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2日前だ。
美味い店を見つけて、2日前に行ったその店に行ったところ、
「お前この前の食い逃げだな!?」
バレた。
まだ食ってねェのに。
とはいえバレたからには逃げる。
が、腹が減って力が出ねェ。
逃げるのも面倒になってきた。
途中女にぶつかりそうになって、
「おいアンタ!かくまってくれ!」
「はい!?」
咄嗟に後ろに隠れた。
「追え!!何処行きやがった!」
「ちくしょう絶対許さねえ!」
そんな声を聞きながら様子を窺う。
「行ったか?」
「・・・・・・・・もう大丈夫みたいですよ」
「いやー助かった。悪かったなァ急に」
「・・・・・・・・・いえ、別に」
そこで俺の腹が限界を訴える。
・・・・・・・・やべェ、腹減った。
「・・・・・・・・・・・お腹すいてるんですか?」
困惑気味に問いかける女に事情を説明すると、
「・・・・・・・・・・食べますか?」
と女が持っていた弁当を俺に見せた。
「いいのか!?」
食えるモンなら是非食いてェ。
「どうぞ」
正直こんな量じゃ足りないが何も食わないよりマシだ。
実際少し満たされたおかげで力も戻った。
「ご馳走様でした」
「早っ」
「俺はエース。よろしく」
女はアコ、と名乗った。
「飯の礼に家まで送ってやるよ。この辺あんま治安良くねェしな」
かくまってもらった上に飯まで食わせてもらったんだ、
それくらいはしてやろうと思った。
が、
「・・・・・・・・・・・・・あれ」
「ん?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ここ何処ですか?」
「何だ、迷子か?」
アコは不安そうにきょろきょろとあたりを見回した。
「ここは日本、じゃないです、よね」
「ニホン?」
アコはニホンのトーキョーというところから来たと言い、グランドラインを知らないと言った。
モビーに戻ってサッチとマルコにもニホンという場所を聞いてみたが知らないらしい。
・・・・・これじゃ家まで送ってやれねェ。
そしてマルコと話してるうちにアコの表情が変わっていった。
悲しそうな、泣きそうな。
そしてついに、
「あの、すみませんでした。ご迷惑、おかけしました。私、違うとこ行ってみます」
「違うとこって、何処行くつもりだよアコ」
「エースさんも、有難う御座いました。お弁当のことは気にしないで下さい」
「マルコのことなんて気にすることねえって、アコちゃん」
「サッチさん、とても美味しいご飯ご馳走様でした」
「おい、アコ!」
見ただけでわかる、無理して笑ってることくらい。
なのにアイツ出て行きやがった。
俺はまだ礼をしてねェっていうのに。
「エース、アコちゃん追いかけろって」
「わかってる」
慌てて追いかけようとすればマルコに止められた。
「待てよい、エース。追いかけてどうすんだい。自分から出て行ったんだ、ほっとけよい」
「ここの治安が良くねェのはマルコも知ってんだろ?あいつ1人じゃ危ねェよ」
しかもあんな顔して。
「・・・・・・・エース、お前まさか」
「何だよ」
「何でもねえよい。とにかく厄介ごとに首を突っ込むのはよせ」
「俺が守りゃいいんだろ?つーかマルコだって心配なくせによ」
口では冷たいことを言ってても、顔見りゃわかる。
そんくらいにはわかってるつもりだ。
「とにかく、飯の礼をするだけだ」
それだけ言って、俺はアコを追いかけるために外に飛び出した。
「エース!絶対アコちゃん連れて帰って来いよー!」
サッチの言葉を背中に受けながら、マルコの言葉の意味を考えて、結局わからなくなってやめた。
勘で探し出して見つけたアコは、やっぱり他の海賊に絡まれていて、
「火拳!」
俺の戦い方を見たアコが座り込んだのを、ああ、やっぱりと思った。
こんなの見りゃ誰でも怖いと思うよな。
しかし返って来た答えは、
「えーすごいじゃないですか!めっちゃ便利ですよ!ガス要らず!超節約でき・・・・あ、すみません・・・・」
まるで感動した、と言わんばかりに早口でまくしたて、はっとなって口を噤んだアコが面白かった。
「はははっ!アコお前、人を何だと思ってんだよ・・・・仕方ねェなァ」
渋るアコを無理やり連れて帰った。
サッチが喜んだのは勿論、
マルコもなんだかんだ心配してたらしい。
ここに居てもいいんだと言った時のアコのほっとしたような顔を見て俺も安心した。
そして、俺達のことを怖くないと言ってくれたアコ。
しかも、
「というかですね、あの人達私のことまあまあの女って言ったんですよ。失礼ですよね!」
「は?」
「そりゃ私は可愛い部類には入らないですけど、本人目の前に言うことないですよ」
と来たもんだ。
何処か怒ってるような(実際怒ってんだろうが)顔が、可愛いと思った。
だから、
「それにアコはまあまあじゃねェし。ちゃんと可愛いよな!」
そう言えば顔を赤くさせたアコはやっぱ可愛いと思った。
ニホンとトーキョーの情報を求めてオヤジのとこにも行ってみたけど、オヤジでもわからねェらしい。
そこでオヤジに言われた言葉の意味がわからなかった。
「グラララ・・・・!!弁当の礼とはお前らしいなエース。だがコイツを助けてェのは本当にそれだけか?」
弁当の礼。
・・・・・・・・・・それだけ、じゃねェ?
反省文50枚と言われた俺に手伝う、と言ってくれたアコ。
可愛いと言えば顔を赤くして。
・・・・・・・弁当くれて、かくまってくれて。
・・・・・・・・・・・・ん?
あれ、何だこれ。
何だ、
変な感じだ。
+あれ、何か 終+