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「料理が上手なのはポイント高いわよね」
「わかるわかるぅ!あとやっぱり強い人」
「優しいっていうのも欠かせないって」
「何より心の広さよね。船長みたいに大きい人!」
目の前に広がる美味しいケーキと紅茶。
美人のナースさん達。
繰り広げられる男性の好みのタイプの話。
「ねね、アコはどんな人が好きなの?」
「えーっと、ざっくり言っちゃえば強くて優しい人、ですかね」
「そういえばアコって自分の世界に恋人とか居なかったの?」
シンシアさんを筆頭にナースさん皆興味津々。
「こここ恋人なんて居ないですよ!」
「ふぅん。でも好きな人くらい居たんでしょ?」
いきなり話題が私のことになってしまいどぎまぎ。
思わず口に運んでいたケーキをお皿の上に落としてしまった。
・・・・・・・・・・・落ちたのがお皿の上で良かった。うん。
「・・・・・・・・・好きな人は、居ました、けど」
「どんな人!?」
「優しい人、です」
「やっぱり優しさは欠かせないわよねっ!でもエース隊長も優しいでしょ?」
何でそこでエースさんの話しになるのか、私の顔はますます熱くなる。
「・・・・・・・・・・・優しい、です」
「あらあら。エース隊長脈アリじゃない」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・こほ」
ものすごく恥ずかしくなって残っていたケーキを一気に頬張った。
エースさんは優しい。
強いし、カッコイイ。
でも、恋での好きかって言われると、困る。
と、
「やべっ醤油足りねえ!」
サッチさんの焦った声が聞こえた。
どうやら夕飯の下ごしらえ中らしい。
「緊急事態ですかサッチさん」
「いや、食料庫に行きゃあるから大丈夫なんだけどな」
「あ、じゃあ私取りに行きますよ」
「いやいや、麗しき女性達の邪魔をする訳にはいかないって」
「美味しいケーキと紅茶のお礼に!ってことで行って来ますね!」
何というか、これ以上あの場に居ることがいたたまれなかった。
だから私はこれ幸いと食料庫へ向かった。
「えーと。しょうゆしょうゆ・・・・あ、あった」
醤油の瓶を2本胸に抱えて、これくらいでいいかなと食料庫を出ようとした時、
ドン、と何かにぶつかった。
「ぶあっ」
「危ねェだろ、アコ」
目の前に突然現れたのはエースさんで。
その顔を見た瞬間さっきの話を思い出してしまった。
「うあああごめんなさいエースさんっ!」
「こんなの2本も持って、落としてアコが怪我したらどうすんだよ」
「え?」
そっち?
てっきり考え事をしてぶつかったことを注意されたのかと思ってた。
「ほら、貸せよ。俺が持ってく」
そう言って手を出してくれるエースさんに首をぶんぶんと横に振った。
「これくらいなら大丈夫ですよー」
「貸せって」
言いながらエースさんは半ば強引に私の腕の中から醤油瓶を2本奪った。
・・・・・・・・強引な優しさ。
でも、嬉しい。
「あ・・・・・有難う御座います」
ますます熱くなっていく顔にさっさと出ようとした、その瞬間。
バタン、と目の前で閉まるドア。
え?
「ったく誰だー食料庫のドア開けっ放しにした奴。仕方ねーな」
「え、あ、」
いきなりのことに頭がついていけず、声が出ない私の耳に聞こえた、
ガチャリ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
「鍵閉められたなこりゃ」
隣で平然と呟くエースさんに、
「えええええええ!?ちょっとすみませーん!中に人居ますよ!すみませんて!」
慌てて外に向かって大声を出してみるけど、
反応はない。
「この醤油、サッチに頼まれたんだろ?ならそのうち必要になって探しに来るだろ」
「そ、そっか。そうですよね!」
「食い物ならここにあるしな」
「は・・・・・はい。巻き込んじゃってすみませんでした、エースさん」
元々醤油持ってきます、と宣言したのは私だし。
のろのろしてたからこんなことになっちゃった訳で。
エースさんに申し訳ない。
はずなのに、
「いや、謝んなきゃいけねェのは俺だしな」
「え?何でですか?」
「鍵かけられなきゃ普通に出られただろ?」
薄暗い食料庫の中で見えるエースさんの顔はいつになく真剣で、
何処か申し訳なさそうでもある。
「それはそうですけど」
「俺のせいなんだよなァ鍵ついたの」
「・・・・・・・・・・・・はい?」
「俺がよくつまみ食いするから鍵ついたんだ。元々はなかったんだぜ」
何というか、エースさんらしい、というか。
「はあ」
とため息交じりの返事しか出来なかった。
「心配すんなって。いざとなりゃ俺が何とでもしてやるよ」
「・・・・・・・・・はい」
確かにそんなに心配する必要もないか、と考えて落ち着くことにした。
「それよりアコ。・・・・・・・・さっきの話だけどよ」
「さっき?」
「ナース達と話してただろ?」
「っ聞いてたんですか!?」
「聞こえてた。・・・・・悪いけど俺は優しい奴にはなれねェ」
「へ?」
そして本当の暗闇。
背中にきつく回された腕に抱きしめられてるんだと理解した。
「ええええエースさん!?」
「困ったときは助ける。寂しいなら側に居てやるし、落ち込んだときは励ましてやる」
「あ、有難う御座います・・・・」
「でもたぶん、アコの望む優しさは俺には無理だ」
暗いし抱きしめられてるしで顔が見えないけど、たぶん辛そうな顔してるんだろうなあエースさん。
だって声が辛そう。
「こないだも言ったじゃないですか私。エースさんはエースさんらしくして下さいって」
「でもそれじゃ好きになってもらえないだろ?」
「そんなことないですよ。エースさんなりの優しさ、好きです」
「言ったな?」
顔が見えない状況に変わりはないものの、その声に今までと違うものを感じてドキッとした。
「え、」
その瞬間額に感じた柔らかい感触。
ちゅ、という音。
「じゃあもうちょっとこのままな」
「ふわい!?」
どうしよう顔が熱いしエースさんもあったかいしもう何が何だか!!
ああっ誰か助けて!
そう強く願った時、
「神聖な食料庫で何してんだエース」
穏やかな笑みをたたえた、けれど一目でわかる怒ったサッチさん。
開かれたドア。
「さ・・・・サッチさぁぁぁん!!」
見えた光に外に出る。
「サッチんとこの隊員がドア閉めて鍵かけたのが悪いんだろ?俺達は被害者だ」
「え、マジで?ごめんなーアコちゃん、怖かったろ?」
「い、いえ・・・・」
「つーかエース居たんならお前蹴り飛ばしでも何でもすりゃ出れただろ」
「ええ!?」
そんなこと出来るの!?
思わずエースさんを見ると、にやりと不敵に笑った。
「だから言っただろ?俺は優しく出来ねェって」
「・・・・・・・・・・・むう」
それでもそう言いながら頭を撫でてくれるエースさんは、
やっぱり優しいと思うんだけどな。
+優しくして下さい 終+
「わかるわかるぅ!あとやっぱり強い人」
「優しいっていうのも欠かせないって」
「何より心の広さよね。船長みたいに大きい人!」
目の前に広がる美味しいケーキと紅茶。
美人のナースさん達。
繰り広げられる男性の好みのタイプの話。
「ねね、アコはどんな人が好きなの?」
「えーっと、ざっくり言っちゃえば強くて優しい人、ですかね」
「そういえばアコって自分の世界に恋人とか居なかったの?」
シンシアさんを筆頭にナースさん皆興味津々。
「こここ恋人なんて居ないですよ!」
「ふぅん。でも好きな人くらい居たんでしょ?」
いきなり話題が私のことになってしまいどぎまぎ。
思わず口に運んでいたケーキをお皿の上に落としてしまった。
・・・・・・・・・・・落ちたのがお皿の上で良かった。うん。
「・・・・・・・・・好きな人は、居ました、けど」
「どんな人!?」
「優しい人、です」
「やっぱり優しさは欠かせないわよねっ!でもエース隊長も優しいでしょ?」
何でそこでエースさんの話しになるのか、私の顔はますます熱くなる。
「・・・・・・・・・・・優しい、です」
「あらあら。エース隊長脈アリじゃない」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・こほ」
ものすごく恥ずかしくなって残っていたケーキを一気に頬張った。
エースさんは優しい。
強いし、カッコイイ。
でも、恋での好きかって言われると、困る。
と、
「やべっ醤油足りねえ!」
サッチさんの焦った声が聞こえた。
どうやら夕飯の下ごしらえ中らしい。
「緊急事態ですかサッチさん」
「いや、食料庫に行きゃあるから大丈夫なんだけどな」
「あ、じゃあ私取りに行きますよ」
「いやいや、麗しき女性達の邪魔をする訳にはいかないって」
「美味しいケーキと紅茶のお礼に!ってことで行って来ますね!」
何というか、これ以上あの場に居ることがいたたまれなかった。
だから私はこれ幸いと食料庫へ向かった。
「えーと。しょうゆしょうゆ・・・・あ、あった」
醤油の瓶を2本胸に抱えて、これくらいでいいかなと食料庫を出ようとした時、
ドン、と何かにぶつかった。
「ぶあっ」
「危ねェだろ、アコ」
目の前に突然現れたのはエースさんで。
その顔を見た瞬間さっきの話を思い出してしまった。
「うあああごめんなさいエースさんっ!」
「こんなの2本も持って、落としてアコが怪我したらどうすんだよ」
「え?」
そっち?
てっきり考え事をしてぶつかったことを注意されたのかと思ってた。
「ほら、貸せよ。俺が持ってく」
そう言って手を出してくれるエースさんに首をぶんぶんと横に振った。
「これくらいなら大丈夫ですよー」
「貸せって」
言いながらエースさんは半ば強引に私の腕の中から醤油瓶を2本奪った。
・・・・・・・・強引な優しさ。
でも、嬉しい。
「あ・・・・・有難う御座います」
ますます熱くなっていく顔にさっさと出ようとした、その瞬間。
バタン、と目の前で閉まるドア。
え?
「ったく誰だー食料庫のドア開けっ放しにした奴。仕方ねーな」
「え、あ、」
いきなりのことに頭がついていけず、声が出ない私の耳に聞こえた、
ガチャリ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
「鍵閉められたなこりゃ」
隣で平然と呟くエースさんに、
「えええええええ!?ちょっとすみませーん!中に人居ますよ!すみませんて!」
慌てて外に向かって大声を出してみるけど、
反応はない。
「この醤油、サッチに頼まれたんだろ?ならそのうち必要になって探しに来るだろ」
「そ、そっか。そうですよね!」
「食い物ならここにあるしな」
「は・・・・・はい。巻き込んじゃってすみませんでした、エースさん」
元々醤油持ってきます、と宣言したのは私だし。
のろのろしてたからこんなことになっちゃった訳で。
エースさんに申し訳ない。
はずなのに、
「いや、謝んなきゃいけねェのは俺だしな」
「え?何でですか?」
「鍵かけられなきゃ普通に出られただろ?」
薄暗い食料庫の中で見えるエースさんの顔はいつになく真剣で、
何処か申し訳なさそうでもある。
「それはそうですけど」
「俺のせいなんだよなァ鍵ついたの」
「・・・・・・・・・・・・はい?」
「俺がよくつまみ食いするから鍵ついたんだ。元々はなかったんだぜ」
何というか、エースさんらしい、というか。
「はあ」
とため息交じりの返事しか出来なかった。
「心配すんなって。いざとなりゃ俺が何とでもしてやるよ」
「・・・・・・・・・はい」
確かにそんなに心配する必要もないか、と考えて落ち着くことにした。
「それよりアコ。・・・・・・・・さっきの話だけどよ」
「さっき?」
「ナース達と話してただろ?」
「っ聞いてたんですか!?」
「聞こえてた。・・・・・悪いけど俺は優しい奴にはなれねェ」
「へ?」
そして本当の暗闇。
背中にきつく回された腕に抱きしめられてるんだと理解した。
「ええええエースさん!?」
「困ったときは助ける。寂しいなら側に居てやるし、落ち込んだときは励ましてやる」
「あ、有難う御座います・・・・」
「でもたぶん、アコの望む優しさは俺には無理だ」
暗いし抱きしめられてるしで顔が見えないけど、たぶん辛そうな顔してるんだろうなあエースさん。
だって声が辛そう。
「こないだも言ったじゃないですか私。エースさんはエースさんらしくして下さいって」
「でもそれじゃ好きになってもらえないだろ?」
「そんなことないですよ。エースさんなりの優しさ、好きです」
「言ったな?」
顔が見えない状況に変わりはないものの、その声に今までと違うものを感じてドキッとした。
「え、」
その瞬間額に感じた柔らかい感触。
ちゅ、という音。
「じゃあもうちょっとこのままな」
「ふわい!?」
どうしよう顔が熱いしエースさんもあったかいしもう何が何だか!!
ああっ誰か助けて!
そう強く願った時、
「神聖な食料庫で何してんだエース」
穏やかな笑みをたたえた、けれど一目でわかる怒ったサッチさん。
開かれたドア。
「さ・・・・サッチさぁぁぁん!!」
見えた光に外に出る。
「サッチんとこの隊員がドア閉めて鍵かけたのが悪いんだろ?俺達は被害者だ」
「え、マジで?ごめんなーアコちゃん、怖かったろ?」
「い、いえ・・・・」
「つーかエース居たんならお前蹴り飛ばしでも何でもすりゃ出れただろ」
「ええ!?」
そんなこと出来るの!?
思わずエースさんを見ると、にやりと不敵に笑った。
「だから言っただろ?俺は優しく出来ねェって」
「・・・・・・・・・・・むう」
それでもそう言いながら頭を撫でてくれるエースさんは、
やっぱり優しいと思うんだけどな。
+優しくして下さい 終+