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アコにプレゼント、と飛び出してきたのはいいが、何を買うか正直迷っている。
・・・・・・・・・・女にプレゼントなんてしたことねェよ。
何をあげたら喜んでくれる?
せっかくなら笑って欲しい。
アクセサリー・・・・・だと申し訳ないとか言って顔引き攣りそうだしな。
化粧品?
んなもん俺にわかる訳ない。
何買えばいいかシンシアに聞いときゃ良かったか。
一瞬そんな考えが過ぎったが、それじゃ駄目だと思い直す。
俺が選んだものでアコが喜んでくれなければ意味がない。
アコに元気がないのは俺が原因かもしれねェんだからな。
散々悩んで目についた動物の形のクッキー。
・・・・・そういやあいつ、
『節約レシピの他にもクッキーとかいっぱい教えてもらいましたー!』
とか言ってたよな前に。
クッキーか。
食い物なら、喜んでくれる気がした。
早速買って帰ればシンシアが待ち構えていて、
「何買ったんですか?」
と聞いてきたので、これ、とクッキーを見せた。
「可愛いー!でもこれ勿体なくて食べれない!」
「・・・・・・はァ!?」
まさかの反応だった。
可愛くて食えない?
・・・・・・・・・・・・・・・嘘だろ?
「飾るにはいいかもしれないですけど。・・・・アコ食べるかしら」
がっくりと肩を落とすが、
アコにやりたいと思ったのはこれだ。
・・・・・・・・・・今更他のなんて考えられねェ。
アコなら食堂に居ましたよ、というシンシアに礼を言って食堂に行くと、確かに居た。
皿洗いの手伝いをしてるアコが。
俺の居ないとこですんなって言ったのに。
しかしこみあげた怒りを一瞬で抑えた。
・・・・・・・・・・大切にするって約束したからな。
ここで怒ればアコが傷つくかもしれねェし。
ぐっと堪えてアコの頭を撫でる。
俺の部屋まで連れて行ってクッキーを渡す。
中身を確認したアコは予想以上に喜んでくれて、心配してた、
『可愛くて食べれない』
なんてこともなく美味そうにクッキーを口にした。
安心した。
そして、アコのこんなとこも好きだな、と思った。
予想外だったのはアコの反応だ。
「これが携帯電話、です」
私に元気がない理由を聞かせろ、と言われて私の部屋にエースさんを連れて来た。
「直らねェのか?」
「たぶん」
「叩き落すか」
「やめてください」
「ぶん投げれば直るんじゃねェ?」
「粉砕します」
「こういうの詳しい奴に聞いてみてやるよ」
何処まで本気で何処まで冗談なんだか。
「有難う御座います。・・・・・でもたぶんもう駄目だと思います」
「何で」
「・・・・・・・・・この世界にあるものじゃない、ですし」
「やってみなきゃわかんないだろ?」
諦めるな、と言ってくれるエースさんには本当に申し訳ないんだけど。
「でも、もしまたついたとしてもいつかまた消えます。・・・・だから」
「だから諦めるのか?」
「寂しいですし、辛いです。でもまた帰れたら、つきますから」
家に帰れば充電器がある。
そしたらまた使うことだって。
けれど私のこの言葉にエースさんは酷く傷ついた顔をした。
「・・・・・・・・・・・帰さねェって言ったらどうする?」
「・・・・・・エースさんは、私を絶対家に帰してくれると約束して下さいました」
「好きな女を帰したくない。そう思うのは普通だろ?」
まっすぐに、そして何処か挑戦的に私を見つめ返してくるエースさんの視線。
「でも私はエースさんを信じてます。帰る方法が見つかったなら、きっとエースさんは全力でサポートして下さると」
「俺は海賊だぜ?」
「・・・・・エースさんとは会ってそんなにたってないですけど、わかりますよ」
「・・・・・・・・・・何で」
「だって側に居てくれてるじゃないですか。今も。この目で見て、感じてます」
だから大丈夫、と笑えば、エースさんは諦めたようにため息を吐いた。
「わかった。俺が悪かった。・・・・約束は守る」
「いえ、私も・・・・・エースさんの気持ちも考えずに軽率なことを言いました。すみませんでした」
好きだと言ってくれてるエースさんを前に帰りたいなんて言うべきじゃなかったのに。
「アコが謝ることはねェよ。自分の居るべき世界に帰りたいと思うのは当たり前のことだ」
「・・・・・・・やっぱりエースさん優しいです」
「少しは惚れたか?」
「はい」
「・・・・・・・・・え、マジで?」
きょとん、としたエースさんに、思わずはい、と頷いたことに気づきはっと我に返った。
「や!あの今のは恋とかそういうんじゃなくてですね!1人の人としてますます好きだなって思ったっていうか!」
慌てて弁明したけど、たぶん顔は赤い。
だって今こんなにも熱い。
「それでも十分な告白になってるけどな」
「そそそそそんなつもりはっ!!」
・・・・・・・・・・・・1人の男性としては本当に好きだなと思う。
「ま、急かすつもりはねえよ。俺は気長い方じゃねェけどな」
「・・・・・・・・・・・・・はい」
「でもアコがクッキー食ってくれて安心した」
そういえばさっき食べた時もほっとした顔してた。
あれ、でも何で?
「私食べ物の好き嫌いないですよ?」
それは最初にも言ったし、エースさんも知ってるはずなんだけどな。
エースさんは少し言いずらそうに鼻をぽりぽりとかきながら、
「・・・・・・・・・可愛すぎて食えねェって言われると思った」
そう小声で答えてくれて。
ああ、なるほどと納得。
「確かに可愛くて食べるの勿体無いなって思ったんですけど。でも食べない方が勿体無いですから」
「だよな!?」
「はい。作ってくれた人の為にも美味しく頂いた方がいいかなって」
「・・・・・・・・・・・・・・・やっぱ好きだアコ」
ふ、と。
瞬間優しく微笑んだエースさんがカッコ良くて。
こんな素敵な人に好きだと言ってもらえる私は幸せなんだなあと嬉しくなった。
「有難う、御座います・・・・・っ」
「・・・・・・・・・あと俺の居ない時にサッチと2人きりになるなよ?今日は他の奴らいたからまだ良かったけどよ」
「あ、いつものエースさんだ」
「いつもの?」
「・・・・・さっき怒られるかなって思ってたんです。でも怒られなかったから」
何かいつものエースさんと違うな、って思ってた。
「約束、しただろ?大切にするって」
エースさんの言葉にほわっと胸が温かくなった。
でも同時に思うことがある。
「でも私、エースさんにはエースさんらしくいて欲しいです」
「・・・・・・・・じゃあアコもそうしろよ」
「え?私ですか?」
「大事な物が壊れたら辛くて当然だろ?・・・・無理して笑おうとすんな」
「あ、え、と」
「もっと俺を頼れ。どんな手を使っても励ましてやるから」
ぽんぽん、と優しく頭の上に乗せられた手。
優しい声。
何処までも優しいエースさんに、
携帯のことを忘れて私は笑った。
+私は笑う 終+
・・・・・・・・・・女にプレゼントなんてしたことねェよ。
何をあげたら喜んでくれる?
せっかくなら笑って欲しい。
アクセサリー・・・・・だと申し訳ないとか言って顔引き攣りそうだしな。
化粧品?
んなもん俺にわかる訳ない。
何買えばいいかシンシアに聞いときゃ良かったか。
一瞬そんな考えが過ぎったが、それじゃ駄目だと思い直す。
俺が選んだものでアコが喜んでくれなければ意味がない。
アコに元気がないのは俺が原因かもしれねェんだからな。
散々悩んで目についた動物の形のクッキー。
・・・・・そういやあいつ、
『節約レシピの他にもクッキーとかいっぱい教えてもらいましたー!』
とか言ってたよな前に。
クッキーか。
食い物なら、喜んでくれる気がした。
早速買って帰ればシンシアが待ち構えていて、
「何買ったんですか?」
と聞いてきたので、これ、とクッキーを見せた。
「可愛いー!でもこれ勿体なくて食べれない!」
「・・・・・・はァ!?」
まさかの反応だった。
可愛くて食えない?
・・・・・・・・・・・・・・・嘘だろ?
「飾るにはいいかもしれないですけど。・・・・アコ食べるかしら」
がっくりと肩を落とすが、
アコにやりたいと思ったのはこれだ。
・・・・・・・・・・今更他のなんて考えられねェ。
アコなら食堂に居ましたよ、というシンシアに礼を言って食堂に行くと、確かに居た。
皿洗いの手伝いをしてるアコが。
俺の居ないとこですんなって言ったのに。
しかしこみあげた怒りを一瞬で抑えた。
・・・・・・・・・・大切にするって約束したからな。
ここで怒ればアコが傷つくかもしれねェし。
ぐっと堪えてアコの頭を撫でる。
俺の部屋まで連れて行ってクッキーを渡す。
中身を確認したアコは予想以上に喜んでくれて、心配してた、
『可愛くて食べれない』
なんてこともなく美味そうにクッキーを口にした。
安心した。
そして、アコのこんなとこも好きだな、と思った。
予想外だったのはアコの反応だ。
「これが携帯電話、です」
私に元気がない理由を聞かせろ、と言われて私の部屋にエースさんを連れて来た。
「直らねェのか?」
「たぶん」
「叩き落すか」
「やめてください」
「ぶん投げれば直るんじゃねェ?」
「粉砕します」
「こういうの詳しい奴に聞いてみてやるよ」
何処まで本気で何処まで冗談なんだか。
「有難う御座います。・・・・・でもたぶんもう駄目だと思います」
「何で」
「・・・・・・・・・この世界にあるものじゃない、ですし」
「やってみなきゃわかんないだろ?」
諦めるな、と言ってくれるエースさんには本当に申し訳ないんだけど。
「でも、もしまたついたとしてもいつかまた消えます。・・・・だから」
「だから諦めるのか?」
「寂しいですし、辛いです。でもまた帰れたら、つきますから」
家に帰れば充電器がある。
そしたらまた使うことだって。
けれど私のこの言葉にエースさんは酷く傷ついた顔をした。
「・・・・・・・・・・・帰さねェって言ったらどうする?」
「・・・・・・エースさんは、私を絶対家に帰してくれると約束して下さいました」
「好きな女を帰したくない。そう思うのは普通だろ?」
まっすぐに、そして何処か挑戦的に私を見つめ返してくるエースさんの視線。
「でも私はエースさんを信じてます。帰る方法が見つかったなら、きっとエースさんは全力でサポートして下さると」
「俺は海賊だぜ?」
「・・・・・エースさんとは会ってそんなにたってないですけど、わかりますよ」
「・・・・・・・・・・何で」
「だって側に居てくれてるじゃないですか。今も。この目で見て、感じてます」
だから大丈夫、と笑えば、エースさんは諦めたようにため息を吐いた。
「わかった。俺が悪かった。・・・・約束は守る」
「いえ、私も・・・・・エースさんの気持ちも考えずに軽率なことを言いました。すみませんでした」
好きだと言ってくれてるエースさんを前に帰りたいなんて言うべきじゃなかったのに。
「アコが謝ることはねェよ。自分の居るべき世界に帰りたいと思うのは当たり前のことだ」
「・・・・・・・やっぱりエースさん優しいです」
「少しは惚れたか?」
「はい」
「・・・・・・・・・え、マジで?」
きょとん、としたエースさんに、思わずはい、と頷いたことに気づきはっと我に返った。
「や!あの今のは恋とかそういうんじゃなくてですね!1人の人としてますます好きだなって思ったっていうか!」
慌てて弁明したけど、たぶん顔は赤い。
だって今こんなにも熱い。
「それでも十分な告白になってるけどな」
「そそそそそんなつもりはっ!!」
・・・・・・・・・・・・1人の男性としては本当に好きだなと思う。
「ま、急かすつもりはねえよ。俺は気長い方じゃねェけどな」
「・・・・・・・・・・・・・はい」
「でもアコがクッキー食ってくれて安心した」
そういえばさっき食べた時もほっとした顔してた。
あれ、でも何で?
「私食べ物の好き嫌いないですよ?」
それは最初にも言ったし、エースさんも知ってるはずなんだけどな。
エースさんは少し言いずらそうに鼻をぽりぽりとかきながら、
「・・・・・・・・・可愛すぎて食えねェって言われると思った」
そう小声で答えてくれて。
ああ、なるほどと納得。
「確かに可愛くて食べるの勿体無いなって思ったんですけど。でも食べない方が勿体無いですから」
「だよな!?」
「はい。作ってくれた人の為にも美味しく頂いた方がいいかなって」
「・・・・・・・・・・・・・・・やっぱ好きだアコ」
ふ、と。
瞬間優しく微笑んだエースさんがカッコ良くて。
こんな素敵な人に好きだと言ってもらえる私は幸せなんだなあと嬉しくなった。
「有難う、御座います・・・・・っ」
「・・・・・・・・・あと俺の居ない時にサッチと2人きりになるなよ?今日は他の奴らいたからまだ良かったけどよ」
「あ、いつものエースさんだ」
「いつもの?」
「・・・・・さっき怒られるかなって思ってたんです。でも怒られなかったから」
何かいつものエースさんと違うな、って思ってた。
「約束、しただろ?大切にするって」
エースさんの言葉にほわっと胸が温かくなった。
でも同時に思うことがある。
「でも私、エースさんにはエースさんらしくいて欲しいです」
「・・・・・・・・じゃあアコもそうしろよ」
「え?私ですか?」
「大事な物が壊れたら辛くて当然だろ?・・・・無理して笑おうとすんな」
「あ、え、と」
「もっと俺を頼れ。どんな手を使っても励ましてやるから」
ぽんぽん、と優しく頭の上に乗せられた手。
優しい声。
何処までも優しいエースさんに、
携帯のことを忘れて私は笑った。
+私は笑う 終+