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「この辺は全部海で、ここが日本。私の住んでた東京っていうのがこのあたりです」
紙とペンを借りて、簡単な日本の説明。
サッチさんは所用が出来たとかで何処かへ行ってしまった。
「で、コンビニっていうお店でお弁当を買って出たらあそこに居て、エースさんと会ったんです」
「聞いたことあるか?マルコ」
「さあな。日本も東京もコンビニも俺には何だかわからねえよい。それよりエース」
「あ?」
「お前また食い逃げしたのかい。後で反省文50枚だよい」
「げ。嘘だろ、今回は未遂だぜ?」
「顔がバレて出来なかっただけだろうが。期限は明後日だよい」
・・・・・・・・・・・反省文とか書くんだ。
海賊なのに。
反省文50枚、と言われて項垂れてるエースさんに、
「あ、私も手伝いましょうか?」
といえば目を輝かせた。
「マジで!?」
「却下。・・・・お前は人のことより自分のこと心配した方がいいんじゃねえのかい」
「してますよ、これでも」
「いいじゃねェか俺達がついてんだし」
「・・・・・・・・・・・・お前ら似たもの同士だねい」
呆れたようにため息を吐くマルコさんに、
エースさんを見れば目が合った。
そして、
エースさんの思いっきりの笑顔。
・・・・・・・・・カッコイイ、かも。
「なあマルコ。オヤジならわかるんじゃねェ?」
「・・・・・・・・・・オヤジか」
マルコさんは一瞬固まって、苦虫を噛み潰したような顔になった。
「お父様、ですか?あれ、お2人は兄弟?」
「この船の船長のことだよい」
「船長、さん」
「オヤジはすげェんだぜアコ!」
エースさんとマルコさんが、オヤジ、と呼ぶ船長さん。
どんな人なんだろう。
でも何となく、きっといい人なんだろうなと思う。
「よし、早速行ってみようぜ。どのみちアコも紹介しねェとだしな」
「え、あ、でもまだ心の準備が・・・!それにいきなり行っては失礼なのでは!?」
「いいから行って来いよい」
「えええ!?」
「ほら行くぞアコ」
面白そうに私を見送るマルコさんと、何故か嬉しそうなエースさん。
「あの、でも、」
「いいから来いって」
「わっ」
エースさんに手を掴まれて。
・・・・・・・・・・・・・海賊の船長さんに会うの!?
これから!?
どどどど!どうしよう!
ていうか、エースさんに掴まれた手が・・・・熱い。
で、連れて来られたものの。
「何だエース、結婚でもするつもりかァ?グラララ・・・・!!!」
私の目の前のその方は、
とても楽しそうに豪快に笑った。
私の首はさっきから、上だ。
「ちげェよ!オヤジに聞きたいことがあって来たんだ」
「聞きてえことだ?何だ、言ってみろ」
・・・・・・・・・・何で?
何で誰もつっこまないの?
その、大きさに。
私が何人居たらたどり着けるだろう、というほどの大きさの船長さん。
周りにはものすごい美人のナースさん達。
何、この状況。
「ニホンって知ってるか?」
「ニホン?何だそりゃあ」
「アコはニホンのトーキョーってとこから来たんだ」
「アコ?」
じろ、と睨まれた。
「うあ!はい!私、アコと申します!田舎から東京に出てきて早数ヶ月、コンビニを出たらこの世界にたどり着きまして!」
言うなら今しかない!
私は思わず敬礼をしつつ自分でも訳のわからない自己紹介をした。
「お前ェが連れてきたのか、エース」
「おう。弁当くれたんだ。その礼をまだしてねェ。だから何とか帰してやりてえんだ」
「え、いやもうお弁当のお礼ならさっき助けてくれたじゃないですか」
「あんなの礼のうちに入らねェよ。言っただろ?家まで送るって」
「エースさん・・・・・!!」
なんていい人!
「グラララ・・・・!!弁当の礼とはお前らしいなエース。だがコイツを助けてェのは本当にそれだけか?」
「え?」
「それだけ・・・・ってどういうことだよオヤジ」
「てめえの気持ちに気づかねえたァまだまだハナッタレだなエース」
あ。
・・・・・・・・・何か、この船長さん。
『お父さん』の顔してる。
エースさんもお父さんに今日あったことを話す子供みたいで。
何だか可愛い。
船長さんの言葉の意味を考えてしきりに首を捻ってるのも可愛い。
「で、ニホン、だったか」
「あ、はい」
「悪いが俺もそんな名前の国は聞いたことがねえ」
「・・・・・・・・はい」
「だが帰るとこがねェならここにいりゃいい」
上から降ってきた柔らかい声。
「いいん、ですか?」
「やったなアコ!」
「グラララ・・・・!俺の息子が礼をしてえって言ってんだ。させてやってくれ」
目を細めてそう笑う船長さんはやっぱり優しくて。
ああ、皆のオヤジさんなんだなあ、と思った。
「有難う御座います!お世話になります、よろしくお願いしますっ」
「じゃあ他の奴らにもニホンを知らないか聞いてみるか。ついでにアコも紹介して来る」
「はいっ」
「うちのは血の気が多いからな・・・・せいぜい気をつけろよ小娘」
船長さんは悪い顔でそう笑ったけど、優しい人だってもう知ってるから怖くない。
「大丈夫です。船長さんがすごく素敵な人ですから」
自信を持ってそう言える。
すると船長さんはまた大きな声で豪快に笑った。
「な、オヤジはすげェだろ?」
「はい、とっても。でもエースさんも素敵です」
歩きながらそう言えば、エースさんは少しだけ驚いた顔をして。
ちょっとだけ赤くなった顔が可愛くて。
これからここに居られることの幸せに、ただ感謝しつつ、
それでも今はまだ早く帰らなきゃと思った。
+可愛いと思うなんて 終+
紙とペンを借りて、簡単な日本の説明。
サッチさんは所用が出来たとかで何処かへ行ってしまった。
「で、コンビニっていうお店でお弁当を買って出たらあそこに居て、エースさんと会ったんです」
「聞いたことあるか?マルコ」
「さあな。日本も東京もコンビニも俺には何だかわからねえよい。それよりエース」
「あ?」
「お前また食い逃げしたのかい。後で反省文50枚だよい」
「げ。嘘だろ、今回は未遂だぜ?」
「顔がバレて出来なかっただけだろうが。期限は明後日だよい」
・・・・・・・・・・・反省文とか書くんだ。
海賊なのに。
反省文50枚、と言われて項垂れてるエースさんに、
「あ、私も手伝いましょうか?」
といえば目を輝かせた。
「マジで!?」
「却下。・・・・お前は人のことより自分のこと心配した方がいいんじゃねえのかい」
「してますよ、これでも」
「いいじゃねェか俺達がついてんだし」
「・・・・・・・・・・・・お前ら似たもの同士だねい」
呆れたようにため息を吐くマルコさんに、
エースさんを見れば目が合った。
そして、
エースさんの思いっきりの笑顔。
・・・・・・・・・カッコイイ、かも。
「なあマルコ。オヤジならわかるんじゃねェ?」
「・・・・・・・・・・オヤジか」
マルコさんは一瞬固まって、苦虫を噛み潰したような顔になった。
「お父様、ですか?あれ、お2人は兄弟?」
「この船の船長のことだよい」
「船長、さん」
「オヤジはすげェんだぜアコ!」
エースさんとマルコさんが、オヤジ、と呼ぶ船長さん。
どんな人なんだろう。
でも何となく、きっといい人なんだろうなと思う。
「よし、早速行ってみようぜ。どのみちアコも紹介しねェとだしな」
「え、あ、でもまだ心の準備が・・・!それにいきなり行っては失礼なのでは!?」
「いいから行って来いよい」
「えええ!?」
「ほら行くぞアコ」
面白そうに私を見送るマルコさんと、何故か嬉しそうなエースさん。
「あの、でも、」
「いいから来いって」
「わっ」
エースさんに手を掴まれて。
・・・・・・・・・・・・・海賊の船長さんに会うの!?
これから!?
どどどど!どうしよう!
ていうか、エースさんに掴まれた手が・・・・熱い。
で、連れて来られたものの。
「何だエース、結婚でもするつもりかァ?グラララ・・・・!!!」
私の目の前のその方は、
とても楽しそうに豪快に笑った。
私の首はさっきから、上だ。
「ちげェよ!オヤジに聞きたいことがあって来たんだ」
「聞きてえことだ?何だ、言ってみろ」
・・・・・・・・・・何で?
何で誰もつっこまないの?
その、大きさに。
私が何人居たらたどり着けるだろう、というほどの大きさの船長さん。
周りにはものすごい美人のナースさん達。
何、この状況。
「ニホンって知ってるか?」
「ニホン?何だそりゃあ」
「アコはニホンのトーキョーってとこから来たんだ」
「アコ?」
じろ、と睨まれた。
「うあ!はい!私、アコと申します!田舎から東京に出てきて早数ヶ月、コンビニを出たらこの世界にたどり着きまして!」
言うなら今しかない!
私は思わず敬礼をしつつ自分でも訳のわからない自己紹介をした。
「お前ェが連れてきたのか、エース」
「おう。弁当くれたんだ。その礼をまだしてねェ。だから何とか帰してやりてえんだ」
「え、いやもうお弁当のお礼ならさっき助けてくれたじゃないですか」
「あんなの礼のうちに入らねェよ。言っただろ?家まで送るって」
「エースさん・・・・・!!」
なんていい人!
「グラララ・・・・!!弁当の礼とはお前らしいなエース。だがコイツを助けてェのは本当にそれだけか?」
「え?」
「それだけ・・・・ってどういうことだよオヤジ」
「てめえの気持ちに気づかねえたァまだまだハナッタレだなエース」
あ。
・・・・・・・・・何か、この船長さん。
『お父さん』の顔してる。
エースさんもお父さんに今日あったことを話す子供みたいで。
何だか可愛い。
船長さんの言葉の意味を考えてしきりに首を捻ってるのも可愛い。
「で、ニホン、だったか」
「あ、はい」
「悪いが俺もそんな名前の国は聞いたことがねえ」
「・・・・・・・・はい」
「だが帰るとこがねェならここにいりゃいい」
上から降ってきた柔らかい声。
「いいん、ですか?」
「やったなアコ!」
「グラララ・・・・!俺の息子が礼をしてえって言ってんだ。させてやってくれ」
目を細めてそう笑う船長さんはやっぱり優しくて。
ああ、皆のオヤジさんなんだなあ、と思った。
「有難う御座います!お世話になります、よろしくお願いしますっ」
「じゃあ他の奴らにもニホンを知らないか聞いてみるか。ついでにアコも紹介して来る」
「はいっ」
「うちのは血の気が多いからな・・・・せいぜい気をつけろよ小娘」
船長さんは悪い顔でそう笑ったけど、優しい人だってもう知ってるから怖くない。
「大丈夫です。船長さんがすごく素敵な人ですから」
自信を持ってそう言える。
すると船長さんはまた大きな声で豪快に笑った。
「な、オヤジはすげェだろ?」
「はい、とっても。でもエースさんも素敵です」
歩きながらそう言えば、エースさんは少しだけ驚いた顔をして。
ちょっとだけ赤くなった顔が可愛くて。
これからここに居られることの幸せに、ただ感謝しつつ、
それでも今はまだ早く帰らなきゃと思った。
+可愛いと思うなんて 終+