何度でも、君と
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「え、ロビンちゃんが行ってくれたの?」
私が1日秘書をしていた昨日、
ロビンちゃんが休日出勤してくれたらしい。
「ええ。ちゃんと躾けておいたから大丈夫よ」
「・・・・・・・・・・怖いよーって泣かれなかった?」
「失礼ね。・・・・ああ、でも1人泣いた子がいたわ」
「え、誰泣かしたの」
「アコのお気に入りの子」
まさか本当に泣かしたとは思ってなかったけど、ロビンちゃんの表情から察するに嘘や冗談ではなさそう。
お気に入りの子、って。
皆好きだけど・・・・・もしかして、
「え、もしかしてルフィ君?」
「ええ」
「何したの?」
「あら、私が泣かした訳じゃないわ。アコが行かなかったからでしょう」
「私が行かなかったから?」
いつも元気で明るくて、素直なルフィ君の泣き顔なんて見たことない。
「自分が成績下がったからアコ先生が怒ってるのか、って」
「・・・・・・・・・・・・今すごい胸きゅんした」
「教え子に手を出すつもり?」
「ちょっとロビンちゃん人聞きの悪いこと言わないでよ」
「ふふ、ごめんなさいね。そうよね・・・アコはずっと好きな人が居るんだものね」
「・・・・・・・・・・・・・・ごほ」
「こんにちはー」
ルフィ君の家に入ると、エース君が苦笑しながら部屋まで案内してくれた。
いつもならルフィ君も元気良く玄関まで迎えに来てくれるのに。
「・・・・・・・・・もしかしてルフィ君怒ってます?」
「怒ってる・・・っつーか凹んでるみてェ」
理由はルフィ本人から聞いてやってくれ、とエース君に言われた。
「ルフィ君?」
机に突っ伏して顔をあげてくれない。
「・・・・・・・・・怒ってるんだろ、センセイ」
ルフィ君らしくない弱弱しい声音に思わず苦笑する。
「怒ってないよ」
出来るだけ優しく心がけてそう言えば、ルフィ君はがばっと顔をあげた。
「ほんとか!?」
「ほんと。ルフィ君は一生懸命やってくれてたもんね。悪いのは先生の方よ」
「違ェんだ!」
「・・・・・・・違う?」
「俺、テスト受けなかったんだ」
「・・・・・・・・・・・・・え?」
そしてルフィ君の口から語られた事実。
「ナミをいじめてる奴が居て、そいつぶっ飛ばしてた」
「そっか。お友達を助ける為にテスト受けられなかったんだ?」
「そうだ」
「それならなおのこと怒らないよ。勉強より大切なことだもん」
そういうルフィ君好きだよ、と言えばルフィ君は目を輝かせて、今日初めて笑ってくれた。
「ししし!」
「ルフィ君はいつも真っ直ぐだよね。怖いとか思ったことはないの?」
「ワクワクするっ!」
自分の気持ちにいつだって真っ直ぐなルフィ君。
その言葉は、私の胸に真っ直ぐ突き刺さった。
仕事を終えて家に帰ると、郵便受けに届いていた封筒。
差出人は『株式会社レッドフォース』
中身は紅茶。
『例の紅茶ももう少ししたら出来そうなんだ。発売したらアコに送る』
先輩がそう言っていたことを思い出す。
そして約束も。
同時に頭に浮かぶ、ルフィ君。
・・・・・・・・・・・・うん、決めた。
私は台所に向かった。
そして、
「来ちゃった」
シャンクス先輩の、家。
というかマンション。
マンションの名前はわかってたから、タクシーで。
警備員さんに怪しまれないように入り口からちょっとずれたとこで先輩が帰ってくるのを待った。
今は夜の9時。
先輩がまだ帰ってないことも確認した。
何時間待つか分からないので、
暇つぶしのウォークマンOK。
携帯も充電ばっちり。
メールや電話してもいいんだけど、
仕事の邪魔をしちゃいけないし。
手に持ったクッキー。
そして、
心に決めた覚悟。
・・・・・・・・・・・・いざ。
+まっすぐに 終+