさんだから、なのか。
それがわからない。
「まあ恋愛初心者なアコが口説かれたりしたらその反応が普通かもね」
「そ・・・・そうなんでしょうか」
「あらあ?やっぱりエース隊長のこと?」
「わっわかんないです!・・・・シンシアさんは好きな人、とか居ないんですか」
そう切り返せば、シンシアさんは一瞬目を丸くしてきょとん、と目を瞬かせた。
「居るけど?」
そしてさも当然でしょ、と言わんばかりの回答に今度は私がきょとん、となった。
「・・・・・・・・・・・誰ですか?」
サッチさん、だったらいいのに。
「内緒。でもエース隊長じゃないから安心して?」
料理が出来る人はポイント高い、とか言ってたの誰だったっけ。
・・・・・・シンシアさんじゃなかったかな。
咲き始めた思わぬ恋愛話に次は何を話そうかと考えた瞬間、
どぉん、と大きく船が揺れた。
「うわあ!?」
「・・・・・・・・アコの部屋はここ?」
「あ、はい」
「たぶん襲撃ね。避難させてもらっていい?」
「襲撃!?」
お父さん、
お母さん。
人生初の襲撃だそうです。
+人生初の 終+