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「で、どういうことなんだよ」
「別に嘘はついてないですよ?好きな男性のタイプは助けてくれて側に居てくれる人ですし」
「じゃあ好きな奴が優しい奴ってのは?」
「・・・・・・・あの時好きになったのが優しい人っていうだけです」
あれから数日後、
私はエースさんの尋問を受けている。
「今でも好きなのかよ」
「今は、別に。・・・というかすっかり忘れてましたし」
「へェ」
「今はそれどころじゃないですもん。エースさんのせいで」
「そりゃいいことだな」
口角をあげてニヤリと笑うエースさんに私はゆっくりと首を傾げた。
・・・・・・・・いいこと?
何で?
「何で、ですか?」
「アコの頭が俺でいっぱいってことだろ?」
「ひゃい!?」
心臓が大きくどくん、と高鳴った。
・・・・・そのせいで変な声が出てしまって。
「その反応、脈アリだって思っていいってことか?」
「えええええええ!?えええと、えっと」
「ま、何にしても俺を騙した分はきっちり謝罪してもらわねェとなァ?」
エースさんの衝撃発言に、
「騙してないですって!」
「結果的にそうなってんだろ。諦めろ」
さーっと顔が青ざめていく。
騙したなんて人聞きの悪い!
・・・・・・・でも、もしかしたらエースさんは傷ついたのかもしれない。
それを考えると確かに謝らなきゃいけないんだと思う。
「・・・・・・すみませんでした」
「反省してんだな?」
「はい。してます」
「じゃあ何してくれる?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・へ?」
何してくれる?
エースさん確かに今そう言った。
「何、とは」
「お詫びに何かしてくれるんだろ」
「私は・・・・・何をすれば?」
ああ、もう。
こうなったらエースさんの納得のいくまでお詫びをしようじゃないか。
「別にアコのしたくないことをさせるつもりはねェよ。・・・・アコに考えてもらわなきゃ意味がねェんだ」
「責任重大ですね・・・・!」
「あと言い忘れてた」
「まだ何か!?」
「俺明日から3日間任務で船に居ないから」
「・・・・・・・・・・・・・え」
ガン、と頭を大きな石で殴られたかのような衝撃。
「だから出来れば明日の朝までに何か考えとけよ?」
「居ない・・・んですか?エースさん」
「ははッ寂しいか?」
そう言って全然寂しくなさそうなエースさんに胸が疼いた。
「・・・・・・・寂しい、です」
「え、」
「だって私、こっちの世界来てからずっと、本当にずっとエースさんと一緒で」
側に居てくれて。
それが当然のように思ってた。
でも、そうだよね。
前に任務やるんだって言ってた。
私はその時カッコイイ、って言った気がする。
「・・・・・・・・・・アコ」
「あ、いやあの!ごめんなさい変なこと言って!任務頑張って下さいね!」
何処か思いつめたような顔になったエースさんを見てハッとなった。
駄目だ、こんなんじゃ。
「やっぱ俺じゃ駄目か」
「・・・・・・・・え?」
はあ、とため息を吐いて苦笑するエースさんに驚いた。
私と同じ気持ち?
「アコが寂しい時に側に居てやれねェんじゃ、アコの好きな男にはなれねェよな」
「そんな、こと」
「俺にはオヤジを海賊王にするっていう目標がある。だから俺は行く」
「は、い」
真っ直ぐなその視線は私じゃなくて、何処か遠くを見つめていて。
ああ、やっぱり寂しいなんて思ってしまった。
「だからどうしたってアコの望む男にはなれねェって訳だ」
そしてエースさんはそう自嘲するように笑う。
そんな顔、しないで。
「・・・・・・・私は、船長さんのこと大好きです。船長さんのこと話すエースさんも、好きです」
私のことが1番じゃなくたって、私のことを考えてくれるエースさんが好き。
・・・・・・・・・・・・今はまだ、
それが恋だとは言えないけど。
それでも、
「だからエースさんには任務頑張ってきて欲しいです。そして出来れば怪我しないで、無事に帰ってきて欲しいです」
「・・・・・・・・・・・ああ、約束する」
その日の夜、私はなかなか寝付けずにいた。
エースさんの為に私が出来ること。
ごめんなさいの代わりに。
有難うの代わりに。
・・・・・思えば本当にこっちの世界来た時からずっと一緒だったから。
3日も居ないなんて考えられないかも。
・・・・エースさん、あの時美味しそうにお弁当食べてたな。
あの時のことを思い出して思わず笑みがこみ上げてきた。
・・・・・・・・・・・・・・・・あ。
そっか、この手があった!
我ながらナイスアイディアだと決めて、安心して眠りについた。
そしてエースさん出航の朝。
「じゃあ行って来る。オヤジとアコのことは頼んだぜシンシア」
「はいはい。もし怪我して帰ってきても私達は診ませんのでそのつもりでいて下さいね」
「わーってるよ」
「・・・・・・・・・エース、さん」
慣れたように見送るシンシアさんの前に出て、
私はエースさんに声をかけた。
「あの、これ。お詫びにはならないかもですけど、食べて下さい」
そっと差し出したそれは、
「・・・・・・・・・・・・・弁当?」
「エースさんにとっては1食分にもならないかもしれないですけど。一生懸命作ったので」
良かったら、と言えばエースさんは大事そうにそれを受け取って、
「アコの手作り?・・・・俺だけだよな?」
「え、はい」
それから嬉しそうに満面の笑みで、
「サンキューアコ。行ってくる!」
元気良く任務に行ってしまった。
その後姿を見届けて、
少しだけ泣きそうな自分が確かに居た。
+お詫びに、なんて 終+
「別に嘘はついてないですよ?好きな男性のタイプは助けてくれて側に居てくれる人ですし」
「じゃあ好きな奴が優しい奴ってのは?」
「・・・・・・・あの時好きになったのが優しい人っていうだけです」
あれから数日後、
私はエースさんの尋問を受けている。
「今でも好きなのかよ」
「今は、別に。・・・というかすっかり忘れてましたし」
「へェ」
「今はそれどころじゃないですもん。エースさんのせいで」
「そりゃいいことだな」
口角をあげてニヤリと笑うエースさんに私はゆっくりと首を傾げた。
・・・・・・・・いいこと?
何で?
「何で、ですか?」
「アコの頭が俺でいっぱいってことだろ?」
「ひゃい!?」
心臓が大きくどくん、と高鳴った。
・・・・・そのせいで変な声が出てしまって。
「その反応、脈アリだって思っていいってことか?」
「えええええええ!?えええと、えっと」
「ま、何にしても俺を騙した分はきっちり謝罪してもらわねェとなァ?」
エースさんの衝撃発言に、
「騙してないですって!」
「結果的にそうなってんだろ。諦めろ」
さーっと顔が青ざめていく。
騙したなんて人聞きの悪い!
・・・・・・・でも、もしかしたらエースさんは傷ついたのかもしれない。
それを考えると確かに謝らなきゃいけないんだと思う。
「・・・・・・すみませんでした」
「反省してんだな?」
「はい。してます」
「じゃあ何してくれる?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・へ?」
何してくれる?
エースさん確かに今そう言った。
「何、とは」
「お詫びに何かしてくれるんだろ」
「私は・・・・・何をすれば?」
ああ、もう。
こうなったらエースさんの納得のいくまでお詫びをしようじゃないか。
「別にアコのしたくないことをさせるつもりはねェよ。・・・・アコに考えてもらわなきゃ意味がねェんだ」
「責任重大ですね・・・・!」
「あと言い忘れてた」
「まだ何か!?」
「俺明日から3日間任務で船に居ないから」
「・・・・・・・・・・・・・え」
ガン、と頭を大きな石で殴られたかのような衝撃。
「だから出来れば明日の朝までに何か考えとけよ?」
「居ない・・・んですか?エースさん」
「ははッ寂しいか?」
そう言って全然寂しくなさそうなエースさんに胸が疼いた。
「・・・・・・・寂しい、です」
「え、」
「だって私、こっちの世界来てからずっと、本当にずっとエースさんと一緒で」
側に居てくれて。
それが当然のように思ってた。
でも、そうだよね。
前に任務やるんだって言ってた。
私はその時カッコイイ、って言った気がする。
「・・・・・・・・・・アコ」
「あ、いやあの!ごめんなさい変なこと言って!任務頑張って下さいね!」
何処か思いつめたような顔になったエースさんを見てハッとなった。
駄目だ、こんなんじゃ。
「やっぱ俺じゃ駄目か」
「・・・・・・・・え?」
はあ、とため息を吐いて苦笑するエースさんに驚いた。
私と同じ気持ち?
「アコが寂しい時に側に居てやれねェんじゃ、アコの好きな男にはなれねェよな」
「そんな、こと」
「俺にはオヤジを海賊王にするっていう目標がある。だから俺は行く」
「は、い」
真っ直ぐなその視線は私じゃなくて、何処か遠くを見つめていて。
ああ、やっぱり寂しいなんて思ってしまった。
「だからどうしたってアコの望む男にはなれねェって訳だ」
そしてエースさんはそう自嘲するように笑う。
そんな顔、しないで。
「・・・・・・・私は、船長さんのこと大好きです。船長さんのこと話すエースさんも、好きです」
私のことが1番じゃなくたって、私のことを考えてくれるエースさんが好き。
・・・・・・・・・・・・今はまだ、
それが恋だとは言えないけど。
それでも、
「だからエースさんには任務頑張ってきて欲しいです。そして出来れば怪我しないで、無事に帰ってきて欲しいです」
「・・・・・・・・・・・ああ、約束する」
その日の夜、私はなかなか寝付けずにいた。
エースさんの為に私が出来ること。
ごめんなさいの代わりに。
有難うの代わりに。
・・・・・思えば本当にこっちの世界来た時からずっと一緒だったから。
3日も居ないなんて考えられないかも。
・・・・エースさん、あの時美味しそうにお弁当食べてたな。
あの時のことを思い出して思わず笑みがこみ上げてきた。
・・・・・・・・・・・・・・・・あ。
そっか、この手があった!
我ながらナイスアイディアだと決めて、安心して眠りについた。
そしてエースさん出航の朝。
「じゃあ行って来る。オヤジとアコのことは頼んだぜシンシア」
「はいはい。もし怪我して帰ってきても私達は診ませんのでそのつもりでいて下さいね」
「わーってるよ」
「・・・・・・・・・エース、さん」
慣れたように見送るシンシアさんの前に出て、
私はエースさんに声をかけた。
「あの、これ。お詫びにはならないかもですけど、食べて下さい」
そっと差し出したそれは、
「・・・・・・・・・・・・・弁当?」
「エースさんにとっては1食分にもならないかもしれないですけど。一生懸命作ったので」
良かったら、と言えばエースさんは大事そうにそれを受け取って、
「アコの手作り?・・・・俺だけだよな?」
「え、はい」
それから嬉しそうに満面の笑みで、
「サンキューアコ。行ってくる!」
元気良く任務に行ってしまった。
その後姿を見届けて、
少しだけ泣きそうな自分が確かに居た。
+お詫びに、なんて 終+