Thank you for...
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
エースさんが任務で居なくなって3日目。
寂しいといえば寂しいし、
でも皆が色々と話しかけてくれて、
だから大丈夫と言えば大丈夫だった。
そして今日の夜、エースさんが帰ってくる。
お弁当、食べてくれたかな。
・・・・・・・・感想、聞きたいなあ。
あの日の朝のお弁当作り。
結構大変だった。
「エースの為に弁当作る?って結構な量だぜ?」
「頑張ります!ご指導お願い出来ませんかサッチさん」
元々料理は嫌いじゃないけど、
海賊の為の料理、ましてお弁当なんて私1人じゃ手に負えないと判断した。
サッチさんはとても驚いて、でもその後、
「よっしわかった!俺に任せとけってんだ!」
と笑顔で承諾してくれて。
「有難う御座いますっ!」
そしてサッチさんの助言のもと、作るものは。
「海賊弁当?」
「そ。野菜抜きのパワー補給だけを目的にした肉だけの弁当」
「・・・・・・・そりゃエースさんはお肉好きでしょうけど」
野菜がまったくないっていうのは、どうなの。
「だろ?喜ぶぜあいつ」
「いやでも栄養的にも彩り的にも問題ですよね」
「そっか?普通だと思うけどなあ俺は」
サッチさんは何もおかしくないと言った風に首を傾げる。
・・・・・・・・・・・・うーん。
「好き嫌い、ないですよねエースさん」
「ないな」
サッチさんが頷くのを確認して、私は決心した。
「じゃあやっぱり見た目にも綺麗なお弁当作りたいです。私らしい、お弁当」
その方がエースさんも喜んでくれるんじゃないかと思ったから。
「・・・・・・・・・愛されてんなぁエースの奴」
ぽつりと呟いたサッチさんの言葉に、
「そんなんじゃないですよ!?」
必死に否定するも、
「ま、時間もないことだし始めるか」
「・・・・・・・・・・・はい」
たいして気にしてない様子のサッチさんに動揺してしまった私。
落ち着け、と自分に言い聞かせてお弁当作りに取り掛かった。
とまあ2人で試行錯誤した上でのお弁当だった。
エースさん早く帰って来ないかな。
出来れば1番に出迎えたいな、と甲板に出て待っていると、
「エース待ちかい?」
「あ、はい」
マルコさんがたくさんの書類を持って歩いてきた。
「・・・・・・・エースとそういう仲になったとは聞いてねえが」
「ただ待ってるだけですよ!?」
マルコさんまで何言ってるんですか!
「見送りん時は手作りの弁当渡したんだろい?」
「・・・・・・・それは、お詫びの品で」
「へえ。まあ違うってんなら話は早い」
「え?」
「話がある。ここでいいから、聞けよい」
「・・・・・・・・・・・はい」
さっきまでからかうように笑っていたマルコさんは突然真剣な顔になった。
「エースに頼まれてニホンのことを調べてたんだがよい」
どき、と心臓が大きく動いた。
え、ちょっと待ってもしかして。
「少しわかったことがある」
「わかったこと、ですか?」
「お前さんのように来た訳じゃねえが、こちらから異世界に行っちまった事例があったんだよい」
「・・・・・・・・・・え」
こちらから、あちらに?
「しかもそいつはちゃんと戻ってきてる」
「その、異世界っていうのは」
「ここにその異世界の特徴をまとめておいたから、読んでみるかい」
そっと渡された、マルコさんが手に持っていた書類。
そこに書かれている文字に目を落とす。
デンシャやクルマ、と呼ばれる移動手段で人は移動する。
ガッコウ、というところで学ぶ若者。
海賊の存在が知られていない。
春島に行かなくても時期がくれば桜が見れる、
冬島に行かなくても雪が降ったりする。
他にもたくさん私の知っていることが書かれていた。
・・・・・・・・・・・・・そういえば、私が着いた場所は春島だってエースさん言ってたっけ。
「・・・・・・・私の知ってる世界です」
電車や車が存在する、ということは時代も恐らく近い。
四季があるということは日本だということだ。
「そうかい。だが残念なことにそいつがどういう状況でその世界に行き、こちらに帰ってきたかは書かれていなかった」
「そう、ですか」
「だが事例があったということは他にも情報が得られるかもしれねえってことだよい」
あ、これは。
少しだけ落胆した私を、励ましてくれてるのかもしれない。
「はい。・・・・・有難う御座います」
「また何かわかれば伝えるよい」
「本当に、有難う御座います」
「礼ならエースに言えよい」
「え、」
そして来た時と同じような、何処か柔らかな笑みを浮かべて去ってしまったマルコさん。
・・・・・・・・・エースさんが、マルコさんに頼んでくれたのかな。
「アコ!」
突然呼ばれた声は、下からで。
「あ・・・・・・・エース、さん」
ストライカーに乗った元気そうなエースさんの姿。
「アコ、ただいま」
「おかえり、なさい。お怪我、ないですか?」
そのまま颯爽と上がってきて、
「怪我なんかしてねェよ。大丈夫だ。それよりアコ、弁当ありがとな?」
「お弁当、どうでした?」
「すげェ美味かった。見た目もアコらしいっつーか、美味そうだったし。いや実際美味かったんだけどよ」
差し出されたそれは、空っぽのお弁当箱。
感想も、お弁当箱も。
元気そうなエースさんの姿も、
全部が私を嬉しくさせた。
さっきまで落ち込んでいた自分が嘘みたいに。
「そういやアコ何でここに居るんだ?」
「エースさん、そろそろ帰ってくる頃かなと」
「・・・・・・・俺を待っててくれたのか?」
「・・・・・・・・・・はい」
ゆっくりと頷いた瞬間、物凄い勢いで抱きしめられた。
「ふぎゃ!?」
「好きだ、アコ。・・・・・好きだ」
2回目の好きだ、がやけに心に響いて、
くらりと眩暈がした。
+くらくら 終+
寂しいといえば寂しいし、
でも皆が色々と話しかけてくれて、
だから大丈夫と言えば大丈夫だった。
そして今日の夜、エースさんが帰ってくる。
お弁当、食べてくれたかな。
・・・・・・・・感想、聞きたいなあ。
あの日の朝のお弁当作り。
結構大変だった。
「エースの為に弁当作る?って結構な量だぜ?」
「頑張ります!ご指導お願い出来ませんかサッチさん」
元々料理は嫌いじゃないけど、
海賊の為の料理、ましてお弁当なんて私1人じゃ手に負えないと判断した。
サッチさんはとても驚いて、でもその後、
「よっしわかった!俺に任せとけってんだ!」
と笑顔で承諾してくれて。
「有難う御座いますっ!」
そしてサッチさんの助言のもと、作るものは。
「海賊弁当?」
「そ。野菜抜きのパワー補給だけを目的にした肉だけの弁当」
「・・・・・・・そりゃエースさんはお肉好きでしょうけど」
野菜がまったくないっていうのは、どうなの。
「だろ?喜ぶぜあいつ」
「いやでも栄養的にも彩り的にも問題ですよね」
「そっか?普通だと思うけどなあ俺は」
サッチさんは何もおかしくないと言った風に首を傾げる。
・・・・・・・・・・・・うーん。
「好き嫌い、ないですよねエースさん」
「ないな」
サッチさんが頷くのを確認して、私は決心した。
「じゃあやっぱり見た目にも綺麗なお弁当作りたいです。私らしい、お弁当」
その方がエースさんも喜んでくれるんじゃないかと思ったから。
「・・・・・・・・・愛されてんなぁエースの奴」
ぽつりと呟いたサッチさんの言葉に、
「そんなんじゃないですよ!?」
必死に否定するも、
「ま、時間もないことだし始めるか」
「・・・・・・・・・・・はい」
たいして気にしてない様子のサッチさんに動揺してしまった私。
落ち着け、と自分に言い聞かせてお弁当作りに取り掛かった。
とまあ2人で試行錯誤した上でのお弁当だった。
エースさん早く帰って来ないかな。
出来れば1番に出迎えたいな、と甲板に出て待っていると、
「エース待ちかい?」
「あ、はい」
マルコさんがたくさんの書類を持って歩いてきた。
「・・・・・・・エースとそういう仲になったとは聞いてねえが」
「ただ待ってるだけですよ!?」
マルコさんまで何言ってるんですか!
「見送りん時は手作りの弁当渡したんだろい?」
「・・・・・・・それは、お詫びの品で」
「へえ。まあ違うってんなら話は早い」
「え?」
「話がある。ここでいいから、聞けよい」
「・・・・・・・・・・・はい」
さっきまでからかうように笑っていたマルコさんは突然真剣な顔になった。
「エースに頼まれてニホンのことを調べてたんだがよい」
どき、と心臓が大きく動いた。
え、ちょっと待ってもしかして。
「少しわかったことがある」
「わかったこと、ですか?」
「お前さんのように来た訳じゃねえが、こちらから異世界に行っちまった事例があったんだよい」
「・・・・・・・・・・え」
こちらから、あちらに?
「しかもそいつはちゃんと戻ってきてる」
「その、異世界っていうのは」
「ここにその異世界の特徴をまとめておいたから、読んでみるかい」
そっと渡された、マルコさんが手に持っていた書類。
そこに書かれている文字に目を落とす。
デンシャやクルマ、と呼ばれる移動手段で人は移動する。
ガッコウ、というところで学ぶ若者。
海賊の存在が知られていない。
春島に行かなくても時期がくれば桜が見れる、
冬島に行かなくても雪が降ったりする。
他にもたくさん私の知っていることが書かれていた。
・・・・・・・・・・・・・そういえば、私が着いた場所は春島だってエースさん言ってたっけ。
「・・・・・・・私の知ってる世界です」
電車や車が存在する、ということは時代も恐らく近い。
四季があるということは日本だということだ。
「そうかい。だが残念なことにそいつがどういう状況でその世界に行き、こちらに帰ってきたかは書かれていなかった」
「そう、ですか」
「だが事例があったということは他にも情報が得られるかもしれねえってことだよい」
あ、これは。
少しだけ落胆した私を、励ましてくれてるのかもしれない。
「はい。・・・・・有難う御座います」
「また何かわかれば伝えるよい」
「本当に、有難う御座います」
「礼ならエースに言えよい」
「え、」
そして来た時と同じような、何処か柔らかな笑みを浮かべて去ってしまったマルコさん。
・・・・・・・・・エースさんが、マルコさんに頼んでくれたのかな。
「アコ!」
突然呼ばれた声は、下からで。
「あ・・・・・・・エース、さん」
ストライカーに乗った元気そうなエースさんの姿。
「アコ、ただいま」
「おかえり、なさい。お怪我、ないですか?」
そのまま颯爽と上がってきて、
「怪我なんかしてねェよ。大丈夫だ。それよりアコ、弁当ありがとな?」
「お弁当、どうでした?」
「すげェ美味かった。見た目もアコらしいっつーか、美味そうだったし。いや実際美味かったんだけどよ」
差し出されたそれは、空っぽのお弁当箱。
感想も、お弁当箱も。
元気そうなエースさんの姿も、
全部が私を嬉しくさせた。
さっきまで落ち込んでいた自分が嘘みたいに。
「そういやアコ何でここに居るんだ?」
「エースさん、そろそろ帰ってくる頃かなと」
「・・・・・・・俺を待っててくれたのか?」
「・・・・・・・・・・はい」
ゆっくりと頷いた瞬間、物凄い勢いで抱きしめられた。
「ふぎゃ!?」
「好きだ、アコ。・・・・・好きだ」
2回目の好きだ、がやけに心に響いて、
くらりと眩暈がした。
+くらくら 終+