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アコが泣いてた。
それだけで何故か俺は理解した。
ああ、俺はアコが好きなんだ、と。
アコを抱きしめながらそう感じて、妙にスッキリした気分だ。
更にそのまま好きだと伝えれば、今まで感じていたもやもやは完全に消えた。
オヤジが言ってたのはこういうとこだったのか。
俺自身気づいてなかったのに、
やっぱオヤジはすげェんだなと思った。
「誕生日は1月1日。20歳で、好きなものはお肉、ですね」
「そうだ」
「やっぱりエースさん私より年上だったんですねー」
「アコ幾つだ?」
「私19です」
「じゃあ1個下だな。他に聞きたいことは?」
船は島を出た。
穏やかな波に揺られたモビーディック号。
お互いしっかり朝食を食べた後、
私の部屋でエースさんと雑談タイム。
・・・・・・エースさんのことが知りたいです、と私から誘ったんだけど。
妙にドキドキする。
えーと、他に知りたいこと?
ほんとは、何で私を好きになってくれたんですか?と聞きたいとこだけど。
「・・・・・・・何で服着ないんですか?」
「アコを襲う為」
「!?」
まさかの発言に心臓飛び出るかと思った。
何言うのこの人!
「冗談に決まってんだろ?」
「で・・・・・・ですよね・・・・あはは」
さっきからずっと落ち着かない心臓に胸を押さえながら苦笑い。
「背中に誇りがあるからだ」
「・・・・・・・・・背中、って。この刺青のことですか?」
「ああ。オヤジのマークなんだぜこれ。すげェだろ?」
自慢げにそう言って背中を見せるエースさんは本当に嬉しそうで、私もつられて笑った。
「エースさんは本当に船長さんがお好きなんですね」
「俺はオヤジを海賊王にしてやりてェんだ」
「海賊王・・・・・・すごいですね」
「すげェんだ、オヤジは」
・・・・・・・・いや、私はそんなこと言えるエースさんがすごいですねっていうつもりで言ったんだけど。
でもいっか。
「じゃあ今度はアコのこと教えろよ」
「私ですか?えーと年齢はさっき言いましたよね。19歳です。食べ物はほとんど好き嫌いないです」
「へェ。偉いな」
「普段は貧乏学生で、レストランでバイトしてました。他に聞きたいことあります?」
「どうしたら好きになってくれる?」
「・・・・・・・・・・ど直球ですね」
「本気だからな。手加減しねェぞ」
そう言って不敵に笑みを浮かべるエースさんはちょっと怖い。
「・・・・・・・・・・・・好きな男性のタイプはいざって時助けてくれる人。寂しい時側に居てくれる人です」
別に嘘じゃないけどこの答えはちょっと面倒くさい女だろうなーなんて自分で思う。
とそこへ、
「エース隊長こんなとこに居たのか。マルコ隊長が探してたぞ」
知らない男の人が入ってきた。
「何で今なんだよ。仕方ねェな。行ってくるな、アコ」
嫌そうにしながらエースさんは立ち上がって、それから私の頭を優しく2、3回撫でて出て行った。
そしてエースさんを呼びに来た男の人は、そのまま私をじっと見つめた。
「・・・・・・・・・・・・あんた、いい女だよな」
「え。あ、どうも」
舐め回すような視線に多少の悪寒を感じながら軽く会釈した。
「エースの女か?」
「違います、けど」
「・・・・・・・・・・ふーん」
やだ何か怖い。
「なあ」
近づいてくる男の人。
あっという間に私の目の前まで迫ってきていて。
「これから起こることは誰にも言うなよ」
「は!?」
私の両肩に置かれた男の人の手。
「声も出すな。すぐ終わる」
いやいやいやいや嘘でしょ!?
彼氏居ない暦=年齢の私がこんなとこでまさかのピンチ!?
いやでも海賊船において命の危機じゃないだけマシなの!?
「ちょ、待っ、」
「大声出すなって」
「い」
「・・・・・・・・・・・・・・・・い?」
「いやだー!!!」
近づく男の耳元で、出来る限りの大声で思いっきり叫んだ。
「な、」
さすがにこれは効いた模様。
「エースさんっエースさんエースさん!!」
「やっべえエースの奴が帰ってくる前に逃げ・・・・・・・・・・」
途中で言葉を止めた男の人の後ろには、
「・・・・・・・・逃げてみろよ、2番隊隊員」
「え・・・・・エース、隊長」
火を纏ったエースさんの姿。
「お前アコに何したコラ」
「べべべべ別にまだ何も!ですよねえアコさん!?」
「あー・・・・えっと、まだされてないですけどされそうになってました」
だって事実だもん。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・灰になれ」
ぼ、っと燃えた火が綺麗でした。
隊員の男の人は私に土下座して謝ってくれた。
黒こげの姿で。
「灰にならなかっただけマシだと思えよ」
「・・・・・・・・・・・・申し訳ありませんでした!」
「・・・・・・・・いえ。褒めて下さったのは嬉しかったですし」
黒こげになったその姿を見れただけで十分です。
「これからアコに手ェ出そうとした奴はこうなるって皆に言っとけ」
「はいぃ!」
言いながら隊員さんは逃げるように去っていった。
自業自得とはいえご愁傷様です。
「何もされなかっただろうなアコ」
「お・・・・・・おかげ様で」
「よし」
「有難う御座いました。
・・・・・・・・・自分で呼んどいてなんなんですけど、本当に来てくれるとは思いませんでした」
いや、本当に。
「あんだけでっかい声出されたら聞こえるって。よく声出せたな。怖かっただろ?」
「怖かった、んですけど。でもそれ以上にむかついたんです」
「むかついた?」
「だってエースさんも他の方の皆優しいのにあの人だけ私の意見全無視なんですもん。その癖に大声出すなって言うから」
「はははっそれでいやだー!か」
「です」
何で私貴方の言うこと聞かなきゃいけないの、って。
「で、あいつに何言われたんだ?」
「え?」
「さっき言ってただろ?褒めてくれて嬉しかったって」
ああ、黒こげの隊員さんのことか。
「いい女だな、って」
「・・・・・・・・・・・・それが嬉しかったのか?」
「はあ、まあ」
そりゃそう言われれば社交辞令でも嬉しいもんだ。
「そんなの俺の方が知ってるっつーの」
「・・・・・・・・・はい?」
「・・・・何でもねェ」
何でもないと言うエースさんの頬は少し赤い。
や、あの、なんか変な雰囲気!
「ところでよ」
「あ、はい」
「いざって時に助けてくれる奴、だったよな」
「え、あ」
空気が変わったことにほっとしたのも束の間。
「誤魔化すなよ?確かに聞いてるからな俺は」
『好きな男性のタイプはいざって時助けてくれる人。寂しい時側に居てくれる人です』
助けてくれた。
ほんとに来て助けてくれた。
・・・・・・・・・・・・それは認めるし嬉しかった。
「あ・・・・・・・あと寂しい時に側に居てくれる人、ですよ」
「だから側に居るだろ?」
「へ?」
「あんなことがあった後だし心細いと思ってたんだけど違うのか?」
あれ、と不思議そうに首を傾げるエースさんに、
一気に顔が熱くなった。
・・・・・・・・・・・・・・慣れない海賊船で。
あんなことがって怖くて。
やっぱり不安はそう簡単には消えなくて。
「・・・・・・・・・・・・・・もうちょっとだけ、側に居てもらえませんか」
エースさんの顔を見れないままそう呟けば、
「言われなくても」
言いながらそっと握られた手が嬉しかった。
私の船旅は、始まったばかりだ。
+隊長、事件です 終+
それだけで何故か俺は理解した。
ああ、俺はアコが好きなんだ、と。
アコを抱きしめながらそう感じて、妙にスッキリした気分だ。
更にそのまま好きだと伝えれば、今まで感じていたもやもやは完全に消えた。
オヤジが言ってたのはこういうとこだったのか。
俺自身気づいてなかったのに、
やっぱオヤジはすげェんだなと思った。
「誕生日は1月1日。20歳で、好きなものはお肉、ですね」
「そうだ」
「やっぱりエースさん私より年上だったんですねー」
「アコ幾つだ?」
「私19です」
「じゃあ1個下だな。他に聞きたいことは?」
船は島を出た。
穏やかな波に揺られたモビーディック号。
お互いしっかり朝食を食べた後、
私の部屋でエースさんと雑談タイム。
・・・・・・エースさんのことが知りたいです、と私から誘ったんだけど。
妙にドキドキする。
えーと、他に知りたいこと?
ほんとは、何で私を好きになってくれたんですか?と聞きたいとこだけど。
「・・・・・・・何で服着ないんですか?」
「アコを襲う為」
「!?」
まさかの発言に心臓飛び出るかと思った。
何言うのこの人!
「冗談に決まってんだろ?」
「で・・・・・・ですよね・・・・あはは」
さっきからずっと落ち着かない心臓に胸を押さえながら苦笑い。
「背中に誇りがあるからだ」
「・・・・・・・・・背中、って。この刺青のことですか?」
「ああ。オヤジのマークなんだぜこれ。すげェだろ?」
自慢げにそう言って背中を見せるエースさんは本当に嬉しそうで、私もつられて笑った。
「エースさんは本当に船長さんがお好きなんですね」
「俺はオヤジを海賊王にしてやりてェんだ」
「海賊王・・・・・・すごいですね」
「すげェんだ、オヤジは」
・・・・・・・・いや、私はそんなこと言えるエースさんがすごいですねっていうつもりで言ったんだけど。
でもいっか。
「じゃあ今度はアコのこと教えろよ」
「私ですか?えーと年齢はさっき言いましたよね。19歳です。食べ物はほとんど好き嫌いないです」
「へェ。偉いな」
「普段は貧乏学生で、レストランでバイトしてました。他に聞きたいことあります?」
「どうしたら好きになってくれる?」
「・・・・・・・・・・ど直球ですね」
「本気だからな。手加減しねェぞ」
そう言って不敵に笑みを浮かべるエースさんはちょっと怖い。
「・・・・・・・・・・・・好きな男性のタイプはいざって時助けてくれる人。寂しい時側に居てくれる人です」
別に嘘じゃないけどこの答えはちょっと面倒くさい女だろうなーなんて自分で思う。
とそこへ、
「エース隊長こんなとこに居たのか。マルコ隊長が探してたぞ」
知らない男の人が入ってきた。
「何で今なんだよ。仕方ねェな。行ってくるな、アコ」
嫌そうにしながらエースさんは立ち上がって、それから私の頭を優しく2、3回撫でて出て行った。
そしてエースさんを呼びに来た男の人は、そのまま私をじっと見つめた。
「・・・・・・・・・・・・あんた、いい女だよな」
「え。あ、どうも」
舐め回すような視線に多少の悪寒を感じながら軽く会釈した。
「エースの女か?」
「違います、けど」
「・・・・・・・・・・ふーん」
やだ何か怖い。
「なあ」
近づいてくる男の人。
あっという間に私の目の前まで迫ってきていて。
「これから起こることは誰にも言うなよ」
「は!?」
私の両肩に置かれた男の人の手。
「声も出すな。すぐ終わる」
いやいやいやいや嘘でしょ!?
彼氏居ない暦=年齢の私がこんなとこでまさかのピンチ!?
いやでも海賊船において命の危機じゃないだけマシなの!?
「ちょ、待っ、」
「大声出すなって」
「い」
「・・・・・・・・・・・・・・・・い?」
「いやだー!!!」
近づく男の耳元で、出来る限りの大声で思いっきり叫んだ。
「な、」
さすがにこれは効いた模様。
「エースさんっエースさんエースさん!!」
「やっべえエースの奴が帰ってくる前に逃げ・・・・・・・・・・」
途中で言葉を止めた男の人の後ろには、
「・・・・・・・・逃げてみろよ、2番隊隊員」
「え・・・・・エース、隊長」
火を纏ったエースさんの姿。
「お前アコに何したコラ」
「べべべべ別にまだ何も!ですよねえアコさん!?」
「あー・・・・えっと、まだされてないですけどされそうになってました」
だって事実だもん。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・灰になれ」
ぼ、っと燃えた火が綺麗でした。
隊員の男の人は私に土下座して謝ってくれた。
黒こげの姿で。
「灰にならなかっただけマシだと思えよ」
「・・・・・・・・・・・・申し訳ありませんでした!」
「・・・・・・・・いえ。褒めて下さったのは嬉しかったですし」
黒こげになったその姿を見れただけで十分です。
「これからアコに手ェ出そうとした奴はこうなるって皆に言っとけ」
「はいぃ!」
言いながら隊員さんは逃げるように去っていった。
自業自得とはいえご愁傷様です。
「何もされなかっただろうなアコ」
「お・・・・・・おかげ様で」
「よし」
「有難う御座いました。
・・・・・・・・・自分で呼んどいてなんなんですけど、本当に来てくれるとは思いませんでした」
いや、本当に。
「あんだけでっかい声出されたら聞こえるって。よく声出せたな。怖かっただろ?」
「怖かった、んですけど。でもそれ以上にむかついたんです」
「むかついた?」
「だってエースさんも他の方の皆優しいのにあの人だけ私の意見全無視なんですもん。その癖に大声出すなって言うから」
「はははっそれでいやだー!か」
「です」
何で私貴方の言うこと聞かなきゃいけないの、って。
「で、あいつに何言われたんだ?」
「え?」
「さっき言ってただろ?褒めてくれて嬉しかったって」
ああ、黒こげの隊員さんのことか。
「いい女だな、って」
「・・・・・・・・・・・・それが嬉しかったのか?」
「はあ、まあ」
そりゃそう言われれば社交辞令でも嬉しいもんだ。
「そんなの俺の方が知ってるっつーの」
「・・・・・・・・・はい?」
「・・・・何でもねェ」
何でもないと言うエースさんの頬は少し赤い。
や、あの、なんか変な雰囲気!
「ところでよ」
「あ、はい」
「いざって時に助けてくれる奴、だったよな」
「え、あ」
空気が変わったことにほっとしたのも束の間。
「誤魔化すなよ?確かに聞いてるからな俺は」
『好きな男性のタイプはいざって時助けてくれる人。寂しい時側に居てくれる人です』
助けてくれた。
ほんとに来て助けてくれた。
・・・・・・・・・・・・それは認めるし嬉しかった。
「あ・・・・・・・あと寂しい時に側に居てくれる人、ですよ」
「だから側に居るだろ?」
「へ?」
「あんなことがあった後だし心細いと思ってたんだけど違うのか?」
あれ、と不思議そうに首を傾げるエースさんに、
一気に顔が熱くなった。
・・・・・・・・・・・・・・慣れない海賊船で。
あんなことがって怖くて。
やっぱり不安はそう簡単には消えなくて。
「・・・・・・・・・・・・・・もうちょっとだけ、側に居てもらえませんか」
エースさんの顔を見れないままそう呟けば、
「言われなくても」
言いながらそっと握られた手が嬉しかった。
私の船旅は、始まったばかりだ。
+隊長、事件です 終+