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ボタンを押しても反応しない虚しさ。
「・・・・・・・・・・駄目か」
携帯電話の電源がついに切れました。
何回押してもうんともすんとも言わなくなった。
真っ暗な画面。
さすがに充電器なんて持ち歩いてなかったし、こっちには携帯電話がない。
電伝虫、というものを使って電話するらしいのは聞いたけど。
それは携帯とは全然形が違うものだった。
もう、見れない。
大好きな友達と撮った写真も、
大切な親とのメールも。
全部。
朝アコと会って、様子がおかしいことにはすぐ気づいた。
・・・・・・とはいえ、
元気ねェな、何かあったのか?と聞いてもアコは笑って大丈夫、と言うだろう。
こんな時どうやって元気付けりゃいいんだ?
少し悩んで、シンシアに相談しに行くことにした。
島に着く前、
色々と教えてくれたしな。
『もっとアコを大切にして下さい。エース隊長はご自分の気持ちを押し付け過ぎです』
『そんなことねェだろ』
『いいえ。ちゃんと聞いてください。アコにとってここはまだよく知らない世界。しかも海賊船ですからね?』
『まあ、そうだな』
『それだけでも不安で仕方ない気持ちご理解下さい』
そしてシンシアは、アコを大切にするという約束の上で、あの場所を教えてくれた。
お前らそんなに仲良かったか?と疑問を問いかけると、
『そりゃあいい子ですもの。・・・それに、船長が・・・・大切にしろとおっしゃったから』
『オヤジが?』
『そうでなくてもあの子の話をする時嬉しそうなんだもの』
オヤジもアコを気に入っている。
あの口ぶりからするにシンシアも気に掛けてるみたいだし、相談相手にはもってこいだ。
途中出会ったナースにシンシアの居場所を聞くと今は食堂だという。
「シンシア居るか?」
「はーい。あら、エース隊長」
「アコのことで相談があるんだけどよ、今いいか?」
シンシアは紅茶を飲みながらカルテを見ていた。
・・・・・オヤジの体調も気になるが。
「アコのこと?まさか無理やり襲ったとかじゃないですよね?」
「違ェよ!・・・・・何か今日元気ないっつーか」
「今日はまだアコには会ってないですけど・・・エース隊長お心当たりは?」
「心当たり・・・・・・」
あるような、ないような。
・・・・・・・・・・いや、もしかしてあれか?
「その顔はあるようですね」
「いや、あるっつーか。・・・・・この間、教えてもらった場所行ったんだよ」
「そこでアコに何かしたんですか?」
「・・・・・・・・・・・・キス」
「したんですか!?」
「したって言っても唇じゃねェぞ!?」
非難するようなシンシアに思わず反論するが、
「でもアコの了承得てないんですよね?」
「・・・・・・・・・・・・してない」
これは・・・・・もしかしたらもしかするのか。
俺が原因か?
「いや、でもな?あの後アコが顔真っ赤にして可愛かった・・・・じゃなくて、帰りも別に普通だったし」
「そういう風に見せてただけでは?」
「・・・・・・・・・・・・・俺ぁどうすればいい」
今思えばそうだったのかもしれないと思えてきた。
「プレゼント買って謝罪するべきですね。万が一エース隊長が原因でなくても贈り物なら喜ぶんじゃないでしょうか」
「・・・・・わかった。サンキューシンシア!」
幸い出航は明日だ。
今日のうちにアコに何か買ってくればいい。
今日、朝会ったっきりエースさんを見かけない。
でもだからと言ってお皿洗いをしないというのも申し訳ないのでサッチさんに話をしてお手伝い。
その方が気も紛れるし。
「俺は助かるんだけどいいの、アコちゃん?」
「え?何がですか?」
「エース居ないのに俺と2人になって」
「別に2人きりじゃないですし、お仕事はちゃんとしますよ?」
そう、とーっても広いモビーの厨房。
お皿洗いも勿論サッチさんと2人きりという訳ではなく、他にも人がいる訳で。
「いいのかなーそんなこと言っちゃって。エースが居ねえからアコちゃんに何かしちゃうかもよ?」
ニヤニヤと笑いかけてくるサッチさんだけど、私は何となく大丈夫だと確信している。
「えー大丈夫ですよ。サッチさん好きな人居るでしょう?」
「・・・・・・・・・え?」
「本当に好きな人がいるのに私に手出したりしませんって」
「いやいやいや、ちょっと待ってアコちゃん」
「え、あれ?サッチさんてシンシアさんのこと好きなんだと思ってたんですけど違ってました?」
この間の2人の雰囲気からそう思ってた。
サッチさんはこれ以上ないほど目を真ん丸くさせた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いつから気づいてた?」
酷く驚いた様子のサッチさんに、
「この間、ケーキ頂いた時の雰囲気で、何となく。あ、やっぱそうだったんですね?」
私の考えが当たっていたことを理解した。
サッチさんのシンシアさんに対する視線とか、話し方とか。
そんなものが何か違うな、と感じたのは間違いじゃなかった。
「うっわああああ!アコちゃんすっげェな!やっべ恥ずかしい!」
「いいじゃないですかシンシアさん美人さんだし、優しいし」
「そーいうアコちゃんはどうなのよ、エースと」
予想が当たって調子に乗っていた私に落とされた爆弾。
うう、さすがサッチさん。
「ど・・・・どうって言われましても」
「へーえ?」
とそこへ、
「アコ!」
とエースさんの声。
一応勝手にお手伝いしてること謝らなきゃ。
「あ、エースさん・・・・あの、勝手なことしてごめんなさ、」
「サッチの手伝いしてんのか。偉いな」
「・・・・・・・・・・・え、」
これまでのことから怒られると判断した私の謝罪を遮って、エースさんは私の頭を優しく撫でる。
え、え、ちょっと待って。
「でももういいだろ?アコに話があるんだ」
「・・・・・・・・お疲れ、アコちゃん」
それはサッチさんからの行っておいで、ということで。
「あ、はい」
「俺の部屋でいいか?」
「・・・・・・は、い」
何処か私に気を遣っているような、エースさんの話し方。
あれ、私何かした?
そのままエースさんの部屋まで行くと、
「アコ、これ。・・・・・・もらってくれるか?」
いきなり目の前に差し出された紙袋。
「・・・・・・・・・クッキー?」
開けてみるとそこにあったのは可愛いネコの形をしたクッキー。
「嫌い、だったか?」
「すっ好きです!可愛い!頂いてもいいですか?」
「お、おう」
早速袋から出して頂くことにする。
「美味しいー!さっくさくで甘くて美味しいです!」
「美味いか?・・・・・・良かった」
「有難う御座います。でもこれ、どうしたんですか?」
嬉しいし美味しいんだけど、何かエースさんの行動にしては変なような。
エースさんは少し挙動不審。
「これで許してくれとは言わねェ、言わねェけど」
「え、許す、って」
「でもこれでアコが笑ってくれんなら、良かった」
「・・・・・・・・・・ちょっと待ってください話が通じません」
ほっと安堵しているようなエースさんに困惑する。
「アコが・・・・今日元気なかったから、俺のせいかと思ったんだけど違うのか?」
「えええ!?違いますよ!?」
何か、
私の知らない間に、
変なことになってるんですけど!
+違和感ありまくり 終+
「・・・・・・・・・・駄目か」
携帯電話の電源がついに切れました。
何回押してもうんともすんとも言わなくなった。
真っ暗な画面。
さすがに充電器なんて持ち歩いてなかったし、こっちには携帯電話がない。
電伝虫、というものを使って電話するらしいのは聞いたけど。
それは携帯とは全然形が違うものだった。
もう、見れない。
大好きな友達と撮った写真も、
大切な親とのメールも。
全部。
朝アコと会って、様子がおかしいことにはすぐ気づいた。
・・・・・・とはいえ、
元気ねェな、何かあったのか?と聞いてもアコは笑って大丈夫、と言うだろう。
こんな時どうやって元気付けりゃいいんだ?
少し悩んで、シンシアに相談しに行くことにした。
島に着く前、
色々と教えてくれたしな。
『もっとアコを大切にして下さい。エース隊長はご自分の気持ちを押し付け過ぎです』
『そんなことねェだろ』
『いいえ。ちゃんと聞いてください。アコにとってここはまだよく知らない世界。しかも海賊船ですからね?』
『まあ、そうだな』
『それだけでも不安で仕方ない気持ちご理解下さい』
そしてシンシアは、アコを大切にするという約束の上で、あの場所を教えてくれた。
お前らそんなに仲良かったか?と疑問を問いかけると、
『そりゃあいい子ですもの。・・・それに、船長が・・・・大切にしろとおっしゃったから』
『オヤジが?』
『そうでなくてもあの子の話をする時嬉しそうなんだもの』
オヤジもアコを気に入っている。
あの口ぶりからするにシンシアも気に掛けてるみたいだし、相談相手にはもってこいだ。
途中出会ったナースにシンシアの居場所を聞くと今は食堂だという。
「シンシア居るか?」
「はーい。あら、エース隊長」
「アコのことで相談があるんだけどよ、今いいか?」
シンシアは紅茶を飲みながらカルテを見ていた。
・・・・・オヤジの体調も気になるが。
「アコのこと?まさか無理やり襲ったとかじゃないですよね?」
「違ェよ!・・・・・何か今日元気ないっつーか」
「今日はまだアコには会ってないですけど・・・エース隊長お心当たりは?」
「心当たり・・・・・・」
あるような、ないような。
・・・・・・・・・・いや、もしかしてあれか?
「その顔はあるようですね」
「いや、あるっつーか。・・・・・この間、教えてもらった場所行ったんだよ」
「そこでアコに何かしたんですか?」
「・・・・・・・・・・・・キス」
「したんですか!?」
「したって言っても唇じゃねェぞ!?」
非難するようなシンシアに思わず反論するが、
「でもアコの了承得てないんですよね?」
「・・・・・・・・・・・・してない」
これは・・・・・もしかしたらもしかするのか。
俺が原因か?
「いや、でもな?あの後アコが顔真っ赤にして可愛かった・・・・じゃなくて、帰りも別に普通だったし」
「そういう風に見せてただけでは?」
「・・・・・・・・・・・・・俺ぁどうすればいい」
今思えばそうだったのかもしれないと思えてきた。
「プレゼント買って謝罪するべきですね。万が一エース隊長が原因でなくても贈り物なら喜ぶんじゃないでしょうか」
「・・・・・わかった。サンキューシンシア!」
幸い出航は明日だ。
今日のうちにアコに何か買ってくればいい。
今日、朝会ったっきりエースさんを見かけない。
でもだからと言ってお皿洗いをしないというのも申し訳ないのでサッチさんに話をしてお手伝い。
その方が気も紛れるし。
「俺は助かるんだけどいいの、アコちゃん?」
「え?何がですか?」
「エース居ないのに俺と2人になって」
「別に2人きりじゃないですし、お仕事はちゃんとしますよ?」
そう、とーっても広いモビーの厨房。
お皿洗いも勿論サッチさんと2人きりという訳ではなく、他にも人がいる訳で。
「いいのかなーそんなこと言っちゃって。エースが居ねえからアコちゃんに何かしちゃうかもよ?」
ニヤニヤと笑いかけてくるサッチさんだけど、私は何となく大丈夫だと確信している。
「えー大丈夫ですよ。サッチさん好きな人居るでしょう?」
「・・・・・・・・・え?」
「本当に好きな人がいるのに私に手出したりしませんって」
「いやいやいや、ちょっと待ってアコちゃん」
「え、あれ?サッチさんてシンシアさんのこと好きなんだと思ってたんですけど違ってました?」
この間の2人の雰囲気からそう思ってた。
サッチさんはこれ以上ないほど目を真ん丸くさせた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いつから気づいてた?」
酷く驚いた様子のサッチさんに、
「この間、ケーキ頂いた時の雰囲気で、何となく。あ、やっぱそうだったんですね?」
私の考えが当たっていたことを理解した。
サッチさんのシンシアさんに対する視線とか、話し方とか。
そんなものが何か違うな、と感じたのは間違いじゃなかった。
「うっわああああ!アコちゃんすっげェな!やっべ恥ずかしい!」
「いいじゃないですかシンシアさん美人さんだし、優しいし」
「そーいうアコちゃんはどうなのよ、エースと」
予想が当たって調子に乗っていた私に落とされた爆弾。
うう、さすがサッチさん。
「ど・・・・どうって言われましても」
「へーえ?」
とそこへ、
「アコ!」
とエースさんの声。
一応勝手にお手伝いしてること謝らなきゃ。
「あ、エースさん・・・・あの、勝手なことしてごめんなさ、」
「サッチの手伝いしてんのか。偉いな」
「・・・・・・・・・・・え、」
これまでのことから怒られると判断した私の謝罪を遮って、エースさんは私の頭を優しく撫でる。
え、え、ちょっと待って。
「でももういいだろ?アコに話があるんだ」
「・・・・・・・・お疲れ、アコちゃん」
それはサッチさんからの行っておいで、ということで。
「あ、はい」
「俺の部屋でいいか?」
「・・・・・・は、い」
何処か私に気を遣っているような、エースさんの話し方。
あれ、私何かした?
そのままエースさんの部屋まで行くと、
「アコ、これ。・・・・・・もらってくれるか?」
いきなり目の前に差し出された紙袋。
「・・・・・・・・・クッキー?」
開けてみるとそこにあったのは可愛いネコの形をしたクッキー。
「嫌い、だったか?」
「すっ好きです!可愛い!頂いてもいいですか?」
「お、おう」
早速袋から出して頂くことにする。
「美味しいー!さっくさくで甘くて美味しいです!」
「美味いか?・・・・・・良かった」
「有難う御座います。でもこれ、どうしたんですか?」
嬉しいし美味しいんだけど、何かエースさんの行動にしては変なような。
エースさんは少し挙動不審。
「これで許してくれとは言わねェ、言わねェけど」
「え、許す、って」
「でもこれでアコが笑ってくれんなら、良かった」
「・・・・・・・・・・ちょっと待ってください話が通じません」
ほっと安堵しているようなエースさんに困惑する。
「アコが・・・・今日元気なかったから、俺のせいかと思ったんだけど違うのか?」
「えええ!?違いますよ!?」
何か、
私の知らない間に、
変なことになってるんですけど!
+違和感ありまくり 終+