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アコの部屋に行ったが、姿は見えなかった。
聞いてみれば、
ナース達と話してるのを食堂で見たぜ、と言う。
まあナースと一緒なら心配はねェかと思いつつ食堂に向かうと、聞こえてきた声に思わず気配を消した。
「ねね、アコはどんな人が好きなの?」
「えーっと、ざっくり言っちゃえば強くて優しい人、ですかね」
ナース達の会話に耳を澄ませる。
・・・・・・・・強くて優しい?
こないだそんなこと言ってなかっただろ。
「そういえばアコって自分の世界に恋人とか居なかったの?」
居たらそいつをどうしてやろうかと考えた。
「こここ恋人なんて居ないですよ!」
しかしアコのその答えにほっと胸を撫で下ろす。
「ふぅん。でも好きな人くらい居たんでしょ?」
ぼと、と何かが落ちた音がして、
それから少しの沈黙の後。
「・・・・・・・・・好きな人は、居ました、けど」
「どんな人!?」
・・・・・・・・・・居たのかよ好きな奴。
そんなの聞いてねェ。
「優しい人、です」
おい。
思わずそうツッコミたくなった。
・・・・・・・この間言ってたのと違うじゃねェかよ。
「やっぱり優しさは欠かせないわよねっ!でもエース隊長も優しいでしょ?」
当然出てきた自分の名前にますます出られなくなっちまった。
気になるのは当然、アコの反応で。
「・・・・・・・・・・・優しい、です」
「あらあら。エース隊長脈アリじゃない」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・こほ」
好きな奴が居たなんて初めて聞いた。
しかも優しい奴?
お前が好きなのはいざって時に助けてくれて寂しい時に側に居てくれる奴なんじゃねェのか。
俺のことも優しい、とアコは言ったが、
たぶん違う。
アコの望む優しさと、
俺の出来る優しさは。
アコの表情からそれが理解出来て、悔しかった。
「あ、じゃあ私取りに行きますよ」
考え事をしていた頭に聞こえたアコの声に意識を戻すと、
「いやいや、麗しき女性達の邪魔をする訳にはいかないって」
「美味しいケーキと紅茶のお礼に!ってことで行って来ますね!」
・・・・・・・・アコに何させる気だサッチ。
慌てて後を追えば、
「えーと。しょうゆしょうゆ・・・・あ、あった」
アコにとっては重そうな醤油の瓶2本を胸に抱えたアコの姿。
しかしその顔は心ここにあらず、で。
目の前に立ちふさがるようにしていれば、案の定ぶつかってきた。
「ぶあっ」
「危ねェだろ、アコ」
「うあああごめんなさいエースさんっ!」
「こんなの2本も持って、落としてアコが怪我したらどうすんだよ」
「え?」
きょとん、としたアコのことが可愛いと思っちまった俺はもう重症だなこりゃ。
「ほら、貸せよ。俺が持ってく」
落として怪我なんかさせたくねェしな、と手を出すがアコは笑顔で首を横に振った。
「これくらいなら大丈夫ですよー」
「貸せって」
何だかそれが妙に気に障って、半ば無理やり醤油瓶を奪った。
「あ・・・・・有難う御座います」
戸惑いながら礼を言うアコに内心舌打ちをした。
・・・・・・こんなんじゃ、駄目なんだよな。
その時、
「ったく誰だー食料庫のドア開けっ放しにした奴。仕方ねーな」
「え、あ、」
この声は4番隊の奴か。
そしてすぐに聞こえたドアの閉まる音。
ああ、このまま行きゃ鍵も閉められるな。
俺前科あるし。
予想通りガチャリ、と鍵のかかる音がして俺はほくそ笑んだ。
これでアコと2人きり、って訳だ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
「鍵閉められたなこりゃ」
「えええええええ!?ちょっとすみませーん!中に人居ますよ!すみませんて!」
「この醤油、サッチに頼まれたんだろ?ならそのうち必要になって探しに来るだろ」
慌てふためくアコに出来るだけ優しく声をかけて、落ち着かせた。
「そ、そっか。そうですよね!」
「食い物ならここにあるしな」
「は・・・・・はい。巻き込んじゃってすみませんでした、エースさん」
・・・・・・申し訳なさそうに、しゅんとした顔を見せたアコが可愛いと思うのと同時になけなしの良心が疼いた。
あの時俺が4番隊の奴に声をかけてればこんなことにはならなかった。
ただ俺は故意に黙っていた訳、だ。
「いや、謝んなきゃいけねェのは俺だしな」
「え?何でですか?」
「鍵かけられなきゃ普通に出られただろ?」
「それはそうですけど」
「俺のせいなんだよなァ鍵ついたの」
「・・・・・・・・・・・・はい?」
「俺がよくつまみ食いするから鍵ついたんだ。元々はなかったんだぜ」
だがそれは黙っておくことにする。
「はあ」
「心配すんなって。いざとなりゃ俺が何とでもしてやるよ」
「・・・・・・・・・はい」
ホントなら今でも俺がドアを蹴り飛ばしゃ出れる。絶対しねェけど。
「それよりアコ。・・・・・・・・さっきの話だけどよ」
「さっき?」
「ナース達と話してただろ?」
今がチャンスだとアコに話しかければ笑えるほどの反応が返ってきた。
「っ聞いてたんですか!?」
「聞こえてた。・・・・・悪いけど俺は優しい奴にはなれねェ」
ああ、もう駄目だ。
可愛すぎる。
我慢出来ずに欲望のままアコを抱きしめた。
「ええええエースさん!?」
「困ったときは助ける。寂しいなら側に居てやるし、落ち込んだときは励ましてやる」
「あ、有難う御座います・・・・」
「でもたぶん、アコの望む優しさは俺には無理だ」
だから俺じゃ駄目だとは認めたくない。
「こないだも言ったじゃないですか私。エースさんはエースさんらしくして下さいって」
「でもそれじゃ好きになってもらえないだろ?」
誰よりアコに好きになってもらえなきゃ意味がねェんだ。
「そんなことないですよ。エースさんなりの優しさ、好きです」
「言ったな?」
確かにアコの口から、俺でいいんだという言葉が聞けた。
無意識のうちにあがる口角。
そしてそのまま、唇をアコの額に押し付けた。
「え、」
「じゃあもうちょっとこのままな」
「ふわい!?」
それからさっきよりもっと強く抱きしめて耳元で囁いて。
もういっそずっとこのままでいてェなーなんて思っていた瞬間。
「神聖な食料庫で何してんだエース」
穏やかな笑みをたたえた、しかし一目でわかる怒っている、サッチ。
やっべ、油断してた。
「さ・・・・サッチさぁぁぁん!!」
そのまま俺の腕から離れたアコにイラッとしつつ、
「サッチんとこの隊員がドア閉めて鍵かけたのが悪いんだろ?俺達は被害者だ」
「え、マジで?ごめんなーアコちゃん、怖かったろ?」
「い、いえ・・・・」
「つーかエース居たんならお前蹴り飛ばしでも何でもすりゃ出れただろ」
「ええ!?」
・・・・・・・・・やっぱサッチがむかつく。
「だから言っただろ?俺は優しく出来ねェって」
「・・・・・・・・・・・むう」
言いながら少しだけの謝罪の意味をこめてアコの頭を撫でてやれば、
頬をふくらましながら納得のいかない様子のアコがやっぱり可愛かった。
+優しく出来ない 終+
聞いてみれば、
ナース達と話してるのを食堂で見たぜ、と言う。
まあナースと一緒なら心配はねェかと思いつつ食堂に向かうと、聞こえてきた声に思わず気配を消した。
「ねね、アコはどんな人が好きなの?」
「えーっと、ざっくり言っちゃえば強くて優しい人、ですかね」
ナース達の会話に耳を澄ませる。
・・・・・・・・強くて優しい?
こないだそんなこと言ってなかっただろ。
「そういえばアコって自分の世界に恋人とか居なかったの?」
居たらそいつをどうしてやろうかと考えた。
「こここ恋人なんて居ないですよ!」
しかしアコのその答えにほっと胸を撫で下ろす。
「ふぅん。でも好きな人くらい居たんでしょ?」
ぼと、と何かが落ちた音がして、
それから少しの沈黙の後。
「・・・・・・・・・好きな人は、居ました、けど」
「どんな人!?」
・・・・・・・・・・居たのかよ好きな奴。
そんなの聞いてねェ。
「優しい人、です」
おい。
思わずそうツッコミたくなった。
・・・・・・・この間言ってたのと違うじゃねェかよ。
「やっぱり優しさは欠かせないわよねっ!でもエース隊長も優しいでしょ?」
当然出てきた自分の名前にますます出られなくなっちまった。
気になるのは当然、アコの反応で。
「・・・・・・・・・・・優しい、です」
「あらあら。エース隊長脈アリじゃない」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・こほ」
好きな奴が居たなんて初めて聞いた。
しかも優しい奴?
お前が好きなのはいざって時に助けてくれて寂しい時に側に居てくれる奴なんじゃねェのか。
俺のことも優しい、とアコは言ったが、
たぶん違う。
アコの望む優しさと、
俺の出来る優しさは。
アコの表情からそれが理解出来て、悔しかった。
「あ、じゃあ私取りに行きますよ」
考え事をしていた頭に聞こえたアコの声に意識を戻すと、
「いやいや、麗しき女性達の邪魔をする訳にはいかないって」
「美味しいケーキと紅茶のお礼に!ってことで行って来ますね!」
・・・・・・・・アコに何させる気だサッチ。
慌てて後を追えば、
「えーと。しょうゆしょうゆ・・・・あ、あった」
アコにとっては重そうな醤油の瓶2本を胸に抱えたアコの姿。
しかしその顔は心ここにあらず、で。
目の前に立ちふさがるようにしていれば、案の定ぶつかってきた。
「ぶあっ」
「危ねェだろ、アコ」
「うあああごめんなさいエースさんっ!」
「こんなの2本も持って、落としてアコが怪我したらどうすんだよ」
「え?」
きょとん、としたアコのことが可愛いと思っちまった俺はもう重症だなこりゃ。
「ほら、貸せよ。俺が持ってく」
落として怪我なんかさせたくねェしな、と手を出すがアコは笑顔で首を横に振った。
「これくらいなら大丈夫ですよー」
「貸せって」
何だかそれが妙に気に障って、半ば無理やり醤油瓶を奪った。
「あ・・・・・有難う御座います」
戸惑いながら礼を言うアコに内心舌打ちをした。
・・・・・・こんなんじゃ、駄目なんだよな。
その時、
「ったく誰だー食料庫のドア開けっ放しにした奴。仕方ねーな」
「え、あ、」
この声は4番隊の奴か。
そしてすぐに聞こえたドアの閉まる音。
ああ、このまま行きゃ鍵も閉められるな。
俺前科あるし。
予想通りガチャリ、と鍵のかかる音がして俺はほくそ笑んだ。
これでアコと2人きり、って訳だ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
「鍵閉められたなこりゃ」
「えええええええ!?ちょっとすみませーん!中に人居ますよ!すみませんて!」
「この醤油、サッチに頼まれたんだろ?ならそのうち必要になって探しに来るだろ」
慌てふためくアコに出来るだけ優しく声をかけて、落ち着かせた。
「そ、そっか。そうですよね!」
「食い物ならここにあるしな」
「は・・・・・はい。巻き込んじゃってすみませんでした、エースさん」
・・・・・・申し訳なさそうに、しゅんとした顔を見せたアコが可愛いと思うのと同時になけなしの良心が疼いた。
あの時俺が4番隊の奴に声をかけてればこんなことにはならなかった。
ただ俺は故意に黙っていた訳、だ。
「いや、謝んなきゃいけねェのは俺だしな」
「え?何でですか?」
「鍵かけられなきゃ普通に出られただろ?」
「それはそうですけど」
「俺のせいなんだよなァ鍵ついたの」
「・・・・・・・・・・・・はい?」
「俺がよくつまみ食いするから鍵ついたんだ。元々はなかったんだぜ」
だがそれは黙っておくことにする。
「はあ」
「心配すんなって。いざとなりゃ俺が何とでもしてやるよ」
「・・・・・・・・・はい」
ホントなら今でも俺がドアを蹴り飛ばしゃ出れる。絶対しねェけど。
「それよりアコ。・・・・・・・・さっきの話だけどよ」
「さっき?」
「ナース達と話してただろ?」
今がチャンスだとアコに話しかければ笑えるほどの反応が返ってきた。
「っ聞いてたんですか!?」
「聞こえてた。・・・・・悪いけど俺は優しい奴にはなれねェ」
ああ、もう駄目だ。
可愛すぎる。
我慢出来ずに欲望のままアコを抱きしめた。
「ええええエースさん!?」
「困ったときは助ける。寂しいなら側に居てやるし、落ち込んだときは励ましてやる」
「あ、有難う御座います・・・・」
「でもたぶん、アコの望む優しさは俺には無理だ」
だから俺じゃ駄目だとは認めたくない。
「こないだも言ったじゃないですか私。エースさんはエースさんらしくして下さいって」
「でもそれじゃ好きになってもらえないだろ?」
誰よりアコに好きになってもらえなきゃ意味がねェんだ。
「そんなことないですよ。エースさんなりの優しさ、好きです」
「言ったな?」
確かにアコの口から、俺でいいんだという言葉が聞けた。
無意識のうちにあがる口角。
そしてそのまま、唇をアコの額に押し付けた。
「え、」
「じゃあもうちょっとこのままな」
「ふわい!?」
それからさっきよりもっと強く抱きしめて耳元で囁いて。
もういっそずっとこのままでいてェなーなんて思っていた瞬間。
「神聖な食料庫で何してんだエース」
穏やかな笑みをたたえた、しかし一目でわかる怒っている、サッチ。
やっべ、油断してた。
「さ・・・・サッチさぁぁぁん!!」
そのまま俺の腕から離れたアコにイラッとしつつ、
「サッチんとこの隊員がドア閉めて鍵かけたのが悪いんだろ?俺達は被害者だ」
「え、マジで?ごめんなーアコちゃん、怖かったろ?」
「い、いえ・・・・」
「つーかエース居たんならお前蹴り飛ばしでも何でもすりゃ出れただろ」
「ええ!?」
・・・・・・・・・やっぱサッチがむかつく。
「だから言っただろ?俺は優しく出来ねェって」
「・・・・・・・・・・・むう」
言いながら少しだけの謝罪の意味をこめてアコの頭を撫でてやれば、
頬をふくらましながら納得のいかない様子のアコがやっぱり可愛かった。
+優しく出来ない 終+